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2014年8月

2014年8月30日 (土)

「魚の裁判」 辻田啓志 日本評論社 昭和59年

「魚の裁判」 辻田啓志 日本評論社 1984年1月30日(昭和59年) B6判 P.171 定価1200円

 著者は学問として環境、魚類を学んだわけでもなく、奥付を見ると映画演劇などの文化活動をしていたとのこと。だが四十半ばに琵琶湖乱開発差し止めの訴訟を起こしています
 文体は紳士風でないことは確かで、皮肉っぽい書き方です。

 古書界ではいつでも入手できる本で、手元の本は名古屋の古書店からの入手です。

【構成】
カバー
表紙
中扉
まえがき

目次
 まえがき
 第一章 テネシー川の魚の裁判
  1、カモシカとシジミの健康被害
   カモシカの冤罪
   セタシジミのイミテーション
   裁判所へいったシジミ
   救援のスネール・ダーター

  2、テネシー川テリコ・ダム訴訟
   アメリカの世論
   砦と帽子とTシャツ
   プラッターへの来日要請
   算定できない莫大な価値
   『絶滅に瀕する種の法』のできた理由

  3、カモシカとスネール・ダーターの盟約
   危険をつげるカナリア
   プラッター労働の記
   スネール・ダーターは完全勝利をしたか
   日本に不足しているもの
   人を動かす法律 

 第二章 魚・埋立て・生態系
  1、薄幸な魚の話
   シンボル・フィッシュ
   工事は天然記念物対策にあらず
   スコップでこすられた天然記念物
   魚は文化財か
   起き上がれ天然記念物
   イタセンパラの奮闘
   水族館の中の王様の話

  2、琵琶湖裸の王様の話
   無届け埋立て発覚
   親水性埋立て
   人間臭い背後関係
   見えていても琵琶湖の底
   埋立てによる汚染
   ゴミと水害
   検察審査会の小さな正義
   湖の私有権の出現 

 第三章 新説、青い国・四国の川と海
  1、河川売り渡し候
   三〇〇通のアンケート
   約束手形の中味
   ”非国民”という言葉

  2、魚族の祟り
   ダムがもたらす教育の被害
   コンピュータにできない精神被害
   生活被害の救済度
   経済被害のタートル
   当事者魚の被害

  3、山河破壊のサイクル
   濁りの構図
   水温躍層の魔術
   濁りの生産工程
   天才説プラス皆伐説
   宿命的ダム湖汚染
   砂と虫と薬

  4、自然権もしあれば
   漁業権の値段
   全流域民の救済 

 第四章 琵琶湖の魚の裁判史
  1、頼朝の裁き
   狙われた安曇川
   手玉にとられた神々
   商売人への道

  2、信長様御乱入
   野洲川と王
   贄の発生 ※生贄=いけにえ
   湖魚儀式
   漁撈共同体の芽生え ※漁労
   魚と神との対決

  3、殺生な家康の一礼
   天下御免の漁撈
   琵琶湖保安官
   琵琶湖保全の重み 

 第五章 ヨシに負けた話
  1、ヨシ群落保護法との出会い
   ヨシと怨霊
   ヨシ原守れ
   ヨシ法の存在意義

  2、湖北のヨシぶきの家
   ヨシの用途
   世話のやけるヨシ
   裁判ヨシ論争
   水質浄化力

  3、『ヨシ群落保護法』と日本官僚
   ヨシ法の中味
   ボーデン湖航行規則
   三分の一以下に減少
   埋立て天国
   破滅へ
   保全の道
   付記

あとがき
参考文献
奥付
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