「金魚 魚の話」 松井佳一 昭和19年 目黒書店 その3
第五章 金魚の種類 15ページ
一 種と品種との定義
- 品種は、人間の生活に密接な關係のある動植物で、栽培せらるる者とか、飼育せらるる者に詳しく研究せられ、その方面の學問や實用上に用ひられてゐる言葉であって、一般の生物學では用ひられてゐないものである。
二 ワキン
一名ヤマト
甚だおいしいのである
三 リュウキン
一名オナガ、ナガサキ
米國ではニンフ
四 ランチュウ
一名マルッコ 、本來「丸っこ」とは幼魚、チョウセンとも呼ぶ
五 オウサカランチュウ
- 四、五十年以前間ではこの種をランチュウといひ、前述のランチュウはシシガシラランチュウともいひ、区別した程。
六 ナンキン
イヅモランチュウとも呼ばれる
七 デメキン
一名「支那金魚」
(ア)アカデメキン
(イ)クロデメキン
(ウ)サンシキデメキン
八 チョウテンガン
一名デメランチュウ
九 ジキン
- ジオウ(地王)、ジキンギョ(地金魚)、シャチ、名古屋金魚、クジャク(孔雀)、ロクリン(六鱗)とも言ふ
10 トサキン
高知市で飼育
11 テツオナガ
胸鰭が著しく黄金色に光るのが特長
12 オランダシシガシラ
13 ワトウナイ
- 一名ワリュウ(和琉)
江戸時代の文化年間にこの名がある
鄭成功(ていせいこう)といふ忠臣は、父が明人、母が日本人であった。この人のことを芝居でつくり國姓爺または和唐内といふ名で知られた
14 シュウキン
明治三十年頃に秋山吉五郎といふ人が作った。
15 キンランシ
秋山吉五郎氏が作った
16 シュブンキン
秋山吉五郎氏が作った
17 キャリコ
明治四十三、四年頃、秋山吉五郎氏が作った
18 ツガルニシキ
昭和二年頃からこの名で呼ばれる
これを改良したものヒロニシキがある
19 ヤマガタキンギョ
フタツヲキンギョとも言ふ
20 テツギョ
- 大正十一年に東京で開かれた平和記念東京博覽會へ山形縣から出品
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