「金魚と真珠の研究に精力を捧げた 農学博士 松井佳一追悼記」 松井魁 昭和57年 その3
故人による回想
i,私の魚歴 80ページ
この随筆は、養殖第10巻1号から第11巻12号(1973~1975)に
かけて24回にわたって連載されたものである。なお、原文は縦
書きであったが、複写の都合で横書きとした。
はじめに
・・・執筆の交渉を受けたときは一寸考えた。自叙伝として公表
することは思いあがったようでおこがましいような感があって気
が進まなかったが・・・随筆的にと言う気安さから禿筆をとってみ
る気になった次第である。
---メモ--
禿筆=とくひつ。自分の文章や筆力を謙遜していう語
生い立ち
私は明治24年2月20日、山口県・・・生まれたことになってい
るが・・・
・・・「よしいち」が本名であるが私の名を正確に読んでくれる
人が少ないのは・・・「かいち」と読まれるものは音読からは無
理からぬ事と思うが、・・・「けいいち」と読む人の多いのには
吾ながら驚いている。またうたがった読み方として「よしかず」
もあるが、うれしくない。
---メモ---
明治24年=1891年
---タグ---
山口県都農郡富田村平野、新南陽市、称名寺、徳山中学校
中学時代 - 生物学への目覚め ※14才
・・・私の生物学へあこがれたのは郷土の先輩藤谷織之助
先生の感化であった。・・・
・・・幸い私は明治40年以来、日記を記しつづけているので・・・
浪人時代 ※20才
・・・健康も回復したので来年までのつなぎに・・・岐阜にある
名和昆虫研究所で・・・
・・・所蔵せられている動物学雑誌の創刊号より閲覧するこ
とができるのはうれしかった。・・・同誌は己に購読している
のでバックナンバーを集める希望に燃えた。・・・
---メモ--
駭=カイ、ガイ、おどろ・く
---タグ---
福川駅、名和梅吉、名和靖、長野菊次郎、石川千代松
上京の旅
・・・徴兵猶予のため・・・早稲田中学補修科に入学すること
とし・・・
中学時代の思い出(補)
---メモ--
渉猟=しょうりょう。広くあちこち歩きまわって、さがし求め
ること。
礬=ハン、バン、明礬=みょうばん
海鼠=ナマコ
措=リ、お・く
措葉標本=さくようひょうほん
=押し葉標本(おしばひょうほん)とは、高等植物の
標本の標準的な作り方のことで、正式には措葉標
本と言う。
---タグ---
日本博物学同志会、動物標本社、丘浅次郎、大町文衛
浪人時代受験準備 ※20才
・・・下宿の附近に3番町・・・縁日あって・・・殊に楽しいのは
古本屋があって、浮世絵や珍本の堀出し本などを探すこと
ができた。・・・
・・・海洋近くに生まれた因縁から、魚学に対する熱意に燃え
た。・・・愛読していた岡村金太郎先生著「水産一夕論」に啓
蒙せられて、・・・高等学校への受験を断念し、農商務省水産
講習所を志望することにして・・・
---メモ---
故里=ふるさと
捷径=しょうけい。目的を達するてっとり早い方法
---タグ---
田中茂穂
入学試験
6月3日には、・・・幾何と算術・・・動物学
6月5日の・・・化学科・・・英文和訳
6月6日、・・・代数と三角・・・次に国語漢文・・・和文英訳
6月7日・・・物理科・・・作文で、題は「学生の本分」であった。
・・・これで試験は終了した。
7月14日、・・・水産講習所より合格通知を受け・・・7月23日、
東北大学より合格通知を受けた。・・・
---メモ---
鵑=ケン 杜鵑=ホトトギス
---タグ---
割引電車、東北大学農科大学水産専門部、平瀬氏の貝類
展覧会
水産講習所学生時代
・・・徳山駅へ行く。・・・零時16分発新橋行の急行列車で出
発す・・・翌朝5時前に名古屋駅を通過した。・・・午後2時半
新橋駅到着。・・・
水産講習所入学試験1年生
・・・はしめ養殖科では、数学がないのが魅力で志願したので
あったが意外であった。・・・
・・・本年度入学者は本科漁撈科30名、製造科35名、
養殖15名・・・
※授業の内容(学科、先生、教科書←ほとんど洋書)を細
かく記載
---メモ---
重畳=ちょうじゅう。幾重にも重なること。
閂=サン、かんぬき 差閂
歯簿
御聖影
拝賀式=戦前、一月一日に全国諸学校で職員生徒が参集し、
天皇・皇后両陛下の御真影を拝し、国歌君が代を奉唱した
儀式
---タグ---
神田の東京堂、ジョルダン博士、神田の芳賀堂、日暮忠
1年生の冬休みを過ごした高島実験場
※実験場の様子を詳細に記述
---メモ---
弦月=上弦および下弦の月のこと
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