「フィッシュマガジン」 昭和41年9月号 通巻7号 その3
ドンコ 塚原 博 1.5ページ
- 関東地方には分布しない。ハゼと違って腹ひれは左右離れている。昼は水底の石や水草のかげに潜んでいるが、夜間にかくれ場を出て餌を採る。
冬期水温が下がると背を底に埋めて眼だけを出して冬眠生活をする。水温15~20度で活動する。
5月頃に全長10~15cm以上の腹部のふくれたメスにオスを1尾つけ、産卵場として土管を入れておく。卵は土管の内壁に産みつけられ、産卵後メスは出るが、オスは卵を守る。
ふ化は15度内外で約1ヶ月を要し、ふ化した7,8mmのものははじめ水底生活をする。
ふな 大屋正太郎 1.5ページ
- 一口に「ふな」と言われているが、実際には「きんぶな」、「ぎんぶな」、「げんごろうぶな」などの品種があり、琵琶湖にはきんぶな・ぎんぶなの琵琶湖型とも言うべき「にごろぶな」・「ひわら」がいる。(琵琶湖ではふなの幼少期のものを「がんぞ」と云っている。)
大阪・奈良で養殖されている「かわちぶな」は単にげんごろうぶなの方言ではなく、飼育種としてつくりかえられたもので形態的・生態的に異なる点が多い。
水槽で飼育する時は、馴れにくいので与えた餌を充分食べずに、残餌が水質を悪くさせることになるので注意が必要である。
鯉 松島昌大 1.5ページ
- 天然から採ってきた鯉の仔に小さい白斑のようなものがあれば白点病の疑いがこい。水1m3につき1~2%の赤チン(マーキュロ)を1~2滴入れてやると自然に治る。(※古い本なので自己責任で)
うぐい 中村一雄 2ページ
飼育水温と酸素消費量
- コイ科の魚であるが、むしろ冷水を好む性質があり、且つ敏捷である。水温が26度以上になると食欲も減り始め、生活力が弱まる。20~16度の間は酸素の消費量が多く、最も健康な状態に生活し得るので最適な水温である。摂餌の限界は3度位までである。
体長2~4cmの稚魚は200ccの水量に1尾以下の割合が安全であり、ウグイの酸素消費量は1リットル当たり279~500ccでかなり多く必要とする。
かかり易い病気
- 発生しやすい病気はキロドン病と白点病であり、2%塩水浴を5分間位、3~4回繰り返して、かなりの効果があった。また塩酸キニーネの20~30万分の1液で数日間水溶を反復すると効果があると言われている。(※自己責任で)
鮎 石田力三 1.5ページ
- 水槽で飼育する場合は20度前後が最も適当で、注水量は90*30*30の水槽で毎分0.5~1リットルは必要。
以上の水槽で10尾前後飼育でき、大きさは12~13cm以下のものがいい。
餌の量は水槽に入っている魚の重量の5~10%を一応の目安とする。一定の場所で与え続けるとテリトリーが出来る。テリトリーを持ったアユの胸びれ附近には黄色い斑紋があらわれる。
水温が低い時に餌を与えすぎると胃腸障害を起こす恐れがある。
細菌性の病気の代表的なものとしてビブリオ病があり、治療法としては魚の体重100g当たり10~20mgのサルファ剤を餌に混ぜ与えるが、伝染するから予防に努める。海産稚アユに発生しやすいので、湖産を購入するのが無難。
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