2017年1月18日 (水)

「金魚之常識」 阿部舜吾 慶友社 昭和30年 その7

色屑閑話 P.187~
 らんちゅうの禮讃
  ランチュウは卵蟲と書き、金鼈とも書かれたことが・・・

 アマチュア向きの金魚らんちゅう
  ・・・當代石川龜吉氏も昭和六年にアマチュア入りを決意し・・・
  ・・・私は祖父以來の營業を續けて居りましたが、茲に於て私も
  從來の經驗を傾倒して理想的優秀魚を産出することを計畫す
  る事は自己の使命であると自覺致しました、それには今より營
  業を廢し・・・

 餌に繋がりのある挿話

 人の聞きたがる話
  餌、世話、値段、良否、寿命、雌雄差、食べられるか、寝るか
  などの話

  ・・・ランチュウが・・・噂では戰前の値段で高いところで四、五
  百圓或は千圓程度かと思いますが・・・私が生涯で一番高く買
  った金魚は二才のランチュウの雄で金六十圓でした。・・・

  ・・・人為淘汰の結果最後に残るものは多くが雄のようです。・・・

 所かわれど品かわらず(古物買と金魚)
  廃品との交換の話

 白目高と科學の力
  山本時男氏の@「メダカの性轉換餘話」からの記述
  女性ホルモンによるYYの雄の作り方

 右廻り左廻りと魚類の遡行性
  ・・・一團となって群泳するときは、例外は別として人間と同じ左
  廻りをするもので・・・

  ・・・腹形不同のものは・・・左腹は横に廣くふくれ、縦に短く・・・こ
  の反對を現わすものは例外ともいわれる位極めて少ないもので
  す。・・・

 魚の五感
  ・・・耳で振動數の多い音、高音を聞き、振動数の少い音、低音
  は兩側の鱗にある一列の側線で感じます。・・・

附録 P.216~
 らんちゆう一年(金魚の枝折)
  ある年の著者の飼育記録を掲載

 支那での金魚
  著者の支那での金魚の記録
   上海 大正十五年(金魚の仔引)
   滿州奉天 昭和九年(周家の金魚)(眞冬の金魚)(縁起も
   のの金魚)
   北京 昭和十四年(金魚の陳列)
    ---メモ---
     臺=タイ、ダイ、うてな。台

あと書 P.230~
 ・・・勸めで自分の金魚の忘備録のようなものを取り纏めて「金
 魚」を發表しましたところ・・・再販の話が出たので、前の「金魚」
 に書足らなかったところを追加補充して「金魚の常識」と題名を
 變え・・・
   昭和三十年二月三日 著者

これでこの本の紹介は終わりです。

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2017年1月14日 (土)

「金魚之常識」 阿部舜吾 慶友社 昭和30年 その6

金魚の病氣 P.166~ ※病気
 ・・・病氣となったものは、第一に總て絶食療法に據ります。・・・
 ・・・詳細は水産ポケットブック 水政會 昭和五年より・・・附記
 することに・・・
 ---メモ---
  糊塗=こと。あいまいに取り繕っておくこと。
          一時しのぎにごまかしておくこと。

 以下の病気について症状、原因、療法を記述
 皮膚病
  寒冒症
  水生菌渺
  どろかぶり病
  赤斑病
  腫瘍
  白雲病
  白點病
  立鱗病
  ギロダクチルス病
  はりがね虫病
  てふ病
  錨虫病
  氣泡病

 呼吸器病
  中毒症
  腫瘍
  白雲病
  鰓腐れ病
  窒息症

 消火器病
  胃炎症
  腸炎症
  類脂肪變性症 ※変性
  寄生虫

 血行器病
  心臓病
  住血鞭毛虫症
  脾臓病

 泌尿器病
  胃嚢腫症
  寄生虫

 生殖器病
  卵巣炎
  卵巣腫腫病
  寄生去勢
  卵の細菌病
  臍嚢水腫病

 氣鰾病 ※気
  氣鰾病
  寄生虫

 甲状腺病
  甲状腺癌

 脳神經病 ※経
  旋廻病
  脳血管閉鎖症

 眼病
  角膜混濁症

 筋肉病
  腫瘍
  寄生虫

 骨格病
  旋廻病

 腹膜及體腔病
  腹膜炎
  體腔寄生虫

金魚の害敵 P.184~
 言い回しが面白いので
  ・・・猫は家畜という特權を持ち、自由に人家に接近し池邊に出没
  します。人に慣らされた金魚は猫の手招きに誘われて、波紋の方
  に集まって・・・

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2017年1月 7日 (土)

「金魚之常識」 阿部舜吾 慶友社 昭和30年 その5

金魚の仔引(繁殖) P.114~
 産卵期
  産卵を留めた後の雌親の処理法を解説

 種類の撰定 ※選
  体型、体色の話
  ・・・成るべく同型のものを掛合わせて、長型同士から出た丸手
  丸型同士から出た長手を選ぶのがよく・・・

 種親の飼い方
  産卵日の設定、水温制御、親魚へのエサの量の話
  産卵前行動、魚令、尾数の話

 産卵
  「居引」(いびき)の説明
  日覆、魚巣移動の話

 魚巣
  敷巣、縦巣の話

 孵化池の取扱いと仔魚の飼い方
  風除け、日覆の話
  孵化後のエサの話
  「夜餌(よえさ)をつける」の説明
  ・・・七月末には一と池二十尾位までにします。・・・

 藻虫の害
  げんごろうの幼虫、まごたろう虫のこと
  ・・・明け方に池の縁に頭を下に、尻を上方に立てて休息してい
  るところを見付けて取り除くことにします。・・・

三種の生餌 P.125~
 ミヂンコ ※ミジンコ
  詳細な記述
  Ramdohrs氏の計算

 赤孑孑 ※ボウフラ
  ・・・學名糠蚊、俗にメマトヒと稱し・・・※メマトイ 目にまとわり
  つく。

 絲蚯蚓 ※イトミミズ

餌採りとその始末 P.130~
 ミヂンコ採り
 赤孑孑採り
 絲蚯蚓採り
  ・・・昔は神田川はイトメの本場といわれ、本職の餌屋が神田橋
  下の土堤に小屋を建て・・・

  ・・・當時、麻布の古川の上流、澁谷邊を流れる川のものは俗に
  ビール(エビス)の餌といわれ、これは下品とされていました。

金魚の見方(鑑識) P.136~
 魚體の構成とその機能
  イラスト掲載

 らんちゅうの見方
  イラスト掲載

 姿勢と位置
  初めて見る面白いイラストを掲載

 泳ぎ方(游泳) ※遊
  「突っ込み」と「踊娘(おどりっこ)」の説明

 背部と腹部(背成りと腹形)
  「正しき」、「腰髙」、「登り腰」、「雁首腰」、「背だるみ」、
  「しゃくれ」の6種類のイラストを掲載

  腹部の「軍鶏腹」、「釣腹」、「前孕み」、「片孕み」、「鰓下」の
  説明

 頭部(かしら)
  ・・・頭骨は横に広く、又頭頂の深いもの、即ち目先き長く、鰓蓋
  の深いものを佳とします。目は頭頂に開かず、なるべく頬の兩側
  に小さく開くものを佳とします。・・・

  「兜巾頭」、「鬚張り」、「龍頭」の説明

 尾鰭と尾皿
  「袋尾」「付け違い」をイラストで解説
  尾心についてイラストで説明
  「尾皿」の説明

金魚の取扱い方 P.155~
 運搬、移動の話
 ・・・絶食状態に置かれているものですから非常に飢えているわ
 けです。買物の金魚に急に多くの餌を與えることは特に危険です。・・・

ガラス器の金魚 P.159~
 ---メモ---
  封度=ポンド

---
昭和30年=1955年

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2016年12月30日 (金)

「金魚之常識」 阿部舜吾 慶友社 昭和30年 その4

趣味の會 ※会 P.71~
 金魚の會
  観魚会の話
  三代目・石川龜吉氏の略歴 ※亀吉

 會の様式
  運営の仕方についての話
  ・・・審査場に運ばれ、そこで數名の審査員によって豫選を初め、
  優、上、中、下と大別したのち、愈々優等魚から順に審査に移り
  ます。・・・
  第一回金鋳競和出世鑑の番付表を掲載。 ※鋳は魚壽

大會及審査規定 P.78~
 昭和二十七年度観魚会のものを掲載
 ・・・一瞥して上中下と大體三段階に格付け出來ます。そしてその
 割合は大凡上、二〇パーセント、中、七〇パーセント、下、┼パ
 ーセント位で・・・

 審査員の姿勢の話
 昭和二十九年度らんちゅう競艶会の開催日、会名、会場を記載
  会として樂友會(楽友会)、横濱觀魚會(横浜観魚会)、愛鱗
  會、愛魚會、觀魚會、紫錦會の名が書かれています。

 ---メモ---
  須らく=すべか・らく。当然のこと
  據る=キョ、コ、よる
  矯める =た・める。悪いものをよくする。

金魚の飼い方(飼育法) P.85~
 ・・・ランチュウ飼育を標準として書くことに・・・

 池の場所
  方位や樹木の話
  ・・・海岸近く、多少の鹽分を含む水は特に金魚の色を良くする
  と・・・

 池の型
  大きさ。深さ、水溜り、面数、放養尾数

 池の數とその配列 ※数
  イラスト掲載

 池の附屬品 ※属
  網、日除けの話

 水
  井戸水、水道水、雨水の話
  ---メモ---
   喧=ケン、コン、かまびすしい、やかましい

 水色と浮遊生物
 水温と適應力 ※応
  金魚が生存できる水温を記述

 水温と酸素と放養尾數 水中瓦斯との關係
  1m3中の温度別の酸素量の表を掲載
  ---メモ---
   ゲンギョウ=魚が水面に口を出して呼吸すること。

 水換えと水掃除
  ・・・割水或は水直しといい、池の上澄のところを半分位扱み集
  め、汚れた底水を捨ててから薪水で補う・・・
  月別水換表を掲載
   親魚・仔魚別、尾数、池の大きさ・深さ、気温などを記述

 日除、風除と冬圍ひ ※囲い
  日除け
   ・・・金魚が隅に片寄らぬよう池の中央に渡してやります。・・・
   時間、親魚と当才での違いなどの話

  風除け
   6~9月の仕方の話など

  冬圍い
   詳しい構造を記述

 餌料
  ・・・金魚を育むには餌料の善し悪しより、寧ろその與え方の如
  何が問題で・・・

 餌のやり方(投餌)
  「切り餌」の話
  ・・・氣温の昇降と水の温度とは時間的に約一時間のずれを生
  じます。・・・
  「漬餌」の方法
  ・・・金魚が私にこういいました、ほんとうに金魚のことを知りた
  かったら、いつも池の邊りについていて吾々の泳ぐところをぼ
  んやり眺めているのが一番いい。・・・

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2016年12月24日 (土)

「金魚之常識」 阿部舜吾 慶友社 昭和30年 その3

金魚の貿易 P.39~
 欧州への話
 米国への話
  明治四十年ごろの横浜渡しの一尾の値段を記述
  昭和六年の各地の港からの輸出尾数、外国での歩留りの話

金魚の種類 P.42~
 一、 和金
 二、 琉金
  ・・・ふな尾のものは特に吹き流しと呼ばれ・・・
  表現が面白いので少し書いておきます
   背の頂には美事な背鰭が恰かも十二分に引き絞られた、弓
   づるが描く弧のように張り擴げられた・・・

  イ、鐵尾長 ※鉄
  ロ、土佐琉金
  ハ、獅子頭琉金
   特徴がないので人目を惹かず、現存する數も少ない。
  ニ、和唐内
  ホ、キャリコ琉金
   ・・・初代秋山吉五郎が・・・米國向け金魚として特に作ったも
   の・・・その時のものは一代雜種でした。

 三、 らんちゆう
  ・・・鱗にはグアニン石灰分を多量に含むため體色は・・・

  ヘ、秋錦
  ト、津輕錦 ※津軽
   ・・・褪色が遲く、三年位も・・・
  チ、金蘭

 四、 和蘭獅子頭
  ・・・肉瘤は頭頂に厚く、高く、兩頬に少ない。所謂兜巾頭で・・・
  ・・・東京方面ではランチュウの流行に押されてか・・・。關西の
  代表魚です。・・・

 五、 出目金
  渡来の話
  ・・・群泳すること少く、てんでんばらばらで・・・

  リ、赤出目金
  ヌ、黑出目金 ※黑
  ル、三色出目金
   ・・・普通鱗性のものと違い、褪色現象がなく・・・

  ヲ、頂天眼
   渡来の話
   ・・・支那では望天魚の名を附けている。・・・

 六、 孔雀尾
  ・・・産地では地金魚又は六鱗ともいいます。・・・

 七、 東錦
  名の由来

 八、 朱文金
  作出と命名の話

  ワ、緋鮒

知樂魚莊の金魚(金魚の種類) ※楽 P.56~
 知楽魚荘とは北京西陽の金魚屋とのこと
 昭和十四年に見た中国金魚の20種類の種名、尾鰭の長短、本
 邦種に相当する色彩・体型を列挙
 種名の意味も記載
 4種のイラスト掲載

金魚の進化とその系統 P.61~
 松井佳一氏の金魚の系統図を掲載
 ・・・一般に見受ける魚種の殆どが、變異、淘汰を經て出來たも
 ので、異種交配による雜種のものとしては、僅かに朱文金、東
 錦等、いずれも雜色性の魚で・・・
 ---メモ---
  做=サ、サク、つくる。 看做=みなす

金魚の色と模樣 P.64~
 金魚の色
  ・・・古くは赤、白、黒でしたが、三色出目金の如く、雜色性のもの
  が出來てからは靑、紫等も加わり、大體五彩となった・・・
  色素胞の話

 金魚の模様
  以下の呼称を解説
   素赤、猩々
   白、赤目
   更紗、多赤更紗、赤勝、多白更紗、白勝
   鹿の子
   面被り、兩奴(両)、頬被り、丹頂、口紅、船底
   六鱗、蛇の目、三ツ星
   鼻白、頬白、白面、腰白、尾白
   引窓(まど)、面更紗
   抜け模様

  模様が飛ぶ、模様が差す の解説
  ・・・更紗同士の交配はとかく白が多く出るといわれ・・・

---
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2016年12月21日 (水)

「金魚之常識」 阿部舜吾 慶友社 昭和30年 その2

口絵
 白黒写真6ページ
 彩色イラスト綴じ込み1様

序に代えて
 獅子文六
  なぜ、阿部舜吾君のことを、私たちが”ヒョンさん”と呼んだのか、
  正確にはわからない。・・・ヒョンは横濱の正金銀行本店に勤め
  て・・・銀行をやめて目下、金魚のみに没頭している・・・・
       (昭和二十四年初夏)

 ---メモ---
  惟=イ、ユイ、おもう、これ
  舊=キュウ、グ、ふるい、もと
  忸=ジク、ニク、、はじる
  怩=ジ、ニ

---ここから本文---

金魚の趣味と觀賞 P.17~ ※観賞
 金魚の趣味
  ・・・動物の持つ自然の美しさ、愛らしさを感受し得るようになっ
 て、初めて各々の趣味として、夫々に樂しむことになる・・・

  ・・・結局落着くところは各人の環境によって一番手頃なものを
 撰ぶということになると思います。こんな意味から、娯樂としての
 愛玩動物にも自から範圍が限られて來るのであって、此點金額
 など昔から永らく多くの人達から可愛がられていることからしても
 確かに愛玩動物として立派な資格を備えているものといえるでしょう。

  ・・・趣味としての金魚となると、やはり自身で小さいものを順に育
 てて行く苦心、更には進んで卵から孵化させた水子を丹清して、見
 事な成魚になったその姿を眺める時の樂しさなどで、結局金魚の
 趣味はその觀賞と飼育、育成することの樂しみとは相半ばするか
 或は愛するものの成長を見て樂しむ方が一段上かと思うもので
 す。

  「日本の金魚」の著者エム・スミス氏の金魚愛についての一文を
 掲載

  ---メモ---
   盡=ジン、シン、つくす、つきる
   嘗=ショウ、ジョウ、なめる、かつて

 金魚の觀賞
  ・・・金魚の觀賞に當っても全體の均整、動作の自然なることを
 條件とします。・・・人工的な美しさばかりに目を奪われる事なく・・・

  ・・・金魚は自然の美しさの上に人工的な華やかさが加味され
 ているので・・・

金魚の起源 P.27~
 金魚渡來説・江戸時代の金魚 ※渡来
  安達喜之著「金魚養玩草」、貝原篤信著「大和本草」を引用

 江戸時代の金魚
  「西鶴置土産」、「元禄實永珍話」の引用
  東京附近の産地の変遷の話 
  ---メモ---
   諧う=かなう・ととのう、やわらぐ 、たわむれ
   諧(言+虚に似た字)小説=かいぎゃく
        洒落しゃれ・冗談などひねったところがあって、笑いや
        おもしろみを感じさせる言葉。ユーモア
        相手からの言及を前にズレてみせること

日本での金魚發祥説と群山の金魚 P.32~ ※発祥
 郡山藩士 佐藤三左衛門からの話
 雙尾連正から尾長、長崎、ランチュウ、オランダへを年代を入
 れ解説
 甲斐守 柳澤吉里からの話
 愛知県弥富の産地としての経緯

金魚の先祖 P.35~
  ・・・鯉では・・・側線上の鱗數は三十六枚とほゞ一定しています。
 鮒では凡そ二十六ですがその數に差異のあるものが出ます。・・・
 このような鮒の特異性に加えて・・・今日の金魚となった・・・

  ・・・卵の發育中の或る時期に震盪すると・・・尾の二ツあるものが
 出來るので・・・

 ---メモ---
  盪=トウ、ドウ、あらう
  震盪=しんとう。 振り動かすこと

 金魚と鯉との相違
  ・・・雜種は出來ても、その雜種の雄は不胎となって・・・

 鯉の歴史
  ---メモ---
   臘=ロウ。西希臘=西ギリシャ

---メモ---
昭和30年=1955年

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2016年12月17日 (土)

「金魚之常識」 阿部舜吾 慶友社 昭和30年

「金魚之常識」 阿部舜吾 慶友社 昭和30年3月31日發行 B6判 P.231 定價280圓

 本書は「あとがき」に記していますが、昭和24年(1949)に著した「金魚」に追加補充したものだそうです。

 内容は飼育書の部類ですが、文章が軽妙で洒落ています。一部をリュウキン解説のところに文調を書いておきました。

 序によると著者と兄は慶応大出身で殊に兄が文筆家であったのも関係しているかもしれません。

 特に面白いのが「色屑閑話の人の聞きたがる話」の項で、文書も洒落ていますが、内容も良いです。

 古書界でこの後の著作である「金魚愛玩六十年」(加島書店 昭和32)はよく出ますが、本書とこの本の元の{金魚」(慶友社 昭和24年)は、ほとんど見かけません。 手元の本は相模原市の古書店からの入手です。

【構成】
表紙カバー
遊紙

口絵
序に代えて
目次
 金魚の趣味と觀賞 ※観賞
  金魚の趣味・觀賞
 金魚の起源
  金魚渡來説・江戸時代の金魚 ※渡来
 日本での金魚發祥説と群山の金魚
 金魚の先祖
  金魚と鯉との相違・鯉の歴史
 金魚の貿易

 金魚の種類
  一、 和金
  二、 琉金
   鐵尾長 ※鉄
   土佐琉金
   獅子頭琉金
   和唐内
   キャリコ琉金
  三、 らんちゆう
   秋錦
   津輕錦 ※津軽
   金蘭子
  四、 和蘭獅子頭
  五、 出目金
   赤出目金
   黑出目金 ※黑
   三色出目金
   頂天眼
  六、 孔雀尾
  七、 東錦
  八、 朱文金
   緋鮒

 知樂魚莊の金魚(金魚の種類) ※楽
 金魚の進化とその系統
 金魚の色と模樣
  金魚の色・金魚の模様
 趣味の會 ※会
  金魚の會・會の様式
 大會及審査規定

 金魚の飼い方(飼育法)
  池の場所
  池の型
  池の數とその配列 ※数
  池の附屬品 ※属
  水
  水色と浮遊生物
  水温と適應力 ※応
  水温と酸素と放養尾數
  水中瓦斯との關係 ※関
  水換えと水掃除
  日除
  風除と冬圍ひ ※囲い
  餌料・餌のやり方(投餌)

 金魚の仔引(繁殖)
  産卵期
  種類の撰定 ※選
  種親の飼い方
  産卵
  魚巣
  孵化池の取扱いと仔魚の飼い方
  藻虫の害

 三種の生餌
  ミヂンコ ※ミジンコ
  赤孑孑 ※ボウフラ
  絲蚯蚓 ※イトミミズ

 餌採りとその始末
  ミヂンコ採り
  赤孑孑採り
  絲蚯蚓採り

 金魚の見方(鑑識)
  魚體の構成とその機能
  らんちゅうの見方
  姿勢と位置
  泳ぎ方(游泳) ※遊
  背部と腹部(背成りと腹形)
  頭部(かしら)
  尾鰭と尾皿

 金魚の取扱い方
 ガラス器の金魚
 金魚の病気
  皮膚病
  呼吸器病
  消火器病
  血行器病
  泌尿器病
  生殖器病
  氣鰾病 ※気
  甲状腺病
  脳神經病 ※経
  眼病
  筋肉病
  骨格病
  腹膜及體腔病

 金魚の害敵
 色屑閑話
  らんちゅうの禮讃
  アマチュア向きの金魚らんちゅう
  餌に繋がりのある挿話
  人の聞きたがる話
  所かわれど品かわらず
  白目高と科學の力
  右廻り左廻りと魚類の遡行性
  魚の五感

 附録
  らんちゆう一年(金魚の枝折)
  支那での金魚
 あと書

 奥付
 遊紙

---メモ---
昭和30年=1955年

ランチュウセット関連本

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2016年8月20日 (土)

「福岡縣養魚振興會報」 第30号~31号 昭和9年4月25日~6月25日 その3

第32号
表紙
目次
 熱帶魚觀賞魚ニ就テ
 餌料研究資料 養魚餌料トシテ溝泥ト魚屑(荒粕)ノ効果
 賣買仲介欄
 相場欄
 愈々出来上ツタ 淡水養魚経營ノ手引
 會員異動紹介欄
 會費送附方御願

本文
熱帶魚觀賞魚ニ就テ ※熱帯魚
 昭和9年6月、福岡市の玉屋百貨店での即売会での魚のリスト
 
を掲載
  種名、卵生・胎生の区分、値段など
  種類だけ書いておきます。
  ミリオングッピー、ピュアレッドムーン、オレンジソードテール、
  ゴールデンムーン、ブラックムーン、ベッタ・キャンボディイ(ベタ)、
  コリサラリア、ベター・ボンボディア(※カンボジアのこと?)、エン
  ゼルフィッシュ、スポットグラーミー、ラスボラ・ヘテロモルファ、マ
  ウスブリーダー、サラサベッタ(※ベッタの文字はかすれ自信な
  し)、パールダニオ、ゼブラダニオ。

 飼い方の概略
  掃除役としての巻貝の話など

餌料研究資料 養魚餌料トシテ溝泥ト魚屑(荒粕)ノ効果
 魚病
 流水養魚池に泥を入れる話
 昭和4年 栄養研究所の原徹一・吉本満が行った実験
  泥粉や魚屑粉(肥料製造に利用する)

賣買仲介欄
 斡旋依頼者と尾数記述
 鯉子の販売広告など

相場欄
 中央卸市場相場、県内相場の話
 東京・大阪・京都の鯉、鮒、鰻、鱒の相場表を掲載

淡水養魚経営ノ手引
 四六版二段組 91頁になった

會員異動紹介欄
 ここに会員総数が記載されている

會費送附方御願

以上でこの会誌の紹介は終りです。

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西暦1934年=昭和9年

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2016年8月17日 (水)

「福岡縣養魚振興會報」 第30号~31号 昭和9年4月25日~6月25日 その2

第31号
表紙
目次
 北米ノ金魚養殖業
 魚介藻類モカウスレバ 諸病ニ効ク簡易療法
 餌料研究資料 唐辛、酵母、肝油ノ餌料的効果
 相場欄
 淡水養魚ノ手引無代頒布
 會員異動紹介欄
 會費送附方御願

本文

北米ノ金魚養殖業

 在米の金魚養殖家 中島氏の談話
   ・・・日本から輸入する格安な金魚が市價を混乱させる・・・米
   国産に比して品質良好で而も米国産の原價以下で・・・

 横浜の加藤商店からの輸入の話
 熱帯魚や日本産メダカの動向を記述
 執筆者の養魚場での米国相場を掲載

魚介藻類モカウスレバ 諸病ニ効ク簡易療法
 魚名・貝名・海草名、適応症(人の病気)、利用法の一覧を掲載。
 人の病67例の利用法を記述

餌料研究資料 唐辛、酵母、肝油ノ餌料的効果
 中央水産試験場 畑久三氏の実験を紹介
   標準、ビタミン欠乏、酵母添加、唐辛子添加、唐辛子と酵母
   添加、唐辛子と酵母と肝油添加の6種の餌を虹鱒に与えた
   時の成長率の実験

相場欄
 中央卸市場相場、県内相場の話
 東京・大阪・京都の鯉、鮒、鰻、鱒の相場表を掲載

淡水養魚ノ手引無代頒布
 昭和7年3月創立とのこと
 四六版二段組 数十頁の小冊子を作る話

會員異動紹介欄
 ここに会員総数が記載されている

會費送附方御願
 手元のものはこのページ欠落しています。

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西暦1934年=昭和9年

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2016年8月13日 (土)

「福岡縣養魚振興會報」 第30号~31号 昭和9年4月25日~6月25日

「福岡縣養魚振興會報」 第30号~31号 昭和9年4月25日~昭和9年6月25日 判は170*240 P.13 非売品

 この会報は福岡県の金魚、鯉などの観賞魚の取引に従事している人たちの組織のもので、取引価格、産卵、エサの研究などの記事で構成されています。

 昭和初期の百貨店での熱帯魚の取引記事には、当時扱われていた魚種名が出ていて貴重な資料だと思います。

 旧字はほとんど使用されていませんが、ひらがな部はカタカナでの文章なのですっと読むことは難しいです。

 表紙には通巻、発行年月日、1月の会費( 一箇年五十錢の記載あり)、発行所が記載されています。

 わらばん紙に謄写版印刷なので、紙が酸化により脆くなっていて、特に縁端部は変色が進み文字判別が困難な箇所があります。

 表紙に記載してありますが、発行所の福岡縣養魚振興會の拠点は福岡縣水産試験場内にありました。

 この資料は新潟市から入手しました。

第30号
表紙
目次
 第三回福岡縣養魚振興會春季総會
 鯉ノ孕卵數
 東京市金魚養殖状況
 相場欄
 養魚界ノ七難
 水産共進會後聞記
 會員異動紹介欄
 會費送附方御願

本文

第三回福岡縣養魚振興會春季総會
 (一)昭和八年度収支決算報告ノ件
 (二)役員(會長、副會長、主事、幹事)選挙ノ件
 (三)昭和九年度鯉兒販賣價格協定ノ件
   七・八分、一寸~一寸四分、一寸五分~二寸以下について
   価格を掲載
 座談會
  ・・・中心問題ハ何ト云ツテモ販賣ノ統制ト生産費ノ低減問題デ
  アツタ。・・・
  ・・・一部濫賣者の不心得ノ為ニ全国稀ニ見ル安値ヲ・・・

  蚕蛹の高騰の話

鯉ノ孕卵數
 農林省水産試験場技師 松井佳一による真鯉、緋鯉の卵数の話

東京市金魚養殖状況
  昭和7年での、販売店、棒手振り(行商人)の戸数や人数、問屋、
 生産業者の戸数を記載
 当歳、親魚の生産尾数、昭和2年から6年の尾数
 昭和8年の卸相場掲載

相場欄
 中央卸市場相場、県内相場の話
 東京・大阪・京都の鯉、鮒、鰻、鱒の相場表を掲載

養魚界ノ七難
 ※この章は可なり辛辣な口調で書かれています。

 似非養魚家ノ(足+援)(戸+邑) ※読めない
 士族ノ商法
 お倉を持タヌお百姓
 蚕蛹ゝデ夜モ日モ明ケヌ
 合ワヌト云ツテ無駄ヲシナガラ
 農村ハ臭イ海魚ノ捌ケ口
 小能?大ヲ?ス ※印刷の劣化で判読できず

水産共進會後聞記
 親鯉入賞の話

會員異動紹介欄
 ここに会員総数が記載されている

會費送附方御願
 会費未納の会員の氏名羅列。

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西暦1934年=昭和9年

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