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2020年2月

2020年2月29日 (土)

南米の魚の王様「ペヘレイ」の現状と将来 水産振興第180号(第16巻 第12号) 東京水産振興会 昭和57年

南米の魚の王様「ペヘレイ」の現状と将来 水産振興第180号(第16巻 第12号) 東京水産振興会 昭和57年12月1日発行 A5判 P.44 非売品

 淡水魚が好きな方でもペヘレイの名を知っている人は少ないと思います。
 かつて淡水魚系の新聞記事をスクラップしていたので、この書名を見たときは養殖本と知りながらも購入しました。

 本機関誌は昭和42年に創刊し、今現在も発行していますが平成22年途中からは振興会HP上でPDFで読む事ができます。

 執筆者の渡瀬節雄(さだお)氏は略歴によると水産講習所を卒業後、大洋漁業(株)に就職しブラジルで所長、その後東海大で非常勤講師、ペルーの大学で招待教授の職に就いています。

 単一種についての書籍や雑誌が少ない中、さすがによく書かれていてペヘレイ史を知る上で貴重な雑誌だと思います。

 文は平易で写真は白黒のものが3枚掲載されているだけで、イラストと表も少しです。

 内容で面白いのは日本のティラピア養殖技術輸出により、他国で盛んになり日本が価格的に負けた経緯から、ペヘレイ養殖技術は国外へ出さない方向であった事とのことです。

 このような経緯ではありますが、現状市場で見かける事はありません。一部の河川や湖では自然繁殖しているようです。

 この雑誌自体古書界では数が少なく、よって本号だけをを探すのは難しいと思います。手元のものは兵庫県川西市の古書店からの入手です。

【構成】
表紙
表紙裏
 発刊の趣旨
 目次
 略歴
バックナンバー
奥付

目次
 一、 二〇〇カイリ時代到来による漁業転換
 二、 新魚種の開発と移植
 三、 日本ペヘレイ開発研究会の発足
 四、 移植の歴史
 五、 分布と種類
 六、 漁場・漁期・漁法
 七、 生物学特性と増養殖の実際
 八、 ふ化放流
 九、 国内における利用
 十、 南米における利用状況
 十一、国内・海外への移植
 十二、諸問題
 十三、将来展望

---
西暦1982年=昭和57年
関連書
「北国のティラピア・ニロチカ」 鹿糠九助 熊谷印刷出版部 昭和53年

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2020年2月27日 (木)

「プラタパッド」 1993年10月号 創刊号 通巻1号 鳴美 その4

2m水槽で単独飼育・理想を追求する P.24~
                       金子 学(マニア)
 マニア訪問
 2000*1000*1000の関東鉄建製の水槽

スーパーオレンジについて P.27~ 高島吉童
                      (プレミアム・ワールド社長)
 スーパーオレンジとスーパーレッドの違いは
 スーパーオレンジの個体差
  詳しくは刊行予定の「アジアアロワナの秘密」に書く
 スーパーオレンジのランク

 ワイルド(野生)の5種
  (1)血紅龍、昔の紅龍
  (2)プッカンバルゴールデン、日本ではスマトラゴールデン
  (3)過背金龍、日本ではマレーシアゴールデン
  (4)グリーン(青龍)
  (5)ゴールデンアロワナ(紅尾金龍)

アジアアロワナの他魚種との混泳について P.30~ 陳 敏生
                                  (台北市)
 目が垂れはじめ鰓がめくれてきた22cmのアロワナの直し方

アロワナ放談(座談会) P.32~
 山崎好是(本誌主幹)ほか3名のマニア

 基本はディスカス
  雑誌に載る換水回数と香港での回数の話

 最初はグリーン
  アジアアロワナは輸送に弱い

 ペアリングは怖い
  混泳、購入費、ショップの話

 サイテスの精神
  ショップの姿勢の話

 アロワナの餌
  台湾での餌、学者が言う餌

殺菌灯の効果について P.38~ 山本正治
 殺菌灯と水換えの周期とpH値
 モトロによるpH異変

カンボジアのダトニオ P.40~ 山崎好是
 1m程の小川で子供が採っていた魚

ひざ枕ならぬアロワナのヒレ枕 P.42~ 山崎好是
 40cm越えの5尾の行動

今月の龍魚 血紅龍(シェ ホン ロン) P.44
 「龍魚世界」による4種の色
   橘色(ヂー)、粉紅色(フェンフォン)、深紅色(センホン)、
   血紅色(シェホン)

 名前の変遷
  レッドテールゴールデン→オレンジアロワナ→スーパーオレンジ

   ・・・血紅龍というのは、カリマンタンのカプアス川上流で採れる
  アロワナの種
を指している。・・・血紅龍はあまりたくさん子供がと
  れない聞く。・・・

   ・・・血紅龍は赤くなるのに7年かかるというので・・・台湾では色
  の出方で、同じ血紅龍でも辣椒色、血紅色、深紅色という分け方
  をしている。・・・

「龍魚世界」の分類表を掲載
 産地、中国語、中国語(読み)、通称(英語)、通称(日本)、幼魚

以上でこの雑誌の紹介は終わりです。

---メモ---
西暦1993年=平成5年
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2020年2月22日 (土)

「プラタパッド」 1993年10月号 創刊号 通巻1号 鳴美 その3

アクアラマにシンガポールの養殖魚展示 P.10~
                         山崎好是※ヨシユキ
  シンガポールで1年置きに開催されるアクアラマは・・・輸入業者
 にとっては有り難い祭典・・・

  シンガポールでは・・・政府の指導があって、養殖事業は中止さ
 れたと聞いていた。しかし、アクアラマ会場にはオレンジアロワナ
 (Red Dragonと表示されていた)成魚・・・展示され・・・繁殖に成功し
 ている・・・

アロワナの餌についての考察 P.12~ 周 天明(貿易商)
 エサ金多用の害について
 人工飼料、昆虫、野生の雑魚がいい理由
 コオロギの足を取る不要さ
 
血紅龍と橘紅龍とは別のアロワナだ P.14~
                      章 道明(南海園有限公司)
 台湾のアロワナ専門店である氏へのインタビュー

 15cm以下の魚で血紅龍と橘紅龍を見分ける事が出来るか
  両品種の生息場所、大きさについて
  血紅龍の特徴を4点記述

 血紅龍は血統だと言われているそうだが
  血紅龍、橘紅龍、黄龍の棲み分け
  養殖所でのハイブリッド

 成魚から採れる稚魚の数は違うのか
  血紅龍と橘紅龍の口内保育数を記述

 台湾では餌に何を与えているのか
  エサは2種
  20cm前後の個体への量
  日本で行われる餌抜きの害

 台湾では色揚げ剤を使うのか
  カロチンの話

アロワナはどう飼うべきか(1) P.18~ 坂本孝治(ポンティアナ)
 複数飼育と混泳
  尾数と水槽の大きさ
  混泳他魚1~2匹は危険

 水槽の大きさ
  体長と水槽の奥行き
  体長より狭い水槽での鰓めくれ

 水質について
  導入時20センチ以下の個体の場合pHの差
  pH7.0以上のアルカリでの体色
  硬度が高いときの性質

 飼育温度について
  体長20センチまでと成魚の水温とその理由

 餌の種類
  コオロギの話
  エサ金の直前に与える餌
  レッドタイプに与えるエサ
  クリルの弊害

 餌の量
  与えすぎの話


---メモ---
西暦1993年=平成5年
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2020年2月15日 (土)

「プラタパッド」 1993年10月号 創刊号 通巻1号 鳴美 その2

表紙 血紅龍

 P.3 ※中国語と日本語で記載
  金龍ことアジアアロワナは、我々中国人の間では、幸運を呼ぶ魚
 として・・・黄金に輝く金龍は金塊をイメージし、商売繁盛の守神とし
 て・・・紅龍は幸運の証として・・・

  このたび・・・日本語版のアジアアロワナの専門誌を発行できるこ
 ととなりました。

  ・・・将来は、沖縄にアロワナの養殖場を作る計画もあり・・・

        1993年8月       スー・チャオ・ツェン
        民国八十二年八月  徐 巧貞
 
アジアアロワナはなぜ高いのか? P.5~ 黄 英明
                            ホワン・イン・ミン
  ・・・華僑の人達を中心に、幸福を呼ぶ魚として珍重されてきた歴
 史がある。・・・
  ショップの人に「なぜアロワナは高いのか」と聞くと、この魚はワシ
 ントン条約で保護されていて、登録票が無いと飼育できない。輸入
 される数量も決まっていて貴重だから。・・・

  ・・・国際取引が制限され、日本ではインドネシアのカリマンタン地
 域にあるポンチャナクの養殖場で採仔された稚魚以外は、輸入が
 認められていない。・・・

  ・・・シッパーは・・・政府公認のシッパーで、4軒ある。熱帯魚の輸
 出業者である・・・
        (注1:1993年からはピンタンカルバーの1軒のみ)

  ・・・サイテスは1回の輸入の際にまとめて交付されるもので、1尾
 づつに付いているわけではない。・・・


  ・・・アジアアロワナの輸入は、平成元年から解禁になっている
 が・・・

  ・・・問題のサイテスはであるが、実際の手数料と、役人の余録
 で・・・インドネシア紙幣にして両手に持ちきれないほどの金額を用
 意しなくてはならない。・・・サイテスは200尾が1ロットになる。これ
 は、役人のジャカルタからポンチャナクの航空運賃や余録等を計算
 に入れると・・・採算が取れないからで・・・

  ・・・血紅龍は現地でもなかなか採れない希少魚であるので・・・
 本当の血紅龍なら確実に7桁かそれに近い価格が付いてい
 る。・・・

大型アクリル水槽の正しい知識(1) P.8~ 渡辺直樹
                           (関東鉄建(株))
 第1回 アクリル素材について
   ・・・キャスト板と押出板に大別される。・・・外見上、触覚上の差
  異は一般レベルでは存在しない。

   キャスト板は・・・押出板より多くの分子が手を握りあって構成さ
  れ・・・強度がでるということだ。

   ・・・押出板にくらべて耐クリープ特性(経年変形量)に優れ、軽
  量で、耐衝撃性がある。その反面、価格が高いという・・・

   ・・・台湾、韓国。フィリピン等があるが、やはり国産のものが
  明度、耐衝撃性、厚みの均一性で優れている

   ・・・耐衝撃板、耐摩擦性板・・・この2つの板は、水槽用の厚さ
  10mm以上の厚板が規格化、量産化されていない・・・

   ・・・国産には、数社のメーカー・・・品質の差はないと言ってよ
  い。・・・


---メモ---
西暦1993年=平成5年
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2020年2月 8日 (土)

「プラタパッド」 1993年10月号 創刊号 通巻1号 鳴美

「プラタパッド」 1993年10月号 創刊号 通巻1号 鳴美 B5判 P.46 定価1500円


 本雑誌はアジアアロワナの専門誌として創刊され、2013年4月の通巻59号をもって休刊となりました。

 創刊年の1993年はバブル景気が終わった1991年の後で、次の2002年からのいさなぎ景気までの不況時期の間に、高価なアジアアロワナの雑誌を発刊した事になります。

 出版数を眺めてみると、さすがにバブル不況と連動し途中から冊数は減少しましたが、いざなぎ景気が始まると再度、冊数を増やしました。

 しかし2008年のリーマンショックを受け出版数は徐々に減り、出版出来ない年もあり2013年を最後に休刊に至っています。

 発行は山崎好是(よしゆき)氏が代表を務める(株)鳴海で、ネットで調べると切手関連の書籍を出版するなどの事業を主力に展開している会社です。

 雑誌のつくりは、コート紙で中綴じとなっています。

 創刊号では、カラー写真は広告を兼ねた読者紹介だけで、アジアアロワナの美を見たいアクアリスト向けでは無いと思います。

 本号の内容では、記事は古いですが輸入についての秘話的内容は楽しめますし、アクリルの話も平易で参考になります。

参考までに出版数は
 1993年(H 5)           1冊 No.1
 1994年(H 6)~1999年(H11) 各年4冊 No.2~25
 2000年(H12)           3冊 No.26~28
 2001年(H13)           2冊 NO.29~30
 2002年(H14)~2003年(H15) 各年3冊 NO.31~36
 2004年(H16)          4冊 NO.37~40
 2005年(H17)          3冊 NO.41~43
 2006年(H18)          4冊 NO.44~47
 2007年(H19)~2008年(H20)  3冊 NO.48~53
 2009年(H21)~2010年(H22) 各年2冊 NO.54~57
 2011年(H23)          1冊 NO.58
 2012年(H24)       発刊なし
 2013年(H25)          1冊 NO.59

 別冊として
 1998年(H10) アジアアロワナ1999 アジアアロワナの飼い方
 1999年(H11) アジアアロワナ2000 魅惑の過背金龍
 2001年(H13) アジアアロワナ2001 至福のレッドアロワナ
          アジアアロワナ2002 アジアアロワナの繁殖
 2002年(H14) アジアアロワナ2003 改訂アジアアロワナの飼い方
 2003年(H15) アジアアロワナ2003 レッドアロワナのすべて

 その他
 2003年(H15) コミック・紅にかける夢 ※アジアアロワナの漫画
           アジアアロワナと疾病と対策

 基本、魚食魚は飼育しませんがシャベルノーズキャットとレッドフィンブリコンは人工飼料で飼いました。ブリコンは今も150cmでミカンスなどと泳いでします。魚食魚であっても書籍は購入します。

 手元の雑誌は地元の熱帯魚店で購入しました。

【構成】
表紙
序 ※序とは書いていない
目次 ※奥付頁に記載
 黄 英明 アジアアロワナはなぜ高いのか?
 渡辺直樹 大型アクリル水槽の正しい知識(1)
 山崎好是 アクアラマにシンガポールの養殖魚展示 ※ヨシユキ
 周 天明 アロワナの餌についての考察
 章 道明 血紅龍と橘紅龍とは別のアロワナだ
 坂本孝治 アロワナはどう飼うべきか
 金子 学 2m水槽で単独飼育・理想を追求する
 高島吉童 スーパーオレンジについて
 陳 敏生 アジアアロワナの他魚種との混泳について
 (座談会) アロワナ放談
 山本正治 殺菌灯の効果について
 山崎好是 カンボジアのダトニオ
 山崎好是 ひざ枕ならぬアロワナのヒレ枕
 (表紙解説) 血紅龍

編集後記
奥付

---メモ---
西暦1993年=平成5年

熱帯魚雑誌 創刊年 一覧

バブル景気は、1986年(昭和61年)12月から1991年(平成3年)2月までの51か月間
いざなみ景気は、2002年(平成14年)2月から2007年(平成19年)10月までの69ヶ月間
リーマンショックは、2008年(平成20年)9月

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2020年2月 1日 (土)

植物の自然誌「プランタ」 特集:湿原と植物 2003年7月 第88号 研成社 その3

高層湿原ミズゴケ 北川尚史 P.20~
 執筆者は当時、奈良産業大学

 高層湿原
  ・・・栄養塩類の乏しい寒冷の地に発達する。ミズゴケ湿原とも呼
  ばれ・・・自らの遺体を下に堆積しながら上へ上へと成長を続け
  る。・・・周辺部よりも高く盛り上がるので「高層」と呼ばれる・・・

  ボッグ(bog)とフェン(fen)の説明

  ・・・高層湿原はまた強度の酸性を示す。地下水によるアルカリ塩
  類が供給されず、また腐植酸などの酸性物質が流されることもな
  く、その場に滞留するためである。・・・表面の水のpHは3.0~4.5
  である。

  ・・・地下部はつねに水で潤って嫌気的な状態にある。・・・

  泥炭(ピート)形成の説明
  霧ヶ峰湿原お八島ヶ原の話

 ミズゴケ
  ・・・世界に約300種、日本に約45種が知られている。・・・ミズゴ
  ケは炭酸カルシウムによって生育が阻害されるので石灰岩地域
  にはほとんど分布しない。

  構造の解説

  ・・・乾燥重量の20倍もの多量の水を蓄えることができるという性
  質と、抗菌性をそなえて腐りにくいという性質に基づき、ミズゴケ
  はランや湿性植物の栽培の用土として利用される。・・・

湿原とイ 宮本太 P.27~
 執筆者は当時、東京農業大学・農学部

 ・・・イグサの栽培主要産地である熊本、福岡、広島、岡山県の方
 なら・・・

 イとは
  ・・・イグサ科はユリ科植物に近縁なものである。・・・ユリ科の多く
  が・・・虫媒花・・・イグサ科の・・・風媒花・・・

  ・・・日本には・・・イグサ属とスズメノヤリ属Luzulaの2属のみが自
  生して・・・

 日本のイグサ
  ・・・帰化種を除き28種が認められる。・・・本州の低地で見られる
  ものは・・・11種である。・・・

  宮崎県高鍋湿原の話

 ヒマラヤのイの仲間たち
  トムソニーイ(Juncus thomsonii)の話

南米チリにコケシノブを求めて2 浅川毅守 P.57~63
 北を目指す
 発見 Hymenophyllum fuciforme
 希少種を求めて

以上でこの雑誌の紹介は終わりです。


---
西暦2003年=平成15年
関連書
植物の自然誌「プランタ」 特集:水草 1994年5月 第33号 研成社
植物の自然誌「プランタ」 特集:水辺の植物たち 1999年7月 第64号 研成社

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