「小鳥と金魚の飼養法」 高野芳雄 宋孝社 昭和8年 その2
緒言
金魚は、今や、我邦輸出品の大宗として・・・その趣味の普及し
つゝある事は何人も知る通りである。
・・・著者の實驗と知識の限りを盡して執筆せらるもの、聊かなりと
裨益する所あらざれば幸甚である。
昭和八年二月 著者 識
一 金魚の扱ひ方に關する誤解 P.79~
・・・金魚が持つ色彩美、形態美、動的の美は、日本人の好む歌
麿、豊國等の彩筆になる、かの浮世繪と相似的のものがありはし
ないか、と思はれる。・・・
たゞ都會人のある者が金魚を飼育しない、といふのはその繁雜な
都會生活に疲れて、金魚を飼育する、といふ繁雜さを嫌惡する・・・
金魚は一般に、その女性的な形態からして極めて育て難い、死に
易い魚類と・・・その實、極めて頑健に長命を保つものである。・・・
二 金魚の住居 ※すまゐ P.80~
ガラス鉢容器
・・・晝間はガラス鉢(普通ある金魚容器)に入れて觀賞し、夜
は・・・大型のものに入れ換へる事が出來れば・・・
泉水
・・・泥池、木枠、漆喰製、コンクリート製など・・・
泉水飼育の注意
・・・庭園の美觀を添へる為に作られるものでは、金魚は迷惑する
に違ひない。・・・
・・・金魚に惡癖をつけ、身體を損傷するのみならず、水換、掃除、
外敵豫防などの管理に不便・・・
理想的な泉水
形は長方形又は正方形・・・巾は四尺、縦六尺位・・・深さは・・・
一尺もあれば・・・水深は二寸~六寸もあれば・・・
水深の浅い場合及び深い場合の注意点
位置についての注意点
新造時の注意点
金魚の数と泉水の大きさ
泥池
・・・自然的な金魚の住居であるから金魚も喜び、生長も速い
が・・・外敵なども多く・・・
三 金魚と水 P.84~
・・・金魚は新鮮な水よりも寧ろ少しく溷りのある水が適當である。
溷水といっても濁水ではなく・・・
・・・何故半溷のものが良いかといへば、水が溷る原因は主として
浮遊生物の棲息によるのであるが・・・金魚の無二の好餌であ
る・・・
温度、井戸水の注意点
四 水換へ P.86~
小容器の回数、泉水での春夏秋冬の回数、時間などの話
五 注水 P.87~
・・・容器を掃除する代りに、古い水に新鮮な水を注ぎ込む方法
で・・・
六 日覆、蓋、冬圍 P.88~
日覆
必要な月、時間の話
・・・五月頃の日覆は・・・半分も覆へば・・・
蓋
・・・外敵は殆んど夜間現れる・・・
冬圍ひ
・・・初めは西北を塞いだ片屋根式の柵など作り、北風を防ぎ・・・
いよいよ厳冬になって・・・上部を覆ふ。・・・
七 金魚の飼料 ※飼は旧字 P.90~
動物性飼料 ※省略
みぢんこ
ぼうふら
あかこ
赤虫
貝類
魚肉
鶏卵
蠶の蛹
植物性飼料 ※省略
大麥
金魚麩
麺類
麥粉菓子
ふすま
餌の與へ方
・・・春秋は當歳魚は頭の大さ、二歳魚は頭の二分と一大の餌を
一日に食する・・・朝晝二回に分ち・・・午後三時頃には、その食
べ殘りを除去する。・・・
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西暦1933年=昭和8年
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