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2012年6月18日 (月)

「巨椋池の植物生態」 三木茂 京都府史蹟勝地調査會 1927年 その3

四、主要植物の生態
 (一)湿地生植物 1ページ
  ヲギ
 (ニ)渚生植物 15ページ
  ヨシ屬

  • ヨシ、セイコノヨシ(ウドノヨシ)、ツルヨシの形態的特徴、葉の鋸の差異、蕃殖形態を説明
    巨椋池ほか5地点での地下莖、稈、葉の成長記録表、京大植物園での実験結果表を掲載

  マコモ
   京大植物園での実験結果表を掲載
   湧水個所は発育不良と述べている。

  ガマ屬
   ヒメガマとガマの数値的比較表を掲載
   京大植物園での実験結果表を掲載

  フトヰ
   綠莖は地下莖の七節毎に出る

  ハス
   莖(越冬莖は蓮根)の生長について詳細な記述。
                          ※大変興味深い

 (三)浮葉植物

  • オニバス、ヒシ、ガガブタ、ヒツジグサ及ヒメカハホネ、マルバオモダカ、ヒシモドキ

 (四)沈水植物
  エビモ、ミヅヒキモ
  イバラモ屬
   巨椋池にはイバラモ、トリゲモ、ホッスモあり。
  センニンモ、ササバモ及ヒロハノエビモ、カウガイモ及セキシウモ
  キンギョモ及ゴハリキンギョモ

  • ゴハリキンギョモは従來臺灣のみに知られたるも、京都二中、丹信實氏によりて此の池に存するを知れり。

  フサモ屬

  • 巨椋にはホザキノフサモ、オグラノフサモ、フサモ、タチモの4種あり。
    オグラノフサモは・・・・フサモと區別せられ、主として巨椋附近及寳池(※たから)にて發見せられたるにより巨椋を記念する為、オグラノフサモと命名し學名 Myriophyllum oguraenseを與へたる所以なり。

 (五)浮遊植物
  トチカガミ
  ムジナモ
   種子を1年半乾燥保存し、発芽に至った話あり。

  サンショウモ及アカウキクサ
  タヌキモ屬

  • 巨椋池には他にノタヌキモ(Utricularia pilosa)、ミカハタヌキモ(U.nagurai)、ヒメタヌキモ(U.minor)が産す。

五、植物景觀 3ページ
 (一)自然状態に於ける諸群落

  • 濕地帶とは夏の常水位近くに存在し、時々の增水によりて氾濫する部分。
    渚帶は夏の常水位と冬の常水位との間に位置する部分。

   一、ヨシ部落
   二、マコモ部落
   三、ハス部落

 (ニ)稻作地
  稲田
   一、小形にして蕃殖力強く且、除去に困難なるもの
    (マツバヰ、ヒデリコ、アゼナ、アゼトウガラシ)
   二、生活期間が稻より短く弱光にも堪へ得るもの
    (キカシグサ、コウキクサ、ミゾハコベ)
   三、春期稻苗を植へ付くるまでに生育を終るもの
    (ムツヲレグサ、コオニタビラコ、スズメノテッポウ)

  畦道
  溝

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