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2019年6月24日 (月)

「金魚のかひかた」 吉澤寛夫 猟と漁社 昭和五年 その5

其の時々の飼方 P.74~
 一、産卵期
  冬の圍から
   冬囲の取る順番、水換えの頻度と時間帯を記述

  種魚は別々に
   ・・・雌雄を雜居させて飼育すると、自然に運動が劇しくなって脂
   肪を消費して了ふので・・・

  水換と餌飼 省略
  種魚の取扱
   ・・・四月の始めから・・・時々茹玉子の黄味を與へて脂肪の充
   實を計り四月中は水換をせず二三回位注水をして・・・ドロリと
   した濃厚の水になって・・・運動不足になって脂肪が乘って・・・

  種魚の撰擇
   ・・・腹鰭、臀鰭の稍小なるをよいとしてある。・・・

   ・・・子を取るには三歳以上七歳位までが・・・

  雌雄の見分方
   雄
    ・・・鼻筋が平らになって口が丸く・・・前鰭の縁に星形の斑文
    がある、之を追星と・・・

   雌
    ・・・口先が尖って鼻筋が筋立ち・・・

  雌雄の愛
   雌雄の數は昔は雄二雌三・・・白子を卵子に充分かけた方
   が・・・雌二雄三に配する・・・

  産卵
   ・・・早いものは一時間、長いので三時間位で産み終わる・・・

  二番仔三番仔
   ・・・少なくとも半月位を措いて・・・

  卵子の取扱
   ・・・水の動くのを防ぎ、日當りよい處に置き、夕方は・・・蓋を
   し、・・・一度靜かに上水を取り換へて遣ると、四五日後には卵
   子の中に黑い點が見へ・・・

  孵化した仔魚
   泳ぎ出したら早速茹玉子の黄味を寒冷紗で漉して容器の中に
   入れると水は一面に黄色になると同時に仔魚の腹も黄色・・・

  十日間の發育
   一週間位に初めて四分程汲換へて遣る。・・・汲み換へる際に
   は周圍に紗を張った笊を入れて、水を吸み出しても一緒に仔魚
   を汲み出すことのない樣にする。・・・

    ---メモ---
     笊=ざる

  仔魚の撰り分け
   ・・・四度目の水を取り換へる頃には大中小の三通り位に分
   け・・・此大きいのは飛びと唱へて・・・別の物に飼ふた方
   がよい。・・・

  ヅン筒で産卵
   ・・・直徑一尺位のヅン筒なら雌二匹に雄一匹位は立派に産
   卵する。・・・
    ---メモ---
     斯=こ・の、こ・れ、か・く

  入梅の時期
   ・・・此頃には仔魚は六七分から發育のよいのは一寸位になっ
   て居る。容器は三尺四方なら三四十匹、一坪位なら百匹近くく
   らいまで差支ない。・・・

   ・・・入梅前に一度水換して遣れば梅雨中は其の必要がな
   い。・・・

 二、成長期
  活動の季節
   ・・・金魚を營養不良にして斃死せしむるのは酸素の含量が餌
   の供給に伴はないからである。・・・

  夏の飼育
   換水や注水回数の話

  餌の食ひ過
   大きさ別ボウフラの量などの話

  餌は午前に
   ・・・晴天の日の午前十時頃に一度與ればよい。・・・

  水換と心臓麻痺 ※まひの「ま」は旧字 機種依存文字
   換水や注水回数の話

  一抹の涼味
   直射日光の話

  姿態を作る
   冬に備えての体力作りの話

 三、越年はどうしてする
  十・十一月の餌食いなどの話

  冬の圍
   ・・・南方を高くした片屋根にして・・・北方は朔風の透さぬ樣に
   圍い・・・

---
西暦1930年=昭和5年
関連書
「秋山吉五郎翁」昭和5年

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