「實際園藝」特集 熱帶魚の飼ひ方 誠文堂 昭和8年
「實際園藝」特集 熱帶魚の飼ひ方 誠文堂 昭和8年8月1日 本號に限り定價八十錢(郵税 二錢五厘)
昭和8年8月號 第15巻 第3號 ※実際園芸 熱帯魚
園芸雑誌ながら、総ページ224に対し、特集としての熱帯魚には79ページを割り当てていて、かなり読み応えがあります。
執筆陣は、この当時熱帯魚飼育が高貴な趣味であったため、鷹司、松平、池田といった貴族階級の人たちです。
鷹司信敬氏はこの前年に、「熱帯魚」昭和7年 西ヶ原刊行会を執筆しています。
因みに上記著書より2ヶ月まえには、白木正光氏が日本で初めてとして「金魚と熱帯魚の飼い方」 厚生閣書店版 昭和7年を著しています。
また、鈴木吉五郎氏は、「熱帯魚」飼い方の手引き 雨宮育作監修 誠文堂新光社 農耕と園芸編集部 昭和29年の執筆陣の一人です。
この雑誌の執筆陣に白木正光氏が加わっていないのは、推測ですが白木氏が時事新報社の社員であり、誠文堂と同じマスコミ界の人間であったことに関係があるように思います。
廣瀬巨海氏が執筆した「熱帶魚漫筆」は熱帯魚飼育黎明期の話で、この雑誌が昭和8年発行なので文中の20年前は大正3、4年の熱帯魚輸入の話となり、貴重な熱帯魚史です。
古書界でこの雑誌自体は見かけますが、この号を探すのは大変です。手元のものは京都市の古書店からの入手です。
書籍と違い雑誌は粗雑に扱われるため、古いものを探すのは大変です。この雑誌を状態能く保管していた方に感謝です。
表紙
千疋屋の熱帯魚の陳列場の写実的な絵。
目次 ※特集の箇所だけ書いておきます。
熱帶魚漫筆 廣瀬巨海
熱帶魚の簡單な飼ひ方 鷹司信敬
アクアリウム趣味の歴史 侯爵 松平康昌
趣味品としての熱帶魚 齋藤省三
熱帶魚飼育の手引き 銀座千疋屋 齋藤義政
熱帶魚飼育の急所 春及園主 鈴木吉五郎
熱帶魚の種類と習性 鈴木吉五郎
日本で始めて成功した エンゼルの孵化法 侯爵 松平康昌
鬪魚の種類と飼ひ方 理學士 筒井嘉隆
熱帶魚の習性と蕃殖法 松平康邦
熱帶魚の飼養と管理の仕方 松平康龜
胎生種の種類と蕃殖法 侯爵 池田宣政
アクアリウムに用ふる水生植物に就いて 吉井千代田
熱帶魚の病害蟲と其の手當法 上野動物園 木村四郎
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西暦1933年=昭和8年
関連書籍
---メモ--- wikiより
鷹司信敬は鷹司信輔公爵の子 公家系
松平康邦と松平康龜(やすひさ)は松平康荘(やすたか)侯爵の子
武家系
華族は世襲制の公侯伯子男の五等爵
公爵、侯爵、伯爵、子爵、男爵
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