« 2016年7月 | トップページ | 2016年9月 »

2016年8月

2016年8月27日 (土)

「名護市の淡水魚類」 幸地良仁 名護市教育委員会 平成11年 その2

表紙
 滝のカラー写真


 固有種のカラー写真

口絵
 8ページのカラー写真で55種を掲載。固有種の表現あり。

発刊にあたって
  本調査は・・・開発行為との調整資料を整えるため実施しており
 ます。
  第1次調査は1975年~1976年・・・・第2次調査は1988年~
 2000年まで・・・

  淡水魚類を担当した幸地良仁氏(66歳)が1998年7月25日・・・お
 亡くなりになりました。・・・そこで急遽「名護市の淡水魚類」を分冊
 し刊行することにしました。

  本報告書は1988年~1998年に行った同調査の結果をまとめたも
 のであります。・・・幸地良仁氏はかつての清流を失ってしまった沖
 縄の川の現状を憂い、移入種に混じってけなげに生き続ける在来
 種の魚たちの記録を通し、その保護を訴え続けてきました。・・・
     1999年3月
     名護市教育委員
     教育長 比嘉敏雄

例言
 調査時期、調査の範囲、目的、本書の使い方の話

※章数字は本文ではローマ数字ですが、機種依存のため変え
ました

はじめに
  ・・・約20年の間に絶滅した種もあり、減少の一途をたどっている
 種もいる。
  ・・・滅びゆく川の生きものを蘇生させるためにはどうすれば良い
 のか。本報告書の目的は、これまでの調査結果や実験結果に基
 づいて検討し、改善を要する問題点を指摘した。

i  名護市の河川概要 P.1~
 市内の地形からの説明
 産業との関わりの話
 河川地図、22河川の長さ・流域面積・流量の一覧表、8河川の縦断
 勾配の図、7河川のBODグラフを掲載

ii  調査方法 P.4~
 調査場所は16水系・21河川と水路や池沼
 目視、投網、小型底引網、タモ網による採集
 出現種と種別個体数を記録

---
地域で発刊された淡水魚の本

日本ブログ村観賞魚 沢山ブログが集まっているサイト

2016年8月24日 (水)

「名護市の淡水魚類」 幸地良仁 名護市教育委員会 平成11年

「名護市の淡水魚類」 幸地良仁 名護市教育委員会 1999年(平成11年)3月発行 B5判 P.119 非売品

 この本は公による調査報告書で、副題は「名護市動植物総合調査報告」と「名護市天然記念物調査報告・4」となっています。

 本の作りは通常みられる公共の報告書とは異なり、雑誌風です。生息分布図、グラフ、表、カラー写真が適度に配置され、文体も平易でアマチュアレベルでも十分理解できます。
 ただし、沖縄であるため地名の読みはインターネットに頼ることになります。

 内容は河川別の生息魚種であり、図鑑的な魚種の解説はありませんが、河川形状、堰堤、ダム、落差など生息環境がよく書かれているので、生態としての種の解説の意味合いはあります。

 モザンビークティラピアは純淡水、汽水、河口域に生息し、ほぼ海水でも見られるようです。他にもナイルティラピアも定着していました。

 著者は略歴から元高校教師で、氏名は「こうち りょうじん」と読みます。数冊の本を著していますが、単独での書のうち古書界で入手が容易なのは「沖縄の川魚」だと思います。いずれここで紹介したいと思います。

 古書界では見かけない本で、手元の本は宜野湾市の古書店からの入手です。

【構成】
表紙
遊紙

口絵
発刊にあたって
例言

目次 ※章数字は本文ではローマ数字ですが、機種依存のため
     変えてあります
 はじめに
 i  名護市の河川概要
 ii  調査方法
 iii 調査結果
  1.出現種について
  2.魚類の生活様式と流程分布
  3.各河川における淡水魚類の状況
   1)源河川
   2)真喜屋大川
   3)羽地大川
   4)我部祖河川
   5)屋部川
   6)世富慶川
   7)数久田川
   8)福地川
   9)真謝川
   10)辺野古川
   11)大浦川
   12)瀬嵩川
   13)汀間川
   14)安部川
   15)有津川

 iv 考察
  1.魚類相の変動
  2.羽地ダム建設の影響(予測)と保全対策問題
  3.アオバラヨシノボリの未来
  4.急を要する外来魚対策
  5.リュウキュウアユをめぐる諸問題

 v 要約
 参考文献
 名護市の淡水魚類目録
 著者略歴、奥付

---
地域で発刊された淡水魚の本

日本ブログ村観賞魚 沢山ブログが集まっているサイト

2016年8月20日 (土)

「福岡縣養魚振興會報」 第30号~31号 昭和9年4月25日~6月25日 その3

第32号
表紙
目次
 熱帶魚觀賞魚ニ就テ
 餌料研究資料 養魚餌料トシテ溝泥ト魚屑(荒粕)ノ効果
 賣買仲介欄
 相場欄
 愈々出来上ツタ 淡水養魚経營ノ手引
 會員異動紹介欄
 會費送附方御願

本文
熱帶魚觀賞魚ニ就テ ※熱帯魚
 昭和9年6月、福岡市の玉屋百貨店での即売会での魚のリスト
 
を掲載
  種名、卵生・胎生の区分、値段など
  種類だけ書いておきます。
  ミリオングッピー、ピュアレッドムーン、オレンジソードテール、
  ゴールデンムーン、ブラックムーン、ベッタ・キャンボディイ(ベタ)、
  コリサラリア、ベター・ボンボディア(※カンボジアのこと?)、エン
  ゼルフィッシュ、スポットグラーミー、ラスボラ・ヘテロモルファ、マ
  ウスブリーダー、サラサベッタ(※ベッタの文字はかすれ自信な
  し)、パールダニオ、ゼブラダニオ。

 飼い方の概略
  掃除役としての巻貝の話など

餌料研究資料 養魚餌料トシテ溝泥ト魚屑(荒粕)ノ効果
 魚病
 流水養魚池に泥を入れる話
 昭和4年 栄養研究所の原徹一・吉本満が行った実験
  泥粉や魚屑粉(肥料製造に利用する)

賣買仲介欄
 斡旋依頼者と尾数記述
 鯉子の販売広告など

相場欄
 中央卸市場相場、県内相場の話
 東京・大阪・京都の鯉、鮒、鰻、鱒の相場表を掲載

淡水養魚経営ノ手引
 四六版二段組 91頁になった

會員異動紹介欄
 ここに会員総数が記載されている

會費送附方御願

以上でこの会誌の紹介は終りです。

---
西暦1934年=昭和9年

日本ブログ村観賞魚 沢山ブログが集まっているサイト

2016年8月17日 (水)

「福岡縣養魚振興會報」 第30号~31号 昭和9年4月25日~6月25日 その2

第31号
表紙
目次
 北米ノ金魚養殖業
 魚介藻類モカウスレバ 諸病ニ効ク簡易療法
 餌料研究資料 唐辛、酵母、肝油ノ餌料的効果
 相場欄
 淡水養魚ノ手引無代頒布
 會員異動紹介欄
 會費送附方御願

本文

北米ノ金魚養殖業

 在米の金魚養殖家 中島氏の談話
   ・・・日本から輸入する格安な金魚が市價を混乱させる・・・米
   国産に比して品質良好で而も米国産の原價以下で・・・

 横浜の加藤商店からの輸入の話
 熱帯魚や日本産メダカの動向を記述
 執筆者の養魚場での米国相場を掲載

魚介藻類モカウスレバ 諸病ニ効ク簡易療法
 魚名・貝名・海草名、適応症(人の病気)、利用法の一覧を掲載。
 人の病67例の利用法を記述

餌料研究資料 唐辛、酵母、肝油ノ餌料的効果
 中央水産試験場 畑久三氏の実験を紹介
   標準、ビタミン欠乏、酵母添加、唐辛子添加、唐辛子と酵母
   添加、唐辛子と酵母と肝油添加の6種の餌を虹鱒に与えた
   時の成長率の実験

相場欄
 中央卸市場相場、県内相場の話
 東京・大阪・京都の鯉、鮒、鰻、鱒の相場表を掲載

淡水養魚ノ手引無代頒布
 昭和7年3月創立とのこと
 四六版二段組 数十頁の小冊子を作る話

會員異動紹介欄
 ここに会員総数が記載されている

會費送附方御願
 手元のものはこのページ欠落しています。

---
西暦1934年=昭和9年

日本ブログ村観賞魚 沢山ブログが集まっているサイト

2016年8月13日 (土)

「福岡縣養魚振興會報」 第30号~31号 昭和9年4月25日~6月25日

「福岡縣養魚振興會報」 第30号~31号 昭和9年4月25日~昭和9年6月25日 判は170*240 P.13 非売品

 この会報は福岡県の金魚、鯉などの観賞魚の取引に従事している人たちの組織のもので、取引価格、産卵、エサの研究などの記事で構成されています。

 昭和初期の百貨店での熱帯魚の取引記事には、当時扱われていた魚種名が出ていて貴重な資料だと思います。

 旧字はほとんど使用されていませんが、ひらがな部はカタカナでの文章なのですっと読むことは難しいです。

 表紙には通巻、発行年月日、1月の会費( 一箇年五十錢の記載あり)、発行所が記載されています。

 わらばん紙に謄写版印刷なので、紙が酸化により脆くなっていて、特に縁端部は変色が進み文字判別が困難な箇所があります。

 表紙に記載してありますが、発行所の福岡縣養魚振興會の拠点は福岡縣水産試験場内にありました。

 この資料は新潟市から入手しました。

第30号
表紙
目次
 第三回福岡縣養魚振興會春季総會
 鯉ノ孕卵數
 東京市金魚養殖状況
 相場欄
 養魚界ノ七難
 水産共進會後聞記
 會員異動紹介欄
 會費送附方御願

本文

第三回福岡縣養魚振興會春季総會
 (一)昭和八年度収支決算報告ノ件
 (二)役員(會長、副會長、主事、幹事)選挙ノ件
 (三)昭和九年度鯉兒販賣價格協定ノ件
   七・八分、一寸~一寸四分、一寸五分~二寸以下について
   価格を掲載
 座談會
  ・・・中心問題ハ何ト云ツテモ販賣ノ統制ト生産費ノ低減問題デ
  アツタ。・・・
  ・・・一部濫賣者の不心得ノ為ニ全国稀ニ見ル安値ヲ・・・

  蚕蛹の高騰の話

鯉ノ孕卵數
 農林省水産試験場技師 松井佳一による真鯉、緋鯉の卵数の話

東京市金魚養殖状況
  昭和7年での、販売店、棒手振り(行商人)の戸数や人数、問屋、
 生産業者の戸数を記載
 当歳、親魚の生産尾数、昭和2年から6年の尾数
 昭和8年の卸相場掲載

相場欄
 中央卸市場相場、県内相場の話
 東京・大阪・京都の鯉、鮒、鰻、鱒の相場表を掲載

養魚界ノ七難
 ※この章は可なり辛辣な口調で書かれています。

 似非養魚家ノ(足+援)(戸+邑) ※読めない
 士族ノ商法
 お倉を持タヌお百姓
 蚕蛹ゝデ夜モ日モ明ケヌ
 合ワヌト云ツテ無駄ヲシナガラ
 農村ハ臭イ海魚ノ捌ケ口
 小能?大ヲ?ス ※印刷の劣化で判読できず

水産共進會後聞記
 親鯉入賞の話

會員異動紹介欄
 ここに会員総数が記載されている

會費送附方御願
 会費未納の会員の氏名羅列。

---
西暦1934年=昭和9年

日本ブログ村観賞魚 沢山ブログが集まっているサイト

2016年8月10日 (水)

「ムジナモ保護の歩み」 羽生市教育委員会 平成8年 その3

5 ムジナモ保存会の発足と活動
 館林市多々良沼での完全消滅と指定解除の話
 保存会の話

 活動内容
  ムジナモ保存会議、放流など

 市民参加
  小学校などの参加

6 おわりに
 (1)これまでの取り組みについて
   ・・・「宝蔵寺沼のムジナモ」が自生地から消滅したのは、1967
   年のことである。・・・
  1982年に出版された「ムジナモとその生育環境」による提言の話
  初めての冬芽の話

 (2)今後の取り組み(方向)について
  三位一体の体制の話

  保護増殖対策
   食物連鎖や環境の話

  保護活動組織の充実拡大
   保存会、小学校、専門的立場からの活動

  自然環境保護思想の啓発

羽生市におけるムジナモの経過
 1921年(大正10)9月から1995年(平成7)11月15日までの年表

引用・参考文献
 30点の西暦、著者、タイトルを記載

新聞掲載記事
 記事名、年月日、新聞名が10点列記

以上でこの本の紹介は終わりです。

---
日本ブログ村観賞魚 沢山ブログが集まっているサイト

2016年8月 6日 (土)

「ムジナモ保護の歩み」 羽生市教育委員会 平成8年 その2

発刊のことば
  ・・・「宝蔵寺沼ムジナモ自生地」は昭和41年に国の指定を受け
 てから・・・
  ・・・国指定直後に用地取得を行うとともに・・・平成元年からは、
 年間を通して管理人を配置し・・・ムジナモ保存会のご協力で放
 流したムジナモもかなり増殖し・・・。
  しかし、魚類等の食害が激しくていちゃ・・・。

  これまで、・・・尽力をいただいております日本歯科大学小宮教授
 をはじめ・・・

             羽生市教育委員会
             教育長 入江常夫

例言
 1 本書は、天然記念物「宝蔵寺沼ムジナモ自生地」の国指定30
   周年を記念して、現在に至る経過をまとめ、今後の方針を定
   めたものである。

 2は編集のこと、3は執筆のこと、4は事務局の氏名など、5は使用
 地図のこと

1 自生地の概要
 地勢の話など
  ・・・台地の埋没に伴う地下谷の埋積により形成された低湿地(谷
  地性低湿地)の一つがこの宝蔵寺沼である。・・・

2 ムジナモとは
 外見的特徴
  学名 Aldrovanda vesiculosa
  ・・・夏季に気温が30度以上になり晴天が続くと、まれに開花
  する。
  科属種の話、、形状を数値で解説、冬芽の話

 生態
  食害を受ける時期と魚種の話
  増殖の話
  捕虫器の話
  種子による発芽・増殖の話

3 発見から国指定まで
 牧野富太郎博士による日本での発見、命名、記念碑の話
 館林市での発見、速水義憲氏による羽生市での発見の話

  速水氏による発見の様子を昭和38年刊行の「羽生市のムジナ
  モ」より転載
    ・・・大正十年の九月中頃・・・平島耕地西北隅の堀ばたに降
    りて・・・ムジナモではあるまいかと思い、・・・翌日早速高柳先
    生にお目にかけると、先生は非常に驚かれ、「君、これはどこ
    にあったのかね」と問われたので、・・・「とうとう君が発見して
    くれたのか、・・・」

  昭和24年県指定の地区名、国指定第1号の絶滅、「羽生市むじ
  なも保存会」の話
 分布域の図を掲載

4 ムジナモ保護増殖活動
 1.国指定後のムジナモの状況
  以下の組織の活動時期を内容を記述
   食虫植物研究会と羽生市むじなも保存会との活動
   長野巌教授による天然記念物緊急調査
   ムジナモ保護増殖事業に係る調査団
   羽生市ムジナモ保存会の再発足
   宝蔵寺沼ムジナモ自生地-植生回復-に関する検討委員会
  ---メモ---
   保存会の名称を平仮名とカタカナで意識的に変えてるようです。

 2.行政の取り組み
  昭和47年度~平成7年度までの事業を一覧表で掲載

 3.学識経験者の後援
  ・・・種々の努力にも関わらずいまだ目的達成に至っていないの
  が現状である。・・・

---
日本ブログ村観賞魚 沢山ブログが集まっているサイト

2016年8月 3日 (水)

「ムジナモ保護の歩み」 羽生市教育委員会 平成8年

「ムジナモ保護の歩み」 羽生市教育委員会 1996年(平成8年)7月30日発行 B5判 P.28 非売品

 本報告書はムジナモが国の天然記念物に指定されてから30年を記念し、今までの経過や今後の方針をまとめた、ということが例言に記されています。

 本の作りは公共の報告書でよく使われるレザック表紙に、上質な紙を使用したものになっています。少しの白黒写真と地図、新聞のスクラップが掲載されています。
 字が大きくて読むのは楽です。

 本書は古書界では出ない部類のものです。この本は名古屋市の古書店から入手しました。

【構成】
表紙
遊紙
発刊のことば
目次
 発刊のことば
 1 自生地の概要
 2 ムジナモとは
 3 発見から国指定まで
 4 ムジナモ保護増殖活動
 5 ムジナモ保存会の発足と活動
 6 おわりに

羽生市におけるムジナモの経過
引用・参考文献
新聞掲載記事
 記事名、年月日、新聞名が10点列記

---
日本ブログ村観賞魚 沢山ブログが集まっているサイト

« 2016年7月 | トップページ | 2016年9月 »

ブログ村

  • にほんブログ村 観賞魚ブログ 熱帯魚へ
無料ブログはココログ