「金魚」 松井佳一 河出書房 昭和16年 その5
四,金魚の遺傳
- 石川千代松博士、外山亀太郎博士、日暮忠氏、中村精七郎、石原誠博士等の遺傅學の歴史を記述
・・・・私が研究上取った方法は、充分成熟した金魚(普通三歳魚)を交配せんとするもの一尾宛を他のものと隔絶して産卵せしめ、時としては人工授精も行ひ、相反交配をするから一性質雌雄一尾宛二組によって純粋のものを採卵して、都合四組を作ってこれを觀察するのを原則とした。・・・・・
1,眼の遺傳
- 出目性と普通目性の實驗結果を示し、理論比と實驗比を偏差と誤算の計算で説明鮒の場合の相違を説明。
2,鱗の遺傳
a,モザイツク鱗性の遺伝(※モザイク)
b,網透明鱗性の遺傳
透明鱗因子:T
普通鱗因子:t
虹胞屑を一様に分布する因子:N
虹胞屑を部分的に分布する因子:n
全透明鱗性 TTNN、TTNn、TTnn、Ttnn
モザイツク鱗性 TtNN、TtNn
普通鱗性 ttNN、ttNn
網透明鱗性 ttnn
3,鰭の遺傳
a,尾鰭の遺傳
金魚の鮒尾と開き尾との交配
金魚の開き尾と鮒の鮒尾との交配
b,臀鰭の遺傳
金魚の複臀鰭と鮒との交配
c,尾鰭と臀鰭を組合せた遺傳
d,背鰭缺除性の遺傳
明白な遺傳型式を示さない。
4,肉瘤の遺傳
5,艶色の遺傳
顕著な褪色現象を表す金魚と鮒の交配
透明鱗性の金魚と鮒との交配
雑色のものと單色のものとの交配
「くろでめきん」と鮒との交配
「りうきん」と黒鯉との交配
「しゅぶんきん」と黒鯉との交配
「靑色の金魚」と「褪色の金魚」 陳楨氏による
五,實驗動物としての研究業績
1,形態學的の研究
- 以下の研究者のさわりを紹介
渡瀬庄三郎、日暮忠、纐纈理一郎、雨宮育作、戸澤富壽、ベルンド、陳楨、福井謙一、ストロンムステン、グードリッチ及ハンセン、森安正、スミス、武部啓、グッドリッチ及ニコルス、グプナー、牧野佐二郎、グッドリッチ及ツリンカウス、グッドリッチ及アンダーソン
2,生態學的の研究
- 以下の研究者のさわりを紹介
アロンソーン、ルナール、ビゲロー、クライドル、パーカー、ガドナー、ロガール及ルウイス、パワー、大橋祐之助、寺尾新、マンニング、陳楨、福井謙一、石原誠及操担道、奥田惣三郎、山本時男、山本孝治、勝田穣
3,引用文献
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