「タニシ」人工養殖の実際 榑松文雄 農山村文化協会 昭和45年
「タニシ」人工養殖の実際 榑松文雄 農山村文化協会 昭和45年11月28日発行 180円 B6判 P.110 特産シリーズ31 装丁:佐藤忠良
外のタライでヒナモロコとチョウセンブナの飼育・繁殖を始めたとき、コケ対策としてヒメタニシを導入しました。
これを機にタニシについての本がないか探していたらこの本にたどり着きました。養殖を生業・副業とするための本ですが、稚貝の1週から3週までのエサ、越冬方法など参考になることが書かれています。
本書でタニシが魚アラや貝類の身(一番の好物)を食べることを知りました。
奥付によると著者は「クレマツ」と読み、執筆時60才、学者ではなく静岡県磐田郡浅羽町(袋井市)で実際に5年養殖と研究を行ってきたとのことで、特に与えるエサについての項は試行錯誤の様子がよく書かれています。
また、鳥類対策には意外な素材を使い成功したことが記されています。
本の作りは文体は平易で2ページ毎ぐらいに白黒写真、イラスト、表が掲載され読みやすい本といえます。
この本は古書界では普通に見られ、手元のものは昭和46年5月20日、第3版発行で岩手県花巻市の古書店から入手しました。
【構成】
カバー
表紙
遊紙
扉
まえがき
目次
一、タニシ養殖の予備知識
1、タニシとは
2、タニシの種類
3、タニシの習性
(1)どんな環境を好むか
(2)生活のしかた
(イ)夏季の行動
(ロ)冬季の行動
(3)タニシの一生
4、タニシの成長と繁殖
(1)雄と雌について
(2)産卵の時期と産卵量
(3)産卵の場所
二、タニシ養殖の基本
1、どんなタニシに育てるか
2、養殖で問題になること
(1)減産させない三つの条件
(2)肥大の重点は水温とエサ
(3)水質に注意
3、養殖のあらまし
(1)はじめてから出荷まで
(2)管理のあらまし
三、養殖に必要な施設
1、養殖場の適地
2、養殖のつくり方
(1)水田利用のばあい
(イ)養殖の設計
(ロ)畦畔と外敵防止柵
(ハ)給・排水口
(ニ)床土のつくり方
(2)畑地利用の場合
(イ)畑地利用の利点・欠点
(ロ)養殖場のつくり方
四、養殖管理の実際
1、タニシの入手と投入
(1)どんなタニシを購入するか
(2)入手量と入手時期
(3)投入のやり方
2、水管理のやり方
(1)給水の方法
(2)たいせつな水温調節
(3)酸素欠乏に注意
(4)農薬対策
3、エサのやり方
(1)自然のエサと人工のエサ
(2)人工エサのつくり方
(3)エサの給与量
(4)エサの与え方
4、日常観察のポイント
5、捕獲のやり方
(1)捕獲の考え方
(2)捕獲のやり方
(3)捕獲から出荷まで
五、外敵とその防除
1、外敵
2、防除の方法
六、タニシ養殖と経営
1、タニシ養殖の現状
2、タニシ経営の考え方
3、採算の実例
4、販売方法のくふう
(1)特約店方式
(2)自分で加工するのが有利
5、タニシ養殖と他の作目との関係
(1)イナ作とタニシ養殖
(2)ドジョウ養殖とタニシ養殖
七、タニシ養殖・各地の試み
1、棚田利用のタニシ養殖
2、冷水地帯での共同タニシ養殖
3、兼業農家のタニシ養殖
4、生産組合をつくってタニシ養殖
5、温泉地でのタニシ養殖
6、町が取り組むタニシ養殖
7、金魚池で成功
八、タニシ養殖・今後の問題
(1)産卵養育場の実験
(2)新しい品種づくり
九、タニシ料理と副産物利用
(1)串ざし料理
(2)ネギヌタ料理
(3)タニシの煮もの
(4)タニシのてんぷら
(5)スウッブ料理(タニシ汁)
(6)タニシのでんがく(つぼでん)
(7)タニシ丼
(8)タニシ殻利用のこけし
(9)タニシの廃物はコイのエサに利用
(付)淡水魚介類の成分分析表
奥付
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遊紙
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