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2008年12月21日 (日)

「金魚 観賞と飼い方」 石川貞二 昭和32年 その4

第4章 金魚の品種
 1,ワキン(和金、和錦)
 2,リュウキン(琉金、琉錦)

  • 安永天明年間(1772~1788)に薩摩へ輸入された。
    鮒尾のものはオタマまたは「吹き流し」と呼ばれる。

 3,ランチュウ(卵虫、蘭<魚壽>)、チョウセン(郡山附近)

  • 卵虫という名は1748年に出た金魚養玩草という本に出ている。
    オオサカランチュウ
    ナンキン

 4,デメキン(出目金)

  • 明治28年頃に広東から米国へ輸出する途中、横浜で東京の金魚屋が買い入れたのが最初といわれている。

    アカデメキン
    クロデメキン
    サンシキデメキン

 5,チョウテンガン(頂天眼)、デメランチュウ

  • 明治38年頃、広東産のもの30尾を横浜に輸入したのが最初。大正6年頃全滅した。

 6,ジキン(地金)

  • 別名を、ジオウ(地王)、ジキンギョ、シャチ、名古屋金魚、愛錦、クジャクと呼ぶ。
    中国の金魚を詳しく研究した陳楨という人の書にもこの名は出ていないので、この金魚こそ国産であると考えられる。
    クジャク尾の出現率は40%内外です。

 7,トサキン(土佐金)
  標準型尾鰭の出現率は30%内外です。

 8,テツオナガ(鉄尾長)

  • リュウキンの体色が、褪色しないままの色、つまり鮒色のままで成長する品種。各鰭は長く、尾鰭は三ツ尾、四ツ尾で総状のものが多い。

 9,オランダシシガシラ

  • 中国由来、リュウキンとランチュウの交配種等諸説有るが、松井佳一博士の研究によれば、リュウキンシシガシラの淘汰ということが一番説明しやすく、合理的であるとされている。したがって、由来がはっきりしない品種といっておきます。

 10,ワトウナイ(和唐内)

  • ワキンとリュウキンを交配すると、その一代雑種は両方の中間のような形になり、体はやや細長く、鰭長い金魚になる。
    和(日本)にも唐(中国)にもいないので、ワトウナイというのだと、いう人もいる。

 11,シュウキン(秋金)

  • ランチュウとオランダシシガシラとの交配から淘汰した品種。
    明治30年に水産講習所長 松原新之助氏が、金魚商秋山吉五郎の名にちなんで命名したが、大正年間に一度絶滅した。

    これを作り出した人は豊橋市の戸田善治郎、岡崎の杉田久五郎両氏で、明治20年代に東京に送ったところ、秋山氏から秋錦と命名したというしらせがあったそうです。

 12,ツガルニシキ(津軽錦)

  • はじめ「ジキンギョ」と呼ばれていたが、昭和2年、弘前金魚協会でツガルニシキと命名した。秋金と全く同じ形。

 13,キンランシ(金襴子)
  ランチュウとワキンの交配種。

 14,シシュブンキン(※頭にシが入っている)

  • 雑色のモザイク透明鱗性。
    秋山吉五郎氏(金魚の新品種と其遺伝力、1923)によれば、サンシキデメキンと鮒尾のワキンとヒブナを三種混合して作り出したものとされているが、これは全部で2万尾のうちの14,5尾しか出なかったものを淘汰したそうです。松井佳一博士はこの品種を作り出すのにワキンは不必要であり、サンシキデメキンと鮒の交配で半数近くのシシュブンキンが出ることを実験した。

 15,キャリコ

  • サンシキデメキンとリュウキンの交配種のうち、モザイク透明で、鰭が長く普通眼のものを淘汰した秋山吉五郎氏の作品に、米国人フランクリン・パッカード氏が明治45年に命名した。

 16,アズマニシキ

  • サンシキデメキンとオランダシシガシラの交配種で横浜の加藤金蔵氏の作品。昭和6年に命名。

 17,ヒロニシキ(弘錦)

  • ツガルニシキとランチュウの交配種、明治41年弘前市の宮本喜三郎氏によって作られた。

 18,ヤマガタキンギョ(山形金魚)
  ワトウナイの鮒尾でコメットに似ている種。

 19,テツギョ(鉄魚)

  • 大正11年(1922)の平和記念東京博覧会に、山形県若畑沼産のテツギョが出品された。

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