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2016年5月

2016年5月30日 (月)

「實驗圖解 金魚の飼養」 前田閑亭 博文館 明治39年 その8

第拾壹章 魚の鑑別法 ~P.137
 鑑別法の困難
   ・・・卵子より孵化して後之を鑑別して適否を確むる愉快の妙味
  は到底門外漢の知る能はざるものなりとす・・・

 仔魚の鑑別
  ・・・大中小の三類に撰り分けを成すものなり・・・
  ・・・先づは蛤貝の如き者に水と共に仔魚を汲み取り朝日に透か
  して
見るべし・・・

  尾形鰭形
   以下の形についてイラストを載せ解説
   一、中丸
   二、剣先 ※剣は金偏に刃
   三、櫻尾 ※桜
    ・・・之を秘蔵すべし・・・成長しては大平尾に變ずるもの
    なり・・・

   四、大蔦
    大津多

   五、丸尾

  水色
    ・・・蛤貝の如き小き器物に仔魚を入れ日に透かして能く見る
   時は・・・鼠色見ゆるものなり

   イラストで部位表示
   中筋と小筋の話 ※ちゅうすじ

  色模様 省略

 成魚の鑑別
  大魚と小魚
   鱗、頭(かしら)、胴、尾筒の差違で解説。

  鱗の良否 省略

  ・・・今三種の金魚に付き成魚として備ふべき標準を述ぶれば・・・
  一、蘭鋳 ※鋳=金+壽
  二、琉金
  三、和金
   ・・・背鰭は尾筒に近く迄あるものを宜しとす・・・

 容と疵 ※かたち と きず
   ・・・若し露骨的に金魚元来の疵なき完全の容のものを擧ぐれば
  即ち和金の類を以て然りと云ふに憚らざるなり・・・

 魚疵
  琉金及び和金の疵を7点記述
  東京觀魚會による蘭鋳の審査標準を17点記述

---メモ---
明治39年=1906年

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2016年5月25日 (水)

「實驗圖解 金魚の飼養」 前田閑亭 博文館 明治39年 その7

第九章 藻 ~P.98
 藻の良否
  ・・・金魚藻は俗稱にして其實は聚藻と稱するものなり・・・
   ---メモ---
    聚藻=ふさも
    すきな=つくしの葉を開いたもの
  藻の良否
   池沼産と流れ河産の話

 藻の使用法 省略

 藻の貯藏法 ※貯蔵
  聚藻の翌春までの貯蔵法を記述 ※珍しい解説です。

 藻の代用品
  しゅろの長さなど使い方を解説

第拾章 蕃殖及仔魚飼育法 ※繁殖 ~P.123
 時期 ※ここでは時季
  ・・・櫻の花の開き初むる頃より七月下旬燕子菖蒲の花の殘り
  なく散る頃まで・・・
  ---メモ---
   燕子=かきつばた

 魚の産卵數
  ・・・大凡十一萬二三千粒内外なるが・・・生存するものは頗る
  少數にして三四┼分の一或は三百分の一にも減少・・・

 産卵の回數 省略

 蕃殖に對する注意 ※繁殖
  以下について詳述
  第一 健康なる親魚を選定する事
  第二 卵子の保護及仔魚の飼育は最も注意すること
   雌雄魚の識別

 雌雄魚の識別
   雄魚
   雌魚
   親魚の選択
    年令幅を記述

 親魚の撰擇附遺伝の關係 ※選択、遺伝
  ・・・未だ學者の研究も確かならずと雖ども概して雄は外形を多く
  遺傳し雌は内部を遺傳するものなり・・・

 蕃殖に対する準備
  雄魚の選択
  雌魚の選択
  雌雄の分離及其時季
   ・・・十二月各冬圍を行ふ以前に仔魚を得んとする目的により
   親魚の選定を行ふべし・・・

  雌雄魚の配合の數 省略
  卵子船及其個數 ※たまごふね 省略
  卵子船に對する注意
   一番子と二番子での水の配合、水深が異なることを解説

  藻の仕込 ※以下目次に項目記載なし
   イラストと解説で敷藻の大きさ、設置法と浮藻の姿を詳述

  蕃殖季の天候
   ・・・熟練家は蕃殖期には能く例年の天候及其前後の天候
   如何を見計ひて産卵期を早め又は遅からしむる等飼育法
   を斟酌して・・・

  親魚の飼育法 省略
  蕃殖徴候 省略
  交尾産卵及産卵前後の注意
   一番子から三番子の産卵時間を記述
   産卵後の雌魚の扱いを記述

  二番子及三番子
   間隔の話

 孵化前の注意
  卵子藻の分離 省略
  卵子船の保護
   風などの対策法、蓋の種類、隙間を記述

  二孵化日数
   一番子から三番子の日数を記述

 卵子の孵化
  一孵化の鑑定
   イラスト有
  藻離れ
   確認法の話

 仔魚の飼育法
  餌付 ※本文では1段下がる
   初期飼料の話

  餌付の日数 省略

 一番水
  孵化後の日数と水の作り方の話

 二番水及ひ三番水
  一番水後の日数と水の作り方の話

 水換の注意 省略

 仔魚ノ撰別 ※選別 省略
 仔魚ノ餌飼 省略
 仔魚一般ノ飼養法
  梅雨時、初夏の話

---メモ---
明治39年=1906年

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2016年5月21日 (土)

「實驗圖解 金魚の飼養」 前田閑亭 博文館 明治39年 その6

第七章 日覆と冬圍 ~P.83
 日覆及び冬圍の必要 省略 ※冬囲

 日覆の種類
  ・・・永く使用し得るは竹簾なり・・・

 構造
  以前の方法と今の方法を解説
  時間毎の話

 冬圍の種類
  イラストで形を説明
  開け閉めの話
   ・・・養魚家常盤木氏は泉水の空氣の流通惡しき時のことを書
  きて「泉水の蓋は風の流通しよきものを宜しとす若し空氣流通惡
  しければ蒸れる為めに蝶と云ふ虫附き其附きたる處赤く糜爛し魚
  痩る者故時々氣を付け改め觀るべし」と云えり・・・

第八章 金魚の食物 ~P.95
 金魚の種類及適否
  以下の餌について個々に解説
  イ、生餌類
   一、孑孑虫 ※ぼうふりむし ボウフラ
   二、水蚤 ※みじんこ
   三、糸蚯蚓(又赤子)

  ロ、煉餌類
   一、素麺
    与える時期を記述
   二、麥飯
   三、麥粉菓子類
   四、魚肉類
    与える頻度を記述
   五、獸肉類
    同上
   六、玉餅
    作り方を記述

   七、合餌 ※あわせえ
    材料及び由来を記述
   八、鶏の玉子

  ---メモ---
   錦脹紅閨 紅閨=赤く塗って飾った婦人の寝室の意

 餌の施與法 ※与
  仔魚 時間
  成魚
  分量
   仔魚と二歳以上について解説

 餌食の改良説及餌の製法
  生餌(なまえ)から練餌への転換の話
  餌の製法
   東京觀魚會の例を紹介 ※観魚

---メモ---
明治39年=1906年

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2016年5月17日 (火)

「實驗圖解 金魚の飼養」 前田閑亭 博文館 明治39年 その5

第五章 水と容器 ~P.64
 金魚と容器
 金魚と水
  湧き水、井戸の水(滲出井戸と堀抜き井戸)、河水の長所と
  短所を記述

 水の質
 水の温度
  色模様への影響の話

 容器
  玻璃製熔金、金物類、陶器類の善し悪しを解説
   陶器は四方より光が反射し、魚の目を害すると書いている
  泉水の作り方を説述
   箱泉水の話
   位置
   形状
   構造
   魚数
   季候
   注意
  ---メモ---
   玻璃=ガラス
   瓢形=ひさごかた

第六章 水換へ及び注し水 ~P.77
 水換の必要 省略
 注水の必要 省略

 水換及び注し水の時期及回數 ※回数
  月毎に理由と回数を解説
  季節の表現が豊かなので少し書きだしておきます。

  一、春季
   二月 春風吹初むると雖も未肌寒き候所謂春到清明風尚
       寒し・・・
   三月 ・・・未だ綿入れの重ね着に梅の花開き鶯の片言鳴
       き賞して・・・
   四月 ・・・春めき人々も浮かれ心となり・・・石部金吉も今日は
      上野明日は飛白山と浮かれて歩く・・・

  二、夏季
   五月 百花爛漫の候去りし新緑滴らんとする青葉の候となれ
       ば・・・
   六月 ・・・梅の實黄ばむ霖雨期となり毎日不快の天氣にして
       晴天を見る事少なし・・・
   七月 霖雨期を終れば気候俄に暑くなりて・・・

  三、秋季
   八月 ・・・新暦にては仲々然る場合に非ず却て暑気は愈々
       劇しく・・・
   九月 残暑去り難く暑気却て前月よりも甚敷事あるは此の
       月なり・・・
   十月 秋風立ちて襟寒き候となれば・・・

  四、冬季
   十一月 ・・・一夜に吹く木枯は野も山も立田姫の装い去りて
        漸く粛殺の寒天となるを・・・
    ---メモ---
    立田姫=秋の女神
    粛殺=厳しい秋気が草木を枯らすこと

   十二月 寒國地方にては既に雪も降り來たり寒氣も増し來た
        れば・・・
   一月  寒気最も劇しき時なれば・・・泉水の水泡立ちて汚れ見え・・・

 水換及注し水を行ふ方法
  方法と気候などの話

 魚の取扱方
  掬う方向の話

---メモ---
明治39年=1906年

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2016年5月14日 (土)

「實驗圖解 金魚の飼養」 前田閑亭 博文館 明治39年 その4

第参章 種類 ~P.34
 日本の種類
  蘭鋳、流金(※琉金)、和金、支那金又は和蘭金魚、
  和藤内(※和唐内)の話

 支那の種類
  六種に分けている、以下の種を説明
  第一種 蘭鋳
  第二種 龍眼
  第三種 懶魚(だぎょ)
  第四種 飛躍魚
  第五種 嬌魚
  第六種 字魚
  ---メモ---
   懶=ラン、ライ、おこた、ものう。面倒がること

 人為淘汰
  ・・・生物通有の變遷力に依りてのみ變化したるものに非らず
  畢竟吾人々類が多年撰精配合の飼育に由て其の形質を變ぜ
  しめたるものとす・・・

  ・・・所謂生物は父祖の形質を其子孫に遺傳すとの原則に
  より・・・
   ---メモ---
    扨=さて

第四章 飼育法總論 ※総論 ~P.44
 飼育法の目的
  目的
  大魚作
  小魚作
  新舊飼育法
   盆栽を例にとり新旧を解説
    ・・・百姓流の荒仕事と植木屋流の仕事器用なるとの差ある
    が如し・・・
    ---メモ---
     舊=キュウ、グ、ふるい、もと=旧

 寒季の飼育
  給餌、冬囲、水換えの話

 暑季の飼育
 餌飼方
  冬餌の話

 飼育上の注意
  悪水、伝水、異種類飼育の話 

色模様を鮮美にする法
  ※ほとんど知られていない方法を紹介しています。
  ---メモ---
   鬻=ひさぐ、かゆ、イク、シュウ=粥。売る、あきなう。

---メモ---
明治39年=1906年

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2016年5月 6日 (金)

「實驗圖解 金魚の飼養」 前田閑亭 博文館 明治39年 その3

第貮章 形態 ~P.28
 元始
  緋鮒起源の話
  構造
  別の呼び方、イラストあり
   口 すき口
   鼻  丸鼻
   頭部 鼻筋
   胸鰭 向えら
   腹鰭 土すり
   臀鰭 楫鰭
   尾筒 金筒

 背鰭
  以下をイラストを交え説述、上品、下品の話も
  1、糸つまみ(糸津まみ)
  2、半巻
  3、中つまみ(中津まみ)
  4、半ひれ
  5、こぶつまみ(こぶ津まみ)
  6、ふしつまみ(節津まみ)
  7、二つ鰭
  8、鰭なし

 尾鰭
  本草啓蒙を引用して説明
  安達喜任の金魚養玩草から以下を説述、上品、下品の話も
  1、四つ尾 丸金、長金の説明も
  2、三つ尾
  3、楫尾
  4、矢尾
  5、鮒尾 じゃみ魚の話
   尾形の良否十種 イラスト有、各尾形の上品、下品を詳述
   1、櫻尾(桜) 桜極眞(真)、劒先(剱)、請尾の話
   2、大津多(おおつた)
   3、小津多
   4、平尾
   5、中丸尾
   6、海老尾
   7、劒先
   8、かふり
   9、丸われ
   10、丸劒先

 色模様
  秘傳花鏡(かきょう ※伝)、群芳譜、三才圖會(※図絵)、
  嘉興縣志を引用
  模様十種
   1、さへはく(さいはく)
   2、くもり
   3、ときれはく
   4、無はく
   5、飛びはく
   6、照色極赤上々
   7、黄赤下々
   8、赤白さしまぜ銀ふち
   9、赤黑さしまぜ赤ふち(※赤黒)
   10、銀魚

  東京觀魚會の定めた名称 ※観魚会
   赤之部   金色、丹色、猩々
   白之部   銀色
   更紗之部  更紗、多赤更紗、他白更紗、腰白、背赤
   頭模樣之部(※模様) 面被り、白面、丹頂、白頂、兩奴(両)、
                 口紅
   黑之部(※黒) 鐵色(鉄色)
   虎之部 斑黑

---メモ---
明治39年=1906年

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2016年5月 2日 (月)

「實驗圖解 金魚の飼養」 前田閑亭 博文館 明治39年 その2

表紙
 品のいい草色に、ヒシと思われる彩色画

口絵
 赤彩色の金魚の絵

自序
  我邦家庭に於て娯樂用に供せらるゝ物頗る多しと雖ども是を用
 ひて男女老幼に適するもの誠に尠し或は却って品性を損し害惡を
 醸すが如き事なしとせず然れども小獸鳥魚の飼養は家庭娯樂の
 最も好適し・・・閑雅なる金魚飼養の如きは最も然りとなす。

  著者の祖父竹圃老人は鳥魚の飼養を楽み特に金魚は實驗飼
 養の方法により古來の事物等細大となく記録に止め置けり・・・祖
 父遺稿の素志に適ひ又以て共に著者の幸榮とする處なりと伝爾

        明治三十九年六月  著者識

   ---メモ---
    伝爾=しかいう、うんじ=これにほかならない

第壹章 金魚の傳來 ※伝来 ~P.8 
 金魚の傳來
  二つの説を引用記述
  魚体の文字模様の話
  ---メモ---
   舊=キュウ、グ、ふるい、もと
   舊記=きゅうき、旧記

 金魚の名字
  黄蝋魚、蝋魚、金鱗 事物異名 ※蝋は旧字
  赤隣 行厨集
  盆魚 福州詩誌
  火魚 三才圖繪 ※図絵
  朱魚 ビン書 ※
  錦隣 廣東新語
  錦魚
  ---メモ---
   門+虫=ビン もんがまえ

 金魚の法度
  元禄7年10月5日の町触れを掲載
  元禄宝永珍話からの引用紹介

 金魚の遊戯
  俳書新続犬筑波集、題林一句、好色盛衰記、西鶴置土産から
  引用解説
  棒振虫(ぼうふりむし)の採集賃金など

 金魚の輸出
  米国への話

 支那及歐州の沿革 ※欧州
  秘伝花鏡からの引用
  欧州にもたらした人名と西暦を記述、氏名だけ記しておきます。
   カエンヘン、チュライデ、レコムテ、イアルレイル

  書画図を著した欧州人の氏名と西暦を記述、氏名だけ記して
  おきます。
   ペチーベル、ヘンナンド、バステク、サウリグ子ー

---メモ---
明治39年=1906年

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