「金魚のかひかた」 吉澤寛夫 猟と漁社 昭和五年 その3
東西趣味の相違 P.27~
・・・殊に蘭鋳に於いて甚だしい・・・東京では獅頭を第一の條件とし
て・・・色彩の如きは第二に於いて・・・大阪方面に於いては・・・體
躯(身區)の短かく尾の張りの善き丸型を好み・・・模樣を賞玩され・・
気候の急激の變化 P.28~
・・・恐ろしいのは寒かったのが急に夜半より蒸し暑くなった時で・・
・酸素の缺乏を來たし翌朝には全部斃死して居た・・・
金魚を買ひ入れる時期 P.29~
・・・春早く買ひ入れたのが丈夫である・・・冬の寒い時を過ごして來
て體躯が締まって丈夫になって居る・・・
金魚の壽命 P.30~
和金、琉金、蘭鋳での話
・・・金魚では和金が一番長命である・・・高橋鐵次郎氏の先々代
の飼はれた内一番長寿の物は廿五歳で・・・
金魚の種類と變化 P.32~
一、緋鮒の變化
和金と緋鮒を比べて見ると僅に臀鰭は鮒は一枚になって居るが
金魚は二つに分かれて居るだけで・・・
二、金魚の種類
和金
本朝食鑑七の巻、同十の巻、本草綱目からの来歴の話
琉金
郡山で長崎と呼ぶことからの渡来の話
蘭鋳
重修本草綱目啓蒙二十九の巻を引用し来歴を考察
和蘭獅子頭
---メモ---
葡萄牙=ポルトガル
出目金
・・・高橋鐵次郎氏の先代が明治二十四五年頃始めて支那か
ら・・・
・・・故箕作理學博士は・・・出目金と命名されもので、又朝鮮金
魚とも呼び・・・
---メモ---
盡=ジン、シン、つ・くす 、尽
瘁=スイ、つか・れる
盡瘁=ジンスイ。自分の労苦を顧みることなく、全力を尽くすこ
と。
三、新種の創成
現在では和金、琉金、蘭鋳、和蘭獅頭、出目金の五種を原種と
なし、此の五種を基礎として變種が作られ・・・
秋錦
蘭鋳と和蘭獅頭の混血に依って・・・
秋翠
鯉のこと
朱文金
・・・出目金、和金、緋鮒の三種の配合に依って・・・
キャリコ
三色の出目金と赤白の琉金との混血で・・・米國人フランクリン・
バガード氏の命名した・・・
金蘭子
・・・和金と蘭鋳の混血で・・・
琉金獅子頭
出目蘭鋳
出目秋錦
頂天眼
鐵尾長
・・・産地は名古屋地方である。
孔雀
四、其他の觀賞魚
目高
・・・變化して緋目高、白目高、鼈甲目高、虎斑目高、黑目
高・・・
・・・目高は又丁斑魚と書くが・・・
---メモ---
鼈甲=べっこう
哇=アイ、ワ、ア
布哇=ハワイ
黑西哥=メキシコ
變り鮒
・・・色變り物がある、緋鮒、白鮒、更紗鮒、黄鮒・・・
鯉
---メモ---
豪宕=ゴウトウ。気持ちが大きく、細かいことにこだわらず、思
うままに振る舞うこと。
湍=タン。はやせ、急流。
幟=のぼり
闘魚
支那では鬪魚を一名文魚と稱し・・・
秘傳花鏡を引用し賭博の話
五、變化し易き魚 省略
六、遷種の作り方
・・・配合を重ね淘汰して行くと五代目には固定した新しい・・・
七、無精のもの
一代雑種の話
八、祖父に似る 省略
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西暦1930年=昭和5年
関連書
「秋山吉五郎翁」昭和5年
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