「金魚と熱帶魚の飼ひ方」 白木正光 厚生閣書店版 昭和7年 その5
第四 熱帶愛玩魚 附 米國産愛玩魚
ここに熱帯魚の白黒写真(圖版)が上質紙で入っている 8ページ
1 熱帶愛玩魚 40ページ
・・・・今にもっと安價に購られるようになり、一般家庭でも愛玩されるようになりませう。
・・・・侯爵松平康昌氏の如き、アメリカ、南洋、印度地方の愛玩魚四十餘種を蒐集して飼育研究中で、その中には水産の美しいふぐもゐます。
そしてムーン、ソードテイル、グッピー、ブラック・モリエニシア、パンチャックス、エキデンス等を既に同氏の水槽で盛んに繁殖してゐます。
飼育上の注意
蓋の必要性、六十度以上の水温(※当時は華氏表示?)
食物
生餌、乾物、藻(※水草のこと)の話
繁殖
卵胎生、卵生、産卵習性の話
26種名を列記
1,グッピー Guppy(レインボー・フィッシュ Rainbow fish) 写
・・・・雄は橙、薄緑、ピンク、淸紫色(せいし)等が目玉のやうに重り合った黒い點や條(すじ)が不規則に散在し、あたかも虹を見るやうな光澤がって・・・・・。
2,トップ・ミノウ Top minnow(ガンブシア Gambusia) 写
・・・・雄は眞黑、もしくは黑い地色に白い斑が多数散在する程度です。
盛んに孑孑(ぼうふら)を貪食するので一名蚊魚。
3,モリエニシア Mollienisia
帆鰭魚(セイルフィン)と呼ばれている。
繁殖期の雄には頭と胸に新に橙色の色彩が加わる。
南米産のブラック・モリエニシアがいる(※南米?)
4,ソードテイル Swordtail 写
險尾魚
・・・・身體にも黄色と黑の平行した横條(よこすじ)が・・・・(※魚類での縦と横が間違っている)
5,レッド・ヘレリ Red helleri 写
・・・・ソードテイルとムーンフィッシュをかけ合せて出來た人工的愛玩魚の一種で・・・・
・・・・色彩は多少橙黄色(とうおう)を帶びてゐます。この他銀色のもの、斑のあるもの、淸緑色・・・・
6,ムーンフィッシュ Moonfish 写
(い)ブリュー・ムーン ※ブルー 靑輝色(せいき)
(ろ)レッド・ムーン 朱紅色(しゅこう)
(は)スポッテッド・ムーン
7,パンチャックス Panchax 写
リボンテイルド・パンチャックス、リボンのやうな尾をした魚の名
がある。
(い)P.sexfasciatus 六本の黒い縞
(ろ)P.cameronensis 赤色で眞赤な横縞
(は)P.lineatus 雄は靑綠色、鰭に赤い斑
(に)P.fasciolatus 雄は黄靑色に眞紅の班(ふ)が七つ
8,リヴルス Rivulus
赤色リヴルス、黄金色リヴルス
9,ジャヌアリウス Januarius 写
10,ヘテランドリア・フォルモサ Heterandria formosa 写
トップ・ミノーに似てさらに小さい胎生魚
11,ジョルダネルラ・フロリディ Jordanella floridae
※アメリカン・フラグ・フィッシュのこと
12,チャンチトウ Chanchito 写
ブラジリアン・ゼブラフィッシュの名がある
チャンチトウとは豚の意味
カメレオン魚の一名も
13,天使魚(スカラレ Scalare 又はハーフムーン Half-moon)写
エンゼル・フィッシュのこと
産卵孵化について
この種の今一つの特徴は、雌の色彩が雄よりも遥かに美しいことです。(※?)
14,レッド・クロマイド Red chromide
ジュエル・シクリッドのこと
一名寶石魚
15,ブラック・バンデッド・クロマイド Black banded chomide 写
ブラジル産
産卵期は、土耳古玉を鏤めたやうな眞黑な光澤の色彩
強?暴で好戰的
※写真がないので何の種か不明
16,マウス・ブリーダー Mouth Breeder 写
雌が養育
17,ピリフリナ Pyrrhulina
※ピルリーナ
18,極樂魚(パラダイス・フィッシュ Paradise fish) 写
今日では最人氣もの
19,グーラミ Gourami
ヅワーフ・グーラミ
縞グーラミ 赤色と藍色の縞
斑グーラミ 黑點がある
クロッキング・グーラミ
20,闘魚 Fighting fish
21,クライミング・パーチ(木登り魚 Climbing perch)
22,ウォーキング・フィッシュ(歩行魚 Walking fish)
一名とびはぜ魚
23,バタフライ・フィッシュ(蝶魚 Butterfly fish)
食物さえ適當であれば産卵もします。??
なおほ、卵は水面にばらばらになって漂ってゐるもので、別の
容器に移して手當を怠らなければ約一週間で孵化します。
24,ゼブラ・ダニオ Zebra Danio
種類は五六種ある
マライ群島産のダニオは、前種程に縞が明瞭でありませんが、
金色に縁取られた靑色の帶が二條、頭部から尾方に走ってゐる。
25,フィリッピン・ゴービィ Philippine goby
最小の淡水魚 ブヒ湖原産
26,パンタゾマ Pantazoma
鯛の子供のよう
地色は灰白色、頭部に一ケ、身體に四ケの薄黑色の縦縞、鰭や尾には美しい紅色の筋が扇の骨のように開く。
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コメント
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以前アジアアロワナの記事でお世話になりました。
レッドヘレリの発展改良型が現在のレッドプラティーでしょうか?
ハイブリッドだと何らかの記事で見た気がします。
投稿: 匿名希望 | 2010年10月28日 (木) 14時46分
こん**は、イチです。
当方よくわかりませんが、当ブログでこんな記事がありました。
「レッド・ソードテール
1922年ニューヨークのシルバー氏がレッド・プラティと原種のブルー・ソードテールとを交配して出来た。現在多く見られる美しい朱紅色のものは1930年頃に前のとは別に変異から生じたものと言われている。」
「熱帯魚」 飼い方の手引き 雨宮育作監修 誠文堂新光社 昭和29年
また参考に当方もブックマークしているこんなブログもあります。
「終わりのない追求」
投稿: イチ | 2010年11月 1日 (月) 00時10分