「金魚 魚の話」 松井佳一 昭和19年 目黒書店 その4
第六章 金魚の先祖と種類の出來た順序 9ページ
一 金魚の先祖返り
- ・・・・このやうにして順次に先祖の方へたどって行くと、何れの品種も皆鮒と同様のものとなることを私は實驗して證明した。・・・・これと同時に鮒についても多くの實驗をしたが、金魚に近いものは出來なかった。・・・・
二 縁が近いか遠いかを研究する方法
血清の沈殿反應 石原誠及び操担道
染色體 牧野佐二郎
交雜試驗
金魚と鮒との雑種は正常に繁殖
金魚と鯉、鮒と鯉は雑種は出來るが孫が出來ない
三 金魚の祖先
金魚の祖先は鮒と同じものであるといふことが出來る。
四 金魚の原種
- ダーウィンの自然淘汰説とドブリースの突然變異説
尾鰭と臀鰭の中間型があり連続するので金魚の原種がヒブナであるとしている。
五 各品種の系統
有名な金魚の系統圖を解説。
第七章 金魚の遺傳 11ページ
一 遺傳学
- 遺傳と變異とを調べる科學である。
メンデルの略歴
金魚の遺傳について研究せられた最初の人は農學博士の外山龜太郎先生
先生は蠶(※かいこ)の遺傳について研究を發表している。
二 眼の遺傳
- デメキンとワキンとでは、デメキンの出眼性と普通眼性は單性雑種であって、普通眼性は出眼性に對して優性で、出眼性は普通眼性に對して劣性。
メンデルの法則で解説
三 鱗の遺傳
- 普通鱗性、モザイック透明鱗性、全透明鱗性の解説(※モザイク)
エンドウ、サクラソウでの例を紹介
四 鰭の遺傳
- 尾鰭の長短では中間雑種となる
開き尾と鮒尾では全部鮒尾だが、孫の代では共に出るが比はバラバラ。
金魚の二枚臀鰭と鮒の一枚臀鰭では鮒が優性。
ランチュウ同志でも背鰭のないものは30%程度
五 頭のこぶの遺傳
大體優性的に遺傳するが、飼い方次第
六 體色の遺傳
鮒と金魚の雌では色變りをするものが出るが、雄では出ない。
母親遺傳
單色と班色では班色が優性
單色と雜色では單色または班色が大部分
七 遺傳學の應用
- 品種改良とは人類の生活に都合のよい品種を作ることである。
キャリコリュウキン、シュブンキン、ヤマガタキンギョの作り方を解説
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