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2009年7月26日 (日)

「フィッシュマガジン」 昭和41年9月号 通巻7号 その2

日本産淡水魚の研究所 資源科学研究所 編集部
 モノクロページ

  • 昭和16年に設立され、戦後、財団法人として再発足。
    研究項目は、水、土地、生物、その他の天然資源の開発、利用、保全のための調査。
    中村守純先生は水産増殖に関する調査、研究の部門を担当。
     1,産業的に大事な魚の調査、研究
     2,動物地理学的に貴重な魚の保護対策

日本産淡水魚養殖の拠点 淡水区水産研究所 編集部
 モノクロページ

  • 昭和24年に設立 現在の所長は中村中六
    内水面漁業の振興のための基礎技術の研究を行っている。
     1,河川湖沼部
     2,養殖部
     3,水質餌料部

日本の淡水魚 中村守純 3ページ
分布と道具   中村守純
採集       中村守純

  • 目次では上記のようになっているが、記事は「採集と飼育」としてまとめてある。
    現在の日本川や湖の大部分には漁権があって魚を採集するのには遊漁料を払う必要がある。また各都道府県とも漁業調整規則で禁漁区や禁止漁法が定められている。

    採集してから持ち帰るまでの魚の取扱い方の要点は
     1,すれさせない
     2,酸素欠乏をおこさせない
     3,渓流魚では水温を約20度C以下に保つ

    飼い方
     1,止水式
     2,循環式
     3,流水式

ドジョウ 石田力三 1ページ

  • 我が国に分布しているのは、マドジョウ、シマドジョウ、スジシマドジョウ、アジメドジョウ、フクドジョウ、アユモドキ、エゾホトケ、ホトケドジョウの8種。
    ヒドジョウは北海道に多く分布している

    20*20*30cmの容器で、隊長10cm前後のものを4~5尾収容できる。細かい砂とやわらかい土とを混合したものを水底に2~3cmしき、水草等を植えればいい。

    よく見られる病気としては、頭部や尾の付け根、背鰭の周辺が赤くただれる病気がある。 治療法としてはサルファ剤を練餌に混ぜて与える。
    水槽に入れる前に、15~30万分の1のマラカイドグリーン溶液またはアクロマイシンを6~10万倍の水に溶かした中にドジョウを入れて消毒する。消毒に必要な時間はマラカイドグリーンで30分、アクロマイシンではほぼ1日。

スナヤツメ 大津 高 1.5ページ

  • 採集したら容器の水をごく浅くして背中が水から出る程度にして持ち歩くと比較的長持ちする。
    卵は小形透明で粘着性を持ち、やがてアンモシーテスという幼生が孵化する。3~4年目のアンモシーテスは9月頃から変態し成体となる。

    成体は食物を取らないから、飼育はアンモシーテスとなる。有機質に富んだ泥や珪藻を与え、水を浅くして充分に通気しても、天然のものより生長が遅れる。
    最も良いと思われるのはゆでた卵の卵黄を細砂と練り合わせて与える。春孵化したものがまもなく黒く色づき秋まで5~7cmに生長する。

    夏期は高温のため室内では殆ど不可能に近く、冷蔵式ショーケースを用い、15度前後に保った中に水槽を入れ通気をする。
    秋に変態した成体は体長15~16cmで飼育するのは極めて容易。
    アンモシーテスになかった目がぱっちり開き、えら穴と共に八ツ目を形成し、口はキセルの首のような独特の形となり物に吸い付く。餌はいらないが、水深を10cmの深さにし通気する。

    年末から二次性徴が現れ始める。すなわち、二つに切れていた背びれがつながり、雌では臀びれを生じ、雄では肛門の所に生殖突起が出来る。
    産卵は少し大型の水槽飼育するとみられる。
    水槽には2~3cmに砂か小石をしき、水草をいれておくとよい。

ホトケドジョウ 大津 高 1.5ページ

  • 生息地は湧水をま近にもつ細流の深いよどみや、河床の伏流水が湧き出ているところで、水は常に清く冷たい所が多い。

    飼育の水槽は30*30*60で10~20尾飼える。底に2~3cmの砂または小砂利を入れ、水深5~10cm、適宜水草を入れ、通気する。
    生息地の水は13,4~16,7度である。

    秋になると沢山の餌を食べ卵をはらむ。孵化した幼生は極めて小さいから、親魚の水槽からスポイトで一匹づつ吸い取る。
    餌はミナールをごくうすく溶かした水に一輪ざしの花の茎のしずくを落としておくとゾーリムシやミドリムシが繁殖するから、集めて与える。

カマツカとツチフキ 塚原 博 1.5ページ

  • カマツカは昼間は砂底に体を埋めて水中に眼だけを出しており、夜間水底に出て活動する。
    清流にすみ、川底もきれいな所に生活する魚で長期の飼育は比較的難しい。

    カマツカよりは体が短く、カマツカが全長20cm内外になるのに比して小さく、10cm程度の小形の魚である。地方によってドロカマツカ、ドロモロコ、スナモロコ、キツネモロコと呼ばれている。
    やや大型の水槽で常温、止水で簡単に飼える。温度調節の必要はない。

    オスはメスに比してやや大きく、体高は高くなり、成熟すると顔や胸びれに追星が現れる。とくに胸びれ前縁に大きな三角形の追星が出来る。さらに3~5月の産卵期にはオスは全体に黒みを帯び、輝いた黄色の婚姻色を生じる。

    産卵はオスが水底に20~40cm、深さ3~5cmの円形の産卵場を作り、卵を産ませる。卵はゼリー状の厚い膜に包まれ、これに浮泥がついて直径2~3mmの泥だんごになって、2000~4000粒位産みつける。
    産卵が終わるとメスはどこかへ行ってしまうが、オスは常に巣の中にあって掃除をする。10日内外でふ化し、全長1cm位で巣を出る。

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