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2021年1月24日 (日)

「金魚の小百科」 蒼海芳雄 金園社 昭和54年

「金魚の小百科」 蒼海芳雄 金園社 昭和54年3月20日発行 四六判 P.206 750円

 著者は金魚界で名は知られていませんが、本文を読んでいると他の金魚本では書かれない器官の仕組みや動き、栄養素の働き、活き餌、薬剤などは専門用語を使い詳説していて、生物学又は解剖学の先生か水産試験場の技師のように感じます。

 本文は白黒写真は少ない代わりに赤と黒のイラストを程よく配していますが、二段組みで文字も小さめであるため読み応えはあります。

 産卵育成のところは養殖業者の規模の話で、タライなどで金魚を殖やす方にはあまり参考になりません。

 本書は古書界にはよく出ていますので容易に入手でき、古書価も廉価です。手元の本は大阪府門真市の古書店より入手しました。

【構成】
カバー
表紙
遊紙

口絵
まえがき
目次
 1 金魚はどういう魚か
  どうして金魚が生まれたか
   フナの証明
  フナから金魚への歴史
   形のうつり変り

  中国産の金魚
   7品種名を羅列
  日本産の金魚
   27品種名を羅列

  金魚の習性
   産卵とふ化
   ふ化後の変化
    ふ化二日目 四日目 五日目 二十日目 その二~三日後
    約五十日

   金魚の生育
   金魚の形と泳ぎ方
   金魚と水温
   光と金魚

  知っておきたい金魚の器官
   金魚の眼
   魚と呼吸
   金魚と血液
   魚の胃・腸など
   不用物の排泄
   産卵の器官
   刺激を感じる器官
    臭い 味 音 触覚

  成長する餌
   餌と栄養
   栄養と成長
    蛋白質 炭水化物 脂肪 無機物 ビタミン類 H因子
   基本となる餌
   抗生物質を加える
   配合飼料の良さ
   配合飼料の使い方

  金魚に良い水の質
   水の温度と魚
   水の流れと魚との関係
   水の量と魚の体
   水の成分
   水の質と成長

  水草と金魚
  金魚の害虫
   水の中の虫
    ゲンゴロウムシ ガムシ ミズスマシ タイコウチ ミズカマキリ
    タガメ コオイムシ チョウ イカリムシ

  金魚の産卵

 2 金魚のふやし方
  産卵の準備
   産卵用の池
   親魚の選び方

  親魚の準備
   親魚の知識
   親魚の扱い方
   親魚の組合せ

  産卵のさせ方

  ふ化から稚魚まで
   選別の仕方
    第一回 第二回 第三回 第四回 選別の方法

  ふ化から取揚げまで
   子魚の池と水換え

  稚魚の病気と予防
  取揚げ
  金魚の活餌
   ミジンコ ケンミジンコ イトミミズ ワムシ アカムシ ボウフラ

 3 買って来たときの金魚
  買うときの準備
   買われる前の金魚
   良い水槽と悪い水槽

  金魚の買い入れ
   オスとメス
   買う金魚の年令
   金魚の色
   買う時期
   水槽と尾数
   水槽の扱い方

  水の質について
   水の中の酸素 金魚に適した水温

  買われた金魚

 4 病気の発見と防ぎ方
  発見と手当と防ぎ方

 5 魚病の取扱いと手当
  魚病と手当
   病名を26列記

 6 治療に使う薬剤
  薬の働きと使い方
   7種の薬名を列記

   飲ませる薬
    3種の薬名を列記

   薬浴
    8種の薬名を列記

 7 金魚の観賞の仕方
  ガラス容器
  ランチュウの観賞
   頭部 背中と尾筒 尾 体色と鱗

  金魚の観方
   メスとオス
   5品種名を列記

奥付
遊紙

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