「観賞魚の友」 昭和42年11月号 通巻8号 観魚タイムス社 その4
東錦飼育愛好家への手引き(6) 中村信夫 5ページ
11月の飼育管理
優秀魚の入手について
銘魚の条件
- 三番はね以上の魚全般を高級魚と称し、その中から、品評会に出品出きる魚、即ち、審査基準に合格する魚を優秀魚、品評会に於いて分賞せる魚を銘魚の資格を備えたものと解した次第です。
キッシングの巣引きについて 小幡利雄 4ページ
- 前段はアクセルロード(※アクセルロッド)のEncyclopedia & Tropical Fishesを解説。
雌雄判別は5インチ以上になるまでは難しいとし、雌はフトッチョになり、上から見た時は、はっきり区別できる。
筆者は2ヶ年間、種魚を飼い込み、この度一応その実際を知ることが出来た。
3尺水槽に真新しい水を張り2日目に雌雄を入れた。エアリフト、エアストンを止め、水面の1/3にウォーター・レタスを浮かし、アクリフラビンの粉末を極少量入れた。雌雄の大きさは雄が10~12cm、雌が15cm。
産卵は雄が雌の体を下から身をくねらせ抱きしめる。1,2秒で雌はさっと離れ、直径1.5mm、ボールペンの先のような緑に近い透明な卵が水面に浮上する。卵で3尺水槽の1/3が覆われた。
孵化日数は、28度で20~30時間。グーラミーの幼魚よりはるかに大きい。
アクセルロードは、3日以内にブラインシュリンプを大量に与え、極小の粉餌を水面に浮上する様にまく、と述べている。
私の場合は、インフゾリヤのわいた水を、1日にカップ1~2杯与えることにしている。孵化してから10日もすれば、糸みみずを小型のすり鉢で、すりつぶしたジュースを与えれば、一段と発育は早くなる。
エアーレイションに関しては、幼魚が自由に泳ぎ出すまでは完全にストップし、その後エアストンを極細かく、エアリフトも水が濁らぬ程度に出す。
この様にして20日間たつと、幼魚は10~15mmに達する。1ヶ月後には、少なくとも5千の幼魚を育てることが出来る。
40日を経た幼魚を、完全な状態に保つためには、3尺水槽を10本を必要とする。
アマチュアの方がキッシングに挑む事は、この点からも敬遠された方が賢明である。
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