「魚の裁判」 辻田啓志 日本評論社 昭和59年 その3
第三章 新説、青い国・四国の川と海 河川の権利者 ~P.108
1、河川売り渡し候
三〇〇通のアンケート
那賀川、長安口ダムの話
---メモ---
扼する=たくする=要所を占める。
怨嗟=えんさ。うらみ嘆くこと。
約束手形の中味
ダム建設当時、どんな話があり、住民はどんなふうにみていたか
”非国民”という言葉
赤松川、奈半川(なはり)での話
2、魚族の祟り
ダムがもたらす教育の被害
川が濁るようになって、教育上どう思うか
赤潮と子どもの絵の色の話
コンピュータにできない精神被害
ダムは、環境上どう思うか
公共用地審議会と受忍限度の話
生活被害の救済度
濁りによる生活上の被害はどうか
経済被害のタートル
経済上の損失を具体的に
漁業被害を具体的に
当事者魚の被害
魚の奇形や大量に死んだのをみたことがあるのか
補償問題について何か御意見があれば
3、山河破壊のサイクル
濁りの構図
長安口ダム周辺での話
水温躍層の魔術
濁りの生産工程
天才説プラス皆伐説
宿命的ダム湖汚染
砂と虫と薬
4、自然権もしあれば
漁業権の値段
全流域民の救済
・・・実定法上保障された権利者ではなく、反射的利益をたま
たま享受していたにすぎない・・・
第四章 琵琶湖の魚の裁判史 ~P.137
1、頼朝の裁き
狙われた安曇川
北舟木村のことなど
---メモ---
御厨=みくり、みくりや。供物を調進するための領地。
手玉にとられた神々
商売人への道
2、信長様御乱入
野洲川と王
神供簗の話など
贄の発生 ※生贄=いけにえ
弱小集団(縄文的漁撈採集生活民族)は強大な王(経済力の
強い農耕氏族)に服従した証として、自分の土地の特産物を、
「贄」として差し出していた。
湖魚儀式
簗の発生
漁撈共同体の芽生え ※漁労
神社の支配力から地頭、惣百姓への話など
魚と神との対決
信長進行による神威の後退の話
3、殺生な家康の一礼
天下御免の漁撈
堅田漁民と秀吉時代の漁業権の事など
琵琶湖保安官
・・・琵琶湖は原則として幕府の管轄下にあり、小物成(年貢)
を取りたてていた。・・・
琵琶湖保全の重み
権利を有していた堅田漁民の功績の話
第四章 ヨシに負けた話 ~P.166
1、ヨシ群落保護法との出会い
ヨシと怨霊
ヨシ原守れ
西ドイツ時代に制定された法律
ヨシ法の存在意義
当時、滋賀県知事であった元新党さきがけ代表の竹村正義氏
の話を掲載
2、湖北のヨシぶきの家
ヨシの用途
世話のやけるヨシ
・・・「手入れ」とは、どんなことか。毎年、刈る、焼く(火入れ)
ということをやらないと。ヨシは退化する。・・・
・・・ヒシは水質のよくないところにでやすい。・・・ヒシがはびこ
ると水が冷たくなる。・・・
裁判ヨシ論争
水質浄化力
3、『ヨシ群落保護法』と日本官僚
ヨシ法の中味
・・・220万市民は、この6パーセントの水域に飲料水を求めて
生きている。つまり、生存のためにヨシを守る法律までつくら
ななければならなかった。・・・
ボーデン湖航行規則
湖岸堤、湖中堤
三分の一以下に減少
・・・1953年当時414ヘクタールが・・・130ヘクタールに減少
埋立て天国
河川法と公有水面埋立法の話
破滅へ
保全の道
付記
「ヨーロッパ湖沼調査団」について
あとがき
・・・書きためたものを、どう構成しようか、いい年して自分のやって
いることが見えない。思いあまって林屋辰三郎先生に相談する。
・・・先生いわく「二つの本が出来る材料ですね。二つに分けて、今
回は法律にしぼったら」・・・
一九八四年一月 辻田敬志
これでこの本の紹介は終わりです。
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