「金魚 観賞と飼い方」 石川貞二 昭和32年 その7
第7章 金魚の飼育法
第1節 飼育についての注意
狭い容器に魚を魚を入れすぎないこと
餌を与えすぎないこと
室内で飼育をつづけないこと
あまり水換えを行わないこと
容器はあまりきれいに洗わないこと
第2節 容器
小形容器
大型容器
池の場所
池の大きさ
池の形
排水口
池を作る材料
あく抜き
第3節 水質
塩素の中和について化学式よりハイポの必要量を計算
第4節 水中の酸素
水温と酸素量の関係表
0度 10.24cc/L
5 8.98
10 7.97
15 7.15
20 6.50
25 5.96
30 5.48
- 金魚は水中の酸素量が1リットル中に0.5cc内外になると不安状態になり、0.3ccぐらいになると死亡する。
第5節 水温
適水温は15~26度
第6節 水換と注水
水換えは水質の変化に対して行わなければならない。
第7節 冬囲
- 零下2,3度に下がる地方や、積雪の多い場所では必要になる。
金魚は水温が5,6度以下になると、冬眠状態になって水底に沈んで動かなくなり、零下1,2度になると死んでしまう。
冬囲は水温3,4度以下が続く期間中必要で、大体12月から3月頃まで。
冬囲を解くのは水温が大体12,3度以上になったときで、急に覆いを全部取らないで、毎日少しづつとる。
第8節 餌料
動物性餌料
A,ミジンコ
- 水温8度以上で繁殖を初め、24,5度の時、最も良く殖える。
1週間で雌親となって、5,60個の夏卵を3,4日連続で産む。親の寿命は60日~80日もある。
1匹の仔虫が10日で成熟するとして、卵を3日毎に15個生むとすると5,6月の60日間に1匹の親から生ずる仔虫は、12億9037万75匹になる。
B,イトミミズ
C,アカボウフラ 別名 赤ムシ
D,ボウフラ
E,ミミズ
F,魚肉
G,貝類
H,その他
蚕蛹、牛肝臓、アミ、小蝦、魚粉
植物性餌料
小麦粉、大麦、米糠、麺類、ふすま、麩、大豆粕など
人工混合餌料
- 動物性と植物性とを7対3か、または8対2の割合で混合する。幼魚の場合は動物性が多い方がいい。
第9節 餌料と栄養価値
飢餓 元の体重の1/2になると死ぬのが普通
蛋白質の欠乏
脂肪の欠乏
炭水化物の欠乏
無機質の欠乏
ビタミンの欠乏
第10節 餌の与え方
- 水温10度以上になると餌を食べ初め、30度ぐらいが最も食欲が盛ん。28度の時投餌量を最大にする。雨の時は与えない。
第11節 飼養尾数
1m2に対し大体
2cm 60尾
3 50
4 35
5 15(※25の誤植か)
6 25(※15の誤植か)
7 8
8 6
9 5
10 2
第12節 人工調色法
- 「ジキン」の調色法は、魚体に黒味がかかってきたら朝日以外には太陽光線に当てないで、日中は覆いをする。
体色に黄色の斑が出てきたとき、朝早く内部の白い容器に入れて調色を行う。
初めに眼と眼の間の頭の皮膚を爪先か竹べらを用いて剥がし取り、つぎに、背鰭の左右を鰓蓋の部分まで鱗を剥がし、背鰭の付け根の鱗一列を残して、背中の鱗を尾の付け根まで剥ぎ、側線の部まで剥がす。
薬品で行うものは、魚体を乾いた脱脂綿で拭き、筆の先に薬品をつけて前と同様に塗ってやる。
薬品は弱酸を用いるのが安全で、50%の氷醋酸、10%サルチール酸、5%石炭酸の水溶液が普通使われる。
調色を行った魚体は、蓋を覆って日光を避け、水温20度ぐらいに保つ。30分ぐらいたったら元の飼育池に移し、日覆で内部を暗くしておき、1週間ぐらい後に水を換える。水換え後も日光の直射を少なくし、10日後水を換える。
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