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2008年12月27日 (土)

「金魚 観賞と飼い方」 石川貞二 昭和32年 その7

第7章 金魚の飼育法
 第1節 飼育についての注意
  狭い容器に魚を魚を入れすぎないこと
  餌を与えすぎないこと
  室内で飼育をつづけないこと
  あまり水換えを行わないこと
  容器はあまりきれいに洗わないこと

 第2節 容器
  小形容器
  大型容器
   池の場所
   池の大きさ
   池の形
   排水口
   池を作る材料
   あく抜き

 第3節 水質
  塩素の中和について化学式よりハイポの必要量を計算

 第4節 水中の酸素
  水温と酸素量の関係表
    0度 10.24cc/L
    5    8.98
   10   7.97
   15   7.15
   20   6.50
   25   5.96
   30   5.48

  • 金魚は水中の酸素量が1リットル中に0.5cc内外になると不安状態になり、0.3ccぐらいになると死亡する。

 第5節 水温
  適水温は15~26度

 第6節 水換と注水
  水換えは水質の変化に対して行わなければならない。

 第7節 冬囲

  • 零下2,3度に下がる地方や、積雪の多い場所では必要になる。
    金魚は水温が5,6度以下になると、冬眠状態になって水底に沈んで動かなくなり、零下1,2度になると死んでしまう。

    冬囲は水温3,4度以下が続く期間中必要で、大体12月から3月頃まで。
    冬囲を解くのは水温が大体12,3度以上になったときで、急に覆いを全部取らないで、毎日少しづつとる。

 第8節 餌料
  動物性餌料
   A,ミジンコ

  • 水温8度以上で繁殖を初め、24,5度の時、最も良く殖える。
    1週間で雌親となって、5,60個の夏卵を3,4日連続で産む。親の寿命は60日~80日もある。

    1匹の仔虫が10日で成熟するとして、卵を3日毎に15個生むとすると5,6月の60日間に1匹の親から生ずる仔虫は、12億9037万75匹になる。

   B,イトミミズ
   C,アカボウフラ 別名 赤ムシ
   D,ボウフラ
   E,ミミズ
   F,魚肉
   G,貝類
   H,その他
    蚕蛹、牛肝臓、アミ、小蝦、魚粉

  植物性餌料
   小麦粉、大麦、米糠、麺類、ふすま、麩、大豆粕など

  人工混合餌料

  • 動物性と植物性とを7対3か、または8対2の割合で混合する。幼魚の場合は動物性が多い方がいい。

 第9節 餌料と栄養価値
  飢餓 元の体重の1/2になると死ぬのが普通
  蛋白質の欠乏
  脂肪の欠乏
  炭水化物の欠乏
  無機質の欠乏
  ビタミンの欠乏

 第10節 餌の与え方

  • 水温10度以上になると餌を食べ初め、30度ぐらいが最も食欲が盛ん。28度の時投餌量を最大にする。雨の時は与えない。

 第11節 飼養尾数
  1m2に対し大体
   2cm 60尾
   3   50
   4   35
   5   15(※25の誤植か)
   6   25(※15の誤植か)
   7    8
   8    6
   9    5
   10    2

 第12節 人工調色法

  •  「ジキン」の調色法は、魚体に黒味がかかってきたら朝日以外には太陽光線に当てないで、日中は覆いをする。
    体色に黄色の斑が出てきたとき、朝早く内部の白い容器に入れて調色を行う。

    初めに眼と眼の間の頭の皮膚を爪先か竹べらを用いて剥がし取り、つぎに、背鰭の左右を鰓蓋の部分まで鱗を剥がし、背鰭の付け根の鱗一列を残して、背中の鱗を尾の付け根まで剥ぎ、側線の部まで剥がす。

    薬品で行うものは、魚体を乾いた脱脂綿で拭き、筆の先に薬品をつけて前と同様に塗ってやる。

    薬品は弱酸を用いるのが安全で、50%の氷醋酸、10%サルチール酸、5%石炭酸の水溶液が普通使われる。

    調色を行った魚体は、蓋を覆って日光を避け、水温20度ぐらいに保つ。30分ぐらいたったら元の飼育池に移し、日覆で内部を暗くしておき、1週間ぐらい後に水を換える。水換え後も日光の直射を少なくし、10日後水を換える。

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