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2009年4月13日 (月)

「淡水魚の飼い方」 大村清友 昭和14年 大隣社

「淡水魚の飼い方」 大村清友 昭和14年5月20日 大隣社 B6判 P.318 定價 壱圓五拾銭

 正確な書名は「淡水魚の飼ひ方」です。この本は魚の飼育本ではなく、肉のかわりに、魚によるタンパク質供給目的の養殖本である。
 ただし、農家の副職として金魚の養殖も書かれている。

 少年少女が読む本ではないが、すべての漢字にフリガナをつけてあり、当時の識字率が芳しくなかったことを物語っている。

 紙質はわら半紙状で決して良くはないが、取れないカバーが本と一体となっている装丁が面白いし、表紙がデフォルメされた赤い金魚のイラストで、なかなか味がある。

 著者の大村清友氏の肩書きは鱒鮭奨励会長となっているが、カメ、スッポン、鮒などの養殖の本を数冊出している以外、調べてもよくわからない。

 この本は古書界ではあまり見かけない。

【構成】
 ※節表示はありません。旧字は一部読みやすくしてあります。
表紙


目次
 前編 養殖の話
  第1章 養殖とは何ぞや
  第2章 温水魚と冷水魚
  第3章 養殖の種類
  第4章 養殖の種類選定
  第5章 養殖の利益多い所以
  第6章 養殖池築造上の注意
  第7章 養殖器具

  第8章 魚巣
   第1節 種類
    イ 金魚藻
    ロ 柳の根
    ハ 棕梠の
   第2節 投入法
   第3節 魚卵の附着試験
    イ 第1回比較試験
    ロ 第2回比較試験
    ハ 魚卵の著卵状態図

  第9章 餌料
   第1節 天然餌料と人工餌料
    イ 天然餌料
    ロ 人工餌料
   第2節 ミヂンコの蕃殖法

  第10章 養殖の害敵及び予防法
   第1節 害獣
   第2節 害鳥
   第3節 害虫
   第4節 其の他の害敵

中編 養殖法
 第11章 鯉の飼い方
  第1節 形態習性
  第2節 種類
  第3節 在来種と独逸種との比較
  第4節 飼養池の種類と構造
   イ 産卵池と其の構造
   ロ 孵化池と其の構造
   ハ 稚魚飼育池と其の構造
   ニ 成魚飼育池と其の構造
   ホ 越冬池

  第5節 蕃殖法
   イ 親魚の親魚の選択
   ロ 親魚の取扱い
   ハ 年齢の見別け方
   ニ 雌雄の見別け方と其の配合数
   ホ 産卵
   ヘ 雌鯉一尾の産卵数
   ト 孵化及び発育
   チ 採卵法
   リ 卵粒の取扱い方及び運搬法

  第6節 孵化法
   イ 孵化に関する注意
   ロ 孵化日誌

  第7節 孵化兒及び当才兒の取扱い方
   イ 孵化当初の稚魚
   ロ 孵化兒の餌料
   ハ 稚魚飼育法
   ニ 稲田利用稚魚飼育法
   ホ シヒソン式飼育法

  第8節 二歳兒の取扱い方
  第9節 三歳兒の取扱い方
  第10節 稲田養鯉法
  第11節 稲田利用二歳兒、当歳兒混養飼育法
  第12節 稲田養鯉と石灰及び薬品
  第13節 廃水面利用の養鯉法
  第14節 鯉の成長度
   イ 全国的標準
   ロ 東京府の実例
   ハ 福島県の実例

  第15節 面積と放養尾数及び体重
   イ 飼育池の場合
   ロ 稲田の場合

  第16節 餌料の分量
   イ 飼養池の場合
   ロ 稲田の場合

  第17節 稚魚購入上の注意
  第18節 餌料の種類と肥育
  第19節 疾病
   イ メムキ(突眼病)
   ロ ドロカブリ(泥蒙病)
   ハ メカリ
   ニ クチクサレ
   ホ ソブ

-----メモ-----
1939年=昭和14年
関連本 養魚系

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