2023年5月13日 (土)

「小鳥と金魚の飼養法」 高野芳雄 宋孝社 昭和8年 その3

八 産卵 P.94~
 ・・・兆候は八十八夜前後になれば・・・追ひかけっこを・・・
 雌雄別法、歳、産卵床、雌雄尾数を記述

 ・・・晴天の日以外には絶對に産卵しないといってもよく・・・

 ・・・數囘産卵するからその度毎に、卵の容器が要り・・・大小なん
 でも良く、たゞ水深二三寸のもので・・・

 産卵後の雌雄、卵の養生を解説

九 孵化 P.97~
 孵化日数、藻撤去の注意点を記述
 ・・・茹玉子の黄身であるが、一個を水五合に溶かし・・・

 ・・・一番水といふのは仔魚がみぢんこを與へる頃行ふ注水のこと
 であるが・・・一番水が終って十日前後して二番水・・・

一〇 金魚の外敵 P.99~
 鳥類
 獣類
 昆虫類
  ・・・ゆりのはなすひ(一名たいこうち)・・・
 魚蝨
  ・・・魚蝨(一名蝶)・・・
  ・・・白色の茶碗などに取ってみると・・・
  ・・・煙草の希薄な浸出液で、金魚を洗って・・・

 あをさ

一一 金魚の病氣 P.104~
 糞詰病
  ・・・蕃椒水を飲ませる・・・
 眼病
  食塩水
 ぬまり病
  ・・・一名綿かぶりと稱する。・・・
  食塩水、硼酸水
 糜爛病
  水換え
 松皮病
  サルチル酸水溶液、食塩水
 鰓腐病
  ・・・藁の先で腐敗部を除去し・・・
  食塩水、希薄な石炭酸水
 粗腐病
  ・・・一名銹病・・・
  食塩水、石炭酸とグリスリン

 ---メモ---
  椒=ショウ、はじかみ
  蕃椒=ばんしょう、トウガラシの別名

一二 金魚の種類 P.103~
 和金
 琉金
  ・・・又の名を長崎、尾長と・・・
 金鑄(蘭鑄)
  ・・・一名朝鮮、丸子・・・
 オランダ獅子頭
 出目金
  日清戦爭以後渡來し・・・

 出目らんちゅう
 和唐内
 秋錦
  ・・・明治二十八年出來たもの・・・
 朱反錦
  ・・・明治三十二年頃はじめて創出した。
 金蘭子
 鐵尾長
 その他

以上でこの本の初回は終わりです。


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西暦1933年=昭和8年

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2023年5月 6日 (土)

「小鳥と金魚の飼養法」 高野芳雄 宋孝社 昭和8年 その2

緒言
 金魚は、今や、我邦輸出品の大宗として・・・その趣味の普及し
 つゝある事は何人も知る通りである。

 ・・・著者の實驗と知識の限りを盡して執筆せらるもの、聊かなりと
 裨益する所あらざれば幸甚である。
  昭和八年二月  著者 識

一 金魚の扱ひ方に關する誤解 P.79~
 ・・・金魚が持つ色彩美、形態美、動的の美は、日本人の好む歌
 麿、豊國等の彩筆になる、かの浮世繪と相似的のものがありはし
 ないか、と思はれる。・・・

 たゞ都會人のある者が金魚を飼育しない、といふのはその繁雜な
 都會生活に疲れて、金魚を飼育する、といふ繁雜さを嫌惡する・・・

 金魚は一般に、その女性的な形態からして極めて育て難い、死に
 易い魚類と・・・その實、極めて頑健に長命を保つものである。・・・

二 金魚の住居 ※すまゐ P.80~
 ガラス鉢容器
  ・・・晝間はガラス鉢(普通ある金魚容器)に入れて觀賞し、夜
  は・・・大型のものに入れ換へる事が出來れば・・・

 泉水
  ・・・泥池、木枠、漆喰製、コンクリート製など・・・

 泉水飼育の注意
  ・・・庭園の美觀を添へる為に作られるものでは、金魚は迷惑する
  に違ひない。・・・

  ・・・金魚に惡癖をつけ、身體を損傷するのみならず、水換、掃除、
  外敵豫防などの管理に不便・・・

 理想的な泉水
  形は長方形又は正方形・・・巾は四尺、縦六尺位・・・深さは・・・
  一尺もあれば・・・水深は二寸~六寸もあれば・・・

  水深の浅い場合及び深い場合の注意点
  位置についての注意点
  新造時の注意点
  金魚の数と泉水の大きさ

 泥池
  ・・・自然的な金魚の住居であるから金魚も喜び、生長も速い
  が・・・外敵なども多く・・・

三 金魚と水 P.84~
 ・・・金魚は新鮮な水よりも寧ろ少しく溷りのある水が適當である。
 溷水といっても濁水ではなく・・・

 ・・・何故半溷のものが良いかといへば、水が溷る原因は主として
 浮遊生物の棲息によるのであるが・・・金魚の無二の好餌であ
 る・・・

 温度、井戸水の注意点

四 水換へ P.86~
 小容器の回数、泉水での春夏秋冬の回数、時間などの話

五 注水 P.87~
 ・・・容器を掃除する代りに、古い水に新鮮な水を注ぎ込む方法
 で・・・

六 日覆、蓋、冬圍 P.88~
 日覆
  必要な月、時間の話
  ・・・五月頃の日覆は・・・半分も覆へば・・・
 蓋
  ・・・外敵は殆んど夜間現れる・・・

 冬圍ひ
  ・・・初めは西北を塞いだ片屋根式の柵など作り、北風を防ぎ・・・
  いよいよ厳冬になって・・・上部を覆ふ。・・・

七 金魚の飼料 ※飼は旧字 P.90~
 動物性飼料 ※省略
  みぢんこ
  ぼうふら
  あかこ
  赤虫
  貝類
  魚肉
  鶏卵
  蠶の蛹

 植物性飼料 ※省略
  大麥
  金魚麩
  麺類
  麥粉菓子
  ふすま

 餌の與へ方
  ・・・春秋は當歳魚は頭の大さ、二歳魚は頭の二分と一大の餌を
  一日に食する・・・朝晝二回に分ち・・・午後三時頃には、その食
  べ殘りを除去する。・・・

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西暦1933年=昭和8年

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2023年4月29日 (土)

「小鳥と金魚の飼養法」 高野芳雄 宋孝社 昭和8年

「小鳥と金魚の飼養法」 高野芳雄 宋孝社 昭和8年3月1日發行 四六判 P.105 定價金六十錢 ※飼の旧字は機種依存文字

 本書は「園藝讀本」( 高野芳雄 宋孝社 昭8)の別冊附録として発行され、函には「無代添附」と書かれています。ただ奥付に定価が記されているので単体でも販売されたと思われます。

 園芸読本は532ページもある天地鋲打ち函付きの分厚い本で、4名による共著となっていて、奥付には著者代表として高野芳雄氏の名があります。

 そして帝國大學農學部名譽教授で農學博士 理學博士の池野成一郎が校閲を行っています。この時代の帝国大学とは東大のことで、園芸読本の序文で池野氏は高野芳雄氏を教え子と記しているので、高野芳雄氏も東大出身の農学士かもしれません。

 小鳥と金魚の飼育書ですが、金魚についてはP.77からの29ページを割り当てています。

 紙質はわら半紙状で、手元の本は箱入りですが90年前の本なので酸化が進んでいます。

 同年代の本と同じく、漢字にはすべて「ふりがな」が付されています。そのため今読んも旧字が苦になりません。

 内容は当時の金魚飼育書と同じ程度で、「たたき池」(本書では泉水)中心の話となっています。ただ金魚の部は写真もイラストも掲載されていません。

 初めて目にした語句は「溷水」で「こんすい」と読みます。「溷り」に「にごり」とフリガナを付していますが「濁り」の旧字ではないようです。
 因みに「溷水」をWEBで調べてみると、「かわや、けが-れる、にご-る、みだ-れる」と記されていました。

 この本は古書界には単品など時折見られます。手元の本は杉並区の古書店から読本と一緒に入手しました。

 ※以下からは小鳥の項は省略し、金魚だけを記すことにします。

【構成】
表紙
緒言
目次
 小鳥の飼養法 省略
 金魚の飼養法
  一 金魚の扱ひ方に關する誤解
  二 金魚の住居 ※すまゐ
   ガラス鉢容器
   泉水
   泉水飼育の注意
   理想的な泉水
   泥池

  三 金魚と水
  四 水換へ
  五 注水
  六 日覆、蓋、冬圍
   日覆
   蓋
   冬圍ひ

  七 金魚の飼料 ※飼は旧字
   動物性飼料
    みぢんこ
    ぼうふら
    あかこ
    赤虫
    貝類
    魚肉
    鶏卵
    蠶の蛹

   植物性飼料
    大麥
    金魚麩
    麺類
    麥粉菓子
    ふすま

   餌の與へ方

  八 産卵
  九 孵化
  一〇 金魚の外敵
   鳥類
   獣類
   昆虫類
   魚蝨
   あをさ

  一一 金魚の病氣
   糞詰病
   眼病
   ぬまり病
   糜爛病
   松皮病
   鰓腐病
   粗腐病

  一二 金魚の種類
   和金
   琉金
   金鑄(蘭鑄)
   オランダ獅子頭
   出目金
   出目らんちゅう
   和唐内
   秋錦
   朱反錦
   金蘭子
   鐵尾長
   その他

  挿絵、解説圖、目次

 奥付

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西暦1933年=昭和8年

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2021年2月13日 (土)

「金魚の小百科」 蒼海芳雄 金園社 昭和54年 その5

5 魚病の取扱いと手当 P.163~
 魚病と手当 P.165~
  白点病
   塩、塩酸キニーネ、氷酢酸、ホルマリン、マーキュロクローム、メ
   リクロクローム、マラカイトグリーンの使用法を解説

  イカリ虫病
   デプテレックスの投与時期、回数の解説

  チョウ病
   ウオジラミ(魚虱)ともいう
   BHC、塩、ウレタン液の使用法を解説

  白雲病
   予防治療法は白点病と同じ

  エラクサレ病
   流水、塩、過マンガン酸カリ、メチレンブルー、メリクロクローム、
   硫酸銅、リン酸エチル水銀の使用法を解説

  ヒレクサレ病
   硫酸銅の使用法を解説

  立鱗病
   サルファ剤、流水、塩の使用法を解説

  腹水病
   サイアジン、クロロマイセチン、テラマイシンの使用法を解説

  サイクロキータ病
   塩、昇汞水の使用法を解説

  ジロダクチルス病
   過マンガン酸カリ、サリチル酸、過酸化水素水、醋酸の使用法
   を解説

  気泡病
   冷水による治療

  便秘症
   硫酸マグネシウム、カスターオイルによる治療

  腸炎
   固形物を煮て与える

  心臓病
   天然餌料の活用

  表皮増生病
   隔離と容器の消毒

  ドロカブリ病
   天然餌料、植物性餌料の活用

  凍傷(感冒)
   25度にあげる

  エラマクレ病
   遺伝的なもの

  チッソガス病
   飽和率12%以上の湧水、井戸水で多い
   ろ過して使用

  サンソガス病
   過飽和酸素140%以上でおこる
   水温を下げる、井戸水使用

  腸ふくれ病
   昭和42年ごろから零年魚にみられる

  鰓病
   流水、塩、硫酸銅の使用法を解説

  赤斑病
   サルファ剤の使用法を解説

  眼球脱落病
   不明

  外傷
   マーキュロクローム、希ヨードチンキの塗布
   モナフラシン、グリーンFの浸漬

6 治療に使う薬剤 P.185~
 薬の働きと使い方 P.187~
  以下の薬について治療原理、投与注意点を解説
  抗生物質
  サルファ剤
  フラン剤
  ディプテレックス
  マラカイトグリーン修酸液
  メチレンブルー
  ネグホン

  飲ませる薬
   飼料に混入して投与する
    サルファ剤
     魚病用としては
      スルフィソキサゾール
      スルフィソイミジン
      スルファジメトキシン
      スルファイソメゾール
      スルファメトシジミン
      スルファモノメトキシン
      スルファフェナゾール
     ソーダ塩、10倍散、ソーダ散の使用法を詳説

   抗生物質
    魚病用としては
     テトラサイクリン
     オキシテトラサイクリン
     クロラムフェニコール
    力価と投与量の話

  薬浴
   以下について濃度と薬浴時間を詳説
   食塩
   マラカイトグリーン
   ホルマリン
   氷酢酸
   硫酸銅
   デプテレックス
   ニトロフラゾン
   フルピリノール

7 金魚の観賞 P.195~
 金魚の観賞の仕方 P.197~
  歴史などを簡単に記述
  ガラス容器

  以下の品種について簡単な解説
  ランチュウの観賞
   頭部
   背巾(※目次では背中)と尾筒
   尾
   体色と鱗
   メスとオス ※目次に無い
   鑑賞団体  ※目次に無い

  リュウキンの観方 ※目次と異なる
  ワキン
  アズマニシキ
  ジキン
  オランダシシガシラ

以上でこの本の紹介は終わりです。

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西暦1979年=昭和54年

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2021年2月 6日 (土)

「金魚の小百科」 蒼海芳雄 金園社 昭和54年 その4

2 金魚のふやし方 P.93~
 産卵の準備 P.95~
  産卵用の池
   場所の条件、必要数などの話
   コンクリート池の場合
    構造、作り方

  親魚の選び方
   購入時期など
   ・・・養殖業者は、ワキンやリュウキンなどでも、四年魚ぐらいか
   ら親魚を若い優れたものと交代させます。・・・

   親魚候補の購入時期

 親魚の準備 P.104~
  春先のエサ、ミジンコ、魚巣、孵化率など

 親魚の知識 P.111~ ※目次では項だが本文では節
  親魚の扱い方
   掬い方、持ち方など

  親魚の組合せ
   年令、体格、血縁など

 産卵のさせ方 P.114~
  雌雄へのエサの与え方
  産卵池へ入れる時期
  産卵中と産後のエサと親魚の養生法

 ふ化から稚魚まで P.117~
  1坪あたりの卵数、水深
  マラカイトグリーンの使用法
  ふ化温度と日数
  モムシの話
  1m2あたりの仔魚数
  最初のミジンコの篩別は50番

  選別のしかた
   第一回の選別
    ふ化後の日数
    尾巾による選別

   第二回の選別
    1回目からの日数
    尾型による選別、選別率

   第三回の選別
    2回目からの日数
    背なり・鱗による選別、選別率

   第四回の選別
    3回目からの日数
    選別率

   選別の方法
    尾ビレ 注意点5つを記述
    体形  注意点3つを記述
    頭部
    胴と尾筒
    体色

 ふ化から取揚げまで P.124~
  ミジンコから人工餌料への切り替え
  活き餌と人工でのエサの量

  子魚の池と水換え
   ・・・南風の吹く、曇天の日の夕刻から明け方は、気圧も下がっ
   て危険なときですから・・・

   水換え間隔を説明
   稚魚密度、鳥獣害の話

 稚魚の病気と予防 P.128~
  以下について対策も説明
  ふ化間もないときのガス病
  エサの切り替えどきの腸炎
  梅雨時のエラグサレ病

 取揚げ P.129~
  養殖池での話

 金魚の活餌 P.130~
  以下について形状を少し詳しく解説
  ミジンコ
  ケンミジンコ
  イトミミズ
   ゴトウイトミミズ、マミズイトミミズ、エライトミミズ
  ワムシ
  アカムシ
  ボウフラ
   ハマダラカ、アカイエカ、シナハマダラカ、コガタアカイエカ、ヒト
   スジシマカ、トウゴウヤブカの生息場所

3 買って来たときの金魚 P.135~
 買うときの準備 P.137~
  買われる前の金魚
   養魚池の環境

  良い水槽と悪い水槽
   水槽枠、水面積、ガラス面の話

 金魚の買い入れ P.139~
  オスとメス
  買う金魚の年令
   売られているのは当才と二才

  金魚の色
   赤、赤白、白の話
   ランチュウの色による呼び名の話
   ランチュウ愛好家による名付け
    花兜、紅吹雪、小桜、桜山、舞子、初夢など

  買う時期
   ・・・仮冬眠から目覚めて、活動期に入った四月ころに・・・

  水槽と尾数
   60cm水槽と池1平方メートル当たりの尾数を記述

  水槽の扱い方
   無フィルターでの解説
   ・・・キンギョを上手に飼えないという人をみていますと、キンギョ
   にほとんど手をかけない人であるとか、あるいは逆に手をかけす
   ぎて失敗している人が多いようです。・・・

 水の質について P.149~
  残餌、塩素、硬水軟水。PHなどの概要

  水の中の酸素
   20度での酸素量を記述
   10gのキンギョの1時間での酸素消費量を記述

  金魚に適した水温
   限界温度の上下を記述

 買われた金魚P.152~
  絶食していた金魚へのエサの与え方の話

4 病気の発見と防ぎ方 P.155~
 発見と手当と防ぎ方 P.157~
  健康な魚体を作る話
  購入後の注意と購入前の観察の話

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西暦1979年=昭和54年
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2021年2月 3日 (水)

「金魚の小百科」 蒼海芳雄 金園社 昭和54年 その3

 金魚の習性 P.40~
  限界水温を記述
  キンギョとフナの大きな違い

  産卵とふ化
   産卵温度
   産卵後24時間、30時間、48時間、72時間、84時間、110時間
   の卵の様子を詳説

  ふ化後の変化
   ふ化二日目 四日目 五日目 二十日目 その二~三日後
   約五十日の様子を詳説

  金魚の生育
   4~7kgの金魚に対し水1トンを目安に飼育

  金魚の形と泳ぎ方
   各ヒレの動きの話

  金魚と水温
  光と金魚
   褪色の話
   前方水平視野角は190度

 知っておきたい金魚の器官 P.51~
  金魚の眼
   遠近などの解説
  金魚の識別 ※目次には無い
   学習による識別の話

  魚と呼吸
   全鰓、鰓弁、鰓腔などの話

  金魚と血液
   心臓
    腹大動脈、背大動脈などの話

  魚の胃・腸など
   金魚は無胃類
   腸
   肝膵臓

  不用物の排泄
   腎臓や鰓からの排出の話

  産卵の器官
   生殖巣の話

  刺激を感じる器官
   1 臭い
   2 味
   3 音
   4 触覚

 成長する餌 P.57~
  餌と栄養
   ・・・蛋白質は、ほかの栄養分をもってきても代用できません
   
が・・・

   ・・・可消化蛋白質と、それ以外の可消化成分との比率を、栄養
   比または栄養率と呼んでいる・・・

  栄養と成長
   a 蛋白質
    ・・・最低限度必要な蛋白質の量を、保持蛋白質といい・・・

    ・・・キンギョの場合、もっとも体の成長をうながす蛋白質の最
    大量は、毎日そのキンギョの体重の8パーセントであると・・・
    最適と思われる量は、63.7パーセントが餌の中に含まれて
    いることだといわれて・・・

    コイやニジマスでの話

   b 炭水化物
    ・・・炭水化物が不足していますと・・・備蓄されている体蛋白を
    分解してエネルギーを補給することになりますので、炭水化物
    を与えることは高価な蛋白飼料の節約
にもなり・・・

   c 脂肪
    ・・・腸の中で分解されてグリセリンと脂肪酸となり、それらが
    体内に吸収されて再び合成され、体内の脂肪となって・・・

   d 無機物
    ・・・骨、鱗、血液、などをつくるのに役立ちます。・・・

    コバルト、マンガン、燐の役割の話

   e ビタミン類
    ニジマスでの必要量、コイのビタミンA・B・Cでの実験の話

   f H因子
    ・・・獣類の内臓をすり込んだで与えたり、鶏卵、生鮮魚、獣
    肉、昆虫、プランクトンなどを含めますと、死魚がでないばかり
    か
、急に成長が始まったりします。・・・その他の内臓の中に
    は・・・栄養因子が含まれていると・・・

  基本となる餌
   試験のための配合例を記述

  抗生物質を加える
   ・・・試験に用いたほとんどの魚には、成長の効果を認めること
   ができなかった・・・

  配合飼料の良さ
   ・・・一定の割合に混合したものをいうのであって、単に数種の
   飼料を混合した昆虫飼料とは区別・・・

   魚類の配合飼料が家畜の配合飼料より高価な理由を記述

  配合飼料の使い方
   固形飼料に慣らすための食物誘因物質の話

 金魚に良い水の質 P.63~
  水の温度と魚   
  水の流れと魚との関係
  水の量と魚の体
  水の成分
   富栄養湖と貧栄養湖の話
   日本の河川は珪酸が多い
   放射性元素の話

  水の質と成長
   アンモニアの話
   ・・・アンモニアの酸化作用には、石灰岩の砕石をろ過に用いま
   すと、石灰が溶け出し、アルカリ度が低下しないため、魚の長期
   飼育には、石灰岩の砕石を用いるのがよい
と考えられま
   す。・・・

 水草と金魚 P.70~
  溶存有機物から魚への食物連鎖の話

  ・・・水藻類は、水中の溶存栄養塩基類を肥料として吸収するた
  め、動物プランクトンを抑制してしまいます。・・・

  「あおこ」の話

  ・・・水の色が褐色に変わったら危険信号で・・・動物プランクトン
  の大量発生で、同化作用に必要な炭酸ガスが不足したり、栄養
  分が不足して、植物プランクトンが大量枯死するためです。・・・

  池底の土の重要性の話

 金魚の害虫 P.76~
  水の中の虫
   以下を解説
   ゲンゴロウムシ(甲虫類)
   ガムシ(甲虫類)
   ミズスマシ(鞘翅目)
   タイコウチ(半翅目タイコウチ科)
   ミズカマキリ(半翅目タイコウチ科)
   タガメ(半翅目タガメ科)
   コオイムシ(半翅目タガメ科)
   チョウ(甲殻類)
   イカリムシ(甲殻類)

  陸上の外敵

 金魚の産卵 P.87~
  雌雄の尾数、魚令、雌雄の見分け方、卵数、ふ化温度、ふ化時
  間、1坪あたり稚魚数のど概要的な話

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西暦1979年=昭和54年
http://aquarium.blogmura.com/ranking.html
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2021年1月30日 (土)

「金魚の小百科」 蒼海芳雄 金園社 昭和54年 その2

口絵
 4ページに7品種と稚魚のカラー写真

まえがき P.1~
  キンギョは夏の風物詩、という季節感は次第に失われつつあり、
  春夏秋冬いつでも飼われている・・・

  短命だといわれる原因を探してみますと、たいていキンギョに対
  する愛情が不足していたり、水の管理、餌料の与え方などが悪い
  ことが・・・

  ・・・キンギョをよく観察して、通常と異なる様子をみせたときには、
  すぐ、何が原因でそういう様子をしたかを調べ、すぐ対処すること
  が何より大切です。・・・

      著者

1 金魚はどういう魚か P.11~
 どうして金魚が生まれたか P.11~
  中国説の話、文献等は記していない
  フナからの突然変異の話

  フナの証明
   血清の沈降反応、染色体、遺伝学的研究による

 フナから金魚への歴史 P.12~
  中国での話
  色の次は尾

  形のうつり変り
   ワキンからヒレ、肉瘤、透明鱗、鼻孔の話

 中国産の金魚 P.14~
  大別すると
   文魚(ウエンユウイ) 普通のキンギョ
   竜晴魚(ロンチンユウイ) 出目性のキンギョ
   蛋魚(タンユウイ) 背ビレのないキンギョ

  各部
   体形 狭長と短円
   頭部 虎頭(こ)、鷲頭(が)、蛤蟆頭(はま)、獅子頭、蝦蟆頭、
       高頭、鼠頭
   眼形 正常、小眼、竜晴、水泡眼。朝天眼、灯泡眼、望天眼、
       葡萄眼、鴛鴦(えんおう)、(石+朱)砂眼(しゅしゃ)

   鰓蓋 反鰓(はんすう)
   鼻孔褶 絨球(しゅうきゅう)

   尾鰭 単双、上単下双、垂尾、展開尾、三尾、長尾、中長尾、
       短尾
   背鰭 正常、残骨、竜背(欠骨)、長背、短背
   臀鰭 単双、上単下双、残臀、欠臀、長臀、短臀、腹臀
   鱗  正常な不透明、透明、網目、珍珠鱗

   体色 灰色、紫色、藍色、黒紅色、古銅色、橙色、白五色、
       斑色、雑斑
   品種 草金魚、蛋魚、竜晴、朝天眼、絨球、反鱗、獅子頭、
       墨魚、藍魚、鷲頭、紫魚、五花

    ---メモ---
     蟆=ひきがえる
     鴦=鴛鴦=おしどり、「鴛」は雄の、「鴦」は雌のオシドリ
     (石+朱)=鉱物の一種、朱砂

  以下の品種の解説
   珍珠鱗魚(チユンシユリンユウイ)
    別名は珠鱗魚(シユリンユウイ)、パール

   絨球魚(シュウチュウユウイ)
    日本ではハナフサと同一視している

   紅頭魚(ホントウユウイ)
    日本ではタンチョウ、丹頂

   哈蟆頭(ハマトウユウイ) ※ここでは「蛤」ではない
    水泡眼(シュイポオユウイ)、スイホウガン

   銀魚(イエンユウイ)
    白色に変わったものは白銀魚(パイイエンユウイ)

   青文魚(チンウエンユウイ)
    日本では羽衣
    尾の長いものは揺れ台目(ヤウタイユ=ゆれる満月)
    藍がかった銀魚を藍文魚(ランウエンユウイ)
    肉瘤があるものを藍鷲頭魚(ランガトウユウイ)

   紫魚(ツウユウイ)
    日本では茶金
    肉瘤が褐色のもの紫帽子(ツオマオユウイ)または紫帽子頭魚
    (ツオマオットユウイ)
    肉瘤が褐色で赤っぽいものを紅帽子(ホンマオツユウイ)または
    紅帽子頭魚(ホンマオットユウイ)

 日本産の金魚 P.21~
  以下の品種を解説。
  色、尾型、歴史など、ここでは別名など少し記しておきます。

  ヒブナ(緋鮒)
   真のフナと和金雑種の区分法

  ワキン(和金)
   別名ヤマト
   古くはコガネウオ、金魚(チンユウイ)

  リュウキン(琉金)
   別名オナガ、ナガサキ
   外人はベール・テイル、ファン・テイルと呼ぶ ※テール
   フナ尾はフキナガシ(吹き流し)、米国ではニンフ
   上葉と下葉との切れ目が深いものスワロー・テイル、
   リボン・テイル
   小型に育てたもの豆琉(まめりゅう)

   ランチュウ(卵虫)
    別名マルコ(丸子)、チョウセン、朝鮮金魚、(魚+蘭)鋳、金鋳
    外人はリオン・ヘッド ※ライオン?
    アズキサラサ(小豆更紗)、フサ、ヒゲ、シシガシラ(獅子頭)、
    トキン(兜金)、オカメ(お亀)の話

   オオサカランチュウ
    ヒラヅケ(平付)

   ナンキン
    島根県宍道町で中心に飼育保存

   オランダシシガシラ(和蘭獅子頭)
    クロオランダは胸ビレが黄色のものが多い

   テツオナガ(鉄尾長)
    黄金色に光る胸ビレを持っているものが多い

   ハナフサ(鼻房)
    伊勢地方で飼育されていたが絶滅
    松井佳一氏が大和郡山市高塚養魚場で発見しニホンハナフ
    サ

   トサキン(土佐金)
    動きの鈍さで繁殖率がよくない

   ワトウナイ(和唐内、和琉)
    別名ワリュウ

   ヤマガタキンギョ(山形金魚)
    ショウナイキンギョ、フリソデキンギョ(振袖)、フタツオキンギョ
    (二尾)

   ジキン(地金)
    地金魚、しゃち、愛錦、孔雀、六鱗などの別称
    腹部のくくれ方でムナバラ、ウシロバラ

   デメキン(出目金)
    支那魚、支那金、支那キンギョと呼ばれていた
    英語ではテレスコープ・アイ、中国では竜晴魚(ロンチンユウイ)

    A アカデメキン(赤出目金)
    B クロデメキン(黒出目金)
    C サンシキデメキン(三色出目金)

   チョウテンガン(頂天眼)
    別名デメランチュウ
    箕作佳吉博士は1904年に天文望遠鏡魚と名付けた
    英語名はCelestial gold fish(天文の金魚)

   シュウキン(秋錦)
    明治30年(1897)に松原新之助が命名

   ツガルニシキ(津軽錦)
    昭和2年(1927)に弘前金魚協会が命名

   ヒロニシキ(弘錦)
    ツガルニシキとランチュウの交配で明治41年(1908)にできた

   キンランシ(金蘭子)
    明治35年(1902)ごろ初代秋山吉五郎が生育

   シュブンキン(朱文錦)
    サンシキデメキンとフナ尾のワキンとヒブナの自由交配

   テツギョ(鉄魚)
    大正11年(1922)の平和記念東京博覧会に山形県の若畑沼
    のものが出品

   キャリコ
    キャリコとはサラサの意

   アズマニシキ(東錦)
    別名キャリコオランダシシガシラ

   エドニシキ(江戸錦)
    尾の長いものは京錦

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西暦1979年=昭和54年

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2021年1月24日 (日)

「金魚の小百科」 蒼海芳雄 金園社 昭和54年

「金魚の小百科」 蒼海芳雄 金園社 昭和54年3月20日発行 四六判 P.206 750円

 著者は金魚界で名は知られていませんが、本文を読んでいると他の金魚本では書かれない器官の仕組みや動き、栄養素の働き、活き餌、薬剤などは専門用語を使い詳説していて、生物学又は解剖学の先生か水産試験場の技師のように感じます。

 本文は白黒写真は少ない代わりに赤と黒のイラストを程よく配していますが、二段組みで文字も小さめであるため読み応えはあります。

 産卵育成のところは養殖業者の規模の話で、タライなどで金魚を殖やす方にはあまり参考になりません。

 本書は古書界にはよく出ていますので容易に入手でき、古書価も廉価です。手元の本は大阪府門真市の古書店より入手しました。

【構成】
カバー
表紙
遊紙

口絵
まえがき
目次
 1 金魚はどういう魚か
  どうして金魚が生まれたか
   フナの証明
  フナから金魚への歴史
   形のうつり変り

  中国産の金魚
   7品種名を羅列
  日本産の金魚
   27品種名を羅列

  金魚の習性
   産卵とふ化
   ふ化後の変化
    ふ化二日目 四日目 五日目 二十日目 その二~三日後
    約五十日

   金魚の生育
   金魚の形と泳ぎ方
   金魚と水温
   光と金魚

  知っておきたい金魚の器官
   金魚の眼
   魚と呼吸
   金魚と血液
   魚の胃・腸など
   不用物の排泄
   産卵の器官
   刺激を感じる器官
    臭い 味 音 触覚

  成長する餌
   餌と栄養
   栄養と成長
    蛋白質 炭水化物 脂肪 無機物 ビタミン類 H因子
   基本となる餌
   抗生物質を加える
   配合飼料の良さ
   配合飼料の使い方

  金魚に良い水の質
   水の温度と魚
   水の流れと魚との関係
   水の量と魚の体
   水の成分
   水の質と成長

  水草と金魚
  金魚の害虫
   水の中の虫
    ゲンゴロウムシ ガムシ ミズスマシ タイコウチ ミズカマキリ
    タガメ コオイムシ チョウ イカリムシ

  金魚の産卵

 2 金魚のふやし方
  産卵の準備
   産卵用の池
   親魚の選び方

  親魚の準備
   親魚の知識
   親魚の扱い方
   親魚の組合せ

  産卵のさせ方

  ふ化から稚魚まで
   選別の仕方
    第一回 第二回 第三回 第四回 選別の方法

  ふ化から取揚げまで
   子魚の池と水換え

  稚魚の病気と予防
  取揚げ
  金魚の活餌
   ミジンコ ケンミジンコ イトミミズ ワムシ アカムシ ボウフラ

 3 買って来たときの金魚
  買うときの準備
   買われる前の金魚
   良い水槽と悪い水槽

  金魚の買い入れ
   オスとメス
   買う金魚の年令
   金魚の色
   買う時期
   水槽と尾数
   水槽の扱い方

  水の質について
   水の中の酸素 金魚に適した水温

  買われた金魚

 4 病気の発見と防ぎ方
  発見と手当と防ぎ方

 5 魚病の取扱いと手当
  魚病と手当
   病名を26列記

 6 治療に使う薬剤
  薬の働きと使い方
   7種の薬名を列記

   飲ませる薬
    3種の薬名を列記

   薬浴
    8種の薬名を列記

 7 金魚の観賞の仕方
  ガラス容器
  ランチュウの観賞
   頭部 背中と尾筒 尾 体色と鱗

  金魚の観方
   メスとオス
   5品種名を列記

奥付
遊紙

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西暦1979年=昭和54年
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2020年1月22日 (水)

「日本の金魚」その伝統と美をさぐる 原野農芸博物館 図録第4集 1970年 その4

金魚こぼれ話 P.27
 (一)縁起物の話 チンユウイ
 (二)金魚の刺身の話 本朝食鑑、寺島良安の倭漢三才図絵
 (三)金魚の値段の話 元禄時代
 (四)金魚の見世物の話 珊瑚魚
 (五)ワトウナイ(和唐内)の話 ワリウユ、浄瑠璃
 (六)大和郡山の話 柳沢吉里
 (七)金魚の名のついたものの話 金魚髷、金魚椿
      松井佳一

番付表、品評会の写真 P.28~ 白黒

出展品目録 P.30~

The Gold Fish in Japan P.32
 概意は
 日本では一般的で特に春から夏
 主に大和郡山で生産
 種数は30で年間150万生産
 起源の話
  ---メモ---
   Tsin Dynasty=普王朝
   Sung Dynasty=宋王朝
 渡来の話
 種類の話

奥付
 原野農芸博物館施設一覧
 第4回サボテンフェア 日本の金魚展出品並に協力者
 地図

 編集 神山 登(大阪市立博物館)
 昭和45月年3月20日発行

以上で本図録の紹介は終わりです。


---メモ---
西暦1970年=昭和45年
関連書
松井佳一氏の金魚の本 ブログで紹介した一覧

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2020年1月18日 (土)

「日本の金魚」その伝統と美をさぐる 原野農芸博物館 図録第4集 1970年 その3

金魚とは P.3
 日本では春から夏の景物として・・・金魚の種類は、現在約三十種
 であるが・・・金魚は今から約千六百年前に、南支那方面で野生の
 フナに金色の変種が出現したといわれ・・・。

 日本の金魚は、今から約四百六十年前の室町時代の文亀二年
 (盛期1502年)に、交易交通があった明国から泉州左海(今の堺
 市)に渡来・・・

 二百余年前の寛延元年には、「金魚養玩草」という名著が堺の人
 安達善之により著述せられ、その翌年「金魚秘訣録」も刊行せられ
 た。これには金魚の交配について記されている。・・・

 徳川時代の飼育は、江戸と大坂が中心であったが、中期の享保年
 間に大和の郡山藩へ移され・・・

 金魚が動物学上はじめて記載せられたのは、西暦1758年(日本の
 宝暦八年)で学名はカラシウス・オーラツス(Carassius auratus)が
 一般に用いられていえう。・・・

              (松井佳一)

金魚の写真 P.4~ 白黒
 ヂキン、ランチュウ、オランダシシガシラ、スイホーガン、チョウテン
 ガン、キャリコリュウキン、アズマニシキ

展示品の写真 P.6~ 白黒
 図絵  44点
 陶器  14点
 その他 22点


---メモ---
西暦1970年=昭和45年
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