「金魚 観賞と飼い方」 石川貞二 昭和32年 その2
カバー
紅白のリュウキンと黒デメキンの油絵
扉
上見のランチュウ
口絵 ※カラーイラスト
アズマニシキ、オオサカランチュウ、テツオナガ
シュウキン、ランチュウ、シュブンキン、リュウキン
クロデメキン、ジキン、ヒブナ、チョウテンガン
サンシキデメキン、トサキン、オランダシシガシラ、ワキン
序
- 日本人で金魚を知らない人はいない筈です。・・・・・一般の日本人は案外無関心のようです。金魚は夏の間の子供のおもちゃぐらいにしか考えていません。
この本は、特にこの点に想いをいたして記述しました。・・・・・
最近、とみに熱帯魚の飼育が盛んになってきました。・・・・・やはり、日本人の趣味に合うように永年かかって作り出された金魚には、われわれの生活や、風土にぴったり適合した幾多の美点があります。・・・・・
本書の記述に携わった三人は、熱帯魚に関している者ですが、このような意味からも金魚の本を執筆しました。・・・・・
石川貞二
多紀保彦
渡辺哲夫
本文
第1章 金魚の歴史
第1節 金魚の祖先
- 松井佳一博士は、金魚と鮒と鯉をそれぞれ交配して、その類縁関係を調べた。
金魚と鮒では遺伝学の法則に従って正常な雑種を作り、雑種第一代目では尾鰭、臀鰭などが優性のである鮒型を示し、第二代目ではメンデルの法則の通りに分離する。
金魚と鯉とでは、雑種を作るには作りますが、その形態は両者の中間形になり、雄が不胎となって第二代目が出来ない。
このことは、生物学的に見て、金魚が鯉よりも鮒にずっと近く、非常に密接であることを物語っている。
牧野左二郎氏の研究によれば細胞核中の染色体の数は、鯉では104個であるが、金魚と鮒は共に94個である。
石川誠、操担道両氏は血清学的に三者の類縁関係を研究し、金魚と鮒が非常に近いと示している。
第2節 金魚の由来
- 晉(期限265~419年)の張華撰博物誌、明(紀元1368~1644年)の本草綱目等から南中国の逝江・江西省方面に1500年前に金魚が存在していた。
渡来は金魚養玩草、大和本草、和漢三才図絵等から、大体400年前、足利末期から江戸初期にかけて、中国からもたらされたものとされている。
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