「小鳥と金魚の飼養法」 高野芳雄 宋孝社 昭和8年
「小鳥と金魚の飼養法」 高野芳雄 宋孝社 昭和8年3月1日發行 四六判 P.105 定價金六十錢 ※飼の旧字は機種依存文字
本書は「園藝讀本」( 高野芳雄 宋孝社 昭8)の別冊附録として発行され、函には「無代添附」と書かれています。ただ奥付に定価が記されているので単体でも販売されたと思われます。
園芸読本は532ページもある天地鋲打ち函付きの分厚い本で、4名による共著となっていて、奥付には著者代表として高野芳雄氏の名があります。
そして帝國大學農學部名譽教授で農學博士 理學博士の池野成一郎が校閲を行っています。この時代の帝国大学とは東大のことで、園芸読本の序文で池野氏は高野芳雄氏を教え子と記しているので、高野芳雄氏も東大出身の農学士かもしれません。
小鳥と金魚の飼育書ですが、金魚についてはP.77からの29ページを割り当てています。
紙質はわら半紙状で、手元の本は箱入りですが90年前の本なので酸化が進んでいます。
同年代の本と同じく、漢字にはすべて「ふりがな」が付されています。そのため今読んも旧字が苦になりません。
内容は当時の金魚飼育書と同じ程度で、「たたき池」(本書では泉水)中心の話となっています。ただ金魚の部は写真もイラストも掲載されていません。
初めて目にした語句は「溷水」で「こんすい」と読みます。「溷り」に「にごり」とフリガナを付していますが「濁り」の旧字ではないようです。
因みに「溷水」をWEBで調べてみると、「かわや、けが-れる、にご-る、みだ-れる」と記されていました。
この本は古書界には単品など時折見られます。手元の本は杉並区の古書店から読本と一緒に入手しました。
※以下からは小鳥の項は省略し、金魚だけを記すことにします。
【構成】
表紙
緒言
目次
小鳥の飼養法 省略
金魚の飼養法
一 金魚の扱ひ方に關する誤解
二 金魚の住居 ※すまゐ
ガラス鉢容器
泉水
泉水飼育の注意
理想的な泉水
泥池
三 金魚と水
四 水換へ
五 注水
六 日覆、蓋、冬圍
日覆
蓋
冬圍ひ
七 金魚の飼料 ※飼は旧字
動物性飼料
みぢんこ
ぼうふら
あかこ
赤虫
貝類
魚肉
鶏卵
蠶の蛹
植物性飼料
大麥
金魚麩
麺類
麥粉菓子
ふすま
餌の與へ方
八 産卵
九 孵化
一〇 金魚の外敵
鳥類
獣類
昆虫類
魚蝨
あをさ
一一 金魚の病氣
糞詰病
眼病
ぬまり病
糜爛病
松皮病
鰓腐病
粗腐病
一二 金魚の種類
和金
琉金
金鑄(蘭鑄)
オランダ獅子頭
出目金
出目らんちゅう
和唐内
秋錦
朱反錦
金蘭子
鐵尾長
その他
挿絵、解説圖、目次
奥付
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西暦1933年=昭和8年
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