「フィッシュマガジン」 昭和41年5月号 創刊5号 その3
優秀なグッピーの作り方 和泉克雄
- 明らかに同種である優秀な一つがいを入手しなければならない。
優秀なグッピーを作り出す第一課は「除去」と「選別」にあると言える。
「除去」と「選別」は最善の方法ではない。最善の方法としては次のようなことをしなければならない。
1,同形、同色であるからこの判定を誤らぬこと。
2,メスにも種特有の形、色、紋様がある。
3,タキシード、アルビノには肉腫が発生しやすいので、コブを斑点と見誤らないこと。
4,交雑種のメスはどんなに立派でもさける。
5,仔の性別が判り次第速やかにわける。
6,少しでも劣性、脆弱とみなされる稚魚は迷わず除去する。
7,メスオスは別に飼い、一緒にさせる期間は3日でよい。産後1週間はオスから離す。
8,産まれた仔は同胎別に飼い、前後のものと一緒にしない。
9,交配は父親に娘、母親に息子、兄弟に姉妹の繰り返しである。
種親とする魚を求める場合、赤の色素の強い系統のメスの尾びれは、かすかに黄色がかって大きく開いているのがよく、黒の斑点が多かったり、墨を塗ったように黒くなっていたり、ピンク色の斑点が付け根にあるものは、無差別な交配によるものである。
アルビノグッピーの繁殖 飯塚泰二
- 輸入された白子のグッピーは過去10年間全く繁殖に成功しなかった。
2年前赤系ヴェールテールから1尾のメスのアルビノが産まれた。(F1)
オス親(P)と交配し20尾の普通種を得た。(F2)
この普通種とF1のアルビノのメスと戻し交雑したら、40尾の普通種と1尾のアルビノを得たが、アルビノは死なせてしまった。(F3)
2回目の稚魚同士の交配をした結果、多少ゴールデン・グッピーに近い黒色素の少ないものが5尾産まれた。(オス3、メス2)
これの交雑の結果、5代目にしてアルビノ・グッピーの繁殖に成功した。実に1年6ヶ月余りを費やした。
ゴールデン同士の交配によると、白子1に対しゴールデン3の比率で、普通種は産まれてこない。
白子とゴールデンの交配から産まれた白子は、白子同士で繁殖した。
コンクール(我が国で行われている採点基準) 牧野信司
デルタテールの場合
尾 鰭 32
色彩・模様 24
からだ 18
背 鰭 10
スタイル 10
其の他の鰭 6
海外のショウポイント 宮川 保
ボ ディ 20(スタイル10、大きさ10)
尾 び れ 20( 〃 〃 )
背 び れ 20( 〃 〃 )
状態と姿勢 20(状態10、姿勢10)
色 彩 20(尾びれ5、背びれ5、ボディ5、色調5)
学名 宮川 保
省略
参考書 宮川 保
Herbdert R.Axelrod & Wilfred Whitern 「GUPPIES」
Leon F.Whitney,D.V.M.and Paul Hannel 「ALL ABOUT GUPPIES」
Mervin F.Roberts 「FANCY GUPPIES」
グッピー余談 木村 重
- グッピーが脚光を浴びたのは19世紀末。当時、米国の南部や中南米諸国には、ステゴミア蚊やアノフェレス蚊が媒介する黄熱病とマラリヤ病が多くて、ホトホト手を焼いていた。
ところが西インド諸島のバルバドス島だけには、この病気がない。そこでケンドリック・ギボンスという人が調べると、この病気を伝染させる蚊がいない。それは、よく仔を産むのでミリオン・フィッシュと呼ばれる小魚が沼や沢地、浅い川に繁殖し、しかも、蚊の卵やボウフラをよく食うので、原住民が水かめなどにも入れておくためと判った。
そこで同島の農務局員のバロン氏が実験室でミリオン魚を飼育して試験したところ、実によくボウフラを食う。
そこで早速、米国の衛生局に報告したので、当局はこの小魚を南部諸州の池や川に放ち、蚊を退治した。
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