「金魚」 松井佳一 河出書房 昭和16年 その6
六,金魚の飼育と觀賞
金魚飼育の歴史について、以下の文献を元に紹介
江戸雀 延寶5年(1677) 藤田理兵衛
江戸鹿の子巻六 貞享4年(1687) 藤田理兵衛
西鶴置土産 元禄6年(1693)
寛永小説 享保3年(1718) 大學頭林信篤
築山庭造傳 享保20年(1735) 北村援琴翁
白河燕談 享保15年(1730)
金魚養玩草 寛延元年(1748) 安達喜之
金魚秘訣録 寛延2年(1749) 養玩草の後篇
1,飼育法
イ、飼育池
位置、形、大きさ、深さ、造池材料、あく抜き
コンクリートの配合比別の各材料の表
ロ、用水
水素イオン濃度、鹽分、酸素量、換水
水温に対する酸素量の表
體重百瓦の金魚が1時間に消費する酸素量と必要な水量の表
ハ、餌料
- 天然餌料、人工餌料、ミヂンコ、ミヂンコの養成法、アカボウフラ、投餌法
ニ、放養尾數
ホ、生長度
月次と體全長の表
ヘ、冬圍
ト、病氣の手當
- 白點病、白雲病、水生菌病、鰓腐病、鱗立病、氣胞病、魚虱、錨蟲
チ、繁殖法
親魚、産卵期、採卵、孵化日數、浮出、第一回の選別
2,觀賞
イ、硝子容器
金屬と硝子の接着劑、木材との接着
ロ、器物の大きさと金魚の數
ハ、品評會
金魚愛玩經驗録 常盤木秀慶 明治16年
東京の山端瑞玉(啓之助)
大阪の魚泉庵(山中吉太郎)
金魚を營業とする團體
東京金魚商組合 明治31年2月
彌富金魚同業組合 大正15年 (※弥富)
郡山金魚輸出組合 昭和4年
日本輸出金魚同業組合 昭和5年
・・・・・一方人間の物慾の淺間しさから愛好者間に物議爭闘の種を蒔いたことも少なくない、これは制度による罪であって金魚本體の罪ではない、金魚は現在一部の文化人の趣味生活には必需品としても差支のない程に關係の深いものであるからこれを中心としての團體も精錬せられた統制の下に飼育、愛好の方法を發展せしめ人類の趣味向上のため貢獻せんことを私は金魚の研究者として切望するものである。
七,索引
めずらしいローマ字順です。A・・・Z
これでこの本の紹介は終わりです。
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