「淡水魚の飼い方」 大村清友 昭和14年 大隣社 その6
第11章 鯉の飼い方 P.45~116
第1節 形態習性
省略
第2節 種類
1,真鯉
2,緋鯉 金鯉と書く事もある。
3,変り鯉 斑鯉(ぶちこい)と呼ぶ事もある。
4,革鯉
5,鏡鯉
6,雑種
第3節 在来種と独逸種との比較
独逸種は比較的冷水を好み、又寒冷にも耐え得る。
第4節~第6節
省略
第7節 孵化兒及び当才兒の取扱い方
イ~ニ 省略
ホ スヒソン式飼育法
- 之はスヒソンと呼ぶ養魚家の考案になるもので飼育池なる水藻及び餌虫等の天然餌料を繁殖させて置いて、甲池から乙池へ、乙池から丙池へ、丙池から再び甲池へと、4週間乃至6週間毎に移転せしめるもので、この方法によるときは池面の広大なる面積と、多大なる手数とを要するのであるが、魚兒の発育成長は極めて良好になる。
第8節~第12節
省略
第13節 廃水面利用の養鯉法
- 廃水面とは城趾の堀、古池、溝、用水池、湖、沼等の如き四時水を湛えて、而も何等の使用を為さぬ水面を謂う。
第14節~第19節
省略
第12章 鰻の飼い方 P.116~142
第1節 形態習性
- 通説に従えば雌は河川、湖沼、地溝等の淡水に棲息して3年乃至5,6年にして成魚となり、雄は大河の河口付近に於ける半海水に棲息し、10月乃至1月頃までの間に於いて雌は河川を下って海に入り、雄がこれを追う。
其の河川を下るや之を「クダリウナギ」と謂って、主に日没後1時間後、日の出2時間前、特に暴風雨のあった後に多く、又満月後より新月のまでの間に多く、而して此の間は食物を取らぬと謂うことである。
第2節 種類
鰻は商品として取引せらるる場合には、次の名称がある。
- 銀鰻 鰻中の優良種である。美味第一位を占め、全身良く肥満し、口が小さく、背部は銀鼠色を呈し、腹部は銀白色の光沢を呈するを特色としている。
ミゾウナギ 銀鰻に次ぎ、美味第二位に在るものである。主として小溝に棲息し、頭が小さく、肉質豊富なるを特色とするものである。
ゴマウナギ 皮膚に薄黒き斑点を有することを特色とするものである。
ホシヅキ 白色の斑点が、宛然星の夫れの如く、全身に散在するものである。
カニクライ 頭部が割合に大きく、肉が痩せ、脂肪が少なく、味も亦劣っている。この種は主として、激流中の砂礫の中に棲息し、普通種とは聊か其の習性を異にする。
以上は学術上からは全く同一種と見なすべきものと思われる。
第3節 飼養池の構造
省略
第4節 雌雄識別法
欧州の学者中が為す説は
雌
1,身長が比較的大きい
2,吻端が広い
3,背部が緑色を帯び、腹部は黄色を呈している
4,背鰭が、同長のものの間にあっては、雄に比して概ね高い
5,雌の眼径は、雄に比して概ね小さい
雄
1,雌に比して、小さい
2,吻端は小さくて、鋭角を呈している
3,背部は蒼黒、側部は白色で金属様の光沢がある
4,背鰭は、同長のものの雌に比して概ね低い
5,雄の眼径は雌に比して、比較的大きい
然れども以上は本邦産の鰻には適合していない。
第5節~第9節
省略
第13章 スッポンの飼い方 P.143~170
第1節 形態習性
- 滋養分に富み、且つ美味なるが上に、之が生血は起死回生の効力ありとして古くから肋膜病、腹膜病、肺病、心臓病等の薬用として、酒類に混じて服用せられつつある。
性臆病で執念深く、神経質で亀のように豪放ではない。一度噛みつくときは容易に放たない。人若し過って噛みつかれたときは、水中に入れて徐に放たしめるようにするのである。故に取扱い上注意を要するものである。
之を捉えるには背甲の後縁、又は腹甲の後脚前の窪みを掴めば安全である。
之が成長度は極めて遅々たるもので百匁と成るには、4カ年位を要し、5,6年を経て荘成するのである。
第2節 飼養池の構造
省略
第3節 養殖法
イ 雌雄識別法
雌
1,背から見るときは、尾が短く甲外に露出せぬ
2,背甲が稍々円形を呈し、上面比較的平らである
3,同大のものの間にあっては、体が比較的厚い
4,後脚の脚間が比較的広い
雄
1,背上から見たるとき、尾を甲外に露出する
2,背甲に穹隆せる箇所がある
3,同大のものの間にあっては、体が比較的薄い
4,後脚の脚間が比較的狭い
以下省略
第4節~第9節
省略
-----メモ-----
宛然=あたかも、そっくりそのまま
1匁(もんめ)=3.75g
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