「国指定天然記念物ミヤコタナゴ 保護育成計画調査報告書」 横浜市教育委員会 昭和61年 その4
5.保護増殖事業の現況と課題 6ページ
神奈川県淡水魚増殖試験場からの報告
5-1 飼育経過
- 昭和53から60年度までの試験、親魚と稚魚の尾数の表を掲載
5-2 保護増殖研究の経過と現状
(1)飼育池における繁殖試験
- 昭和54から58年度までのコンクリート池(2×2×0.4m)での試験
親魚雌雄別尾数、浮上尾数、産卵用母貝の表を掲載
57,58年度は貝にヒルが寄生し浮上はゼロ
(2)人工採苗技術開発試験
- 人工採卵、シャーレ内での媒精、ビーカー内でふ化
昭和57から60年度までの試験結果
親魚雌雄別尾数、産卵数、ふ化仔魚数、浮上尾数、浮上率の表を掲載
(3)保護増殖受託事業の実施状況
昭和60年度の結果
ア.飼育現在量(昭和61年3月31日現在)
イ.試験結果
(ア)飼育池における繁殖試験
a.マツカサガイによる量産試験
屋外飼育池2面に雌雄各35尾、マツカサガイ152個
で667尾浮上
b.マツカサガイ以外の二枚貝による産卵試験
マツカサガイ>オトコタテボシ>ドブガイ>イシガイの
順であった。
ヒル寄生貝にはほとんど産卵しない
C.ヒルの寄生状況調査と駆除試験
寄生割合7~70%、1貝当たり1.4匹~5.6匹
致死塩分濃度1.5%で15分、2.0%で10分
(イ)人工採苗技術開発試験
a.量産試験
b.ふ化仔魚飼育水の至適塩分濃度試験
1,000~5ppmであった。
5-3 今後の課題
(1)人工採苗技術の確立
(ア)ふ化から浮上までの間の飼育管理方法の開発をはかる。
(イ)親魚と産卵数、卵質について調査を行う。
(2)浮上仔魚の生存率の向上
(ア)餌料の種類と給餌量日について究明する。
(イ)飼育池への移収時期について検討する。
(ウ)魚病対策を行う。
(3)産卵母貝の確保
(ア)産卵母貝の人工種苗生産技術の開発を行う。
(イ)貝ヒルの生活史を探究する。
(4)人工産卵床の開発
(ア)産卵母貝に代わる人工産卵床を開発する。
6.保護育成基本計画 5ページ
6-1 基本方針
- ・・・人工的条件下で継代飼育を続けることは、生物種にとって望ましいことではない。そこで、これを横浜市内の水域に戻して、自然班色による保護育成をはかり・・・
6-2 環境造成による保護育成計画
(1)環境造成候補地の選定
用件を5つ掲載
(2)候補地選定のための調査計画
1).調査地点
2).調査項目
以下を解説
a.流量
b.水質
c.底質
d.地形等
e.生物
f.周辺状況
3).検討
(3)保護育成事業計画の立案
(4)保護育成放流池の例
イメージプランのイラスト掲載
a.既存の溜め池を利用する場合-1
b.既存の溜め池を利用する場合-2
c.河川源流部を利用する場合
7.参考文献
18の文献を掲載
以上でこの本の紹介は終わりです。
« 「国指定天然記念物ミヤコタナゴ 保護育成計画調査報告書」 横浜市教育委員会 昭和61年 その3 | トップページ | 「群馬縣産魚類」 群馬縣水産試驗場 昭和10年 »
« 「国指定天然記念物ミヤコタナゴ 保護育成計画調査報告書」 横浜市教育委員会 昭和61年 その3 | トップページ | 「群馬縣産魚類」 群馬縣水産試驗場 昭和10年 »
コメント