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2019年6月 5日 (水)

「金魚のかひかた」 吉澤寛夫 猟と漁社 昭和五年 その3

東西趣味の相違 P.27~
 ・・・殊に蘭鋳に於いて甚だしい・・・東京では獅頭を第一の條件とし
て・・・色彩の如きは第二に於いて・・・大阪方面に於いては・・・體
 躯(身區)の短かく尾の張りの善き丸型を好み・・・模樣を賞玩され・・

気候の急激の變化 P.28~
 ・・・恐ろしいのは寒かったのが急に夜半より蒸し暑くなった時で・・
 ・酸素の缺乏を來たし翌朝には全部斃死して居た・・・

金魚を買ひ入れる時期 P.29~
 ・・・春早く買ひ入れたのが丈夫である・・・冬の寒い時を過ごして來
 て體躯が締まって丈夫になって居る・・・

金魚の壽命 P.30~
 和金、琉金、蘭鋳での話
 ・・・金魚では和金が一番長命である・・・高橋鐵次郎氏の先々代
 の飼はれた内一番長寿の物は廿五歳で・・・

金魚の種類と變化 P.32~
 一、緋鮒の變化
  和金と緋鮒を比べて見ると僅に臀鰭は鮒は一枚になって居るが
  金魚は二つに分かれて居るだけで・・・

 二、金魚の種類
  和金
   本朝食鑑七の巻、同十の巻、本草綱目からの来歴の話

  琉金
   郡山で長崎と呼ぶことからの渡来の話

  蘭鋳
   重修本草綱目啓蒙二十九の巻を引用し来歴を考察

  和蘭獅子頭
   ---メモ---
    葡萄牙=ポルトガル

  出目金
   ・・・高橋鐵次郎氏の先代が明治二十四五年頃始めて支那か
   ら・・・

   ・・・故箕作理學博士は・・・出目金と命名されもので、又朝鮮金
   魚とも呼び・・・

   ---メモ---
    盡=ジン、シン、つ・くす 、尽
    瘁=スイ、つか・れる
    盡瘁=ジンスイ。自分の労苦を顧みることなく、全力を尽くすこ
              と。

 三、新種の創成
  現在では和金、琉金、蘭鋳、和蘭獅頭、出目金の五種を原種と
  なし、此の五種を基礎として變種が作られ・・・

  秋錦
   蘭鋳と和蘭獅頭の混血に依って・・・

  秋翠
   鯉のこと

  朱文金
   ・・・出目金、和金、緋鮒の三種の配合に依って・・・

  キャリコ
   三色の出目金と赤白の琉金との混血で・・・米國人フランクリン・
   バガード氏の命名した・・・

  金蘭子
   ・・・和金と蘭鋳の混血で・・・

  琉金獅子頭
  出目蘭鋳
  出目秋錦
  頂天眼
  鐵尾長
   ・・・産地は名古屋地方である。

  孔雀

 四、其他の觀賞魚
  目高
   ・・・變化して緋目高、白目高、鼈甲目高、虎斑目高、黑目
   高・・・

   ・・・目高は又丁斑魚と書くが・・・

   ---メモ---
    鼈甲=べっこう
    哇=アイ、ワ、ア
    布哇=ハワイ
    黑西哥=メキシコ

  變り鮒
   ・・・色變り物がある、緋鮒、白鮒、更紗鮒、黄鮒・・・

  鯉
   ---メモ---
    豪宕=ゴウトウ。気持ちが大きく、細かいことにこだわらず、思
            うままに振る舞うこと。
    湍=タン。はやせ、急流。
    幟=のぼり

  闘魚
   支那では鬪魚を一名文魚と稱し・・・

   秘傳花鏡を引用し賭博の話

 五、變化し易き魚 省略

 六、遷種の作り方
  ・・・配合を重ね淘汰して行くと五代目には固定した新しい・・・

 七、無精のもの
  一代雑種の話

 八、祖父に似る 省略


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西暦1930年=昭和5年
関連書
「秋山吉五郎翁」昭和5年

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