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2014年1月 6日 (月)

「金魚文化誌」 書誌学的考察 松井佳一・松井魁 鳥海書房 昭和62年 その4

 

六 金魚に関する日本の民俗 8ページ

  1 金魚の見世物
   甲府城の柳沢家と郡山のことなど
  2 金魚屋
   最初の金魚屋の話
  3 金魚売り
  4 硝子天井の金魚
  5 郷土玩具
   ---メモ---
     侫=ニョウ、ネイ、おもね、へつら。
     侫武多=ねぶた
  6 絵馬
  7 姓名
  8 切手
  9 金魚の諺言隠語 ※げんげん
   イ 金魚の刺身
   ロ きんちやぶ
   ハ 金魚に孑孑 ※子子に似た字 ボウフラ
   ニ 金魚 月經
   ホ 金魚 麩
   ヘ 金魚酒
   ト 金魚にチャプ

  10 分身(刺青)
  11 金魚でない金魚の名のあるもの
   金魚髯
   金魚椿
    品種名を記載 

七 日本に飼育せられている金魚の品種 7ページ
  種名と解説、命名、交配などの話。
  たとえばキャリコは米国人の依頼で作り、キャリコとは更紗の
  意味である。
  秋山吉五郎、松原新之助、杉田九五郎、長沢兵次郎などの
  名が出てきます。
  また、目次にはないが中国金魚の輸入経緯も、種名とともに
  よく記述され
ています。

  1 原産地の中国から古く輸入せられたもの 5種
  2 日本で生産せられたもの
   イ 原種から突然変異を淘汰固定したもの 7種
   ロ 交雜により生産したもの 11種
   ハ 新しく交雜し略固定したもの 2種
   ニ 新淘汰して殆ど固定したもの 4種

  3 終戦後中国から輸入して繁殖したもの
  4 米国から里帰りしたもの
  5 米国から輸入したもの 

八 日本文学上の金魚(文中に金魚の記事があるもの) 
                                20ページ
  1 浮世草子 8点
  2 戯曲  2件
  3 草双子(青本、読本) 21点
  4 黄表紙 4点
  5 物語本 12点
  6 随筆 10点
  7 他誌 6点
  8 俳諧(明治以降のものは省略) 6点
  9 川柳(明治以降は省略) 13点
  10 狂歌(明治以降は省略) 22点
  11 絵入本(この内には美術品として適当のものもあるが単行本
    仕立のものを纏めた) 56点
  12 其の他の本(主に明治以前) 14点
  13 魚譜(画巻を含み絵本と同じく単行本仕立のもの) 10点 

九 日本美術品に於ける金魚 28ページ
  1 絵画 34点
   画家名、画題、金魚品種、作画年代を記載
   土佐家は日本画壇の一派・・・昭和30年に土佐光輝が画家
   を廃業した。・・・昭和26年5月に同家歴代の画業に関する
   粉本画稿其の他を全部一括譲受けたが・・・

  2 浮世絵
   画題、図柄、画家、年号を記載
   金魚は美しい色彩と優しい姿とで必ずや浮世絵の好題材・・・
   大正10年頃から、東京上野黒門町通り、広小路辺の多くの
   錦絵屋から・・・
   ・・・この蒐集品は緑書房社長、中村利一氏に一括保管を
   条件に譲った

   イ 肉筆画 2点
   ロ 赤摺絵 1点
   ハ 錦絵
    (一)金魚鉢または池に人物を配したもの 66点
    (二)硝子器の金魚 51点
    (三)着物の模様にある金魚 22点
    (四)金魚売 20点
    (五)玩具の金魚 2点
    (六)装身具の金魚 1点
    (七)諷刺絵、見立絵 8点
    (八)金魚を主にしたもの 25点
    (九)作りもの 3点
    (十)おもちゃ絵  69冊
    (十一)双六 9点
    (十二)摺物 8点

  3 陶磁器 52点
   窯、金魚品種、作者または年代を掲載
   ---メモ---
    夕巳
     皿 =ワン、もい。水を盛る器
      木製のものは「椀」,陶磁器製のものは「碗」と書く

  4 漆器 7点
  5 七宝 3点
  6 銅器 4点
  7 鉄器 4点
  8 刃物小物 4点
  9 彫刻 9点
  10 織物 5点
  11 其の他 6点

第四章
 一 金魚に関する生物学的研究業績 12ページ
  学名変遷、日本人研究者、当時の洋書、研究上の金魚の欠点、
  自身の研究・実験、ミチュリンの話、グードリッチ(Goodrich)の
  透明鱗実験の話
、著者による本の紹介。
  ---メモ---
   蠕=ジュ、ゼン、うごめく。
   蠕虫=ぜんちゅう。体が細長く蠕動により移動する虫(小動物)
               の総称。wikiより

あとがき 3ページ
 先に紹介した「金魚と真珠の研究に精力をささげた農学博士
 松井佳一追悼記」
に同じ
 ---メモ---
 尸+婁=ル、しばしば。
 吃驚=びっくり と読む

以上でこの本の紹介は終わりです。

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