「淡水魚からのSOS 106」 森田員正 その9
96,モツゴ
--雑魚、外道と呼ばれるが--
コイ目コイ亜目コイ科モツゴ属
- 関東ではクチボソ。他にシナイモツゴ、ウシモツゴ、ホソモツゴがいる。
97,モロコ
--琵琶湖の高級魚--
コイ目コイ亜目コイ科モロコ亜科同属
- 本名はホンモロコで、やや小型の種のタモロコがいる。区別はホンモロコの方が細身に見えるし、口吻にあるヒゲはタモロコの方が長い。
モロコ類はこの他にイトモロコ、カワバタモロコ、ヒナモロコ、スゴモロコ、デメモロコなどがある。
98,ヤツメウナギ
--魚類ではないが--
ヤツメウナギ目ヤツメウナギ科カワヤツメ属
- 魚類とは別の円口類に属する。トリ眼の薬として売られているのはカワヤツメ。この他にユウフツヤツメ、シベリヤヤツメが日本にいる。
99,ヤマノカミ
--山の神々は醜女--
スズキ目カジカ亜目カジカ科ヤマノカミ属
- 久留米ではヤマノカミドンクといい、ドンクとはハゼ類の別称。11~12月になると河口や内湾に降り、タイラギなどの殻にに産卵する。
100,ヤリタナゴ
--お江戸の主役--
コイ目コイ亜目コイ科タナゴ亜科同属
- 用水が真直ぐなコンクリートで固めた水路というより水を運ぶ道となってしまい、自然二枚貝は生息できずタナゴも消えた。
101,ヨシノボリ
--京都鴨川のゴリ--
スズキ目ハゼ亜目ハゼ科ヨシノボリ属
- 京都では本種をゴリ、群馬ではカジカと呼ぶ。
河川だけで一生を送る種があり、特にこれをカワヨシノボリといい、鴨川のゴリは正確に言うとこのカワヨシノボリである。
霞ヶ浦ではチチブをゴロ、ヨシノボリをシマゴロと呼ぶ。
102,ライギョ
--日本に2種いる--
スズキ目タイワンドジョウ亜目タイワンドジョウ科同属
- 1906年台湾から入ってきた。現地名ライヒーから雷魚となった。(雷魚は昔はカミナリウオでハタハタのこと)1923年には朝鮮半島からカムルチーが入ってきた。
カムルチーの方が大型になり、関東近辺に見られる。
103,ラッド
--池蝶貝の保母になれるか--
コイ目コイ亜目コイ科ラッド属
- 1963年に正田英三郎氏が英国より持ち帰り皇太子殿下に献上した。
淡水真珠の養殖に使われる池蝶貝は不足気味で、増殖しようと研究が行われてきた。
その生態は、幼貝は浮遊生活に入った後、さらに魚体10~30日付着する。
この習性を利用する方法として親貝とともに水槽に魚を入れ、幼貝を付着させた上で放流することであった。
その魚は水槽で飼いやすいラッドとなった。
104,レンギョ
--下目で人気は落ち目--
コイ目コイ亜目コイ科レンギョ属
- 利根川に繁殖しているレンギョには2種あってハクレンとコクレンで前者が圧倒的に多い。味も良くなく食用にはほとんどされない。
105,ワカサギ
--海から河に引越し--
ニシン目サケ亜目キュウリウオ科ワカサギ属
- 繁殖力もよく満1年で成熟産卵し死ぬものも多いが、かなりの親は2年目にも産卵し更に一部3年目にも産卵する。北海道にはイシカリワカサギがいる。
106,ワタカ
--日本在来の草食魚--
コイ目コイ亜目コイ科ワタカ属
- 草食性と共に背の盛り上がった姿からウマオイとも呼ばれる。
あとがき
・・・・・やがて終戦を迎え・・・・一面焼け野原の東京、人心もすさんでいた、そんな都会を流れる川という川には、どこにも沢山の魚が見られた。生活に追われ気付かぬ人もあったが、人間の不幸とは反対に魚達にとっては百年来で最も住み心地のよい数年間ではなかったろうか。・・・・・
以上でこの本の紹介は終了。
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