魚本探偵団

７、金魚の容器　17ページ

　　一、小容器
　　　硝子容器
　　　　楕円　十二番、六番、四番、二番がある。それぞれの直径
　　　　を寸で記載。

　　　陶器その他
　　　部屋に飾る注意

　　二、大容器
　　　金魚瓶
　　　泉水（叩池）
　　　　先代秋山吉五郎氏の白黒写真が見られます。
　　　池
　　　養殖池
　　　　浦安秋山氏の養魚池の写真掲載。　

８、金魚と水　6ページ
　　金魚と水質
　　　－－－メモ－－－
　　　恰も＝あたかも
　　　溷＝コン、ゴン、けがれ

　　水温
　　濁りの研究
　　　浮遊生物の話　

９、水換と注水　6ページ　省略
　　水換の原理
　　回數
　　水換の注意
　　金魚の掬ひ方
　　掃除の仕方
　　注水の意義
　　時期と時刻　

10、日覆と蓋と冬圍　5ページ
　　・・・三種三様の職分（つとめ）があります。即ち日覆いは炎暑
　　を防ぐのが目的、蓋は敵を防ぐため、外圍は寒氣を防ぐ・・・

　　日覆
　　　－－－メモ－－－
　　　葭＝あし、よし、カ、ケ

　　蓋
　　冬圍
　　圍ひ方
　　小容器の防寒法
　　泥池の防寒法　

11、金魚の食物　11ページ　省略
　　一、動物の飼料
　　　みぢんこ（微塵子）
　　　孑孑
　　　あかこ（いとみゝず）
　　　あかぼうふら
　　　貝類
　　　魚肉
　　　卵
　　　蠶蛹

　　二、植物質の飼料
　　大麥
　　鉄魚麩
　　そば粉
　　麺類
　　ふすま其他　

12、食物の與へ方　4ページ　省略
　　食物は控へ目に
　　時刻と回數
　　夏季の注意
　　水温と生長度　

13、産卵とその前後　14ページ
　　鮒の産卵
　　産卵の時期回數
　　　・・・回數の重むに従って、朝は早くから産み出して早く終る
　　　やうになります。

　　産卵の徴候
　　親魚の選定
　　　・・・形態上の特徴は父體から遺傳し、母體からはその性質
　　　を享受すると云はれます。

　　雌雄の見分け方
　　　－－－メモ－－－
　　　　辯別＝弁別＝ベンベツ。違いをわきまえて区別すること。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　識別。
　　　　恰も＝あたかも

　　親魚の飼ひ方
　　産卵池
　　　大きさを記述
　　産卵と天氣
　　産卵と温度
　　　・・・五月中旬までには是非産卵させませんと、雌は自然に卵
　　　を放出して仕舞ひ・・・
　　　－－－メモ－－－
　　　　慮る＝おもんばかる

　　雌雄の組合せ方
　　　尾数割合を記述
　　産卵材料
　　　金魚藻と柳の根について解説
　　卵の容器
　　　水深などの話
　　産卵中の注意
　　孵化迄の注意
　　孵化
　　　最適温度などの話
－－－

• 「金魚とその飼ひ方」　白木正光/秋山吉五郎　共著　大正15年　文化生活研究會

• 「金魚と熱帶魚の飼ひ方」　白木正光　厚生閣書店版　昭和7年

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表紙
　上部に琉金のイラスト

口絵　カラーの絵
　水槽中の琉金　

はしがき
　我々日本人の家庭生活に金魚がどんな役割を演じてゐるか、・・・日本の誇りであり、且日本人の動物愛育を如實に物語るものであります。
　・・・筆を取ったものであります。・・・既に大正十五年に先代秋山吉五郎氏と共著で・・・昭和七年には・・・、これは金魚の第三著です。・・・

　　　　昭和八年春　著者

　－－－メモ－－－
　　齎＝セイ、サイ、もたらす

－－－ここから本文－－－
　１、金魚禮讃　7ページ　省略
　　少年期と金魚
　　金魚屋
　　金魚飼ひ着手前　

２、金魚飼ひ常識　4ページ
　　金魚は死なぬ
　　草花栽培との比較
　　　飼育の真髄の話など
　　　－－－メモ－－－
　　　小六ヶ敷＝こむずかしい　

３、日本の金魚史　16ページ
　　何時日本に來たか
　　　金魚愛玩經驗録と大和本草の該当箇所解説

　　二説の批判
　　金魚の記録調べ
　　　元禄寶永珍話、江戸雀などから紹介。　※宝永
　　　－－－メモ－－－
　　　事蹟＝物事が行われたあと。事件のあと。事実の痕跡。
　　　砌＝石＋切＝セイ、サイ、みぎり。
　　　　　　　　　雨滴を受けるために、軒下などに石などを敷
　　　　　　　　　いた所。
　　　　　　　　　時節。おり。ころ。

　　西鶴置土産　以下省略
　　町奴と金魚組
　　　組名の由来の話
　　浮世繪と金魚
　　金魚屋の繪
　　金魚の著述
　　　金魚養玩草と金魚愛玩經驗録のはなしなど　※経験　

４、金魚の生物史　22ページ
　　金魚の祖先
　　尾の發達
　　鮒の形態
　　鮒の習性　
　　金魚と鮒の相違
　　金魚各部の名稱
　　金魚の鰭と尾
　　　半巻、糸つまみ、鮒背などの話
　　　郭公（ほととぎす）三つ尾、矢尾、房尾、海老尾、箱尾、
　　　熨斗(のし)尾などの話
　　　櫻尾、大津多、小津多、丸劍先尾などの話
　　　ヴェールテールとリボンテールの違い図示
　　　－－－メモ－－－
　　　ここでは郭公＝カッコウではない

　　金魚の色彩
　　　東京觀魚会の定むる色彩を記載　※観魚

　　金魚の壽命
　　金魚の採點表
　　　点の配分を記載　

５、金魚美の解剖　7ページ
　　金魚美の三要素
　　　色彩美、形態美、動的美の話
　　　－－－メモ－－－
　　　凝滞＝ぎょうたい。物事の流れがとどこおって通じないこと。
　　美的の飼い方
　　色彩の照應
　　　－－－メモ－－－
　　　臺＝タイ、ダイ、うてな
　　容器
　　群れの美　

６、金魚の種類　22ページ
　　　一、和金
　　　　・・・縁日の金魚屋で一匹二三錢で賣ってゐる金魚は・・・
　　　二、琉金
　　　三、蘭鋳(魚壽)　金鋳(魚壽)
　　　　・・・昔は(金壽)の字を用ひてゐたものですが、前水産講習
　　　　所長故松原新之助氏が、これを魚扁に改めたのであります。

　　　四、オランダ獅子頭
　　　五、出目金
　　　　箕作佳吉博士による命名の話
　　　六、出目らんちう　※らんちゅう
　　　七、和唐内
　　　　明治十六年開催の魚類展覽會　※展覧会
　　　八、秋錦
　　　　命名の話など
　　　九、朱文金
　　一〇、金蘭子
　　一一、鐵尾長
　　　　遠州尾長とも云う
　　一二、孔雀尾
　　一三、キャリコ
　　　　作出経緯の話
　　一四、出目秋錦
　　一五、キャリコオランダ（東錦）
　　　　作出者と命名者
　　一六、琉金獅子頭
　　一七、頂天眼
　　一八、その他
　　　　鈴錦、朱鮒、更紗鮒について

　　金魚の系圖
　　　－－－メモ－－－
　　　盡＝つきる

－－－

• 「金魚とその飼ひ方」　白木正光/秋山吉五郎　共著　大正15年　文化生活研究會

• 「金魚と熱帶魚の飼ひ方」　白木正光　厚生閣書店版　昭和7年

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「金魚の飼い方」　白木正光　丸ノ内出版社　昭和8年5月20日　A5判　P.177　函付　定價一圓五十錢

　本書は昭和初期に発刊された金魚の飼育書で、この年を含め前後には金魚、熱帯魚などの飼育書が相次いで出されています。

　著者の白木正光氏は新聞記者ですが、飼育魚関係ではこの書を含め３冊の魚の本を著しています。

　本の作りはカラー写真は掲載されていませんが、本文中にはイラストよりは多めの、割と鮮明な白黒写真を適度に配しています。
　章の表現も独特で、文章にはフリガナが多く、行間が広いため読みやすいです。

　また、最後に小売店や問屋の広告が出ているのも珍しく、しかも金魚界では有名な方の店名も掲載されていて楽しめます。

　内容は章節が細かく、あまり突っ込んだ内容はなく、浅く広く的な感じがします。この辺は実務経験からの執筆ではないことが起因しているかと推測します。

　古書界ではほとんど見かけない一冊だと思います。
　入手先は大阪市の古書店で函を含め状態は良いです。

【構成】
函
表紙
遊紙
扉
口絵
はしがき
目次
　１、金魚禮讃
　　少年期と金魚
　　金魚屋
　　金魚飼ひ着手前

　２、金魚飼ひ常識
　　金魚は死なぬ
　　草花栽培との比較

　３、日本の金魚史
　　何時日本に來たか
　　二説の批判
　　金魚の記録調べ
　　西鶴置土産
　　町奴と金魚組
　　浮世繪と金魚
　　金魚屋の繪
　　金魚の著述

　４、金魚の生物史
　　金魚の祖先
　　尾の發達
　　鮒の形態
　　鮒の習性
　　金魚と鮒の相違
　　金魚各部の名稱
　　金魚の鰭と尾
　　金魚の色彩
　　金魚の壽命
　　金魚の採點表

　５、金魚美の解剖
　　金魚美の三要素
　　美的の飼い方
　　色彩の照應
　　容器
　　群れの美

　６、金魚の種類
　　※種名列記
　　金魚の系圖

　７、金魚の容器
　　小容器
　　硝子容器
　　陶器その他
　　部屋に飾る注意
　　大容器
　　金魚瓶
　　泉水
　　池
　　養殖池

　８、金魚と水
　　金魚と水質
　　水温
　　濁りの研究

　９、水換と注水
　　水換の原理
　　回數
　　水換の注意
　　金魚の掬ひ方
　　掃除の仕方
　　注水の意義
　　時期と時刻

　10、日覆と蓋と冬圍
　　日覆
　　蓋
　　冬圍
　　圍ひ方
　　小容器の防寒法
　　泥池の防寒法

　11、金魚の食物
　　動物の飼料
　　みぢんこ
　　孑孑
　　あかこ
　　あかぼうふら
　　貝類
　　魚肉
　　卵
　　蠶蛹
　　植物質の飼料
　　大麥
　　鉄魚麩
　　そば粉
　　麺類
　　ふすま其他

　12、食物の與へ方
　　食物は控へ目に
　　時刻と回數
　　夏季の注意
　　水温と生長度

　13、産卵とその前後
　　鮒の産卵
　　産卵の時期回數
　　産卵の徴候
　　親魚の選定
　　雌雄の見分け方
　　親魚の飼ひ方
　　産卵池
　　産卵と天氣
　　産卵と温度
　　雌雄の組合せ方
　　産卵材料
　　卵の容器
　　産卵中の注意
　　孵化迄の注意
　　孵化

　14、仔魚の育て方
　　孵化當時の仔魚
　　仔魚の食物
　　一番水
　　選別
　　變色
　　變色と水温
　　蘭鋳仔魚の育て方　※鋳は魚壽

　15、金魚の産地と輸送法
　　郡山
　　尾張彌富　※弥富
　　東京
　　その他の地方
　　金魚屋の金魚養成法
　　金魚屋の収支計算
　　呼賣金魚屋
　　副業として金魚
　　金魚の輸送法
　　金魚の小包便
　　卵の輸送

　16、金魚の海外進出
　　米國へ輸出
　　金魚の船旅
　　輸出金魚の種類
　　あちらの金魚店
　　米國の金魚

　17、金魚の蟲害
　　病魚の見分け方
　　病因の四大別
　　粗腐病
　　鰓腐病
　　松皮病
　　糜爛病
　　ぬまり病
　　眼病
　　糞詰病
　　その他
　　害敵
　　鳥類
　　獣類
　　蛙
　　昆蟲類
　　魚虱
　　錨蟲
　　あをさ

口繪目次
　一圖から五十九圖までのタイトルを記載

奥付
広告
遊紙

－－－メモ－－－
昭和８年＝1933年

• 「金魚とその飼ひ方」　白木正光/秋山吉五郎　共著　大正15年　文化生活研究會

• 「金魚と熱帶魚の飼ひ方」　白木正光　厚生閣書店版　昭和7年

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