「巨椋池の植物生態」 三木茂 京都府史蹟勝地調査會 1927年 その3
四、主要植物の生態
(一)湿地生植物 1ページ
ヲギ
(ニ)渚生植物 15ページ
ヨシ屬
- ヨシ、セイコノヨシ(ウドノヨシ)、ツルヨシの形態的特徴、葉の鋸の差異、蕃殖形態を説明
巨椋池ほか5地点での地下莖、稈、葉の成長記録表、京大植物園での実験結果表を掲載
マコモ
京大植物園での実験結果表を掲載
湧水個所は発育不良と述べている。
ガマ屬
ヒメガマとガマの数値的比較表を掲載
京大植物園での実験結果表を掲載
フトヰ
綠莖は地下莖の七節毎に出る
ハス
莖(越冬莖は蓮根)の生長について詳細な記述。
※大変興味深い
(三)浮葉植物
- オニバス、ヒシ、ガガブタ、ヒツジグサ及ヒメカハホネ、マルバオモダカ、ヒシモドキ
(四)沈水植物
エビモ、ミヅヒキモ
イバラモ屬
巨椋池にはイバラモ、トリゲモ、ホッスモあり。
センニンモ、ササバモ及ヒロハノエビモ、カウガイモ及セキシウモ
キンギョモ及ゴハリキンギョモ
- ゴハリキンギョモは従來臺灣のみに知られたるも、京都二中、丹信實氏によりて此の池に存するを知れり。
フサモ屬
- 巨椋にはホザキノフサモ、オグラノフサモ、フサモ、タチモの4種あり。
オグラノフサモは・・・・フサモと區別せられ、主として巨椋附近及寳池(※たから)にて發見せられたるにより巨椋を記念する為、オグラノフサモと命名し學名 Myriophyllum oguraenseを與へたる所以なり。
(五)浮遊植物
トチカガミ
ムジナモ
種子を1年半乾燥保存し、発芽に至った話あり。
サンショウモ及アカウキクサ
タヌキモ屬
- 巨椋池には他にノタヌキモ(Utricularia pilosa)、ミカハタヌキモ(U.nagurai)、ヒメタヌキモ(U.minor)が産す。
五、植物景觀 3ページ
(一)自然状態に於ける諸群落
- 濕地帶とは夏の常水位近くに存在し、時々の增水によりて氾濫する部分。
渚帶は夏の常水位と冬の常水位との間に位置する部分。
一、ヨシ部落
二、マコモ部落
三、ハス部落
(ニ)稻作地
稲田
一、小形にして蕃殖力強く且、除去に困難なるもの
(マツバヰ、ヒデリコ、アゼナ、アゼトウガラシ)
二、生活期間が稻より短く弱光にも堪へ得るもの
(キカシグサ、コウキクサ、ミゾハコベ)
三、春期稻苗を植へ付くるまでに生育を終るもの
(ムツヲレグサ、コオニタビラコ、スズメノテッポウ)
畦道
溝
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