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2008年11月17日 (月)

「淡水魚からのSOS 106」 森田員正 その7

61,ソウギョ
 --日本ではモテない魚--
 コイ目コイ亜目コイ科ソウギョ属

  • 中国ではソウヒー、ツァウヒー、ホワンヒイという。
    水草を喰って成長も早く大型になるとして移植した割には利用されなかった。

62,タイリクバラタナゴ
 --美しき侵入者--
 コイ目コイ亜目コイ科タナゴ亜科バラタナゴ属

  • ソウギョの種苗に混入して日本に侵入したらしい。1940年代には利根川水系に見られるようになり、生息域を西日本へと広げていった。
    ニッポンバラタナゴはこの在来種に圧迫されいるし、一部では交雑種も出現し、生息域に混乱もおきている。

63,タウナギ
 --昔の外来魚か--
 タウナギ目タウナギ亜目タウナギ科同属

  • 別名カワヘビ。
    日本へはその昔、薬用として渡来したもので台湾から奈良に来たのが最初らしい。
    若魚までは全部メスで、50センチを越える成魚は総てオスなのだそうだ。
    オスは空気を吸って気泡を吐き出し、その気泡で巣を作る。

64,タナゴとタビラ
 --タナゴ類の代表--
 コイ目コイ亜目コイ科タナゴ亜科同属

  • 標準和名タナゴは関東、東北の太平洋岸だけに生息する。マタナゴとも呼んでいるが、ヤリタナゴを含めての呼び名である。
    タナゴとヤリタナゴの区別は、臀鰭の縁が白いのがタナゴ、赤味のあるのがヤリタナゴで、メスでは緑帯のあるのがタナゴで、ヤリタナゴにはない。

    関西ではタビラという。近年3種(亜種)にわけられて、アカヒレタビラ、シロヒレタビラ、セボシタビラがいる。

65,チチブ
 --色は黒いがきれい好き--
 スズキ目ハゼ亜目ハゼ科チチブ属

  • 大きくても10センチ足らず、腹部が太くマハゼより早く春の汐入河川で釣れ始める。
    霞ヶ浦では他の小ハゼ類と共に佃煮が名物でゴロと呼んでいる。

66,チョウザメ
 --日本では幻の魚--
 チョウザメ目チョウザメ科同属

  • 我が国でも天塩川、石狩川などに遡ったが、現在はその姿をほとんど見ない。

67,チョウセンブナ
 --今はいづこに--(※ず)
 スズキ目キノボリウオ亜目キノボリウオ科タイワンキンギョ属

  • 昭和初期、葛飾区の用水路には沢山いた。
    大陸原産で日本へは1941年に朝鮮半島より移されたものだ。
    もうひとつ台湾からタイワンキンギョがある。沖縄ではオスをウートー(雄闘)、メスをミートー(雌闘)と呼ぶ。

68,ツチフキ
 --川のサンドポンプ--
 コイ目コイ亜目コイ科ツチフキ属

  • 砂底を好み、この中にいる餌を砂利と共に口に含んでは吐くので、土吹きの名で呼ばれるが、旧書ではスナモロコの名が用いられている。
    近年、琵琶湖のゼゼラが関東に進出しており混同される。

69,テツギョ
 --金ブナと金魚の混血か--
 コイ目コイ亜目コイ科フナ属

  • 1927年宮城県の魚取沼から初めて報告され、1933年に天然記念物に指定された。その後各地から報告されている。
    金魚の交雑について疑問とする人もある。

70,ドジョウ
 --復活しないドジョウ釣り--
 コイ目コイ亜目コイ科ドジョウ亜科同属

  • 昔はフナ釣りが主流であったが、初夏の釣り物として手長エビとドジョウがあり、冬のタナゴ釣りより釣る人は多かった。
    埼玉の水路にある水車や洗い場ではキジ(シマミミズ)で良く釣れた。
    ドジョウの釣果は升目で表し、よい日は5合(1リットル)釣れた。

71,トミヨ
 --絶滅した種もある--
 トゲウオ目トゲウオ科トミヨ属

  • トミヨ属は純淡水にすむ魚である。日本では4種が知られ他にイバラトミヨ、エゾトミヨ、ムサシトミヨがいる。
    もう一種ミナミトミヨが京都周辺に生息していたが、湧き水は芹などの栽培に適するため、農薬により姿が見られなくなった。

72,ナマズ
 --水質汚染にたえて活きる--
 コイ目ナマズ亜目ナマズ科同属

  • 一時は激減したが、汚染に抵抗力をつけ再び繁殖し始めたのかもしれない。
    昔からナマズに関する伝説や民話は多くある。徳島県の「川田のナマズ神」を紹介する。(※省略)

73,ニゴイ
 --コイとは大分ちがう--
 コイ目コイ亜目コイ科同属

  • 似鯉と書かれるが、比べてみると甚だコイとは異なることが判る。
    関東ではサイと一般にはいうが、子供の頃はセイタッポと呼んだ。岡山県吉井川ではイダ、大阪ではキツネゴイと呼んでいる。

    ニゴイよりさらに吻の長いズナガニゴイが滋賀県野州川より西に分布するが、1981年静岡県高科川に生息が認められた。
    ズナガニゴイは中層にいるのでウキカマツカ、ウキガモと呼ばれる。

74,ニゴロブナ
 --琵琶湖産の金ブナ--
 コイ目コイ亜目コイ科フナ属

  • ニゴロブナのオスはイオと呼び、メスはニゴロという場合もあるが、大型の抱卵魚をテリフナと呼ぶのが一般のようで、好天の日にしか産卵しないことによる照鮒の意らしい。小型で成熟するものをガンゾという。
    琵琶湖には銀ブナもいてヒラワと呼ばれる。金ブナはいない。

75,ニシキゴイ
 --カクが揚がって錦鯉--
 コイ目コイ亜目コイ科同属

  • 戦前には聞かれなかった言葉で、昔はヒゴイ(緋鯉)、イロゴイ、ハナゴイなどと呼んだ。

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