「フィッシュマガジン」 昭和41年9月号 通巻7号 その5
多摩川中流の魚 曽根崎 久 2.5ページ
- 多摩川中流といっても、私の調べた範囲は国領ダムと和泉多摩川の登戸ダムとの中間区域である。どのような魚種が棲息していたかというと
スナヤツメ
アユ
ほとんどいない。
川口で捕ったもの以外は小さい水槽で飼うのは無理。
ヤリタナゴ
バラタナゴ
ヒガイ
数が少ない。
弱い魚で水槽内では長く生きていけない。
モツゴ
通称、クチボソ
タモロコ
カマツカ・ツチフキ・ゼゼラ
ゼゼラを除き、2種は砂の中へ体をもぐらせたりするので通称スナモグリともいわれ、海のキスに体が少し似ているのでカワギスともいわれる。ゼゼラは最近ほとんどいなくなったようだ。
オイカワ
通称、ヤマベといい、多摩川辺ではオスが婚姻色を見せたものをオイランといっている。追うと上流へと逃げる習性がある。
鱗が剥げやすく、酸素欠乏に脆いので捕っても容器の水を度々換えぬと、たちまち死んでしまう。
水面に飛び出すから注意する。秋季に捕った方が良い。
キンブナ・ギンブナ・ゲンゴロウブナ
キンブナの体はやや円筒状をしているのですぐ判る。ギンブナは通称マブナといわれている。
ホトケドジョウ
通称ダボといっている。
ドジョウ
ナマズ
ギバチ
ゲバチともいわれている。ギガと云う所もある。
ウナギ
赤いシマミミズは食べない。
10月頃、海岸近くの小川の川口で幼魚を捕ってきて飼うと飼いやすい。
メダカ
タイワンドジョウ
通称ライギョ。
コイ
チチブ
ヨシノボリ
通称ダボハゼ
ウキゴリ・ビリンゴ
みじんこ あれこれ(※広告だが2ページで記事風になっている)
日本及びその近隣国の寒冷地に棲息しているみじんこ
オナガミジンコ
日本に広く分布
トガリハリナガミジンコ
冷水性種で日本では阿寒湖の深層に発見される。
オオミジンコ
満州、華北、華中に広く分布。近年は日本にも入っているようだ。
オカメミジンコ
世界に広く分布。
トガリネコゼミジンコ
南方熱帯種で大阪、京都付近では夏高温時のみ出現。
ニセネコゼミジンコ
台湾に分布。
タマミジンコ
メチニスの産卵とふ化 飯塚泰二 2ページ 観魚荘研究室長
- 昭和34年秋、当観魚荘に於いて約10尾輸入、飼育され10糎以上に成長していた。
90糎水槽を用意し砂、草を用いずシュロの6枚を敷き水温27度として10月始めに雄らしき2尾と雌らしき1尾を入れた。
5日後の10月6日に雄と思われる2尾が勢力争いを始め、10月7日朝、臀鰭を巻くようにして体を震わせ産卵行動に入った。
最初の5~10回は行動のみで、そののち約10~20粒、約2mm程度の透明な卵を産む様になり、約1時間の間に千粒の卵を産み終えた。
産卵後48時間、卵はフ化した。その数約700尾、昭和34年年10月9日の事である。卵嚢を持ち、全長6mm、体色は無色透明。
産卵後3日、フ化後24時間依然横になったままだがやや体長が伸びてきた感がある。
フ化後48時間、稚魚はあまり変化をおこさない。
フ化後72時間、体長はやや生長し9mmぐらいとなる。両眼の形成がはっきりとしてくるが泳ぐことは出来ない。
フ化後96時間、卵嚢が小さくなり体長が伸びるにつれ、やや扁平となって来る。音、振動に対して敏感になる。
フ化後5日、産卵後7日にして泳ぐことが出来る様になる。といっても横になっていたのがタテになって来る状態。ブラインシュリンプを投餌、腹に赤味を観察。
朝夕2回投餌し約1週間後には遊泳力も充分になってきた。
投餌後2週間目、産卵後3週間目メチニスであると判るようになる。
投餌後3週間では体高は一段と高く餌に飛びつく。
投餌後1ヶ月体長25mm、イトミミズ、みじんこ、アカムシの小さなものを摂餌。
投餌後2ヶ月、体長3~4cmとなり、その数600尾であった。
※卵から摂餌後4週間までの白黒写真掲載
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