「熱帯魚」 鷹司信敬 昭和7年 西ヶ原刊行會
「熱帯魚」 鷹司信敬 昭和7年7月21日發行 西ヶ原刊行會 四六判 P.108 定價1円50錢
本書は熱帯魚単独の飼育書としては日本で初めて本であるが、先に紹介した白木正光氏の「金魚と熱帶魚の飼ひ方」の2ヵ月後に発刊された。
ただ、「金魚と熱帶魚の飼ひ方」と違うのは、こちらは当時の本としては珍しくフリガナがないという事です。これは読者をあるレベル以上を想定していることであり、著者をして判る様な気がします。
両書とも、多岐にわたる魚種を紹介していますが、本書ではカラシン科の紹介はなく、白木氏の本でもピリフリナ(ピュルリーナ)1種の紹介があるのみで、当時の輸送法では南米からの小型魚種の輸入は難しかったのか、特異な生態の魚種が飼育の中心だったのかだと思いますが、両書ともに紹介されていないのがナマズ系なので、カラシンの紹介がなされていないのは前者の理由かと思います。
紙質もこの本の方のが良く、白黒写真の出来も良いです。目次は詳細です。
著者の鷹司信敬氏は公爵の子で、堺水族館の館長を勤めていた。
この文書は昭和9年3月2日三版發行を元に書いています。
【構成】
扉
口絵
T.SEKIGUCHI ※關口俊雄
序
目次
はしがき
熱帶魚飼養の歴史
アクアリウム
容器
適當な容器
容器の大きさ
手製の容器
タンク内の設備
砂
水の入れ方
タンクの扱い方
タンクを置く場所
冬の設備
保温装置
器具
洗面器
バケツ、柄杓及び如露
ゴム管と鹽笊
手網
杓子又は匙
擂鉢と擂粉木
篩
水藻類
水藻の効用
水藻の採集と處理
水藻の種類
15種名を列記
巻貝
貝の種類
5種名を列記
魚類
飼育上の注意
餌料
4種名を列記
魚の種類
1,こひ科 ※こい
7種名を列記
2,めだか科
13種名を列記
3,アナバス科
1種名を記述
4,闘魚科
6種名を列記
5,キクラ科
3種名を列記
6,ポリセントリ科
1種名を記述
病氣と害敵
5つの病名、害虫名を列記
一般の注意
学名索引
アクアリウムに關する参考書
索引
奥付
-----メモ-----
1932年=昭和7年
関連本
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