「淡水魚の飼い方」 大村清友 昭和14年 大隣社
「淡水魚の飼い方」 大村清友 昭和14年5月20日 大隣社 B6判 P.318 定價 壱圓五拾銭
正確な書名は「淡水魚の飼ひ方」です。この本は魚の飼育本ではなく、肉のかわりに、魚によるタンパク質供給目的の養殖本である。
ただし、農家の副職として金魚の養殖も書かれている。
少年少女が読む本ではないが、すべての漢字にフリガナをつけてあり、当時の識字率が芳しくなかったことを物語っている。
紙質はわら半紙状で決して良くはないが、取れないカバーが本と一体となっている装丁が面白いし、表紙がデフォルメされた赤い金魚のイラストで、なかなか味がある。
著者の大村清友氏の肩書きは鱒鮭奨励会長となっているが、カメ、スッポン、鮒などの養殖の本を数冊出している以外、調べてもよくわからない。
この本は古書界ではあまり見かけない。
【構成】
※節表示はありません。旧字は一部読みやすくしてあります。
表紙
扉
序
目次
前編 養殖の話
第1章 養殖とは何ぞや
第2章 温水魚と冷水魚
第3章 養殖の種類
第4章 養殖の種類選定
第5章 養殖の利益多い所以
第6章 養殖池築造上の注意
第7章 養殖器具
第8章 魚巣
第1節 種類
イ 金魚藻
ロ 柳の根
ハ 棕梠の
第2節 投入法
第3節 魚卵の附着試験
イ 第1回比較試験
ロ 第2回比較試験
ハ 魚卵の著卵状態図
第9章 餌料
第1節 天然餌料と人工餌料
イ 天然餌料
ロ 人工餌料
第2節 ミヂンコの蕃殖法
第10章 養殖の害敵及び予防法
第1節 害獣
第2節 害鳥
第3節 害虫
第4節 其の他の害敵
中編 養殖法
第11章 鯉の飼い方
第1節 形態習性
第2節 種類
第3節 在来種と独逸種との比較
第4節 飼養池の種類と構造
イ 産卵池と其の構造
ロ 孵化池と其の構造
ハ 稚魚飼育池と其の構造
ニ 成魚飼育池と其の構造
ホ 越冬池
第5節 蕃殖法
イ 親魚の親魚の選択
ロ 親魚の取扱い
ハ 年齢の見別け方
ニ 雌雄の見別け方と其の配合数
ホ 産卵
ヘ 雌鯉一尾の産卵数
ト 孵化及び発育
チ 採卵法
リ 卵粒の取扱い方及び運搬法
第6節 孵化法
イ 孵化に関する注意
ロ 孵化日誌
第7節 孵化兒及び当才兒の取扱い方
イ 孵化当初の稚魚
ロ 孵化兒の餌料
ハ 稚魚飼育法
ニ 稲田利用稚魚飼育法
ホ シヒソン式飼育法
第8節 二歳兒の取扱い方
第9節 三歳兒の取扱い方
第10節 稲田養鯉法
第11節 稲田利用二歳兒、当歳兒混養飼育法
第12節 稲田養鯉と石灰及び薬品
第13節 廃水面利用の養鯉法
第14節 鯉の成長度
イ 全国的標準
ロ 東京府の実例
ハ 福島県の実例
第15節 面積と放養尾数及び体重
イ 飼育池の場合
ロ 稲田の場合
第16節 餌料の分量
イ 飼養池の場合
ロ 稲田の場合
第17節 稚魚購入上の注意
第18節 餌料の種類と肥育
第19節 疾病
イ メムキ(突眼病)
ロ ドロカブリ(泥蒙病)
ハ メカリ
ニ クチクサレ
ホ ソブ
-----メモ-----
1939年=昭和14年
関連本 養魚系
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