「金魚の小百科」 蒼海芳雄 金園社 昭和54年 その2
口絵
4ページに7品種と稚魚のカラー写真
まえがき P.1~
キンギョは夏の風物詩、という季節感は次第に失われつつあり、
春夏秋冬いつでも飼われている・・・
短命だといわれる原因を探してみますと、たいていキンギョに対
する愛情が不足していたり、水の管理、餌料の与え方などが悪い
ことが・・・
・・・キンギョをよく観察して、通常と異なる様子をみせたときには、
すぐ、何が原因でそういう様子をしたかを調べ、すぐ対処すること
が何より大切です。・・・
著者
1 金魚はどういう魚か P.11~
どうして金魚が生まれたか P.11~
中国説の話、文献等は記していない
フナからの突然変異の話
フナの証明
血清の沈降反応、染色体、遺伝学的研究による
フナから金魚への歴史 P.12~
中国での話
色の次は尾
形のうつり変り
ワキンからヒレ、肉瘤、透明鱗、鼻孔の話
中国産の金魚 P.14~
大別すると
文魚(ウエンユウイ) 普通のキンギョ
竜晴魚(ロンチンユウイ) 出目性のキンギョ
蛋魚(タンユウイ) 背ビレのないキンギョ
各部
体形 狭長と短円
頭部 虎頭(こ)、鷲頭(が)、蛤蟆頭(はま)、獅子頭、蝦蟆頭、
高頭、鼠頭
眼形 正常、小眼、竜晴、水泡眼。朝天眼、灯泡眼、望天眼、
葡萄眼、鴛鴦(えんおう)、(石+朱)砂眼(しゅしゃ)
鰓蓋 反鰓(はんすう)
鼻孔褶 絨球(しゅうきゅう)
尾鰭 単双、上単下双、垂尾、展開尾、三尾、長尾、中長尾、
短尾
背鰭 正常、残骨、竜背(欠骨)、長背、短背
臀鰭 単双、上単下双、残臀、欠臀、長臀、短臀、腹臀
鱗 正常な不透明、透明、網目、珍珠鱗
体色 灰色、紫色、藍色、黒紅色、古銅色、橙色、白五色、
斑色、雑斑
品種 草金魚、蛋魚、竜晴、朝天眼、絨球、反鱗、獅子頭、
墨魚、藍魚、鷲頭、紫魚、五花
---メモ---
蟆=ひきがえる
鴦=鴛鴦=おしどり、「鴛」は雄の、「鴦」は雌のオシドリ
(石+朱)=鉱物の一種、朱砂
以下の品種の解説
珍珠鱗魚(チユンシユリンユウイ)
別名は珠鱗魚(シユリンユウイ)、パール
絨球魚(シュウチュウユウイ)
日本ではハナフサと同一視している
紅頭魚(ホントウユウイ)
日本ではタンチョウ、丹頂
哈蟆頭(ハマトウユウイ) ※ここでは「蛤」ではない
水泡眼(シュイポオユウイ)、スイホウガン
銀魚(イエンユウイ)
白色に変わったものは白銀魚(パイイエンユウイ)
青文魚(チンウエンユウイ)
日本では羽衣
尾の長いものは揺れ台目(ヤウタイユ=ゆれる満月)
藍がかった銀魚を藍文魚(ランウエンユウイ)
肉瘤があるものを藍鷲頭魚(ランガトウユウイ)
紫魚(ツウユウイ)
日本では茶金
肉瘤が褐色のもの紫帽子(ツオマオユウイ)または紫帽子頭魚
(ツオマオットユウイ)
肉瘤が褐色で赤っぽいものを紅帽子(ホンマオツユウイ)または
紅帽子頭魚(ホンマオットユウイ)
日本産の金魚 P.21~
以下の品種を解説。
色、尾型、歴史など、ここでは別名など少し記しておきます。
ヒブナ(緋鮒)
真のフナと和金雑種の区分法
ワキン(和金)
別名ヤマト
古くはコガネウオ、金魚(チンユウイ)
リュウキン(琉金)
別名オナガ、ナガサキ
外人はベール・テイル、ファン・テイルと呼ぶ ※テール
フナ尾はフキナガシ(吹き流し)、米国ではニンフ
上葉と下葉との切れ目が深いものスワロー・テイル、
リボン・テイル
小型に育てたもの豆琉(まめりゅう)
ランチュウ(卵虫)
別名マルコ(丸子)、チョウセン、朝鮮金魚、(魚+蘭)鋳、金鋳
外人はリオン・ヘッド ※ライオン?
アズキサラサ(小豆更紗)、フサ、ヒゲ、シシガシラ(獅子頭)、
トキン(兜金)、オカメ(お亀)の話
オオサカランチュウ
ヒラヅケ(平付)
ナンキン
島根県宍道町で中心に飼育保存
オランダシシガシラ(和蘭獅子頭)
クロオランダは胸ビレが黄色のものが多い
テツオナガ(鉄尾長)
黄金色に光る胸ビレを持っているものが多い
ハナフサ(鼻房)
伊勢地方で飼育されていたが絶滅
松井佳一氏が大和郡山市高塚養魚場で発見しニホンハナフ
サ
トサキン(土佐金)
動きの鈍さで繁殖率がよくない
ワトウナイ(和唐内、和琉)
別名ワリュウ
ヤマガタキンギョ(山形金魚)
ショウナイキンギョ、フリソデキンギョ(振袖)、フタツオキンギョ
(二尾)
ジキン(地金)
地金魚、しゃち、愛錦、孔雀、六鱗などの別称
腹部のくくれ方でムナバラ、ウシロバラ
デメキン(出目金)
支那魚、支那金、支那キンギョと呼ばれていた
英語ではテレスコープ・アイ、中国では竜晴魚(ロンチンユウイ)
A アカデメキン(赤出目金)
B クロデメキン(黒出目金)
C サンシキデメキン(三色出目金)
チョウテンガン(頂天眼)
別名デメランチュウ
箕作佳吉博士は1904年に天文望遠鏡魚と名付けた
英語名はCelestial gold fish(天文の金魚)
シュウキン(秋錦)
明治30年(1897)に松原新之助が命名
ツガルニシキ(津軽錦)
昭和2年(1927)に弘前金魚協会が命名
ヒロニシキ(弘錦)
ツガルニシキとランチュウの交配で明治41年(1908)にできた
キンランシ(金蘭子)
明治35年(1902)ごろ初代秋山吉五郎が生育
シュブンキン(朱文錦)
サンシキデメキンとフナ尾のワキンとヒブナの自由交配
テツギョ(鉄魚)
大正11年(1922)の平和記念東京博覧会に山形県の若畑沼
のものが出品
キャリコ
キャリコとはサラサの意
アズマニシキ(東錦)
別名キャリコオランダシシガシラ
エドニシキ(江戸錦)
尾の長いものは京錦
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西暦1979年=昭和54年
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