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2009年4月

2009年4月26日 (日)

「淡水魚の飼い方」 大村清友 昭和14年 大隣社 その5

第6章 養殖池築造上の注意
 1,冷水性魚族の飼育池は冷涼の地を選ぶ
 2,温水性魚族の飼育池は日光を良く受ける温暖な地を選ぶ
 3,洪水及び旱魃の被害の恐れのある場所は避ける
 4,鉱山から毒水の流出する場所は避ける
 5,製造工場から毒水が流出する場所は避ける
 6,産卵池、孵化池はなるべくコンクリート池にする
 7,飼育池、越冬池は普通の池を用いるべき
 8,孵化池、越冬池、孵化当初の稚魚飼育池は覆蓋の準備をする
 9,注水口、排水口の設備は最も厳重にする

第7章 養殖器具 ※各種寸法等の説明有り
 1,地曳網
 2,タモ
 3,魚袋
 4,魚篩
 5,亀甲紗抄網(すくいあみ)
 6,微塵兒網(ミジンコ)
 7,抄笊(すくいざる)
 8,擔ぎ桶(かつぎ)
 9,小魚撰別桶
 10,水盤
 11,給餌用焙烙(ほうろく)
 12,踏車
 13,簀
 14,活魚槽
 15,鰻籠
 16,給餌箱
 17,誘蛾灯
 18,運搬缶
 19,生魚運搬器
 20,寒暖計

第8章 魚巣
 第1節 種類
  イ 金魚藻
  ロ 柳の根 俗にヤナギノワタという。
  ハ 棕梠の皮
 第2節 投入法
 第3節 魚卵の附着試験
  イ 第1回比較試験
  ロ 第2回比較試験
   柳の根、金魚藻、棕櫚の皮の順となった。
  ハ 魚卵の著卵状態図

第9章 餌料
 第1節 天然餌料と人工餌料
  イ 天然餌料

  • 水産講習所長の岡村博士はプランクトンに対し漢字を新作し「生孚」(一文字)の字を以て充当した。

   動物プランクトン
    1,原生動物
    2,蠕形動物(ぜんけい)
    3,節足動物

  • ミジンコは地方によってはツムシ、アカコ、モ、ホーヅキと呼ぶ事がある。

   植物プランクトン
    1,珪藻類
    2,緑色藻類

  ロ 人工餌料
   省略
 第2節 ミヂンコの蕃殖法
  省略

第10章 養殖の害敵及び予防法
 以下省略
 第1節 害獣
 第2節 害鳥
 第3節 害虫
 第4節 其の他の害敵

-----メモ-----
蠕=ジュ、ゼン、うごめ・く

2009年4月19日 (日)

「淡水魚の飼い方」 大村清友 昭和14年 大隣社 その4


 ・・・・・由来邦人の体格が、遠く欧米人の夫れに及ばざる所以のものは、動物性蛋白質の摂取量の欠乏に因由するところ尠少ならずと聞く、・・・・・彼の広漠たる国土を有する欧米列国の如く、牛、羊、豚等の肉に依りて動物性蛋白質を得んことは、至難の業に属するが故に、養魚に依って此の欠陥を補はんこそ真に策を得たるものと謂うべきなり。・・・・・

 吾人は日頃の持論として、都会人士、就中無為徒食する者には成るべく菜食を、田舎に於いて農業に従事する者には動物性蛋白質の食用を提唱するものなるが事実は之に反するものあるを遺憾とす。是全く魚肉が経済上比較的高価なるが為めならずんば非ざるなり。

 斯るが故に僅少の費用と労力とを以て生産し得らるる淡水養魚を行い、一は以て終日の労を醫すべく毎夕の食前に鮮魚料理を載せ、他は以て之を売却して一家経済上の増収を計るに於いては、蓋し一挙両得天恵の福運を招来するものと謂いつべきなり。・・・・

  鱒鮭奨励会長 木村清友

第1章 養魚とは何ぞや
 養魚とは魚の発育成長を助け、生殖を保護し、害敵を駆除し、疾病及び其の他の妨害物を駆除又は予防し繁殖を計ること。

 1,個人の利益を主とする養魚
 2,公益を主とする養魚
 3,飼育に限られたる養魚
 4,蓄養に限られたる養魚

第2章 温水魚と冷水魚
 省略
第3章 養殖の種類
 省略

第4章 養殖の種類選定
 1,比較的需要の多大なるものを選定
 2,土地、気候に最も適応したるものを選定
 3,水質に鑑みて其の種類を選定

第5章 養殖の利益多い所以

  • ,養魚以外には殆ど棄てて顧みられぬ所でも、是を利用して生産を計ることが出来る。
    ,餌料は、日常の生活の廃物を利用できる。
    ,魚の体温と水温が同じであるから、これに食物を消費せず、肉料に全部消費出来る。
    ,魚の体重と水の比重が同じなので、食物を運動に消費することが僅少で足りる。
    ,魚は消化力が旺盛で、殆ど全部を消化する。
    ,稲、クワイ、蓮等と併せて養殖出来、相互いに裨益して豊産出来る。
    ,水土に従事すると、自然に親しみ、身心の健康を増進出来る。
    ,起業した後は、婦女子、小兒、老人等でも管理でき、僅少の経費で済む。而も高尚なるが故に、家族一同保険乃至品性陶治上にも裨益をもたらす。

-----メモ-----
醫=イ、いや・す

2009年4月16日 (木)

「淡水魚の飼い方」 大村清友 昭和14年 大隣社 その3

引き続き目次 その3

 

第16章 食用蛙の飼い方
  第1節 形態習性
  第2節 種類及び其の特徴
  第3節 食用蛙
  第4節 飼養池の構造
  第5節 蕃殖法
   イ 親蛙の選択及び其の取扱い
   ロ 雌雄の識別及び其の配合数
   ハ 産卵状態及び卵粒数
   ニ 孵化の経過

  第6節 孵化稚兒の取扱い方
  第7節 蝌蚪の成長
  第8節 成蛙の飼育
   イ 餌料
   ロ 給餌法
   ハ 給餌分量

  第9節 坪当たり放養数
   イ 蝌蚪時代
   ロ 成蛙時代
  第10節 成長度

 

第17章 鮒の飼い方
  第1節 形態習性
  第2節 種類及び其の特徴
  第3節 飼養池の構造
  第4節 雌雄の識別法
  第5節 養殖法
   イ 産卵
   ロ 孵化
   ハ 稚兒

  第6節 飼育法
  第7節 坪当たり放養尾数
  第8節 成長度
  第9節 鮒飼育試験

 

第18章 鰡、鱸兒、鯰、鮎の飼い方
  第1節 鰡の飼い方
  第2節 鱸兒の飼い方
  第3節 鯰の飼い方
  第4節 鮎の飼い方

後篇
 第19章 販賣
  第1節 淡水魚の需要
  第2節 相場
   各魚類の相場

  第3節 販賣
   イ 直接販賣
   ロ 仲買販賣
   ハ 問屋取引

 

第20章 運搬
  第1節 一般の注意
  第2節 蓄養
  第3節 運搬法
   イ 鯉、鮒、鯰等
   ロ 鰻、鱒等
   ハ スッポン、食用蛙等
   ニ 金魚
   ホ 魚卵
   ヘ 鮎、イナ、セイゴ等

 

第21章 種魚及び餌料の相場
  第1節 親魚及び餌料の相場
  第2節 餌料の相場

 

第22章 利益
  第1節 鮒、鯰、鱸兒、鮎等の養殖利益
  第2節 金魚の養殖利益収支計算表

 

第23章 養殖池設置費
  第1節 小規模の設置費
  第2節 大規模の設置費

 

第24章 雑録
  第1節 農林省副業奨励規定
  第2節 帝国水産会副業水産物販賣購買斡旋規定
  第3節 養魚年中行事

-----メモ-----
蝌蚪(かと)。おたまじゃくしのこと
鰡=ボラ=鯔

2009年4月13日 (月)

「淡水魚の飼い方」 大村清友 昭和14年 大隣社 その2

引き続き目次 その2

 

第12章 鰻の飼い方
  第1節 形態習性
  第2節 種類
  第3節 飼養池の構造
  第4節 雌雄識別法
  第5節 坪当たり放養量及び尾数
  第6節 成長度
  第7節 飼育法
   イ 餌料
   ロ 給餌法
   ハ 給餌分量

  第8節 単養試験の成績
  第9節 取揚法

 

第13章 スッポンの飼い方
  第1節 形態習性
  第2節 飼養池の構造
   イ 趣味を主とする小規模の場合
   ロ 本業又は副業とする大規模の場合

  第3節 養殖法
   イ 雌雄識別法
   ロ 親スッポンの選択
   ハ 雌雄の配合数及び産卵の準備
   ニ 産卵

  第4節 孵化
   イ 産床
   ロ 孵化の実験
   ハ 孵化日誌

  第5節 飼育法
   イ 孵化稚兒の取扱
   ロ 孵化稚兒約一ヶ年間の発育

  第6節 坪当り放養頭数
  第7節 成長度
  第8節 飼育法
   イ 餌料の種類
   ロ 給餌法
   ハ 給餌分量

  第9節 飼育試験

 

第14章 金魚の飼い方
  第1節 形態習性
  第2節 種類及び其の特徴
  第3節 飼養池の構造
   イ 普通池
   ロ コンクリート池

  第4節 蕃殖法
   イ 親魚の選択
   ロ 親魚の取扱い方
   ハ 雌雄の識別及び其の配合数
   ニ 産卵の回数及び卵粒数
   ホ 産卵の準備及び産卵状態
   ヘ 孵化及び孵化率

  第5節 孵化兒の取扱い方
  第6節 飼育法
   イ 餌料の種類
   ロ給餌法
   ハ給餌分量

  第7節 坪当たり放養尾数
  第8節 選別法
   イ 選別の必要
   ロ 選別の標準

  第9節 換水
  第10節 越冬法
  第11節 観賞容器
  第12節 疾病
   イ 病魚の発見
   ロ 子詰病
   ハ ヌマリ病
   ニ 松皮病
   ホ 其の他の疾病

 

第15章 鱒の飼い方
  第1節 形態習性
  第2節 種類
  第3節 飼養池の構造
  第4節 蕃殖法
   イ 親魚の選択及び取扱い方
   ロ 雌雄の識別及び配合数
   ハ 産卵状態及び卵粒数
   ニ 孵化

  第5節 孵化稚兒の取扱い方
  第6節 成長度及び坪当たり放養尾量
  第7節 飼育法
   イ 餌料の種類
   ロ 給餌法
   ハ 給餌分量

  第8節 養鱒試験
   イ 天然産卵及び蕃殖調査試験(稲田利用)
   ロ 稲田飼育経済試験
   ハ 天然産鱒の誘導試験
   ニ 天然蕃殖保護田
   ホ 池中飼育試験

  第9節 天然鱒誘導池の作り方

「淡水魚の飼い方」 大村清友 昭和14年 大隣社

「淡水魚の飼い方」 大村清友 昭和14年5月20日 大隣社 B6判 P.318 定價 壱圓五拾銭

 正確な書名は「淡水魚の飼ひ方」です。この本は魚の飼育本ではなく、肉のかわりに、魚によるタンパク質供給目的の養殖本である。
 ただし、農家の副職として金魚の養殖も書かれている。

 少年少女が読む本ではないが、すべての漢字にフリガナをつけてあり、当時の識字率が芳しくなかったことを物語っている。

 紙質はわら半紙状で決して良くはないが、取れないカバーが本と一体となっている装丁が面白いし、表紙がデフォルメされた赤い金魚のイラストで、なかなか味がある。

 著者の大村清友氏の肩書きは鱒鮭奨励会長となっているが、カメ、スッポン、鮒などの養殖の本を数冊出している以外、調べてもよくわからない。

 この本は古書界ではあまり見かけない。

【構成】
 ※節表示はありません。旧字は一部読みやすくしてあります。
表紙


目次
 前編 養殖の話
  第1章 養殖とは何ぞや
  第2章 温水魚と冷水魚
  第3章 養殖の種類
  第4章 養殖の種類選定
  第5章 養殖の利益多い所以
  第6章 養殖池築造上の注意
  第7章 養殖器具

  第8章 魚巣
   第1節 種類
    イ 金魚藻
    ロ 柳の根
    ハ 棕梠の
   第2節 投入法
   第3節 魚卵の附着試験
    イ 第1回比較試験
    ロ 第2回比較試験
    ハ 魚卵の著卵状態図

  第9章 餌料
   第1節 天然餌料と人工餌料
    イ 天然餌料
    ロ 人工餌料
   第2節 ミヂンコの蕃殖法

  第10章 養殖の害敵及び予防法
   第1節 害獣
   第2節 害鳥
   第3節 害虫
   第4節 其の他の害敵

中編 養殖法
 第11章 鯉の飼い方
  第1節 形態習性
  第2節 種類
  第3節 在来種と独逸種との比較
  第4節 飼養池の種類と構造
   イ 産卵池と其の構造
   ロ 孵化池と其の構造
   ハ 稚魚飼育池と其の構造
   ニ 成魚飼育池と其の構造
   ホ 越冬池

  第5節 蕃殖法
   イ 親魚の親魚の選択
   ロ 親魚の取扱い
   ハ 年齢の見別け方
   ニ 雌雄の見別け方と其の配合数
   ホ 産卵
   ヘ 雌鯉一尾の産卵数
   ト 孵化及び発育
   チ 採卵法
   リ 卵粒の取扱い方及び運搬法

  第6節 孵化法
   イ 孵化に関する注意
   ロ 孵化日誌

  第7節 孵化兒及び当才兒の取扱い方
   イ 孵化当初の稚魚
   ロ 孵化兒の餌料
   ハ 稚魚飼育法
   ニ 稲田利用稚魚飼育法
   ホ シヒソン式飼育法

  第8節 二歳兒の取扱い方
  第9節 三歳兒の取扱い方
  第10節 稲田養鯉法
  第11節 稲田利用二歳兒、当歳兒混養飼育法
  第12節 稲田養鯉と石灰及び薬品
  第13節 廃水面利用の養鯉法
  第14節 鯉の成長度
   イ 全国的標準
   ロ 東京府の実例
   ハ 福島県の実例

  第15節 面積と放養尾数及び体重
   イ 飼育池の場合
   ロ 稲田の場合

  第16節 餌料の分量
   イ 飼養池の場合
   ロ 稲田の場合

  第17節 稚魚購入上の注意
  第18節 餌料の種類と肥育
  第19節 疾病
   イ メムキ(突眼病)
   ロ ドロカブリ(泥蒙病)
   ハ メカリ
   ニ クチクサレ
   ホ ソブ

-----メモ-----
1939年=昭和14年
関連本 養魚系

2009年4月 6日 (月)

「ペットマガジン」 昭和43年5月号 蒼洋社 その2

飼育繁殖の実際
ギアナ・リーフ・フィッシュ ロバート・J・ウィンダム 4ページ
 カラー写真

  • 学名の Polycentrus schomburgki とはトゲが沢山あるという意。土民語ではカサラブ。
    6匹以上を一緒にしておいて、自然につがいにさせる。雄は体色が濃く、雌の腹ビレは短い。
    雄が他の魚を寄せ付けず、水草の近くを掘っているときは、産卵が近づいた証拠である。

    産卵が始まりそうになると、雄は殆ど真っ黒になり、雌は2ミリの長さの産卵管を出す。
    雌は底をくり抜いた植木鉢に逆さになって天井に黄色味がかった卵を産みつける。
    雄はヒレで卵をあおって、熱心に守る。そして雌が近づくことをゆるさない。

産卵の報告
アフィオセミオン・カリュラム
 ルドルフ・ヅカル 4ページ
 カラー写真と白黒写真
 Aphyosemion calliurum

パイボールド・ハイフィン・ソードテール ノートン博士

  • 赤いハイフィンソードテールから、体色が白で体側の片方に大きな黒点があり、背ビレに赤いスジがあって、体には赤い模様のあるハイフィンソードテールの雄が産まれた。
    これに、赤いハイフィンソードテールの雌をかけあわせると、2ヶ月後に、体色がだんだんと白くなる雌が少し出た。

    これらの雌にマダラソードテール(Piebald swordtail)の雄をかけあわせた。
    2代目に半数のマダラソードテールが出たが、生長すると1ヶ月後には赤色、黒色が消失し、全白になる。眼球は黒である。

ルーズリーフ式新種紹介
 レッドテール・キャットフィッシュ

  • 魅力的なこの魚の幼魚は最近アメリカの熱帯魚店でも見られるようになった。
    現地の漁師はこの魚の肉が暗色であるため決して食べようとはしない。この地方の原住民は白い肉しか食べないと言われている。 

スレンダー・ヘミオーダス
  Hemiodus gracilis

金魚あれやこれや 餌について 熊谷孝良 4ページ
 生きエサ
  1,グラスウワーム
   和名をアカケヨソイカという蚊の幼虫
  2,ウジ
  3,ミールウワーム
   和名チャイロコメゴミムシダマシという甲虫の幼体
  4,ショウジョウバエ
  5,マイクロウワーム

  • 先頃、九竜虫なるものが新聞や週刊誌で騒がれたことがあったが、これはパン屑でふえるし、繁殖力も旺盛であるから金魚のエサとして実に有望であると思う。

The Pike-Head Luciocephalus
 英文ですが、白黒写真掲載されていて、クロコダイル・フィッシュのことです。

スネール三態 ビル・スミス 4ページ
 グレート・ポンド・スネール Liminia stagnalis
 ラムション・スネール Planorbis scorneus
 ファウンテーン・ブラダー・スネール Physa fontinalis

中南米の胎生魚
 ブラキラフス・テラベンシス 2ページ M.R.ブリタン博士

  • コスタリカの西北からパナマの北西にかけて分布し、主として太平洋側の山間の小川に多く生息している。海抜1000mの高さにもいて、水温19~21度が適してい。(※過去の文献なので注意)

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