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2009年2月

2009年2月26日 (木)

「長野県魚貝図鑑」 監修/中村一雄 信濃毎日新聞社 昭和55年 その3

※漁編つづき

 ウグイ

  •  ハヤ、ホンバラ、アカハラ、アカッパラ、ハイ、アカウオ、アカオなどの地方名がある。

 アブラハヤ

  • 千曲川上流の南佐久郡、奈川渡ダム湖で繁殖している。
    地方名はニガッパヤ、ドテッペ、ハヤ、アブラムロ、アブラモロ、アメムロ、アブラッパヤ、ドロバエ、ションベンバヤ、ムツウオとさまざま。

 オイカワ

  • 姫川にはいない。千曲川、犀川水系に生息し始めたのは1927年ごろから。
    地方名はリュウグウ、ネコマタギ、ジンケン、ハヤ、カゴ、アカズなど。

 カワムツ

  • 県内では木曽川の岐阜県境付近でまれに見られる。
    諏訪湖にいたことはあったが、今はいない。

 ニゴイ

  • 諏訪湖には1962年頃から見られなくなった。
    アラメゴイとも呼ばれる。

 カマツカ

  • 姫川を除くところに分布する。
    バカ、バカヅカ、スナムグリ、キス、ズコウと呼ぶところもある。 

 ヤリタナゴ

  • 仁科三湖、千曲川の中・下流域、天竜川の下流に生息するが、木曽川、姫川、犀川、諏訪湖、野尻湖には生息記録がない。
    タナゴ、ニガザとも呼ばれる。

 ゼニタナゴ

  • 昔千曲川に分布したらしいが確かではない、現在は諏訪湖と天竜川にだけ生息する。
    タナゴ、ニガブナ、ニガ、オカメ、ヒメダイとも呼ばれる。

 バラタナゴ

  • 諏訪湖と天竜川に生息した記録があるが、現在はタイリクバラタナゴに取って変わられたようである。
    千曲川では上田、小県地方や上高井地方にまれに生息する。
    タナゴ、ニガブナ、ニガ、オカメ、ヒメダイとも呼ばれる。

 タイリクバラタナゴ

  • 諏訪湖に多く生息するが、上田地方にも生息すると思われる。

 タビラ

  • 中信、北信の湖沼や小川にすみ木崎湖に多い。
    タナゴ、ニガブナ、ニガザとも呼ばれる。

 ホンモロコ

  • 諏訪湖と天竜川の上流域に生息。千曲川では確認されていない。
    諏訪湖には1935年に愛知県からヤナギモロコを移植したので、これと関係があるかも知れない。
    ヤナギモロコ、ヤナギモロ、イシモロコ、ムロ、モロなどととも呼ばれる。

 タモロコ

  • 諏訪湖、天竜川、千曲川の中・下流域に分布する。木崎湖にすむモロコもタモロコと思われる。
    モロコ、モロッコ、ムロ、モロ、スワモロコなどと呼ばれる。

 モツゴ

  • 広く分布。
    クチボソ、イシモロコ、イシモロ、ニガモロ、ウシモロ、モロ、クロフナとも呼ばれ、稚魚はハイと呼ばれることがある。

 ヒガイ

  • 1912年に琵琶湖から諏訪湖に移植された。
    天竜川、木崎湖、青木湖にも生息。千曲川では繁殖していない。野尻湖にはアブラヒガイが生息していた記録がある。
    ツラナガとも呼ばれる。

 ゼゼラ

  • まれに千曲川、宮川で発見されるが、繁殖はしていない。

 ソウギョ

  • 1941~1945年に諏訪湖へ移植したが、繁殖はしていない。

 ハクレン

  • 1943年に諏訪湖へ放流した。

 ドジョウ

  • 姫川では生息の記録はあるが確認されない。
    千曲川には全長12~18cmのドジョウが見られ、ネンキドジョウの呼び名がある。ヌマドジョウ、オオドジョウの呼び名もある。

 シマドジョウ

  • 姫川では生息の記録はあるが現在見られない。木曽川にはいない。
    ゴマドジョウ、カワドジョウ、ツルマキドジョウ、ヤナギドジョウとも呼ばれる。

 ホトケドジョウ

  • 千曲川筋の佐久、小県地方に生息するという話をきく。犀川、姫川、木崎湖は記録があるだけ、木曽川、天竜川は記録もなく全く生息しない。
    オカメドジョウとも呼ばれる。

 アジメドジョウ

  • 木曽川の上流だけに生息。

 アカザ

  • 木曽川、姫川では姿が見えず、天竜川、犀川では生息すると云われながら確認されていない。
    サスリ、サソリと呼んでいる。

 ナマズ

  • 野尻湖では記録があるだけ。木曽川と姫川には生息の記録もない。

 メダカ

  • 佐久、木曽川を除いて生息。

 グッピー

  • 上山田、諏訪湖岸などの温泉地で野生化している。
    昔はセイヨウメダカ、ニジメダカとも呼ばれたこともある。

 カダヤシ

  • 1971年松本市へ九州から2000尾入った。

 カムルチー

  • 善光寺平、千曲川下流に分布。諏訪湖では1960年に生息が記録されたが、現在では見られない。

 カジカ

  • 上流の限られた地域に生息。

 オオクチバス

  • 諏訪湖では増殖していない。

 ティラピア・モザンビカ

  • 1954年7月、100尾を移入して淡水研・上田支所の養魚池と上田市塩田のため池で飼育した。
    小県郡青木村の沓掛温泉池で今も繁殖している。

 ティラピア・ニロチカ

  • 下高井郡山ノ内町や北佐久郡軽井沢町などの温泉地で飼育されている。

 ヨシノボリ

  • いたるところに生息。
    チャロキン、チャーロンキー、カジカ、ヨナカジカ、ヒョウナカジカ、チリンコ、ザッコ、イサザ、トンコハゼ、ヨナなどと呼ばれる。

 ビリンゴ

  • 諏訪湖だけにすむ。ここのビリンゴは最近の分類によるとジュズカケハゼであるという。
    トンコ、トンコハゼ、ヨナとも呼ばれる。

 チョウセンブナ

  • 北信の上水郡牟礼村で発見されたが、繁殖していない。

-----メモ-----
1912年=明治45年
1927年=昭和 2年
1935年=昭和10年
1962年=昭和37年
1971年=昭和46年

2009年2月24日 (火)

「長野県魚貝図鑑」 監修/中村一雄 信濃毎日新聞社 昭和55年 その2

※ここから内容紹介
はじめに

 ・・・長野県に生息する魚貝、エビ・カニ類の図鑑は今回が初めてのことで、意義深いものがあります。
・・・海魚に恵まれない人々にとって古くから大切な食料、タンパク質の給源になっていました。

 ・・・長野県には外国からの輸入魚も含めて18科40種余りといわれています。ここにはそれらの大部分と、観賞用に県内で養殖しているニシキゴイ、キンギョの主な品種を収めました。

 また、淡水産の貝類は県内の8科19種、陸産貝類は県内に見られるおもなもの16科31種を取り上げました。エビ・カニ類は魚貝類ではありませんが同じように漁獲対象になるものがあるので、県内の6科7種を併せて収めました。

水生動物の生体写真は、ほとんど全種が動物写真家の行田哲夫氏の年余にわたる大変な努力によるものです。・・・陸産貝類の写真は全部飯島国昭氏が撮影しました。

一方、記述については魚類が上原武則、青沼賢三、富永正雄の三氏、淡水産貝類は倉沢秀夫、名取昇一氏、陸産貝類は飯島国昭氏、エビ・カニ類は秋田正人氏がそれぞれ執筆しました。・・・・

    1980年  中村一雄

体の部分のなまえ
 イラストで説明

用語解説
 魚編
 貝編
 エビ・カニ編

魚編

  • ※ここから各魚種をカラーで解説。長野県に関するところを紹介しておきます。
  • スナヤツメ
    犀川、天竜川の一部、佐久地方の千曲川などに生息する。
    上田、小県地方ではこの魚をむし焼きにしたものを粉末にして、子供のかんの虫の良薬として用いたという。
    地方名としてはヤツメウナギ、カワヤツメ、ギナ、ギナメ、ギナンボ
  • ウナギ
    県内全域
    信州では、秋の台風にともない大水に乗って大型のウナギが多数降下することが、やな漁によって知られている。
  • イワナ
    県内には、体側の斑点が淡黄色のものと、朱紅色のものが分布する。最近まで淡黄色のものをニッコウイワナ、朱紅色のものをヤマトイワナと呼んで2種に分けていたが、今では同一種の中の型違いということにしている。
  • アマゴ
    地方名が多く、諏訪湖ではアメ、伊那谷でアメノウオまたはアメウオあるいはアメノイ、木曽谷ではアメノウオまたはタナビラと呼ぶ。
  • ヤマメ
    千曲川水系の上流や支流、姫川に分布する。
    中信地方ではタナビラ、アメノウオ、アメウオ、アメオ、さらに稚魚をエンドッコなどと呼んでいる。
  • サケ
    下水内郡栄村付近に、年によって2~3尾が来る程度。
  • ヒメマス
    県内に初めて移植されたのは1911年と古く、まず野尻湖と仁科三湖へ、その後明神池、大正池、さらにダム湖にまで移植されたが、繁殖しなかったらしい。現在は青木湖にだけ毎年10万粒移植されている。
  • ニジマス
    1926年に県内の河川に放流された。
    穂高町、明科町付近と県水産指導所は、全国的にニジマス養殖のメッカ。
  • カワマス
    1925年以降、県下の農林省水産試験場木崎分場、県水産指導所、仁科三湖、明神池などに移植された。上高地の大正池から明神池一帯にかなりの密度で繁殖しており、少数ながら菅平にもいるという。菅平ではアメリカイワナという。
  • ブラウントラウト
    カワマス卵とともに入り、明神池、仁科三湖へ移植された。
    現在、田代池から大正池へかけて、種族を保っている。
  • コレゴヌス(コクチマス科)
    現在飼育されているのはコレゴヌス・ペレッドという種類で、わが国では県水産指導所佐久支所が初めてチェコスロバキアから導入した新種である。
  • アユ
    県内全域
  • ワカサギ
    1915年に霞ヶ浦から諏訪湖へ移植。
  • コイ
    1764~1771年間に淀川から松代に、1789~1800年間には佐久に移入。これが松代の浅黄色をしたアサギゴイと佐久ゴイの始まり。
  • キンブナ
    諏訪湖に生息する。
  • ギンブナ
    県内全域
  • ナガブナ
    諏訪湖の沖合の底層にすむ。やや赤褐色を帯び、アカブナとも呼ぶ。
  • ゲンゴロウブナ
    県内に広く分布。
  • キンギョ
    上田市、飯田市周辺に養殖業者がいる。

-----メモ-----
1911年=明治44年
1915年=大正4年
1926年=大正15年=昭和元年

2009年2月23日 (月)

「長野県魚貝図鑑」 監修/中村一雄 信濃毎日新聞社 昭和55年

「長野県魚貝図鑑」 監修/中村一雄 信濃毎日新聞社 昭和55年7月1日 B6版函付 P.284 定価2,000円

 この本は長野県に生息する淡水魚、淡水産貝類、陸産貝類、エビ、カニ類をカラーで紹介しており、監修者の中村一雄氏は元信州大学の教授です。

 この本は図鑑として楽しめるほか、後半部では県内河川や湖沼の解説、さらに生息する魚種や放流状況が詳しく書かれていて非常に良い本です。

 昭和50年に淡水魚保護協会から機関誌「淡水魚」が発刊されたのを契機に、昭和60年代にかけて、各地域で多くの淡水魚の本が出版され、この本もその内の一冊です。

 当時はこの手の本の装丁としてB6版、函付、ビニールの表紙、そして出版社が新聞社関連という本が多いような気がします。

 因みに「魚貝」と謳った淡水魚本は、この他に「徳島県魚貝図鑑」があります。

【目次】
はじめに
体の部分のなまえ・用語解説

魚編
貝編
 淡水産貝類
 陸産貝類
エビ・カニ類

観察のてびき
 1,悪化する生息環境
 2,河川の魚
 3,湖沼の魚
 4,養殖魚
 5,淡水産貝
 6,陸産貝
 7,エビ・カニ類
 8,採集、飼育、標本の作り方

県内の試験研究機関
さくいん

-----メモ-----
1980年=昭和55年
関連本 地域系

2009年2月17日 (火)

「観賞魚の友」 昭和42年10月号 通巻7号 その4

熱帯魚名鑑(3) 太田邦雄 6ページ

  •  各種の分類、特徴、飼育法、繁殖法、値段が丁寧に書かれている。
    今回はブラック・テトラ(60~120円)、シーザース・テール(100~200円)、コリドラス・パレアタス(100~500円)、ライア・テール(500~1000円)、プラティ(80~500円、種類毎に表示)、ホワイト・クラウド・マウンテン・フィッシュ(60円前後)、ポストフィッシュ(120~1000円)、サンタ・マリア(100~160円)

錦鯉の観賞 水沢六郎 2ページ
 愛好的な立場より観賞する
  1,本人の趣味に適した錦鯉であること
  2,多種にわたった方がよい
  3,信用有る業者から求めること
  4,池や水槽に適合した錦鯉を飼育する
  5,性格のいい鯉であること

 品評会的意味に於ける観賞
  1,泳ぎ体型を含んだ姿勢の良いことが最も重要視される
  2,色彩はすべて濃く鮮明なもの
  3,斑紋は各品種独特の斑紋を有すること

 品評会の体長による区分
  1部 18cm以下
  2部 36cm以下
  3部 48cm以下
  4部 48cmを越えるもの

 審査の基準
  体姿 50点
  色彩 30点
  斑紋 20点

東錦飼育愛好家への手引き(5) 中村信夫 5ページ
 10月の管理
 病気について

鯉の病気と手当 後藤勉 2ページ
 病気と手当
 白点病
 立鱗病
 白雲病
 イカリ虫病

金魚の基礎知識と飼育(4) 梶純夫 5ページ
 (2)水の換え方
   (a)水換えをしなければならない条件
   (b)水換えの方法

 (3)各種の器具を用いての水槽飼育

以上でこの雑誌の紹介は終わりです。

2009年2月16日 (月)

「観賞魚の友」 昭和42年10月号 通巻7号 その3

グッピーブーム 牧野信司 6ページ
 グッピー改良の歩み

  •  昭和の初めグビーとかガッピーと呼ばれ飼育されていたものは原種そのものであった。
    これがドイツで淘汰改良され次第に変化に富んだものができ始めてきた。この頃になるとアメリカでも多くの愛好家が手をのばし努力し始めた。

    戦後、再び原種のグッピーから出直し始めたのである。これが昭和25年頃である。

    最近は改良のピッチが上がったが、それでも尾びれから始められた。フラグテールと云う例の幅が狭く長く延びるタイプである。

 ミニよりロング

  • 尾びれがロングになった元は、十年近く前にアメリカで改良されたベールテール・グッピーに始まる。

 レッドかコバルトか
 しもふりにまだら
 体色の移り変わり

  • タキシードの下半身が濃いブルーに彩られたり、レースの模様が金色に輝いたり、タイガー模様なども現れて更に見栄えがするようになってきた。

 忘れられている背びれ
 グッピーの今後の改良点
  (1)大型化できぬか
  (2)雌の観賞価値を上げる

私のグッピー・改良の体験 田中淑元 3ページ

  • 7年ほど前からグッピーとのつきあいが始まった。
    2年ほど前に大柄な尾ひれの広がった雌を発見し、弱ったオスとのペアを買い求めたが、オスは次の日に死んでしまった。

    この雌に自分の所のデルタグッピーを交配させところ、雌雄共に尾ひれが広がり、大柄な見事なグッピーに成長し、買い求めた雌以上になった。
    飼育は頻繁な水替えと豊富な送気に気を配り、水温は27,8度が最適なようです。

    現在、一年ほど前の種親の中から産まれ仔に、尾ひれがデルタグッピーの雄と同じ様に逆三角形で4cm以上もある雌の成魚になっている。

優勝グッピー作出まで 浜井利夫 3ページ

  • いいグッピーを作出しようと思えば、ワイルドタイプのグッピーを元親としては最低2年はかかる。

    私は今から4年前グッピーを始めた。ある小売店から数万円のグッピーを2ペア購入した。1ペアはデルタテール、1ペアはヴェールテールでした。

    現在飼っているのはモザイク・タキシードとモザイクデルタであるが、近親結婚による奇形や色彩が不鮮明になり、尾が切れやすくなる。それゆえ10代目から12代目ぐらいになるとこの2種を交配することにしている。

    確かにこのやり方は雑種から改良したものなのであるから、一つ間違えば惨めな姿になるが、根気と忍耐で選別を厳密に実行していく。

    白黒写真で氏作出のモザイクデルタ、モザイクタキシード掲載。

「観賞魚の友」 昭和42年10月号 通巻7号 その2

表紙

  • 田中淑元氏のベールテールとデルタテールの交配種で雌の尾びれが雄と同じ位大きい。提供は江戸川熱帯魚研究所となっている。

観賞魚の友銘魚ギャラリー カラー写真
 レース・ベールテール・グッピー
 レース・グッピー
 デルタ・グッピー
   以上 撮影場所:新宿エンゼル

 新しく作出されたグッピー
  表紙とは別の個体で、やはり田中淑元氏の作出魚。
  撮影場所:江戸川熱帯魚

 錦鯉の群栄

フォートトピックス 白黒写真
 神戸愛魚クラブ 第4回アマチュアグッピーコンテスト
  ファンテールの部 第1位 登恵銀
              第2位 筒井竜彦
              第3位 森本稔仔

  タキシードの部 第1位 木谷清
            第2位 岡本忠彦
            第3位 前園多美子

  カラースタイルの部 第1位 森田敏夫
               第2位 揚均溢
               第3位 斉蔵高士

  審査委員 元堺水族館館長 鷹司信敬
         元尼崎水族館館長 井上喜平冶
         愛魚クラブ会長 麻生勇

雌グッピーをめぐる問題点 和泉克雄 7ページ
 1,どんな花嫁をえらべばよいか
  盲目型、寛容型、欺瞞型

 2,グリーン・タキシードの場合

  • この品種のグッピーは今から3年ほど前にドイツからきたのが日本に現れた最初といわれている。

    メスの特徴 頭から胸のあたりまでが灰色で、背びれの基部から尾びれの基部までが青黒く、尾びれは先広がりの直線となっていて、上下がやや青く、中央部はほとんど透明で、斑点や紋様がみられるものはまったくない。

    オスは頭がややピンク色で、背びれは黄色に青の入った長いスカーフ状で、尾びれは青く濃いグリーンの線と斑点がある。

 3,グッピーにおける限性遺伝

  • オスのはなやかな色彩はオスのみに限られる。このオスのみに現れる形質は限性遺伝といわれる。

    この限性遺伝についての拙著<グッピーへの招待>のなかの<グッピーの遺伝と法則>の説明を渡辺光正という人が<熱帯魚新聞>819号で、でたらめだと言っている。

 4,メス・グッピーにおける<男装>は劣性のきざしである
 5,他の卵胎生魚との違い
 6,超グラマーのメス・グッピーは奇形である

  • 超グラマーのメスを意識的に飼育する方法は<高温飼育>である。砂も水草も用いないで、30度の水温で餌を豊富に与え、広い場所に群居させると、高温による食欲増進と、本能的な生存競争でたちまち大きくなる。早く成熟する。

    高温飼育の弊害は1年ぐらいしかしか生きられない。また、えらの炎症、慢性下痢、胃、肝臓の障害を招きやすいし、体表面がひどく荒れている場合が多い。

    私の養殖場では、理想とされるグッピーの体重は2.5g、体調6cmをもって限度とした。

 7,メス・グッピーにおける潜在形質

  • 最も重要なことは正常な体型であること、尾びれが異常に大きくならないこと、尾びれにピンク、乳白色、薄黒、濃い青、薄むらさきの色のないこと、丸い輪、或いは黒点型の斑がないこと、体表面が荒れてないこと、目に輝きがあること、出来る限り若い魚であること、生後2ヶ月で3cm、生後3ヶ月で4cm、生後5ヶ月で5cmぐらいの魚を目標にすること、これらが最も安全なメス・グッピーの選び方となるだろう。

2009年2月12日 (木)

「観賞魚の友」 昭和42年10月号 第1巻7号 通巻7号 観魚タイムス社

「観賞魚の友」昭和42年10月号 通巻7号(第1巻7号) 昭和42年10月1日 観魚タイムス社 B5版 P.138 定価200円

 時代はグッピー全盛期で、本号も特集にグッピーが組まれていて、全体の概ね1/3を占めています。

【目次】 ※丸数字は機種依存のため括弧で表示
特集 グッピー銘魚作出の秘訣
 雌グッピーをめぐる問題点 和泉克雄
 優勝グッピー作出まで 浜井利夫
 グッピーブーム 牧野信司

熱帯魚日記
熱帯魚名鑑(3) 太田邦雄
東錦飼育愛好家への手引き(5) 中村信夫
金魚の基礎知識と飼育(4) 梶純夫

新連載 海水魚シリーズ 杉浦宏
錦鯉の観賞 水沢六郎

訪問記
 やあ!こんにちは
 幼稚園訪問

魚の化石 上野輝弥
図解シリーズ(2) マンガで楽しむ魚の飼い方 花房進
飼育体験記 ネオンテトラの繁殖 藤沼信公
私の提言 小幡利雄
シーラカンスの話 川本信之

観賞魚輸出入の現況
みんな電気に強くなろう(6) 兼信至

読者喫茶室
ニューフェイス紹介
業界ニュース
観賞魚センター
業者案内
友の会ニュース

カラーグラフ
フォートトピックス
 神戸愛魚クラブ グッピーコンテスト
 幼稚園訪問
 やあこんにちは

-----メモ-----
1967年=昭和42年
関連本

2009年2月 3日 (火)

「吾輩はらんちゅうである」 大郷房次郎 昭和46年 緑書房 その2

口絵 白黒写真

  • 石川翁と大郷氏の写真
    観魚会の昭和10~14年の大関、立行司(1尾)が1ページに2尾、合計8尾
    観魚会の番付表 第43~50回の親魚と当才(全部ではない)
    大郷氏の家族他

 大郷君が観魚会の番付にのったのは、昭和2年第43回品評大会で、愛魚”天晴(あっぱれ)"が立行司をとったのが最初である。・・・・・

丁度自宅が、宗家の近くにあったので、暇を見つけては訪れ、先代の石川亀吉翁に教えを受け、可愛がられてもいた。・・・・・

本書の中に出てくる先生というのが、この石川亀吉翁であり、悪友のYは当時高速度写真で鳴らした築地の山崎君、Nは私のことである。

・・・・・それまで一般に出廻っていた金魚の飼育書といえば、明治18年に出された「金魚愛玩経験録」(常盤木秀慶著)と前田閑亭の著書ぐらいしかなかったので、非常に皆さんから喜ばれ、手伝った私達も得意だった。

・・・・・
当時のこと見知っている人もすっかり少なくなった今日、本書がこの様な立派な本となって生まれ変わることは私にとっても大変な喜びである。大郷君もきっと喜んでくれるだろう。・・・・・・

     昭和46年10月3日 山崎節堂

著者序

かつて夏目漱石先生が「吾輩は猫である」と題して、・・・・・
・・・・・蘭鋳を造り上げんと努力しつつ有る事は、立派な芸術であらねばならぬ。斯る道程に有る我々が、蘭鋳の真理を聞く事は最も興味ある問題である。

然らば蘭鋳は我々人間共に向かって何を要求しているか、何を教えるか、どんな風刺的言辞を弄するか、・・・・・初心者、老巧者を問わず参考の一助ともなれば、蘭鋳の分際で生意気な!!等とお叱りを受ける事も無く済むであろう。

(著者しるす)

-----メモ-----

  • 金魚秘訣録 (1958年) 山崎 節堂 (著), 安達 喜之 (著)
    山崎節堂
      老舗鰹節問屋「中弥」(にんべん、八木長、近甚等)を継がず書道家になった。
      (以上「鰹節屋の昔話」より引用)

2009年2月 2日 (月)

「吾輩はらんちゅうである」 大郷房次郎 昭和46年 緑書房

「吾輩はらんちゅうである」 大郷房次郎 昭和46年11月1日 緑書房 B5版 P.116 1200円 副題 「らんちゅう飼育の原点」

 表紙の書名は「らんちゅう」の文字は漢字であり、金(魚寿)で魚編に寿の文字であるが、背表紙、扉と奥付は「らんちゅう」となっている。

 本書は昭和10年に出された(自費出版:新大郷組事務所?)著者の本を緑書房が復刻した本で、緑書房はさらに昭和60年に再編と構成を見直し「蘭鋳秘伝」 石川亀吉/大郷房次郎共著 として出版している。

 因みに本書の背表紙には石川亀吉氏の名も書かれていますが、奥付には書かれていません。

 内容はさすがに「吾輩・・・」だけあって、擬人化した「らんちゅう」が飼育法を解くようになっている。

【構成】

口絵

目次
 序文
 著者序
 産卵の知識
 仔魚の管理
 池の条件
 初めの水替え
 選別(ハネ出しとえら病)
 水替えの知識
 かびの発生
 ボケること
 黒つ仔と見方
 色変り
 色変りと錆
 夏の管理(水温と害敵)
 夏の管理(尾焼きとイトミミズの欠点)
 肥大作の欠点
 伸びと変化
 害虫の駆除法
 餌の知識と保存法
 風と落葉と病気
 らんちゅう六十八の欠点
 優魚┼五の条件
 病気と手当ての仕方
 追い星と秋の注意
 ギャングの出没
 品評会

「附」 らんちゅう飼育法 石川亀吉
奥付

-----メモ-----
1935年=昭和10年
1971年=昭和46年
1985年=昭和60年
関連本

2009年2月 1日 (日)

「熱帯魚の飼い方」 牧野信司 昭和33年 愛隆堂 その5

 

卵生目高科 16種
  The EGG-LAYING TOOTH-CARPS
   ブルーフィン

  The Genus Rivulus
   リビュルス・ウロフサルムス

  The Fundulopanchax

  • アフィオセミオン・バイビテータム、Aphy・スプレンドプレリウス、ブルー・グラス、イエロー・グラリス、Aphy・シューズテッドアイ、ライアテール、Aphy・カリヨウルム、Aphy・ガードネライ、ノトブランキゥス・ラコヴィアイ、アルゼンチン・パール・フィッシュ

  The Panchax Group

  • パンチャックス・チャッペリィ、アプロカイレス・パンチャックス、Aplo・リニアタス、フラグ・フィッシュ
 

鯉科 38種
  The Carps or Minnows

  • ゼブラ・ダニオ、スポッテッド・ダニオ、パール・ダニオ、ジャイアント・ダニオ

  The Rasboras

  • ラスボラ・ヘテロモルファ、Ras・パウシィパホレイタ、シーザース・テール、Ras・エイントホウヴェニイ、Ras・エレガンス、Ras・ドオスィオセレィタ、Ras・マキュレイタ、エソッムス・マレエンシス、エソッムス・ダンリカス

  The Barbs

  • スマトラ、ブラック・ルビー、スマトラ・シルバー、ドワーフ・バルブ、バルブス・ティクト、バルブス・テリオ、バルブス・セミファシオレイタス、ゴールデン・バルブ、バルブス・オリゴレピス、バルブス・ヘクサゾーナ、ロージィー・バルブ

    バルブス・コーラ(chola)、バルブス・ビノティタス、バルブス・ビタティウス、バルブス・ドーンケリー(doonckeri)、バルブス・カミングゥイ、クラウン・バルブ、T・フィッシュ、バルブス・ファシアタス

    ブラック・シャーク、レッドテール・ブラック・シャーク、オステオカイラス・ヴィタテウス、バルブス・ゲリュウス、ホワイト・クラウド・マウンテン・フィッシュ、チェリー・バルブ
 

アナバンティド科 14種

  • パラダイス・フィッシュ、ホワイト・パラダイス、ベタ、ブルー・グーラミィ、パール・グーラミィ、オスフロネームス・グーラミィ、チョコレート・グーラミィ

    スネークスキン・グーラミィ、ドワーフ・グーラミィ、スィクリップド・グーラミィ、ストリイプド・グーラミィ、クロッキング・グーラミィ、キッシング・グーラミィ、クライミング・パーチ
 

シクリッド科 34種

  • ブルー・アカラ、グリーン・アカラ、キーホール・フィッシュ、エキデンス・テトラミィルス、エキデンス・カーヴィセプス、ブラック・バンデッド、シクラソマ・カッテライ、チャンティト、チョコレート・シクリッド、テキサス・シクリッド

    ジォフェイガス・ジュルパリ、ジォフェイガス・ブラジリィエンシス、ペルマトクロミス・クリベンシス、ペルマトクロミス・アンネクテンス、ペルマトクロミス・ギンテライ(1933年に紹介された)、エジプシャン・マウスブリーダー、ラージ・マウスブリーダー、ティラピア・モザンビィカ、ティラピア・スパーマニィ

    ファイヤーマウス、ジュウェル・フィッシュ、ジャック・デンプシィ、オレンジ・クロマイド、パイク・シクリッド、アピストグラマ・ラミレズァイ、Ap・アガシィズィ、Ap・ペルテンシィ、Ap・U2、チェッカーボード・シクリッド、アストロノータス・オセレイタス、シクラソマ・フェスチバム、シクラソマ・セヴェラム、エンゼル・フィッシュ、ディスカス

 その他の科 50種
  パントドン科
   バタフライ・フィッシュ

  ナンディド科

  • ポリセントラス・ションバックァイ、ポリセントラス・アヴェヴェイタ、リーフ・フィッシュ、バジス・バジス

  どじょう科
   クーリー・ローチ、クラウン・ローチ

  とうごろいわし科
   クイーンスランド・レインボウ、オーストラリア・レインボウ

  セントラルキィディ科

  • ピグミー・サンフィッシュ、ブラック・バンデット・サンフィッシュ、オレンジ・スポッテッド・サンフィッシュ、ブルー・スポッテッド・サンフィッシュ

  カリクティド科

  • コリドラス・パレアタス、Cory・アガシーアィ、Cory・アークアタス、Cory・ラボァティ、Cory・メラニスティウス、Cory・プンクティタス、レオパード・Cory、Cory・エーニウス、Cory・ナッターアィ、Cory・エレガンス、Cory・ハスティタス、アーマード・キャットフィッシュ

  ロリカリ科
   プレコストマス、ロリカリア、ファローエラ、オトシンクラス

  シルリディ科
   グラス・キャット・フィッシュ

  マラプテル科
   電気ナマズ

  ドラィディ科
   トーキング・キャット・フィッシュ

  モコーキィ科
   アップサイド・ダウン・キャット・フィッシュ

  ビゥノセファリィ科

  • バンジョー・キャット・フィッシュ
    繁殖はメッタにしませんが、カリフォルニアのミスターA.Bデビスという人が成功し、それによると卵を砂中に埋めるそうで、水質はPH7.4のアルカリ質が良いとのこと。

  ピメロディ科
   ミクログライニス・パラヒディ

  レピドシレン科
   プロトプテルス

  アナバシィス科
   グラス・フィッシュ、アンバシス・ボロエンシス

  トクソティ科
   アーチャー・フィッシュ

  テトラオドン科
   ブロウ・フィッシュ

  モノダクティリィ科
   モノダクティラス・アーゼンティウス

  スキャットファグ科
   スキャットファーガス、シルバー・スキャット

  ゴビィ科
   バンブル・ビー・フィッシュ、ブラキィゴビウス・ドオリィー

  エリィオトリィ科

  • ドルミィタトル・マキュレイタス、マーブリィド・ゴビィ、モォグルンダ・モォグルンダ

  ポマセントリ科
   クラウン・フィッシュ

  More about Mormryids
   エレファント・ノーズ・フィッシュ

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 書籍には珍しくショップの広告が出ています。
  川原小鳥園芸株式会社
  渋谷熱帯魚店
  京王園熱帯魚研究所 杉山弘

以上でこの本の紹介は終わりです。

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