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2010年10月

2010年10月28日 (木)

「金魚と熱帶魚の飼ひ方」 白木正光 厚生閣書店版 昭和7年 その7

第六 栽培植物篇
 1 水草の分類 2ページ 省略
 2 水中に栽培するもの 31ページ
  ※それぞれに小解説
   1, 浮藻
    うきぐさ、ひんじも、あかうきぐさ、さんせうも(※さんしょうも)
   2, 金魚藻
    ふさ藻とも云う。金魚藻の名もある。別にふさ藻ももある。
    たぬきも、むじなも

   3, せきせうも ※せきしょうも
    すぶた、うりかわ
   4, ささばも
    やなぎも、えびも
   5, あをみどろ ※あおみどろ
    ※リシア、ニテラのこと
   6, たちも
   7, ぼたん浮草
   8, 睡蓮
   容器、栽培法
   花期、花色
   管理
   越冬の手當
   池に栽培する場合
   種類
    種苗會社のカタログより
    1,アトラクション 濃紅大々輪
    2,アルバ・カンデデイシマ 桃色大輪
    3,アンドレアナ 純紅色大輪
    4,アルバ・プレニシマ 純白底桃色
    5,エスカボークル 鮮紅最大輪
    6,オーロラ 桃色中輪
    7,オドラタ・アルビダ 純白大々輪
    8,オドラタ・カロリニアナ 淡紅色
    9,オドラタ・ギガンテリア 純白大輪
    10,グランド・ストニアナ 純白廣瓣(べん)最大輪
    11,クロマテラ 黄色廣瓣大輪
    12,グロリオサ 紅色大輪
    13,コンケラー 鮮紅白絞り大輪
    14,サルフアーレン 硫黄色大輪
    15,サンギニア 緋紅色大輪
    16,ゼームス・ブライドン 濃紅色大輪
    17,ダブルユー・ショウ 鮮紅色
    18,チューベローサ・ルブラ 赤紫色
    19,チューベローサ・ロゼア 桃色
    20,チューベローサ・シューロット 肉色千重大輪
    21,ニュートン 濃紅色大輪
    22,フォーモサ 淡紅に桃色の糸覆輪
    23,ブライトン 桃紅色大輪
    24,ポール・ハリオット 淡黄に樺色を帶ぶ大輪
    25,マサニロ 濃ばら色
    26,マリアセア・クロマテラ 純黄底桃色
    27,マリアセア・アルビダ 純白色
    28,マリアセア・パンクタタ 濃ばら色に薄紫をぶ中輪
    29,マリアセア・カーネア 淡桃色のち白に變る大輪
    30,マリアセア・ロゼア 桃色底紅
    31,ミセスリッチモンド 淡紅色に紫を帶びた巨大輪
    32,モレー 黄色
    33,ルシアナ 桃色最瓣千重
    34,レデケリー・ロゼア 濃紅色中輪
    35,レデケリー・パーピュラタ 桃紅色中心濃色
    36,レデケリー・ライラシア 淡紅色中輪
    37,ロビンソニー 紅色に朱褐を帶ぶ中輪

   豆睡蓮、ひめ睡蓮
    ビクミア種

   9, 小蓮 ※こはす
  10, 蓮
  11,かうほね ※こうほね
   濃黄五瓣の花 ※のうきごべん
   水草として最も韻致に富みます。

  12,くわゐ ※くわい
   水に映る草姿を眺めた方が風情があります。

  13,おもだか
   くわいに似るが女性的
   三瓣の白色花

  14,まこも
   水郷(すいきょう)らしい情趣そそる

  15,がま
  16,ゐ ※い
   ふおゐ、しちたう、いぬのひげ
  17,ひし
  18,ほていあふい ※ ほていあおい
  19,みずあふい ※みずあおい
  20,とちかがみ
   かゞぶた、あさゞ

 

3 水邊に栽培するもの 13ページ
  1,花菖蒲
   田圃か池畔でなければ栽培のできないやうに思はれてゐたもの
   ですが、近年熊本地方の鉢栽培法が紹介され・・・・・
   泉水に取入れる法
   栽培法
   根分け法
   熊本式の陸栽培

  2,かきつばた
  3,あやめ
  4,いちはつ
  5,海芋 カラーと云われるもの
  6,にはせき ※にわせきしょう
  7,ぎぼうし
  8,ゆきのした
  9,その他 苔の類、羊齒の類

以上でこの本の紹介は終わりです。

2010年10月27日 (水)

「金魚と熱帶魚の飼ひ方」 白木正光 厚生閣書店版 昭和7年 その6

2 アメリカ愛玩魚 6ページ

  5種名を列記
   1,キリーフィッシュ Killifish
    米國産は鐵色に靑色が混じり、雄には多數の綠色の
    班點がある。
    南方産は班點が赤褐色を帶び、體は濃綠。

   2,スチックルバックス(とげうを) ※とげうお
    二本刺(※はり)とげうを、三本刺とげうを、9本刺とげうを

   3,サンフィッシュ Sunfish
    種類が非常に多い
    ブラックバンデッドサンフィッシュ

   4,チャブ・サッカー Chub sucker 写
    日本のわかさぎに似て、鼻から尾部に向かって一本の黑筋
    が通る
    これに近いものにデイス(Dase)と云ふ種がある。

   5,コンモン・ローチ Common roach
    アメリカの鮒
    これに近いもので、パアル・ローチ(Pearl roach)はもと英國産
    の鮒 写

第五 淡水魚と水禽その他 
 1 淡水魚 25ページ
  一 鯉 省略
   愛玩の歴史
   色彩
   種類
   飼料
   鯉の池
   産卵
   雌雄の見分け
   孵化前後の注意
   仔魚の飼ひ方  

二 緋めだか 省略
   飼料
   繁殖
   ひめだかの仔
   雌雄の見分け
   容器  

三 その他の淡水魚
   小鮒
   もろこ
    さくらもろこは五色の光澤のある美しいもろこ

   とうぎょ
   はぜ、かじか、どんこ
   其他
   飼育上の注意 


2 魚類以外の淡水産小動物 12ページ
  一 水棲昆蟲 省略
   げんごろう
   がむし
   すなむぐり
   みずすまし
   まつもむし
   こみずむし
   ゆりはなすひ
   こほいむし ※こおいむし

  二 淡水産のえび
   ぬあえびと手長えびの話
  三 淡水産巻貝
   ものあらがひ、かわにな、ラムスホン(※ラムズホン)
   コーペンハーゲン ラムスホンと同形で美しい紅色
      (※レッドラムズのことか)

  四 その他水鉢に飼ふもの
   ゐもり(※いもり)
  五 水盤に飼ふもの
   おたまじゃくし、ゐもり、河鹿、銭龜の話

 

3 庭に飼へる小禽 6ページ 省略
  一 おしどり
  二 小鴨
  三 あひる
  四 (我鳥)鳥  ※鵞鳥
  五 ばん、しぎ、くひな  ※くいな

2010年10月26日 (火)

「金魚と熱帶魚の飼ひ方」 白木正光 厚生閣書店版 昭和7年 その5

第四 熱帶愛玩魚 附 米國産愛玩魚 
 ここに熱帯魚の白黒写真(圖版)が上質紙で入っている 8ページ

 

1 熱帶愛玩魚 40ページ

・・・・今にもっと安價に購られるようになり、一般家庭でも愛玩されるようになりませう。
・・・・侯爵松平康昌氏の如き、アメリカ、南洋、印度地方の愛玩魚四十餘種を蒐集して飼育研究中で、その中には水産の美しいふぐもゐます。
そしてムーン、ソードテイル、グッピー、ブラック・モリエニシア、パンチャックス、エキデンス等を既に同氏の水槽で盛んに繁殖してゐます。

  飼育上の注意
   蓋の必要性、六十度以上の水温(※当時は華氏表示?)
  食物
   生餌、乾物、藻(※水草のこと)の話
  繁殖
   卵胎生、卵生、産卵習性の話

  26種名を列記
   1,グッピー Guppy(レインボー・フィッシュ Rainbow fish) 写

・・・・雄は橙、薄緑、ピンク、淸紫色(せいし)等が目玉のやうに重り合った黒い點や條(すじ)が不規則に散在し、あたかも虹を見るやうな光澤がって・・・・・。

   2,トップ・ミノウ Top minnow(ガンブシア Gambusia) 写

・・・・雄は眞黑、もしくは黑い地色に白い斑が多数散在する程度です。
盛んに孑孑(ぼうふら)を貪食するので一名蚊魚。

   3,モリエニシア Mollienisia
    帆鰭魚(セイルフィン)と呼ばれている。
    繁殖期の雄には頭と胸に新に橙色の色彩が加わる。
    南米産のブラック・モリエニシアがいる(※南米?)

   4,ソードテイル Swordtail 写
    險尾魚

・・・・身體にも黄色と黑の平行した横條(よこすじ)が・・・・(※魚類での縦と横が間違っている)

   5,レッド・ヘレリ Red helleri 写

・・・・ソードテイルとムーンフィッシュをかけ合せて出來た人工的愛玩魚の一種で・・・・
・・・・色彩は多少橙黄色(とうおう)を帶びてゐます。この他銀色のもの、斑のあるもの、淸緑色・・・・

   6,ムーンフィッシュ Moonfish 写
    (い)ブリュー・ムーン ※ブルー 靑輝色(せいき)
    (ろ)レッド・ムーン 朱紅色(しゅこう)
    (は)スポッテッド・ムーン

   7,パンチャックス Panchax 写
    リボンテイルド・パンチャックス、リボンのやうな尾をした魚の名
    がある。
    (い)P.sexfasciatus 六本の黒い縞
    (ろ)P.cameronensis 赤色で眞赤な横縞
    (は)P.lineatus 雄は靑綠色、鰭に赤い斑
    (に)P.fasciolatus 雄は黄靑色に眞紅の班(ふ)が七つ

   8,リヴルス Rivulus
    赤色リヴルス、黄金色リヴルス

   9,ジャヌアリウス Januarius 写

   10,ヘテランドリア・フォルモサ Heterandria formosa 写
    トップ・ミノーに似てさらに小さい胎生魚

   11,ジョルダネルラ・フロリディ Jordanella floridae
    ※アメリカン・フラグ・フィッシュのこと

   12,チャンチトウ Chanchito 写
    ブラジリアン・ゼブラフィッシュの名がある
    チャンチトウとは豚の意味
    カメレオン魚の一名も

   13,天使魚(スカラレ Scalare 又はハーフムーン Half-moon)写

エンゼル・フィッシュのこと
産卵孵化について
この種の今一つの特徴は、雌の色彩が雄よりも遥かに美しいことです。(※?)

   14,レッド・クロマイド Red chromide
    ジュエル・シクリッドのこと
    一名寶石魚

   15,ブラック・バンデッド・クロマイド Black banded chomide 写
    ブラジル産
    産卵期は、土耳古玉を鏤めたやうな眞黑な光澤の色彩
    強?暴で好戰的
    ※写真がないので何の種か不明

   16,マウス・ブリーダー Mouth Breeder 写
    雌が養育

   17,ピリフリナ Pyrrhulina
    ※ピルリーナ

   18,極樂魚(パラダイス・フィッシュ Paradise fish) 写
    今日では最人氣もの

   19,グーラミ Gourami
    ヅワーフ・グーラミ
    縞グーラミ 赤色と藍色の縞
    斑グーラミ 黑點がある
    クロッキング・グーラミ

   20,闘魚 Fighting fish
   21,クライミング・パーチ(木登り魚 Climbing perch)
   22,ウォーキング・フィッシュ(歩行魚 Walking fish)
    一名とびはぜ魚

   23,バタフライ・フィッシュ(蝶魚 Butterfly fish)
    食物さえ適當であれば産卵もします。??
    なおほ、卵は水面にばらばらになって漂ってゐるもので、別の
    容器に移して手當を怠らなければ約一週間で孵化します。

   24,ゼブラ・ダニオ Zebra Danio

種類は五六種ある
マライ群島産のダニオは、前種程に縞が明瞭でありませんが、
金色に縁取られた靑色の帶が二條、頭部から尾方に走ってゐる。

   25,フィリッピン・ゴービィ Philippine goby
    最小の淡水魚 ブヒ湖原産

   26,パンタゾマ Pantazoma

鯛の子供のよう
地色は灰白色、頭部に一ケ、身體に四ケの薄黑色の縦縞、鰭や尾には美しい紅色の筋が扇の骨のように開く。

2010年10月25日 (月)

「金魚と熱帶魚の飼ひ方」 白木正光 厚生閣書店版 昭和7年 その4

第三 金魚
  一 金魚の歴史 3ページ
   「金魚愛玩經驗録」と「嬉遊笑覽」を引用し渡來説を2説紹介
   又、「西鶴置土産」、印本「江戸雀」を引用し金魚屋の存在を
   解説  

  二 金魚の種類 17ページ
   各種の解説
   和金
   琉金
    一名長崎又は尾長
   蘭(魚壽) (金鋳)
    又の名を朝鮮もしくは丸子
    らんちうの語源はオランダの金魚の意味
    肉瘤は關東趣味で關西は以前この獅子頭がなかったもの
    です。

   出目金
    日淸戦争頃渡來。一名支那金
    普通黒色もしくは黒色の斑のある鈍色(にぶいろ)の帶黄赤色
    (たいおうせき)、所謂南瓜色

   オランダ獅子頭
    天保年間既に存在していた

   和唐内
    相當当古くからあったが、公に現れたのは、明治十六年
    開催の魚類展覧會で、その時初めて和唐内の名がつけられた。

   秋錦
    明治二十八年頃に作られた。

   鐵尾長
    體はりゅうきん似。

   孔雀尾
    濱松在で流行

   朱文金
    色彩は白、紫靑(しせい)、鈍黄朱色(どんおうしゅ)、黒色
    その他の班點。

   金蘭子
    名は金襴のような深味のある。
    現在ではほとんど見られなくなった。

   キャリコ
    外人が更紗のような金魚と云う意味で呼んだ。

   頂天眼
    又は朝天眼  

  三 金魚の飼ひ方 14ページ
   容器と飼養數 省略
   食物
    動物質飼料
    植物質飼料

   ふすま、米糠
    鍋で煮て團子にし冷めてから與える

   あめがす、醤油粕
    鹽分の多い醤油粕は變色時期に与えると、色がさえる

   飼料の與へ方と分量
    當歳魚は頭の大きさ位、二歳魚は頭の二分の一位  

  四 仔を取る法 11ページ
   産卵の徴候
    列を作って泳ぎ廻るので、水換えを行うと産卵する。
   雌雄の見分け
    雄は胸鰭の前側一列に追星が出來る。
   親魚の飼ひ方
    完全を期すなら、前年の秋から雌雄を別にする。
   産卵の材料
    柳の根と金魚藻の使い方の説明  

  五 仔魚の育て方 6ページ
   仔魚の第一印象
   最初の食物
    初めて与えるもの、日にち、時間、天気
   産卵材料の除去
    取り出す時期
   仔魚の食物
    みぢんこ、その代替の食物
   一番水
    初めての水換え時期とその方法。二番水、三番水の時期
   選別
    小豆大での選別
    内面の白い蛤の貝に柄をつけたものを使う
   變色
    變色の時期、期間、日光または鹽分の関わり  

  六 金魚の害敵 10ページ
   魚虱
   害虫
    半翅類
     まつもむし、こみずむし、こおひむし、ゆりはなすい、
     みずかまきり、たがめ、たいこむし(やごことらしい)
    甲虫類
     げんごろう、すなむぐり

   病氣
    病魚の見分け
     動作、ヒレ、糞による見分け
    粗腐病
     一名銹病(さび)、綿被病のこと
    糜爛病
     説明を読むと尾腐病のこと
    鰓腐病
     昔は藁の先で腐敗部をかき取った。食鹽、石炭酸水を塗る
    松皮病
     松かさ病、立鱗病のこと
    眼病
    其の他
     糞詰り、てんかん
     とうがらし水の作り方と薬浴の仕方

「金魚と熱帶魚の飼ひ方」 白木正光 厚生閣書店版 昭和7年 その3


 赤い琉金に睡蓮の蕾?

表紙
 布張り、琉金のイラストで、ヒレの説明のための数字が記されている。藍色の不明な水草。


 アブラハヤ?のようなイラストと睡蓮の蕾?

口絵
 カラーイラスト
 ソードテール、ヘテランドリア・フォルモサ、グッピー、トップ・ミノウの混泳
 ソードテールとグッピーかなりワイルドフォーム。

 愛玩魚飼養禮讃 松平康昌
 近頃漸く愛好者の數を增して來た、外國産のそれも主として熱帶産の珍しく美しい所謂Toy-fishは、・・・・・吾々の想像以上に、その飼育趣味が普及化されてゐます。
 ・・・・・觀て美しう、飼って見て飽きない、そしてうかゞひ知れぬ水中の自然を觀察し得る愛玩魚飼養こそは、草花や小鳥等の趣味に並行して、もっともっと普及化されても良いと思ふのです。
 今回白木正光氏が「金魚と熱帶魚の飼ひ方」を上梓され、水鉢趣味の普及に努められるのは、この意味からも洵に喜ばしく思ふ次第です。

はしがき
 アメリカでは目下水鉢趣味が流行で、・・・・・。元來水鉢趣味は日本のもので、大いに水鉢、泉水の趣味を一般家庭に普及させたいと云ふのが、本書執筆の動機です。・・・・・。
殊に熱帶魚は未だ邦文の書物は一冊もなく、本書が最初のものであることを潜に誇りとするものであります。・・・・・日本一の熱帶魚蒐集家の侯爵松平康昌氏及び吉井千代田氏の援助を仰いで、・・・・・。

主なる參考書
 1,金魚とその飼ひ方(白木正光)
 2,Fishes in the Home (Mellen)
  3,Goldfish Culture (Hodge-Derham)
  4,Tropical Aquarium Fishes (Hodge)
  5,Goldfish Varieties  Tropical Aquarium Fish (Innes)
  6,Garden Pools (Ramsey Lawrenoe)

ここから本文

第一 水を取り入れた生活 7ページ 省略

第二 容器篇 
 1、部屋の水鉢 35ページ
  一 硝子の水鉢
   大きさは十二番は直徑三寸、六番四寸五分、四番五寸五分位、二番七寸程

   硝子のズン筒
    硝子の水鉢より進んだもの。
    直徑六七寸から一尺位、深さはその倍あるのが普通

   硝子の水槽
    燈籠形、太鼓胴形
    長方形
     小は五六寸から大は二尺、三尺に及ぶ。
     横と縦は五と三位の割合。
     大形のものは側面下方に蛇口がある。

   入れる金魚の數 省略
   水の取換へ方
    差水の方法
   愛玩魚の種類
    金魚以外の淡水魚についても記述

   愛嬌ものゝ昆蟲
    水棲昆蟲の話
   もえびと巻貝
    ほかにいもりの話
   水鉢の點景
    水草、石の話

   水鉢飼飼料
    与え方の話
   水鉢の掃除
    石膏の効用解説

   二 陶器の水鉢
    より藝術的
     今日、部屋に飾られる陶器製水鉢が見られなくなった。
    新に使用の場合 省略
    國貞の水鉢
     「源氏物語皐月」に描かれた水鉢

    歌麿の水鉢 省略
    水盤 省略
    錢龜と河鹿 省略

   三 金属製水鉢
    内面をセト引になったものがある。

   四 木舟
    1、周圍に靑ゴケが付着し、金魚の飼料になる。
    2、内面が明るく反射しないため、金魚が落付く。
    3、木製は熱の不良導體であるため、外界の影響が少ない。

 

2、庭の容器 42ページ
  一 小型容器
   金魚がめ
    普通に金魚がめと云ふのは、常滑燒廣口の水がめ。
   支那がめ
    價が相當に高い
   庭石と手水鉢
    せいぜい直徑二尺内外
   バードバス
    小鳥の水浴盤
   木舟
    板の隙間にはわらび繩などを詰めた。

  二 泉水(プール)
   泉水の大きさ
    最小限三尺四方、睡蓮でも栽培する場合は、一尺以上の深さ。
   泉水の形状
    平面イラストを解説

   理想の泉水
    三尺に六尺、四尺に六尺
    幅が広いと手が届かない。
   泉水の縁
    断面イラスト照会
   泉水の位置 省略

  三 泉水の作り方 省略

  四 池
   池の三種
    常に渓水(たにみず)などの流れ込む池
    高燥地に設ける、底にコンクリートが必要な池
    低地にあっては、泥底の儘の池

   池の作り方 省略
   飼育上の注意 省略

2010年10月23日 (土)

「金魚と熱帶魚の飼ひ方」 白木正光 厚生閣書店版 昭和7年 その2

目次の続き

 

第四 熱帶愛玩魚 附 米國産愛玩魚
  1 熱帶愛玩魚
   飼育上の注意
   食物
   繁殖
   26種名を列記

  2 アメリカ愛玩魚
   5種名を列記

 

第五 淡水魚と水禽その他
  1 淡水魚
   一 鯉
    愛玩の歴史
    色彩
    種類
    飼料
    鯉の池
    産卵
    雌雄の見分け
    孵化前後の注意
    仔魚の飼ひ方

   二 緋めだか
    飼料
    繁殖
    ひめだかの仔
    雌雄の見分け
    容器

   三 その他の淡水魚
    小鮒
    もろこ
    とうぎょ
    はぜ、かじか、どんこ
    其他
    飼育上の注意

  2 魚類以外の淡水産小動物
   一 水棲昆虫
    げんごろう
    がむし
    すなむぐり
    みずすまし
    まつもむし
    こみずむし
    ゆりはなすひ
    こほいむし ※こおいむし

   二 淡水産のえび
   三 淡水産巻貝
   四 その他水鉢に飼ふもの
   五 水盤に飼ふもの

  3 庭に飼へる小禽
   一 おしどり
   二 小鴨
   三 あひる
   四 (我鳥)鳥  ※鵞鳥
   五 ばん、しぎ、くひな  ※くいな

 

第六 栽培植物篇
  1 水草の分類
  2 水中に栽培するもの
   20種名を列記

  3 水邊に栽培するもの
   8種名を列記

別刷圖版目次
 口繪や圖版の説明が記されている。

2010年10月22日 (金)

「金魚と熱帶魚の飼ひ方」 白木正光 厚生閣書店版 昭和7年

「金魚と熱帶魚の飼ひ方」 白木正光 厚生閣書店版 昭和7年5月15日 B6判 P.316 定價弐圓八拾錢 函付き、布張り
   副題「趣味の水鉢・泉水・プール」

 本書は日本で始めて出版された熱帯魚飼育書であり、「はしがき」の中で著者も誇りとすると述べています。
 時同じくして、鷹司信敬氏著による「熱帯魚」が西ヶ原刊行会より昭和7年7月21日に発行されたので、2ヶ月早いことになります。ただ、鷹司氏の書は熱帯魚飼育に限定したものである。

 著者の白木正光氏は当時時事新報社学芸部長の職にあったので、執筆時期は鷹司信敬氏と同じであったが、出版の情報を知り一番乗りを決め込んだのかも知れない。あくまで、推測だが。

 熱帶魚に関するページ数は57ページなのに対し、鷹司氏の108ページである。

 熱帯魚の記載数、種数、品種数は本書が27、30、31で、鷹司氏の方は26、30、34で本書のほうが多いが、写真掲載数は本書13葉に対し、鷹司氏の本は19葉である。

 熱帯魚飼育専門書としては鷹司信敬氏の本ということになるのであろう。

 序を寄せている松平康昌氏は侯爵で、当時の熱帯魚飼育が高貴な人々による趣味であったかがわかる。
 松平氏は序において金魚には触れずに熱帯魚飼育のことだけについて述べている。

著者にはこのほかに以前紹介した「金魚とその飼ひ方」 白木正光/秋山吉五郎 共著がある。

当時の本のお決まりですべての漢字にふりがながふってあり、目次も煩いぐらいです。

【構成】

表紙

口絵
序 愛玩魚飼養禮讃 松平康昌
はしがき
目次
 序
 はしがき
 第一 水を取り入れた生活
  夏の生活と水
  水の魅力
  水鉢趣味
  未來るの泉水

 

第二 容器篇
  1、部屋の水鉢
   一 硝子の水鉢
    硝子のズン筒
    硝子の水槽
    入れる金魚の數
    水の取換へ方
    愛玩魚の種類
    愛嬌ものゝ昆虫
    もえびと巻貝
    水鉢の點景
    水鉢飼飼料
    水鉢の掃除

   二 陶器の水鉢
    より藝術的
    新に使用の場合
    國貞の水鉢
    歌麿の水鉢
    水盤
    錢龜と河鹿

   三 金属製水鉢
   四 木舟

  2、庭の容器
   一 小型容器
    金魚がめ
    支那がめ
    庭石と手水鉢
    バードバス
    木舟

   二 泉水(プール)
    泉水の大きさ
    泉水の形状
    理想の泉水
    泉水の縁
    泉水の位置

   三 泉水の作り方
    コンクリートのまぜ方
    枠の作り方
    コンクリートの流し込み順序
    上塗り
    色付け
    あく抜き
    給水装置
    雨水の利用
    噴水と自動給水
    排水装置
    蓋
    差水換水
    泉水に入れる魚の數

   四 池
    池の三種
    池の作り方
    飼育上の注意

 

第三 金魚
  一 金魚の歴史
  二 金魚の種類
  三 金魚の飼ひ方
   容器と飼養數
   食物
   みぢんこ
   ぼうふら
   あかこ
   あかぼうふら
   貝類
   卵の黄身
   魚肉
   蠶の蛹 ※かいこ
   麥類 ※むぎ
   金魚麩 ※ふ
   麺類
   ふすま
   あめかす
   醤油粕
   飼料の與へ方
   梅雨頃の注意
   暑熱の注意
   冬圍ひ

  四 仔を取る法
   産卵の時期と時刻
   産卵の徴候
   親魚の選定
   雌雄の見分け
   親魚の飼ひ方
   産卵前後の飼ひ方
   産卵材料
   卵の容器
   孵化する迄の注意
   孵化

  五 仔魚の育て方
   仔魚の第一印象
   最初の食物
   産卵材料の除去
   仔魚の食物
   一番水
   選別
   變色

  六 金魚の害敵
   魚虱
   害虫
   半翅類
   甲虫類
   病氣
   病魚の見分け
   粗腐病
   糜爛病
   鰓腐病
   松皮病
   眼病
   其の他

-----メモ-----
1932年=昭和7年
関連本

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2010年10月13日 (水)

「ランチュウ中心 金魚の飼育と繁殖」 大野三男 文研出版 昭和51年 その5

 この本の特徴は字が小さくギッシリ書かれていますが、各ページにかならず、イラストや写真、あるいは表が組み込まれていて、飽きないです。

 目次が詳細に書かれているので、内容は大まかには推測できるでしょうから、囲み記事等を簡単に紹介しておきます。

 わが国の金魚の種類と特徴→表  3ページ
 ランチュウの体色模様→囲み
 培養液によるミジンコの繁殖→囲み 興味深い記事
 性成熟と繁殖適齢→囲み
 金魚の人工授精→囲み

 自然順応飼育とは→囲み
 ランチュウのオス・メスの区分→囲み
 魚の眼の構造と視力→囲み
 金魚の味覚と嗅覚→囲み

 不正形の尾筒→イラスト 1/3ページ
 尾びれの欠点→イラスト 1+1/3ページ
 背と腰の欠点→イラスト 1ページ
 頭の欠点→イラスト 1/4ページ
 腹の欠点→イラスト 1/5ページ

 市販の配合餌料について→囲み
 金魚の寿命→囲み
 金魚と保護色→囲み
 やめられないランチュウ飼育→囲み
 愛魚家には長寿者が多い→囲み

 音と金魚→囲み
 種魚の選び方→囲み
 出品魚の養生と注意→囲み
 らんちゅう協会組織図
 ランチュウ同好会一覧 代表者名、住所 5ページ
 愛好者グループの設立→囲み

当時の同好会の名称だけ羅列しておきます。

  • 青森らんちゅう会、弘前らんちゅう会、青森県金魚連合会、岩手県金魚、錦鯉の会、能代市金魚同好会、仙台観魚会

    酔魚会(群馬県)、下野観魚会、両毛愛魚会、銚子愛魚会、埼玉らんちゅう会、葉魚会(千葉県)、研魚会(千葉県)、京王観魚会、観魚会(東京都)、愛魚会(東京都)、楽友らんちゅう会(東京都)、同好会(東京都)、紫錦会(東京都)、錦(魚寿)会(東京都)、多摩錦魚会、横浜観魚会、京浜らんちゅう会

    三条蘭(魚寿)会、新潟観魚会、新潟金魚友の会

    錦城会(山梨県)、浜松錦友会、静岡県東部東海らんちゅう会、麗峰愛魚会(静岡県)、金魚文化連合会(愛知県)、金城会(愛知県)、岐阜県金魚文化連合会、福井愛鱗会

    三重愛錦会、伊勢錦愛会、三重らんちゅう協会

    比牟礼錦鱗会(滋賀県)、奈良県錦寿会、郡山愛魚会、京都金鱗会、大阪錦蘭会、大阪錦友会、和歌山錦鱗会、兵庫らんちゅう協会本部、赤穂金魚同好会

    岡山錦鱗会、備後鱗友会、広島錦鱗会、穴道錦魚会、山口県獅子頭金魚同好会

    香川県尚錦会、愛錦会(徳島県)、今治観魚会、愛媛県中予愛鱗会

    大分県ランチュウ同好会、大分県東鱗会

    庄内金魚保存会、日本金魚六鱗保存会、南京種保存会

以上でこの本の紹介は終わりです。

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