「金魚のかひかた」 吉澤寛夫 猟と漁社 昭和五年 その5
其の時々の飼方 P.74~
一、産卵期
冬の圍から
冬囲の取る順番、水換えの頻度と時間帯を記述
種魚は別々に
・・・雌雄を雜居させて飼育すると、自然に運動が劇しくなって脂
肪を消費して了ふので・・・
水換と餌飼 省略
種魚の取扱
・・・四月の始めから・・・時々茹玉子の黄味を與へて脂肪の充
實を計り四月中は水換をせず二三回位注水をして・・・ドロリと
した濃厚の水になって・・・運動不足になって脂肪が乘って・・・
種魚の撰擇
・・・腹鰭、臀鰭の稍小なるをよいとしてある。・・・
・・・子を取るには三歳以上七歳位までが・・・
雌雄の見分方
雄
・・・鼻筋が平らになって口が丸く・・・前鰭の縁に星形の斑文
がある、之を追星と・・・
雌
・・・口先が尖って鼻筋が筋立ち・・・
雌雄の愛
雌雄の數は昔は雄二雌三・・・白子を卵子に充分かけた方
が・・・雌二雄三に配する・・・
産卵
・・・早いものは一時間、長いので三時間位で産み終わる・・・
二番仔三番仔
・・・少なくとも半月位を措いて・・・
卵子の取扱
・・・水の動くのを防ぎ、日當りよい處に置き、夕方は・・・蓋を
し、・・・一度靜かに上水を取り換へて遣ると、四五日後には卵
子の中に黑い點が見へ・・・
孵化した仔魚
泳ぎ出したら早速茹玉子の黄味を寒冷紗で漉して容器の中に
入れると水は一面に黄色になると同時に仔魚の腹も黄色・・・
十日間の發育
一週間位に初めて四分程汲換へて遣る。・・・汲み換へる際に
は周圍に紗を張った笊を入れて、水を吸み出しても一緒に仔魚
を汲み出すことのない樣にする。・・・
---メモ---
笊=ざる
仔魚の撰り分け
・・・四度目の水を取り換へる頃には大中小の三通り位に分
け・・・此大きいのは飛びと唱へて・・・別の物に飼ふた方
がよい。・・・
ヅン筒で産卵
・・・直徑一尺位のヅン筒なら雌二匹に雄一匹位は立派に産
卵する。・・・
---メモ---
斯=こ・の、こ・れ、か・く
入梅の時期
・・・此頃には仔魚は六七分から發育のよいのは一寸位になっ
て居る。容器は三尺四方なら三四十匹、一坪位なら百匹近くく
らいまで差支ない。・・・
・・・入梅前に一度水換して遣れば梅雨中は其の必要がな
い。・・・
二、成長期
活動の季節
・・・金魚を營養不良にして斃死せしむるのは酸素の含量が餌
の供給に伴はないからである。・・・
夏の飼育
換水や注水回数の話
餌の食ひ過
大きさ別ボウフラの量などの話
餌は午前に
・・・晴天の日の午前十時頃に一度與ればよい。・・・
水換と心臓麻痺 ※まひの「ま」は旧字 機種依存文字
換水や注水回数の話
一抹の涼味
直射日光の話
姿態を作る
冬に備えての体力作りの話
三、越年はどうしてする
十・十一月の餌食いなどの話
冬の圍
・・・南方を高くした片屋根にして・・・北方は朔風の透さぬ樣に
圍い・・・
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西暦1930年=昭和5年
関連書
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