「金魚文化誌」 書誌学的考察 松井佳一・松井魁 鳥海書房 昭和62年 その4
六 金魚に関する日本の民俗 8ページ
1 金魚の見世物
甲府城の柳沢家と郡山のことなど
2 金魚屋
最初の金魚屋の話
3 金魚売り
4 硝子天井の金魚
5 郷土玩具
---メモ---
侫=ニョウ、ネイ、おもね、へつら。
侫武多=ねぶた
6 絵馬
7 姓名
8 切手
9 金魚の諺言隠語 ※げんげん
イ 金魚の刺身
ロ きんちやぶ
ハ 金魚に孑孑 ※子子に似た字 ボウフラ
ニ 金魚 月經
ホ 金魚 麩
ヘ 金魚酒
ト 金魚にチャプ
10 分身(刺青)
11 金魚でない金魚の名のあるもの
金魚髯
金魚椿
品種名を記載
七 日本に飼育せられている金魚の品種 7ページ
種名と解説、命名、交配などの話。
たとえばキャリコは米国人の依頼で作り、キャリコとは更紗の
意味である。
秋山吉五郎、松原新之助、杉田九五郎、長沢兵次郎などの
名が出てきます。
また、目次にはないが中国金魚の輸入経緯も、種名とともに
よく記述されています。
1 原産地の中国から古く輸入せられたもの 5種
2 日本で生産せられたもの
イ 原種から突然変異を淘汰固定したもの 7種
ロ 交雜により生産したもの 11種
ハ 新しく交雜し略固定したもの 2種
ニ 新淘汰して殆ど固定したもの 4種
3 終戦後中国から輸入して繁殖したもの
4 米国から里帰りしたもの
5 米国から輸入したもの
八 日本文学上の金魚(文中に金魚の記事があるもの)
20ページ
1 浮世草子 8点
2 戯曲 2件
3 草双子(青本、読本) 21点
4 黄表紙 4点
5 物語本 12点
6 随筆 10点
7 他誌 6点
8 俳諧(明治以降のものは省略) 6点
9 川柳(明治以降は省略) 13点
10 狂歌(明治以降は省略) 22点
11 絵入本(この内には美術品として適当のものもあるが単行本
仕立のものを纏めた) 56点
12 其の他の本(主に明治以前) 14点
13 魚譜(画巻を含み絵本と同じく単行本仕立のもの) 10点
九 日本美術品に於ける金魚 28ページ
1 絵画 34点
画家名、画題、金魚品種、作画年代を記載
土佐家は日本画壇の一派・・・昭和30年に土佐光輝が画家
を廃業した。・・・昭和26年5月に同家歴代の画業に関する
粉本画稿其の他を全部一括譲受けたが・・・
2 浮世絵
画題、図柄、画家、年号を記載
金魚は美しい色彩と優しい姿とで必ずや浮世絵の好題材・・・
大正10年頃から、東京上野黒門町通り、広小路辺の多くの
錦絵屋から・・・
・・・この蒐集品は緑書房社長、中村利一氏に一括保管を
条件に譲った。
イ 肉筆画 2点
ロ 赤摺絵 1点
ハ 錦絵
(一)金魚鉢または池に人物を配したもの 66点
(二)硝子器の金魚 51点
(三)着物の模様にある金魚 22点
(四)金魚売 20点
(五)玩具の金魚 2点
(六)装身具の金魚 1点
(七)諷刺絵、見立絵 8点
(八)金魚を主にしたもの 25点
(九)作りもの 3点
(十)おもちゃ絵 69冊
(十一)双六 9点
(十二)摺物 8点
3 陶磁器 52点
窯、金魚品種、作者または年代を掲載
---メモ---
夕巳
皿 =ワン、もい。水を盛る器
木製のものは「椀」,陶磁器製のものは「碗」と書く
4 漆器 7点
5 七宝 3点
6 銅器 4点
7 鉄器 4点
8 刃物小物 4点
9 彫刻 9点
10 織物 5点
11 其の他 6点
第四章
一 金魚に関する生物学的研究業績 12ページ
学名変遷、日本人研究者、当時の洋書、研究上の金魚の欠点、
自身の研究・実験、ミチュリンの話、グードリッチ(Goodrich)の
透明鱗実験の話、著者による本の紹介。
---メモ---
蠕=ジュ、ゼン、うごめく。
蠕虫=ぜんちゅう。体が細長く蠕動により移動する虫(小動物)
の総称。wikiより
あとがき 3ページ
先に紹介した「金魚と真珠の研究に精力をささげた農学博士
松井佳一追悼記」に同じ
---メモ---
尸+婁=ル、しばしば。
吃驚=びっくり と読む
以上でこの本の紹介は終わりです。
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松井佳一氏の金魚の本一覧
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