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2015年11月

2015年11月28日 (土)

「霞ヶ浦における魚類図並目録解説」第十一輯 高橋庄一 土浦市立郷土資料館 昭和51年

「霞ヶ浦における魚類図並目録解説」第十一輯 高橋庄一 土浦市立郷土資料館 昭和51年5月9日 B5判 P.70 非売品

 本書は浮遊生物の研究と併せ、魚類の調査を行った(はじめにより)との事で、1952年(昭和27年)に第1集を発行し、書籍で言うところの改定重版です。

 書籍ではなく報告書の部類で、作りは写真掲載はなく1ページに2種程をイラストと解説により紹介しています。
 解説内容は軟条数、鱗数、色彩、特徴を主に6~7行で書かれています。

 著者は公的あるいは民間の研究部門に在籍した後教諭となり、報告書執筆時は公立資料館の職に就いていることが、奥付前頁の発行記録に記されています。

 本の造りは表紙は硬質紙、それ以外は普通紙を使用し、ホチキス止めとなっています。

 市販本ではないため古書界にはほとんど出ない本です。手元の本は水戸市の古書店から入手しました。

【構成】
表紙
目次
 魚類分類上留意した点と各名称とその測定法
 霞ヶ浦産淡水魚分類と解説
  62種名を科別に羅列

はじめ
参考文献
魚類図版
貝類
魚名索引
発行記録
奥付

---メモ---

昭和51年=1976年
輯=シュウ、ジュウ、あつめ 集

地域で発刊された淡水魚の本

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2015年11月22日 (日)

「雑草の博物誌」 水田雑草編 農林水産省農業研究センター 全国農業改良普及協会 平成6年 その4

アゼナ(ゴマノハグサ科)
 最近発生が多くなった
  発芽酸素濃度、種子寿命の話
  除草剤とアメリカアゼナの話

 アジキグサも含めてやや根拠があいまい

タカサブロウ(キク科)
 西南暖地で発生が多い
  2つの変異型の話
  種子の浮水性の話

 「ただれ目」が語源? 今では英語の方言名も
  薬効の話

キシュウスズメノヒエ(イネ科)
 土面にはりつくやっかい者
  筑紫系の変異系統
  滝北グラス、ノットグラス

 西日本中心に「ヨバイグサ」と嫌われる
  方言名の語源

ヘラオモダカ・サジオモダカ(オモダカ科)
 根茎に薬用成分を含む
  違い、見分け方を解説

 方言名はオモダカと共通 サジオモダカは漢方の材料
  漢字では「澤瀉」=タクシャ

ミズハコベ(アワゴケ科)
 水苗代のころの水草
  ミゾハコベの話
  発芽特性の解説

 姿も呼び名も、ミズ・ミゾハコベは区別が困難
  漢字は「水馬歯」

ヒメホタルイ(カヤツリグサ科)
 新たな難防除雑草となるか?
  進入していない地方の話
  生育地質、発生期間、深度の話
  交雜の話

 方言の多くはクログワイ、ホタルイ類から借用
  標準和名、方言名の解説
  ツベ=尻

セリ(セリ科)
 ’野菜’から’雑草’へ
  野生セリと栽培セリの話

 昔から変わらずに伝えられた頑固な呼び名
  食して行けない人や食べ合わせの話
  品種の紹介

ヒロハイヌノヒゲ(ホシクサ科)
 発生は広いが問題は小さい
  生育地、出芽温度、花期の話

 月とすっぽんならぬ「星と犬の髭」、おまけに「勲章」と多彩な印象
  別名オオミズタマソウ
  ・・・将来は観賞用の園芸植物として・・・

デンジソウ(デンジソウ科)
 忘れられた多年生雑草
  ・・・胞子による繁殖もあるが、水田での発生にどの程度の役割
  を果たしているのか不明・・・
  ・・・昭和57年の同様の調査では、デンジソウは著しく減少して・・

 中国渡来の「田字草」と「水中のカタバミ」が名前の代表
  薬効を紹介
  別名をいくつか記載

水田の博物誌(方言名-標準和名)
 方言名をアイウエオ順に記し、標準和名を検索できる一覧表
 を掲載

以上でこの本の紹介は終りです。

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関連本

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2015年11月14日 (土)

「雑草の博物誌」 水田雑草編 農林水産省農業研究センター 全国農業改良普及協会 平成6年 その3

キカシグサ(ミソハギ)
 生理的特性が興味深い
  種子のみにより繁殖
  発芽条件、種子の寿命を記述

 昔はしらみ今は田圃のスベリヒユ
  標準和名の語源の話

ヒルムシロ(ヒルムシロ科)
 典型的な水生雑草
  水面の6~8倍の面積分の葉を繁茂させる。
  上記による害を説明
  鱗茎、エチレンの話

 蛭の棲み家か水面の小判か
  標準和名の語源説明

アオミドロ(ホシミドロ科)
 緑藻類の繁殖が気になる
  アミミドロ、フシマダラの話

 田面に浮かぶオドロの髪
  標準和名の由来、方言名の語源

チョウジタデ(アカバナ科)
 湛水より湿潤条件を好む雑草
  ・・・除草剤で容易に枯殺し得る・・・・、現在では強害草と呼ばれ
  ることはまずない。・・・
  ・・・無酸素の条件では全く発芽せず・・・

 丁子と唐辛子、容姿だけなら一流のスパイス
  標準和名の由来、方言名の語源

クログワイ(カヤツリグサ科)
 最も防除困難な多年生雑草
  塊茎の形成深度の話
  ・・・ダラダラと10月頃まで・・・
  塊茎の寿命の話

 万葉の時代の名を今にも伝えるエグ
  クワイはオモダカ科
  前川文夫博士による標準和名の語源の話
  方言名の語源

表土剥離
 最近”雑草”に仲間入り
  藻類との関係の話

 製鉄のカスから地面の皮や蓋まで多様なイメージ
  現象が起こる仕組み説明
  方言名の語源

アブノメ・オオアブノメ(ゴマノハグサ科)
 なぜか目立たない雑草
  雑草として問題視されない理由を解説

 虻の目玉に見立てた果実の形が共通点
  見立てた部位を解説
  ムッタ=濕地、泥田

ウキクサ・アオウキクサ(ウキクサ科)
 増殖は早い
  区別法を解説
  最近の減少をイネの作期から解説

 花も実も根も揃っていても「根なし草」

ミズガヤツリ(カヤツリグサ科)
 出芽特性は畑雑草に似ている
  出芽温度、酸素要求度、土壌水分
  種内変異の話

 稲株の間に光るオヒカリサン
  方言名の語源
  クグ=スゲ、カヤツリグサの古名

ミゾハコベ(ミゾハコベ科)
 雑草害はどの程度?
  発生が遅い
  湿田、乾田での種子からの発芽の話

 田圃のハコベが普通、田面にへばりつくヒッツキババも
  ハコベの語源解説
  ドンク、ジョウコ=蛙

オモダカ(オモダカ科)
 多肥栽培を好む害草
  塊茎深度、窒素肥料量よる形成の違いの話

 多彩な呼び名 家紋にも登場する人気もの
   標準和名の由来、方言名の語源
  ホド=塊、塊茎
  赤花のオモダカ

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関連本
「水田の多年生雑草」 草薙得一 全国農村教育協会 昭和51年

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2015年11月 7日 (土)

「雑草の博物誌」 水田雑草編 農林水産省農業研究センター 全国農業改良普及協会 平成6年 その2

表紙
 7種の彩色イラストで品のいい表紙です。

発刊に際して
 ・・・「雑草」も、我々人間に価値のない、植物分類学的には不均一な草本性植物をひとまとめにした便宜的な呼称であります。・・・昭和天皇の「雑草という植物はない」はけだし名言であります。

 図鑑の第一の使命は、分類・同定にありますが、・・・本書は・・・雑草の個生態学的な記載を主として、稲ないし稲作との係わりや、更には民俗学的な考察まで論述されており、・・・・読み物としても十分楽しめるものであります。・・・
 ・・・「技術と普及」に・・・昭和63年5月から平成2年6月までの2年間にわたって連載された・・・加筆されたものです。・・・

 平成6年1月              武田薬品工業
                    取締役 アグロ事業部長
                    前日本雑草学会副会長
                    農学博士 萩本 宏

---ここから本文---

ノビエ(イネ科)
 イネの擬態雑草
  タイヌビエ、ヒメタイヌビエ、イヌビエ、ヒメイヌビエの解説

 最大の難敵ゆえにバツグンの知名度

ウリカワ(オモダカ科)
 最盛期を過ぎた強害草
  ウリカワが繁茂、衰勢した要因を説明

 草取りの苦労が偲ばれる西南暖地の方言名
  方言名の由来を解説

コナギ(ミズアオイ科)
 一年生広葉雑草の代表草種
  戦後減少した理由など
  1株当たりの種子数や種子寿命など

 田の草と同義語だったナギが基本に
  標準和名の由来、方言名の由来など

ホタルイ(カヤツリグサ科)
 一年生雑草か、多年生雑草か?
  ほとんどはイヌホタルイ

 新顔故に方言名も借用が多い
  方言名の由来など
  ビッキ=蛙

タマガヤツリ(カヤツリグサ科)
 にぎやかに発生するが防除は容易
  種子の寿命の事

 マスクサ、カヤツリ、子供の遊びが名付親
  方言名の語源の話
  千葉でアンゴー=蛙

マツバイ(カヤツリグサ科)
 かつては’稲の大敵’と呼ばれた
  種子からの発生率を記述、思いのほか低い
  発芽の適温も書かれているが以外に高温
  マツバイ繁茂の効用の話

 田圃にはびこる毛皮の感触
  水田雑草の古典書を紹介「農業夜話」小西篤好 1828
  方言名の語源の話

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関連本

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