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2022年4月

2022年4月30日 (土)

「淡水産のエビとカニ」 鈴木廣志 佐藤正典 西日本新聞社 平成6年 その4

(5)エビ・カニ類の名前を調べよう P.44~
 鹿児島県の淡水産のエビ・カニ類の検索表
  10ページを割り当て、眼や脚などの特徴を記述しイラストも掲載し
  ているが一寸学術的

 各種の解説(形態・生態・分布)
  以下、1種に2ページを割り当てイラストと白黒写真も掲載し解説し
  ていますが形態は学術的です。
  ここでは科の特徴、和名と学名そして気になった点だけ記してお
  きます。

  ヌマエビ科
   すべて淡水産
   日本では7属23種で鹿児島県には10種
   第1と第2胸脚は同形で長さもほぼ等しい、ハサミ脚で先に長い
   毛

   オニヌマエビ Atyopsis spinipes
   ヌマエビ Paratya compressa compressa
    陸封型と両側回遊型がいる
    亜種のヌカエビ P.compressa improvisaとの違い

   トゲナシヌマエビ Caridina typus
   ツノナガヌマエビ Caridina longirostris
   ミゾレヌマエビ Caridina leucosticta
   ヒメヌマエビ Caridina serratirosyris
    亜種または別種のコテラヒメヌマエビ C.celebensisとの違い

   ヤマトヌマエビ Caridina japonica
             ※今はC.multidentata、Amano shrimp
   アシナガヌマエビ Caridina rubella
    琉球列島固有種

   サキシマヌマエビ Caridina sakishimensis
    琉球列島固有種

   ミナミヌマエビ Neocaridina denticulata
    島嶼には分布しない
    亜種として
     N.denticulata sinensis
     N.denticulata koreana
     N.denticulata keunbaei

  テナガエビ科
   日本には属101種、淡水産は約10種、鹿児島県は9種
   ハサミの先に毛がない
   地方名として奄美地方でタナガ・タンガ、屋久島でタクマ、県本
   土でダンマ・ダツマエビ

   スジエビ Palaemon (palaemon) paucidens
   コンジンテナガエビ Macrobrachium lar
   ザラテテナガエビ Macrobrachium australe
   テナガエビ Macrobrachium nipponense
    河口域は小卵で両側回遊型、静水域は大卵で陸封型と考え
    られている

   ヒラテテナガエビ Macrobrachium japonicum
    別称ヤマトテナガエビ

   スベスベテナガエビ Macrobrachium equidens
    種子島と奄美大島のみ

   コツノテナガエビ Macrobrachium latimanus
   ミナミテナガエビ Macrobrachium formosense
   ツブテナガエビ Macrobrachium gracilirostre
    日本では琉球列島のみ

  アメリカザリガニ科
   在来種 Cambaroides japonicus
   北アメリカから3属4種
   アメリカザリガニは1926年鎌倉市へ移入

   アメリカザリガニ Procambarus(Scapulicambarus) clarkii
    島嶼部には分布しない

  イワガニ科
   日本には31属約70種

   オオヒライソガニ Varuna litterata
   モクズガニ Eriocheir japonicus
    寒い時期が繁殖期
    地方名はヤマタロウ、ツガニ、ツガネ、ズガニなど
    肺吸虫の中間宿主なので食用には注意する

  サワガニ科
   すべて陸封種
   日本には1属9種
   7種は奄美諸島以南
   鹿児島県には5種

   サワガニ Geothelphusa dehaani
    冬眠する
    肺臓ジストマ(ウェステルマン肺吸虫)の中間宿主食用には
    注意
する
    色彩の異なる個体群は分布が重複しない

   リュウキュウサワガニ Geothelphusa obtusipes
    琉球列島固有種
   サカモトサワガニ Geothelphusa sakamotoana
    琉球列島固有種
   オオサワガニ Geothelphusa levicervix
    琉球列島固有種
   ミカゲサワガニ Geothelphusa sp.
    大隅半島固有種

  ミナミサワガニ科
   日本には1属3種
   鹿児島県には1種

   アマミミナミサワガニ Candidiopotamon amamense
    奄美諸島固有種

 鹿児島県の淡水産のエビ・カニ類の分類表 P.122~
  今は根鰓亜目と抱卵亜目

 用語解説 P.126~
  平仮名(漢字)から引ける

 主要な参考文献 P.132~
  1.淡水産のエビ・カニ類の分類、生態、分布について
  2.人間の影響について
  3.一般的な図鑑と参考書
  4.鹿児島大学水産学部水産学科および理学部生物学科の卒業
   論文(B)・修士論文(M)

 索引
  事項索引 平仮名
  和名索引 カタカナ
  学名索引 アルファベット

エビ・カニ談話室 ※コラム的な項
 鹿児島県の生物地理的面白さ
  生物地理区は旧北区、エチオピア区、東洋区、新北区、新熱帯
  区、オーストラリア区の話

  三宅線、渡瀬線の話

 トカラ列島の不思議
  海岸線の切り立ち、河口の落差による生息種の違い

 エビ・カニ類の色彩
  焼くと赤くなるのはクリスタセオルビンがチアンクルスタリンへ変
  わるため
  サワガニの赤はβ-カロテンから作られるアスタキサンチン・モノエ
  ステルやアスタキサンチン・ジエステルと考えられる

 無農薬の水田のまわりにエビ類がもどってきていないだろうか?
  ミナミヌマエビは「タエビ」とも呼ばれ畦にもいた

 エビ・カニ類の殻はからだにいい?
  キチンと強アルカリで分解したキトサンの話

以上でこの本の紹介は終わりです。


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西暦1994年=平成6年
関連書
「faura」ファウラ 2006 SUMMER No.12 特集「ニホンザリガニ」2006年

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2022年4月24日 (日)

「淡水産のエビとカニ」 鈴木廣志 佐藤正典 西日本新聞社 平成6年 その3

(2)エビ・カニ類お生活と分布 P.12~
 1.エビ・カニ類のすみ場所
  上・中・下流の定義を説明
   上流部の様相
    一つの蛇行区間に多くの瀬と淵が交互にあらわれる

   中流部の様相
    一つの蛇行区間に瀬と淵が一つずつ
    波立っている

   下流部の様相
    一つの蛇行区間に瀬と淵が一つずつ
    ほとんど波立ってない

 2.エビ・カニ類の一生
  鹿児島県の淡水域でみられる28種のうち純淡水種は8種
  卵の大きさと抱卵数、メスの大きさの一覧表を掲載
  陸封種
   幼稚体で孵化とゾエア期で孵化する種
   別水系への移動は普通ない

  両側回遊種
   ゾエア期で孵化し海に下る
   モクズガニはメガロパ幼生で河口にもどり、変態後に稚ガニが
   淡水域に遡上

 3.流程分布
  川内川(せんだい)、肝属川(きもつき)、万之瀬川(まのせ)での標
  高、河口からの距離の種分布図を掲載
  分布の違いは歩行力、種間の競合など

 4.地理的分布
  エビ類の地理的分布
   県内では2科6属19種
   島、半島16地点でのエビ20種とカニ8種の出現表を掲載

  北方系種
   ミナミヌマエビ、スジエビ、テナガエビ
   南方系種との分布境界図を掲載

  南方系種
   ツノナガヌマエビ、コンジンテナガエビ、サラテテナガエビ、オニ
   ヌマエビ、コツノテナガエビ、スベスネテナガエビ、ツブテナガエ
   ビ

  サワガニ類の地理的分布
   日本には1種、鹿児島県は2科2属6種
   ・・・サワガニ類は一生を淡水域で送り。海水中では生きていけ
   ない・・・
   分布境界と固有種の地図を掲載

 5.エビ・カニ類の生息環境におよぼす人間の影響
  土木工事について
   3面水路、護岸、河口での工事の影響

  水質汚染について
   生活排水、産業排水、自然浄化低下などの有機物汚染
   農薬などの毒物
    農薬フェニトロチオン(スミチオン)による半数致死濃度表を掲載

  放流について
   外来種の放流
   移入種

(3)人間生活との関係 P.30~
 水産資源
 ・・・食べるときは、必ず熱を十分に通さなくてはいけません・・・
 肺吸虫=肺臓ジストマ、ウエステルマン肺吸虫、ベルツ肺吸虫
  第1中間宿主カワニナ類、第2中間宿主エビ・カニ類、幼虫が人へ
  包丁、まな板も扱い注意

(4)エビ・カニ類を観察してみよう P.32~
 1.エビ・カニ類の生活環境を調べよう
  日時と場所は必ず記録
  観察項目、内容、方法・道具の表を掲載

  物理的環境
   流速をピンポン球と凧糸で測る方法を記述

  科学的環境
   水質測定にパックテストを利用

 2.採集と飼育の仕方
  採集の仕方
   道具や服装、漁業権の解説

  飼育の仕方
   エサやろ過の話

 3.標本のつくり方
  液浸標本
   ホルマリン固定、エチルアルコール液浸の手順解説

  乾燥標本
   ホルマリン固定後に乾燥する

  ラベルの書き方、液浸の場合は必ず鉛筆で

 4.用具の入手方法
  棒状温度計、比重計・塩分計、パックテスト、タモ網、ルーペ、実
  体顕微鏡、飼育水槽、エーハイム濾過器、ホルマリン、99%エチ
  ルアルコール、標本ビンの価格と入手先を記述

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西暦1994年=平成6年
関連書
「faura」ファウラ 2006 SUMMER No.12 特集「ニホンザリガニ」2006年

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2022年4月 9日 (土)

「淡水産のエビとカニ」 鈴木廣志 佐藤正典 西日本新聞社 平成6年 その2

表紙裏との見開き
 鹿児島県内地の河川図、島々の地図

本書の特色
 全28種の解説、検索表、自由研究のために、人間との関わり、
 学校での活用

はじめに
 ・・・開発優先の日本社会は、川や池の姿を大きく変えて・・・川や
 池の生き物はすっかり少なくなって・・・子供たちにとって魅力のな
 い場所になってしまいました。

 ・・・子供にとって、自然とのふれあいを通して育まれるものははか
 りしれなく大きいと思う・・・子供たちの遊ぶ声がもどってくることを
 願っています。このガイドブックは・・・水遊びをより一層楽しくさせる
 ために作られたものです。

 ・・・全種(28種)を掲載し、・・・陸上で生活する種や河口域(汽水域)
 だけに生息する種は含んでいません。・・・

謝辞
 出版社、校正者、論文提供者、採集者、研究者、標本や原記載図
 提供者へのお礼

(1)エビ・カニ類とはどんな生き物 P.4~
                      ※本来の章番号はローマ字
  ・・・日本では、エビ類が約480種、カニ類が約960種知られてい
  て・・・淡水産としてはエビ・カニあわせて約45種が知られていま
  す。・・・

 1.エビ・カニ類の体の特徴
  13対の付属肢のこと
  眼は脳の神経が体外に出たもの
  腹部の形態からエビ類、ヤドカリ類、カニ類の違い

 2.脱皮
  外骨格のこと

 3.雄と雌の体の違い
  エビ類における違い
   イラストで解説
   第2腹肢に違いが見られる
   ザリガニ類は第1腹肢

  カニ類における違い
   イラストで解説
   腹部の形で区別
   若い個体でははっきりしないので腹部を開く

 4.食性
  ハサミの大きさによる違い

 5.繁殖の特徴
  2種類ある

 6.生活史の概略
  ノープリウス幼生、ゾエア幼生、メガロパ幼生、幼稚体の説明
  淡水産エビ類ではメガロパ幼生の段階はない
  特徴と模式図表を掲載

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西暦1994年=平成6年
関連書
「faura」ファウラ 2006 SUMMER No.12 特集「ニホンザリガニ」2006年

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2022年4月 2日 (土)

「淡水産のエビとカニ」 鈴木廣志 佐藤正典 西日本新聞社 平成6年

「淡水産のエビとカニ」 鈴木廣志 佐藤正典 西日本新聞社 平成6年3月21日発行 B6判 P.137 定価1000円 かごしま自然ガイドシリーズ

 カラー写真は口絵に5葉掲載され、種の解説で種毎に標本のような白黒写真1葉が添えられいますが、多くはイラストであり図鑑的に眺める本ではありません。また紙質からフィールドでは耐えられません。

 執筆者は当時、鹿児島大学の助教授と助手であるため解説は学術的ですが、文は平易に書かれ専門用語にはフリガナも打ってあり、また巻末の用語解説は平仮名での索引が記述されていて、大人から中学生ぐらいまで楽しめそうです。ただし種解説の形態の項は学術的です。

 また採集用具の項ではアミ、飼育器具、薬液などの価格も記述されています。

 生物学の用語はなんとなく読んでしまいますが、「両側回遊」は「りょうがわ」ではなく「りょうそく」と読むように、本書は正しい読み方を知るいい機会だと思います。

 本書は古書界ではよく見かけますが、売り切れが多いので出会ったときに買うのがいいと思います。手元の本は福岡市の古書店から入手しました。


【構成】
表紙 ※カバーはない
本書の特色

口絵 ※目次も兼ねている
目次
 はじめに
 (1)エビ・カニ類とはどんな生き物 ※本来の章番号はローマ字
   1.エビ・カニ類の体の特徴
   2.脱皮
   3.雄と雌の体の違い
     エビ類における違い/カニ類における違い
   4.食性
   5.繁殖の特徴
   6.生活史の概略

 (2)エビ・カニ類お生活と分布
   1.エビ・カニ類のすみ場所
      上流部の様相/中流部の様相/下流部の様相
   2.エビ・カニ類の一生
     陸封種/両側回遊種
   3.流程分布
   4.地理的分布
     エビ類の地理的分布/北方系種/南方系種/サワガニ類の
     地理的分布
   5.エビ・カニ類の生息環境におよぼす人間の影響
     土木工事について/水質汚染について/放流について

 (3)人間生活との関係
 (4)エビ・カニ類を観察してみよう
   1.エビ・カニ類の生活環境を調べよう
     物理的環境/科学的環境
   2.採集と飼育の仕方
     採集の仕方/飼育の仕方
   3.標本のつくり方
     液浸標本/乾燥標本
   4.用具の入手方法

 (5)エビ・カニ類の名前を調べよう
   鹿児島県の淡水産のエビ・カニ類の検索表
   各種の解説(形態・生態・分布)
   鹿児島県の淡水産のエビ・カニ類の分類表
   用語解説
   主要な参考文献
   索引

 エビ・カニ談話室
  鹿児島県の生物地理的面白さ
  トカラ列島の不思議
  エビ・カニ類の色彩
  無農薬の水田のまわりにエビ類がもどってきていないだろうか?
  エビ・カニ類の殻はからだにいい?

はじめに
謝辞
奥付

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西暦1994年=平成6年
関連書
「faura」ファウラ 2006 SUMMER No.12 特集「ニホンザリガニ」2006年

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