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2017年6月10日 (土)

「金魚と日本人」 鈴木克美 三一書房 1997年

「金魚と日本人」 副題 江戸の金魚ブームを探る 鈴木克美 三一書房 1997年11月30日発行 本体850円+税 小B6判(コンパクト判) P.250

 本書は金魚の歴史を紐解くような内容で、数多くの古書を引用し、読み難い文章も簡易的に訳しているので、この辺りの知識を得たい方にはいい本だと思います。

 しかし、蛇足も多く第4章などは金魚に無関係な内容となっています。また、副題のように徹底して江戸時代にこだわった文章で、矢継ぎ早に元号が出てきて読む速度が上がりません。

 著者は水産大卒後水族館勤務を経て、大学の教授となった農学博士です。

 発行年が新しいので古書界にはよく出ますが、古書価にはばらつきがあります。手元の本は目黒区の古書店からの入手です。

【構成】
カバー
表紙

目次
 プロローグ 日本の金魚と日本人
 第1章 金魚のルーツを尋ねて
  1 北陸の峠に鉄魚がいた
  2 岡本養魚場のヒブナ
  3 金魚はもともと何だったのか
  4 「フナ」は今でも仮の名前
  5 金魚のルーツはどこに

 第2章 金魚の誕生と日本渡来
  1 生まれ故郷は杭州?
  2 中国金魚の大発展
  3 戦国時代に金魚の渡来
  4 舶来の「こがねうお」

 第3章 江戸の町を金魚が行く
  1 金魚の光しんちう屋
  2 江戸時代を生きた金魚
  3 市民権を得た金魚

 第4章 駆け足で通る江戸の町と江戸時代
  1 江戸の暮らし三百年
  2 江戸の町は物売りの町
  3 店借りの町の活力
  4 過密文化の裏表

 第5章 江戸時代の金魚ブーム
  1 江戸で金魚がなぜもてた
  2 びいどろの金魚玉
  3 園芸時代の江戸と金魚
  4 江戸の町の金魚売り
  5 江戸の金魚の元店はどこに
  6 柳沢吉安と金魚の名産地

 第6章 日本人と金魚
  1 出目金が遅れて来たわけ
  2 金魚と変化朝顔
  3 金魚の色はこがね色
  4 魔除けに使われた郷土玩具
  5 金魚と花鳥風月

 エピローグ 金魚を日本の水族館に

奥付

---メモ---
1997年=平成9年

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