「淡水魚の飼い方」 大村清友 昭和14年 大隣社 その7
第14章 金魚の飼い方 P.170~201
第1節 形態習性
- 金魚の飼育は、自己の観賞としても趣味深甚、また其の繁殖力強大なるが故に、温暖なる地方に於いて飼育するときは利益甚大なるものである。されば或いは娯楽に、或いは営利に之が飼育を推奨するものである。
第2節 種類及び其の特徴
1,ワキン(和金)
2,リュウキン(琉金)
此の種にオナガ、ナガサキ、コオリヤマ等の別名がある。
3,ランチュウ(蘭鱗=らんりん又は金鼈=きんべつと書す)
4,シシガシラ(獅子頭)
5,マルコ(丸子)
6,オランダシシガシラ
7,デメキン(出目金)
8,シュウキン(秋錦)
オランダシシガシラとマルコとの間生兒(あいのこ)で
秋山吉五郎の作出。
第3節 飼養池の構造
省略
第4節 蕃殖法
イとロ 省略
ハ 雌雄の識別及び其の配合数
雌
1,頭が大きく、口が尖り、体躯は雄に比して大きい
2,魚体は軟らかく生殖孔が大きい
3,腹部は円満に膨大して軟らかい
4,色彩が雄の如く鮮麗でない
5,追星を生じない
6,生殖時期には魚体がヌラヌラとなり、一見柔軟の感を与える
雄
1,頭が小さく、口部が丸く、体躯は比較的小さい
2,魚大賀硬く、生殖孔が小さく、鰭と鰭との間が狭い
3,腹部の膨大の度が少ない
4,色彩が鮮麗である
5,生殖時期に至れば追星を生ずる
6,生殖時期に至れば、容易に精を漏らす
ニ 産卵の回数及び卵粒数
第1回産卵 1番子 八十八夜頃(※5月上旬)
第2回産卵 2番子 1番子より約10日乃至2週間後
第3回産卵 3番子 2番子より約10日乃至2週間後
第4回産卵 4番子 3番子より約10日乃至2週間後
雌の産卵数は約11,12万で、其の産卵回数との関係は
第1回 全体の3/10
第2回 全体の4/10
第3回 全体の2/10
第4回 全体の1/10
ホとヘ 省略
第5節~第7節
省略
第8節 選別法
イ 選別の必要
4,50日後に行う
ロ 選別の標準
1,体形及び鰭形に依る選別
良種
1,体躯真っ直ぐなるもの
2,体に歪みなきもの
3,尾は三つ尾又は四つ尾なるもの
4,偶鰭(つい)は左右同形なるもの
不良種
1,体躯が曲がりたるもの
2,尾鰭の鮒尾を成せるもの、ツマミ尾を成せるもの
3,左右不揃いなるもの、又はチジミたるもの
4,偶鰭の不揃いなるもの
2,色彩に依る選別
更に2,30日後に行う
イ,口紅と称して、口辺の赤色なるもの
ロ,頬紅と称して、頬部(けいぶ)の赤色なるもの
ハ,面冠(かぶり)と称して、頭の全部に赤色なるもの
ニ,眼赤と称して、両眼の眼辺の赤色なるもの
ホ,尾鰭及び其の基部の両者共に赤色なるもの
ヘ,腹部の赤色なるもの
ト,全身の色彩紗を成せるもの
チ,鼻端の赤色なるもの
リ,尾鰭の全部が赤色なるもの
ヌ,魚体全部の赤色なるは下等品に非ず
- 良種は体形、鰭尾共に完備し、色彩上の5,6点乃至7,8点に合格したるもの
中等種は体形、鰭及び尾共の完備して、色彩上の1,2点乃至3,4点に合格したるもの
第9節 換水
1月から12月までの換水の仕方が記述されている。
第10節~第12節
省略
-----メモ-----
鼈=ヘツ、ベツ、すっぽん
« 「淡水魚の飼い方」 大村清友 昭和14年 大隣社 その6 | トップページ | 「淡水魚の飼い方」 大村清友 昭和14年 大隣社 その8 »
« 「淡水魚の飼い方」 大村清友 昭和14年 大隣社 その6 | トップページ | 「淡水魚の飼い方」 大村清友 昭和14年 大隣社 その8 »
コメント