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2017年6月

2017年6月27日 (火)

「廣海放談」 廣海貫一 デパート通信社 昭和36年

「廣海放談」 廣海貫一 デパート通信社 昭和36年11月1日初版 小B6判 P.280 帯付  300円

 「廣海貫一」と「デパート通信社」でピンと来た人は、相当数の熱帯魚関連本に目を通された方だと思います。

 本書は最初の「熱帯魚と私」以外は氏が主催する業界紙「デパート通信」からの抜粋となっています。

 著者は戦前から戦後にかけて、熱帯魚の卸し業を行っていた「緑鱗窓」の経営者でもありました。この書の中で、日本の熱帯魚がいかにして戦争を乗り越えたかが記述されいて、日本熱帯魚史として貴重な資料だと思います。

 著者の人物像については、「あとがき」の中で少し記述されていたので、ここに書いておきました。

 著者による熱帯魚の書としては、「熱帯魚の飼い方」 廣海貫一 東都書房 昭和43年 があります。

 また、共著としては、「熱帯魚」 飼い方の手引き 雨宮育作監修 誠文堂新光社 農耕と園芸編集部 昭和29年が

 飼育書ではありませんが、「観賞魚日記」 副題「飼育の手引き」 監修 広海貫一 熱帯魚新聞社 昭和45年 があります。

 本書は古書界では時折出ていることがあります。手元の本は中野区の古書店からの入手です。

【構成】
表紙
遊紙
口絵


目次
 序
 熱帯魚と私
 天軌無道
 水を呑もう
 シャッター様
 百貨店と政治 百貨店の集排法解除の想い出
 香港に旅して
 御堂筋の銀杏
 カマキリ カマキリと現代世相の考現学
 スケーリング
 常務と店長
 梅原竜三郎展を批評す
 日本を嫌う奴
 あとがき

遊紙
奥付

---メモ---
昭和36年=1961年

関連書

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2017年6月21日 (水)

「金魚と日本人」 鈴木克美 三一書房 1997年 その4

第5章 江戸時代の金魚ブーム P.151~
 1 江戸で金魚がなぜもてた
  「びいどろ」による楽しみの話

 2 びいどろの金魚玉
  ガラスの伝来、歴史などについて、製造販売の加賀屋などの話

 3 園芸時代の江戸と金魚
  染井村の花戸、伊藤伊兵衛などの話 ※ソメイヨシノの染井

 4 江戸の町の金魚売り
  主に錦絵からの解説

 5 江戸の金魚の元店はどこに
  上方、「たどんや」の淡路屋卯兵衛などの話
  ---メモ---
   麦魚=メダカ

 6 柳沢吉安と金魚の名産地
  大和郡山、横田文兵衛、佐藤藤三郎左衛門、嶋田正治、やま
  と金魚園、甲府金魚の歴史などの話

第6章 日本人と金魚 P.201~
 1 出目金が遅れて来たわけ
  金魚各種の渡来の年代、中国での種固定記録などの話

 2 金魚と変化朝顔
  遺伝、コマネズミなどの話

 3 金魚の色はこがね色
  日本、中国での「赤」の意などの話

 4 魔除けに使われた郷土玩具
  金魚提灯、金魚台車、金魚ねぷた、魔除けの赤物などの話

 5 金魚と花鳥風月

エピローグ 金魚を日本の水族館に P.237~
 見世物、養殖業者である堀口・石川・橘川、佐々木などの話

 文明開化を迎えた日本人は・・・在来の文化資産は冷遇された。
 水族館の金魚もその一つだった。・・・

以上でこの本の紹介は終わりです。

この本に出てくる金魚に関する文献
 科学と趣味から見た金魚の研究 昭和十年・1935
 金魚の文化史・書誌学的考察 昭和五十一年
 蔵六庵金魚飼養 文化七年・1810
 殖産図説 明治六年・1878
 天満天神金魚屋
 金魚養玩草 寛延元年・1796
 金魚秘訣録 寛延二、三年・1797
 金魚名類考 寛政八年・1796

---メモ---
1997年=平成9年

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2017年6月17日 (土)

「金魚と日本人」 鈴木克美 三一書房 1997年 その3

第3章 江戸の町を金魚が行く P.83~
 1 金魚の光しんちう屋
  ・・・文亀二年・・・それから江戸時代が始まる慶長三年まで
  百一年・・・
  江戸時代の文芸での金魚の話
  真鍮屋という金魚商について様々な文献から解説

 2 江戸時代を生きた金魚
  以下の種について、古書を引いて解説

  わきん(和金)
   名前の由来、特徴などの話
   ---メモ---
    麦魚=メダカ

  らんちう(卵虫、蘭鋳、金鋳) ※らんちゅう
   名前の由来などの話
   大阪らんちゅう、獅子頭らんちゅう、出雲なんきんの話
   ---メモ---
    江人=江戸人

  りうきん(琉金) ※りゅうきん
   古書の絵からの話

  をらんだししがしら(和蘭獅子頭) ※おらんだ
   由来、箕作佳吉博士・大鮫卯平・淡路屋卯兵の説の話

  ぢきん(地金) ※じきん
   由来、牧田孫兵衛の話

  つがるにしき(津軽錦)
   由来、斎藤勘蔵の話

  とさきん(土佐錦)
   須賀克三郎の交配などの話

  はなふさ(花房) ※はなぶさ
   特産地などの話

  わとうない(和唐内)
   名の由来、松井佳一博士の交配、桂川甫賢などの話

 3 市民権を得た金魚
  ・・・元禄期はまだ・・・江戸の流行は上方の流行のコピー
  だった。・・・
  江戸時代の天井水槽、奢侈禁止令、文化などの話
  ---メモ---
   侈=シ、おごる

第4章 駆け足で通る江戸の町と江戸時代 P.122~
 この章は金魚に無関係なので内容は省略します。
 1 江戸の暮らし三百年
 2 江戸の町は物売りの町
 3 店借りの町の活力
 4 過密文化の裏表

---メモ---
1997年=平成9年

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2017年6月14日 (水)

「金魚と日本人」 鈴木克美 三一書房 1997年 その2

---ここから本文---

プロローグ 日本の金魚と日本人 P.6~
 江戸の時代背景、行商、明治期、松井佳一博士、この本を著し
 た目的などの話

 ・・・大戦後、・・・新しく入ってきた金魚を「新中国金魚」とか「中国
 金魚」と呼んで・・・金魚の生まれ故郷が中国だったことを思うと、
 これは、少し変だった。・・・

第1章 金魚のルーツを尋ねて P.13~
 1 北陸の峠に鉄魚がいた
  朴沢博士、金沢市郊外の池などの話

 2 岡本養魚場のヒブナ
  「竹島」という名の色鯉、ヒブナの特徴、春採湖、松井博士の見
  解の話

 3 金魚はもともと何だったのか
  品種間雑種、亜種間雑種、種間雑種、属間雑種、江戸以前の
  金魚の認識の話

 4 「フナ」は今でも仮の名前
  ・・・日本の「フナ」は・・・二種五亜種に分類されている。・・・
  学名の話 アウラトゥスは「黄金色した」の意味
  フナの分類表を掲載
  中国フナの話

 5 金魚のルーツはどこに
  染色体数、小島吉雄博士の研究、小島弘博士の染色体研究、
  小野里坦博士の赤血球の研究の話

  ・・・ギンブナと違って、金魚には単性型がいないのである。・・・

第2章 金魚の誕生と日本渡来 P.46~
 1 生まれ故郷は杭州?
   中国の古書にでる「赤鱗魚」、「黄金白銀魚」、色素胞、透明
   鱗性、モザイク鱗性、アルビニズムなどの話

   ・・・赤と黄の色素は種々のカロテノイドの現す色で、これは自
   己生産できず・・・

   ---メモ---
    濫傷=ランショウ。物事の起こり。始まり。起源。
    濫=ラン、みだれる、みだりに

 2 中国金魚の大発展
  王春元の「中国金魚」、趙謙徳の「(石未)砂魚譜」ほか中国古書
  の解説
  中国金魚の品種名の付け方の話
  中国金魚の再輸入、三京水産の話

 3 戦国時代に金魚の渡来
  安達善之の「金魚養玩草」他多数文献からの解説

 4 舶来の「こがねうお」
  ポルトガル宣教師が作った辞書、平戸英国商館長コックスなど
  の話

---メモ---
1997年=平成9年

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2017年6月10日 (土)

「金魚と日本人」 鈴木克美 三一書房 1997年

「金魚と日本人」 副題 江戸の金魚ブームを探る 鈴木克美 三一書房 1997年11月30日発行 本体850円+税 小B6判(コンパクト判) P.250

 本書は金魚の歴史を紐解くような内容で、数多くの古書を引用し、読み難い文章も簡易的に訳しているので、この辺りの知識を得たい方にはいい本だと思います。

 しかし、蛇足も多く第4章などは金魚に無関係な内容となっています。また、副題のように徹底して江戸時代にこだわった文章で、矢継ぎ早に元号が出てきて読む速度が上がりません。

 著者は水産大卒後水族館勤務を経て、大学の教授となった農学博士です。

 発行年が新しいので古書界にはよく出ますが、古書価にはばらつきがあります。手元の本は目黒区の古書店からの入手です。

【構成】
カバー
表紙

目次
 プロローグ 日本の金魚と日本人
 第1章 金魚のルーツを尋ねて
  1 北陸の峠に鉄魚がいた
  2 岡本養魚場のヒブナ
  3 金魚はもともと何だったのか
  4 「フナ」は今でも仮の名前
  5 金魚のルーツはどこに

 第2章 金魚の誕生と日本渡来
  1 生まれ故郷は杭州?
  2 中国金魚の大発展
  3 戦国時代に金魚の渡来
  4 舶来の「こがねうお」

 第3章 江戸の町を金魚が行く
  1 金魚の光しんちう屋
  2 江戸時代を生きた金魚
  3 市民権を得た金魚

 第4章 駆け足で通る江戸の町と江戸時代
  1 江戸の暮らし三百年
  2 江戸の町は物売りの町
  3 店借りの町の活力
  4 過密文化の裏表

 第5章 江戸時代の金魚ブーム
  1 江戸で金魚がなぜもてた
  2 びいどろの金魚玉
  3 園芸時代の江戸と金魚
  4 江戸の町の金魚売り
  5 江戸の金魚の元店はどこに
  6 柳沢吉安と金魚の名産地

 第6章 日本人と金魚
  1 出目金が遅れて来たわけ
  2 金魚と変化朝顔
  3 金魚の色はこがね色
  4 魔除けに使われた郷土玩具
  5 金魚と花鳥風月

 エピローグ 金魚を日本の水族館に

奥付

---メモ---
1997年=平成9年

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2017年6月 7日 (水)

「三浦半島の淡水魚」 横須賀市博物館教育資料シリーズ・28 1983年 その3

三浦半島の河川でみられるハゼ類
 ・・・今のところ16種が知られていますが・・・
 ・・・シロウオとゴクラクハゼは三浦半島では極めて稀な種類
 ですが・・・

 上流域、下流域、河口域(感潮域)に分け和名とイラストを掲載

 ヨシノボリ
  ・・・漢字で「葦登」と書きますが・・・
  ・・・寿命は2~3年です。・・・
  黒色型と横斑型の分布図、それぞれの雌雄の写真を掲載

メダカとカダヤシ
 ・・・1972年ごろまではメダカの生息場所が数箇所で確認されまし
 たが、その後10年経過した今ではどこにも姿がありません。・・・

 ・・・帰化魚であるカダヤシ・・・三浦半島では1956年頃に横須賀
 市久里浜で始初めて記録されています。・・・

 1972年ごろのメダカとカダヤシの分布図を掲載

かわりだねの淡水魚類
 ・・・県内では9科22種の淡水魚類が帰化に成功しており・・・
 ゲンゴロウブナ、カムルチー、ブルーギル・サンフィッシュの話

淡水魚類の生息状況
 河川別の流程グラフに14魚種をプロット
 今後の増減、維持を記号で表示

私たちの協力 文:林公義
 河川整備の話、採捕飼育の話など
 表紙の解説

展示案内(裏表紙)
 自然博物館と人文博物館の階別の案内
 横須賀市博物館、馬堀自然教育園、天神島臨界自然教育園を
 半島図に表示
 奥付

以上でこの冊子の紹介は終わりです。

---メモ---
1983年=昭和58年

地域で発刊された淡水魚の本

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2017年6月 3日 (土)

「三浦半島の淡水魚」 横須賀市博物館教育資料シリーズ・28 1983年 その2

三浦半島の河川と用水池の分布地
 イラスト地図に河川となくなった用水池と現存の用水池を表示
 横須賀市、三浦市、葉山町、逗子市の河川名を記載

 ・・・その昔平作川の流域では川魚を捕るための漁がおこなわ
 れて・・・

淡水魚類の生活区分にみられる特徴
 以下の話
  第1次淡水魚類
  第2次淡水魚類
  周縁性淡水魚類

 生活区分を4種に分けてイラスト表示

体型の特徴で見る三浦半島の淡水魚類(淡水~感潮域)
 22種の魚類のイラストで特徴部分を線で表示

三浦半島の淡水魚類
 46種の和名、学名、生活区分を列記
 生活区分で淡水となっているのは、以下の13種です。
  モツゴ Pseudorasbora parva
  アブラハヤ Moroco steindachneri
  オイカワ Zacco platypus
  ギンブナ Carassius auratus langsdorfii
  ゲンゴロウブナ Carassius auratus cuvieri
  フナ改良型(キンギョ) Carassius auratus auratus
  コイ Cyprinus carpio

  ドジョウ Misgurnus anguillicaudatus
  ホトケドジョウ Lefua echigonia

  メダカ Oryzias latipes
  カダヤシ Gambusia affinis

  カムルチー Channa argus
  ブルーギル・サンフィッシュ Lopomis macrochirus

---メモ---
1983年=昭和58年

地域で発刊された淡水魚の本


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