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2008年11月

2008年11月28日 (金)

「ザ・フィッシュ・ワールド」 創刊号 バレンタイン 昭和54年

「ザ・フィッシュ・ワールド」 創刊号 バレンタイン 昭和54年6月20日 B5版 P.72 定価750円 SUMMER

 昭和40年代初期は観賞魚雑誌創刊ラッシュであったが、この雑誌が創刊されるまでフィッシュマガジンだけが生き残っていた。
 そして同年の8月にはアクアライフも創刊された。

 この雑誌の特徴は、他誌に比べ広告がほとんどなく、紙質もコート紙を使用、各号は科の特集を組んでいるところにあります。

 広告がほとんどないなめか、ページ数が少ない割に定価が高い設定になっている。因みに同年に創刊されたアクアライフは128ページで定価600円であった。

 発売当初から季刊誌の予定であったが、2号は1ヶ月遅れの10月に、3号は5ヶ月遅れの翌年5月に発売された。
そしてこの3号をもって廃刊となった。

 同年発刊のアクアライフは今では専門誌のトップであり、明暗はっきり分かれた形となった。

 発行部数が少なかったかもしれないが、そんなに古くはないのに古書界ではあまり見かけない雑誌である。

各号の特集は次のとおり
 1号 シクリッド
 2号 ポリプテルス、肺魚
 3号 卵胎生魚

1号の目次
カラーグラビア シクリッドNo.1
シクリッド解説
グラビア シクリッドNo.2(※白黒写真)
マニアのためのシクリッド最新情報 佐藤哲
シクリッド飼育の楽しさ 中島重雄
シクリッドの繁殖法 中島重雄

これから熱帯魚を飼育する人のために
暗黒大陸 広田貞男
海は友達「パラオ」 阪本猪一郎
表紙の言葉
スター訪問 野口プロモーション

プレゼントコーナー
編集室から・編集後記

カラーグラビア シクリッド
カラーグラビア フィッシュ・ワールド・NOW
カラーグラビア マイ・アクアリウム紹介 藤城清治

-----メモ-----
西暦1979年=昭和54年
関連雑誌
「アクアライフ」 創刊号 1979年8月 マリン企画
「フィッシュマガジン」 創刊号 昭和40年7月 緑書房

2008年11月27日 (木)

「趣味の熱帯魚と金魚」 牧野信司 昭和33年 その5

第2編 趣味の金魚
  ※P.175~199
  ※水槽飼育を主眼に書かれている。

第1章 金魚の歴史
 簡単な系統図あり。

第2章 魚体の名称

  •  金魚の特徴として、一般の魚類と異なっている点は、しりびれが一対になっているものがあるという点。金魚全部ではなく、リュウキン、ランチュウ、オランダシシガシラ、ワキンの一部。

第3章 金魚の種類

  •  イラストはシュウキン、リュウキン、シュブンキン、リュウキン(フナ尾)、ワキン、オランダシシガシラ、ランチュウ、チョウテンガン、デメキン。結構良く描けています。

 1,ワキン
 2,リュウキン

  • 外国ではフナ尾をニンフ、三つ尾、四つ尾をジャパニーズ・フライングテールと呼んでいる。
    江戸中期に中国より琉球をへて輸入された。

 3,デメキン
  明治後期に中国より入ってきた。

 4,チョウテンガン
  現在では少なくなってきている。(※この当時の話)

 5,シュブンキン
  わが国で作り出された種。
  ヒブナとフナ尾のワキンと三色デメキンとの交配種

 6,シュウキン

  • 卵にリボンを結びつけたように見えるので、外国ではエッグフィッシュと呼んでいる。

 7,ランチュウ
  金魚の中でももっとも高級種。

 8,オランダシシガシラ

第4章 金魚の見方と採点法
 1,フナ尾リュウキンの採点表
  尾ひれ  27点
  からだ  25点
  背びれ  20点
  色 彩  18点
  他のひれ  5点
  スタイル  5点
  合 計  100点

  リュウキンの採点表
  尾ひれ  26点
  からだ  24点
  背びれ  18点
  色 彩  18点
  しりびれ  5点
  スタイル  5点
  他のひれ  4点
  合 計  100点

 2,デメキンの採点表
       フナ尾 其の他
  尾ひれ  19点  18点
  からだ  19点  18点
  目    18点  18点
  背びれ  16点  14点
  色 彩  18点  18点
  スタイル  5点   5点
  しりびれ      5点
  他のひれ  5点   4点
  合 計  100点  100点

 3,チョウテンガンの採点表
  目    32点
  からだ  18点
  尾ひれ  18点
  色 彩  18点
  しりびれ  5点
  スタイル  5点
  他のひれ  4点
  合 計  100点

 4,シュブンキン採点表
  尾ひれ  32点
  からだ  20点
  背びれ  20点
  色 彩  18点
  スタイル  5点
  他のひれ  5点
  合 計  100点

 5,ランチュウの採点表
  頭    32点
  からだ  18点
  尾ひれ  18点
  色 彩  18点
  スタイル  5点
  しりびれ  5点
  他のひれ  4点
  合 計  100点

 6,オランダシシガシラの採点表
  頭    18点
  からだ  18点
  尾ひれ  18点
  色 彩  18点
  背びれ  14点
  しりびれ  5点
  スタイル  5点
  他のひれ  4点
  合 計  100点

第5章 飼育にあたって
 第1節 水質と水温

  • 一般に飼われている金魚の状態を見ると、大部分が酸素不足で金魚が水面であっぷあっぷしている。
    適温は平均して15~20度ぐらい。

 第2節 水槽の収容力
  水槽の号数と3cm、5cmの匹数を表にして掲載。

 第3節 金魚の持ちはこび方
  水を少な目にする。長時間かかる輸送は2,3日絶食させる。

 第4節 水草の種類と水草の役め
  カボンバ、アンブリア、アナカリス、ミリオフィラムなど。

 第5節 餌の種類とあたえ方

  • エサが不足で死ぬことより、与えすぎて殺すことのほうが多い。

 第6節 病気の手当と害虫

  • 魚の病気は飼養者の管理が不十分であるとでる。
    病気の前触れとして感冒にかかることがある。水温が急に下がったりすると出るもので、梅雨の頃に多く、これにかかって抵抗力が弱ると、他の病気に冒されやすくなる。
    泳ぎ方が変だったり、表皮が白い膜に覆われたら、適温に移しアクリフラビン溶液に入れ予防する。

 第7節 金魚の繁殖法

  • 種親に使う魚は、3才(丸2年)以上のものがよく5才ぐらいまで使える。
    雌はだいたい1匹でよろしいが、雄は2,3匹合わせる。
    水が新しくなり、水温が高くなると翌日あたりから産卵する。
    産卵は水底ではなく水面下で行われる

以上でこの本の紹介は終わりです。

2008年11月25日 (火)

「趣味の熱帯魚と金魚」 牧野信司 昭和33年 その4

第6章 雌雄の見分け方
 前章の「熱帯魚の説明」に魚種毎に付した番号で類別している。
 第1節 胎生目高科の見分け方
  しりびれで見分ける

 第2節 カラシン科の見分け方
  ネオンテトラ型
  フレームフィッシュ型
  ソードテールカラシン型

 第3節 鯉科の見分け方

  • ゼブラダニオ、ジャイアントダニオ、ヘテロモルファ、スマトラの雌雄差をイラストで解説。

 第4節 卵生目高科の見分け方
  雌雄の色彩がはっきり違う。

 第5節 カワスズメ科の見分け方

  • ブルーアカラ、エンゼル、ディスカスのイラストで説明。

 第6節 その他の科の見分け方

  • バジス、ポリセントラス、グラスフィッシュをイラストで説明。
    ベタ、パールグーラミィ、ブルーグーラミィをイラストで説明。

第7章 代表的な魚の繁殖法
 第1節 グッピーの繁殖法

  • 産子容器に隔離するかニテラなど水草のある水槽で子を採る。

 第2節 ゼブラ・ダニオの繁殖法

  • 何も入れない水槽にサランネットで作ったカゴを吊し、オスを先に入れる。翌朝には産卵する。オスが弱い場合2~3尾にする。

 第3節 スマトラの繁殖法

  • 灰汁を抜いたシュロの皮をトンネル状にして、何も入れない水槽にいれる。翌日午前中には産卵する。トンネルは親が出入り出来る程度。中は番がグルグル回れるぐらい。

 第4節 ブルー・グーラミィ(※グラミー)の繁殖法

  • 仲のいい雌雄を一緒にして、浮き草のある水槽で飼っていると、泡巣を作り産卵する。産卵後メスは取り出す。

 第5節 エンゼル・フィッシュの繁殖法

  • 仲の良い雌雄を確保し、幅の広い水草に産卵させるか、陶器の筒を水槽に45度に傾け産卵させる。

 第6節 ブルー・アカラの繁殖法

  • 10cm四方ぐらいの瓦、皿等を入れた水槽に、仲の良い雌雄を入れる。水草はなくてもいい。

 第7節 ネオン・テトラの繁殖法

  • PH=6.4、硬度50度、産卵時水温25~26度、薄暗くする。
    水槽内に10cm四方ぐらいのすべすべして、へりの上がった石を入れる
    親魚は産まれて半年めから1年までのものとする。
    産まれた子は、さきほどの石の下にへばりつく

2008年11月24日 (月)

「趣味の熱帯魚と金魚」 牧野信司 昭和33年 その3

第3章 魚を扱う注意
 第1節 熱帯魚と水温

  • 温度による抵抗力は最低温度で13度ぐらいで、最高温度は38度ぐらいです。

 第2節 魚の持ちはこびと扱い方

  • いきなり水槽に入れると、もとからいる魚が上から落ちてくる魚を餌と間違えてつっつく。

 第3節 水槽の大きさと魚の数

  • 容器の大きさと、小形、中形、大形の収容力表を掲載

 第4節 いっしょに飼える魚と飼えない魚

  • 意地の悪い魚、魚の大小、同種間での争い等あるのでよく観察し、隔離する。

 第5節 餌の種類とあたえ方

  • ミジンコ、イトミミズ、ミミズ、ボウフラ、赤ボウフラ、ゴカイ、ホワイト・ウォーム(※ワーム)、ミクロ・ウォーム、インフゾリア、ブラインシュリンプ、粉餌の採集、培養等の説明。

 第6節 病気の手当と害虫について
  各種解説

第4章 魚体の各部のよび名と魚の名まえ

  • イラストで説明。
    1758年のリンネによる二命式命名法と1901年の万国動物学会による三命名法

第5章 熱帯魚の説明
 白黒写真

  • 胎生目高科 グッピー、ブルー・プラティ、ブラック・モーリー、ブルー・ソードテール、デルモゲニー、セルフィン・モーリー

    卵生目高科 パンチャックス・チャッペリー、ライアテール、アフィオセミオン・バイビテータム

    キノボリウオ科 パラダイスフィッシュ、ベタ、キッシング・グーラミィ、ブルー・グーラミィ、パール・グーラミィ

    カワスズメ科 エンゼルフィッシュ、ジャックデンプシー、ジュエルフィッシュ、ブルーアカラ、エジプティアン・マウスブリーダー

    鯉科 Tフィッシュ、ラスボラ・ヘテロモルファ、ゼブラダニオ、ホワイト・クラウド・マウンテン・フィッシュ、スマトラ、ガーネット(※古書で名は目にするが写真は珍しい)

    カラシン科 ネオンテトラ、ブラックテトラ、ペンシルフィッシュ、サンタマリア、プリステラ、メティニス、ヘッド・アンド・テール・ライト・フィッシュ、ブラインド・ケーブ・フィッシュ、マーブル・ハチェット、アノストマス、キャリスタス、アフィオチャラックス

    その他の科 アーチャー・フィッシュ、バジス、グラス・フィッシュ、ブロウ・フィッシュ、バタフライ・フィッシュ、スキャット・ファーガス

    ここから各種類の紹介。一般名、産地、全長、適温、学名が書かれている。聞き慣れない種だけ書いておきます。

 1,胎生目高科    7種
  オレンジ・テール・ブルー・モーリー
   Variety of Mollienisia sphenops

  • ソードテールのメスのような感じで、体色がブルーで尾の先がオレンジ色になる。これに似た種でリバティーという魚は体色がブルーで尾びれが赤。

 2,サヨリ科     1種
 3,カラシン科   39種
  ネオンテトラ

  • 1952年10月、日本熱帯魚研究所において著者が孵化に成功した。
    これまでも産卵させた人はたくさんいますし、また孵化させたことも少数の人にあったのですが、成魚にはどうしても仕上がらなかった。著者の場合は初産で28個の卵を産まし、全部孵化させて全部親に仕上げた。

 4,鯉科      32種
  エソッムス・マラヤン Esomus malayensis
  バルブス・クオラ Barbus chora

  • ちょっとフナに似ていますが、尾のつけねにスポット模様があって体色は黒みがかった銀色。

  ドワーフ・バルブ Barbus phutunio
   からだに3カ所ほど黒い斑点がある。

 5,卵生目高科    8種
 6,キノボリウオ科 12種
 7,カワスズメ科  18種
  ティラピア・スパーマンアイ Tilapia sparrmani
   ピーコック・シクリッドと書いてある。
  ペルマトクロミス(※ペルヴィカクロミス)
   Pelmatochromis annectens

 8,その他の科   30種
  ポリセントラス・アヴェヴェイタ
   Polycentrus abbreviata

  • 口がとがって水玉模様はなく、茶褐色がまだらになって地味な魚。

2008年11月21日 (金)

「趣味の熱帯魚と金魚」 牧野信司 昭和33年 その2

表紙
 エンゼル・フィッシュ
裏表紙
 リュウキン

 ディスカス

口絵 ※写真に着色している感じ

  • グッピー(ファンテール、ダブルソード、ラウンドのキングコブラ)、ソードテール、ピラニア、レポリナス、フラグ・フィッシュ、ペルマト
    ランチュウシシガシラ、クロデメキン、リュウキン

はじめに
 ・・・・・機械文明の発達にともなって世の中がすべてスピードアップされ、・・・・日々の生活にもうるおいが少なく、神経質な人はノイローゼという文明病にわずらわされてしまう。
 ・・・・・このような気持ちを和らげ落ちつかせる最善の方法は、自然の美しさと静けさを求めて喧噪な生活から逃避することによって、大部分その目的を達せられると信ずる。
 ・・・・・多くの家庭では室内に魚類の美しい生態情景を再現し、心のオアシスとして夢のような醍醐味にひたっているのである。・・・・・
 1958年6月 日本熱帯魚研究所 牧野信司

本文
第1編 趣味の熱帯魚
第1章 熱帯魚のおもしろさ
 第1節 魚をかうということ

  • 1925年頃に、横浜にはじめてソードテールが数匹輸入された。
    1927年ごろには数十種になる。
    戦後は1949年頃からぼつぼつと一部の人たちに見出され、話題に上るようになった。

 第2節 熱帯魚の良い点

  • 形、色彩、水槽で飼える、繁殖が簡単、習性、種類が多い

 第3節 はじめて熱帯魚を飼うときの注意

  • 値の高い魚ほど飼育が困難。
    乱暴な魚はのぞくこと。

第2章 飼育をはじめる準備
 第1節 水槽の種類をそろえる

  • 変形の水槽は魚の形が正しく見えないので感心しません。
    近ごろはステンレス製の水槽ができている。

 第2節 器具の種類と使い方

  • 各種器具の説明。  

 第3節 砂と貝の種類

  • 大磯川砂、海砂
    貝 レッド・ラムション、オーストラリアン・レッド、ペーパー・シェル、ポンド、リンベット(マウニファイト※二枚貝)、コロンビアン・ラムション、タニシ

 第4節 水草の種類と扱い方 ※各種の説明あり
  一般的な水草

  • サジタリア、バリスネリア、カボンバ、ミリオフィラム、ウォーター・スプライト、ルドウギア(※ルドウィジア)、ヘアーグラス、スパター・ドッグ(コウホネ)、ウォーター・ファン、リシア、ニテラ、アナカリス、ハイグロフィラ、ウォーター・レタス

  高級で珍しい水草

  • ウォーター・クローバー、クリプトコリネ、バナナプラント、アマゾン・ソード・プラント、アポノゲトン(※アルベシアス種があると書いてある)、エクィノドウス・ラジカンス(※エキノドラス)、マダガスカル・レース・リーフ・プラント(状態を良くするには低温にしないこと。30度ぐらいがよい)

 第5節 水についての注意

  • 塩素の中和、PHの話

 第6節 水槽内の飾りつけ

  • 熱帯魚の水槽は一種の箱庭です。
    エアーは潜水夫模型の装置から出すようにすると、さらにすばらしくなります。(※面白い)
    蛍光灯は夏期にはグリーンとかブルー、コバルトなど、冬は白色か天然色がよくうつります。(※本心か)

 第7節 照明のしかた

  • グリーンのランプを使うと水草がすばらしく青々とします。(※先見的な内容だがADAのアマノ氏が出すまで市場にはなかったと思う。)
    後ろ(※後方)から光線を当てると魚の色や模様がはっきり見えないばかりか、からだのうすい魚はレントゲンを当てたように、内ぞうまで見えてしまいます。

 第8節 保温ケースのつくり方

  • いったん上げた温度をなるべく下げないようにするために保温ケースが必要になる。
    6号水槽(60*30*30)の2列3段のイラスト図で丁寧に説明。

 第9節 熱帯魚用温室のいろいろ

  • A1型、B型、C型、D型、A2型と5種類のイラストで解説。
    アマチュア用の温室としては楽しみで魚を飼うのですから、あまり大きいのをつくると世話が面倒になる。

 第10節 暖房の方法と燃料の種類

  • 温室の暖房法を解説。

2008年11月20日 (木)

「趣味の熱帯魚と金魚」 牧野信司 昭和33年 保育社

「趣味の熱帯魚と金魚」 牧野信司 昭和33年7月15日 保育社 B6版 P.206函付 定価300円

 著者は戦後の熱帯魚界では有名な方で、当時難関とされたネオン・テトラの増殖(繁殖ではない)を世界で初めて成功した事でも有名です。
 また、昭和31年から平成4年にかけて最も多くの熱帯魚本を著しており、その数は20冊以上あります。

 保育社は普及型の図鑑本では北隆館と並ぶ出版社で、牧野氏も保育社だけで7冊の熱帯魚本を出版しています。

 この本は保育社から出版された2冊目の本で、氏自身では3冊目の本となります。

 装丁が非常に良く出来ており、函付きで中味はカバー無しですが、ハードカバーのツルツルした感じが洋書風(絵本の表紙の紙質)です。

函付きながら、古書界ではほとんど出てこない1冊です。

【構成】

口絵
はじめに
目次(※編・章・節の表記はなし)
 第1編 趣味の熱帯魚
  第1章 熱帯魚のおもしろさ
   第1節 魚をかうということ
   第2節 熱帯魚の良い点
   第3節 はじめて熱帯魚を飼うときの注意

  第2章 飼育をはじめる準備
   第1節 水槽の種類をそろえる
   第2節 器具の種類と使い方
   第3節 砂と貝の種類
   第4節 水草の種類と扱い方
   第5節 水についての注意
   第6節 水槽内の飾りつけ
   第7節 照明のしかた
   第8節 保温ケースのつくり方
   第9節 熱帯魚用温室のいろいろ
   第10節 暖房の方法と燃料の種類

  第3章 魚を扱う注意
   第1節 熱帯魚と水温
   第2節 魚の持ちはこびと扱い方
   第3節 水槽の大きさと魚の数
   第4節 いっしょに飼える魚と飼えない魚
   第5節 餌の種類とあたえ方
   第6節 病気の手当と害虫について

  第4章 魚体の各部のよび名と魚の名まえ
  第5章 熱帯魚の説明

  第6章 雌雄の見分け方
   第1節 胎生目高科の見分け方
   第2節 カラシン科の見分け方
   第3節 鯉科の見分け方
   第4節 卵生目高科の見分け方
   第5節 カワスズメ科の見分け方
   第6節 その他の科の見分け方

  第7章 代表的な魚の繁殖法
   第1節 グッピーの繁殖法
   第2節 ゼブラ・ダニオの繁殖法
   第3節 スマトラの繁殖法
   第4節 ブルー・グーラミィ(※グラミー)の繁殖法
   第5節 エンゼル・フィッシュの繁殖法
   第6節 ブルー・アカラの繁殖法
   第7節 ネオン・テトラの繁殖法

 第2編 趣味の金魚
  第1章 金魚の歴史
  第2章 魚体の名称
  第3章 金魚の種類
  第4章 金魚の見方と採点法
  第5章 飼育にあたって
   第1節 水質と水温
   第2節 水槽の収容力
   第3節 金魚の持ちはこび方
   第4節 水草の種類と水草の役め
   第5節 餌の種類とあたえ方
   第6節 病気の手当と害虫
   第7節 金魚の繁殖法

さくいん
奥付

-----メモ-----
西暦1958年=昭和33年
関連本

2008年11月19日 (水)

「淡水魚からのSOS 106」 森田員正 その9

96,モツゴ
 --雑魚、外道と呼ばれるが--
 コイ目コイ亜目コイ科モツゴ属

  • 関東ではクチボソ。他にシナイモツゴ、ウシモツゴ、ホソモツゴがいる。

97,モロコ
 --琵琶湖の高級魚--
 コイ目コイ亜目コイ科モロコ亜科同属

  • 本名はホンモロコで、やや小型の種のタモロコがいる。区別はホンモロコの方が細身に見えるし、口吻にあるヒゲはタモロコの方が長い。
    モロコ類はこの他にイトモロコ、カワバタモロコ、ヒナモロコ、スゴモロコ、デメモロコなどがある。

98,ヤツメウナギ
 --魚類ではないが--
 ヤツメウナギ目ヤツメウナギ科カワヤツメ属

  • 魚類とは別の円口類に属する。トリ眼の薬として売られているのはカワヤツメ。この他にユウフツヤツメ、シベリヤヤツメが日本にいる。

99,ヤマノカミ
 --山の神々は醜女--
 スズキ目カジカ亜目カジカ科ヤマノカミ属

  • 久留米ではヤマノカミドンクといい、ドンクとはハゼ類の別称。11~12月になると河口や内湾に降り、タイラギなどの殻にに産卵する。

100,ヤリタナゴ
 --お江戸の主役--
 コイ目コイ亜目コイ科タナゴ亜科同属

  • 用水が真直ぐなコンクリートで固めた水路というより水を運ぶ道となってしまい、自然二枚貝は生息できずタナゴも消えた。

101,ヨシノボリ
 --京都鴨川のゴリ--
 スズキ目ハゼ亜目ハゼ科ヨシノボリ属

  • 京都では本種をゴリ、群馬ではカジカと呼ぶ。
    河川だけで一生を送る種があり、特にこれをカワヨシノボリといい、鴨川のゴリは正確に言うとこのカワヨシノボリである。
    霞ヶ浦ではチチブをゴロ、ヨシノボリをシマゴロと呼ぶ。

102,ライギョ
 --日本に2種いる--
 スズキ目タイワンドジョウ亜目タイワンドジョウ科同属

  • 1906年台湾から入ってきた。現地名ライヒーから雷魚となった。(雷魚は昔はカミナリウオでハタハタのこと)1923年には朝鮮半島からカムルチーが入ってきた。
    カムルチーの方が大型になり、関東近辺に見られる。

103,ラッド
 --池蝶貝の保母になれるか--
 コイ目コイ亜目コイ科ラッド属

  • 1963年に正田英三郎氏が英国より持ち帰り皇太子殿下に献上した。
    淡水真珠の養殖に使われる池蝶貝は不足気味で、増殖しようと研究が行われてきた。
    その生態は、幼貝は浮遊生活に入った後、さらに魚体10~30日付着する。
    この習性を利用する方法として親貝とともに水槽に魚を入れ、幼貝を付着させた上で放流することであった。
    その魚は水槽で飼いやすいラッドとなった。

104,レンギョ
 --下目で人気は落ち目--
 コイ目コイ亜目コイ科レンギョ属

  • 利根川に繁殖しているレンギョには2種あってハクレンとコクレンで前者が圧倒的に多い。味も良くなく食用にはほとんどされない。

105,ワカサギ
 --海から河に引越し--
 ニシン目サケ亜目キュウリウオ科ワカサギ属

  • 繁殖力もよく満1年で成熟産卵し死ぬものも多いが、かなりの親は2年目にも産卵し更に一部3年目にも産卵する。北海道にはイシカリワカサギがいる。

106,ワタカ
 --日本在来の草食魚--
 コイ目コイ亜目コイ科ワタカ属

  • 草食性と共に背の盛り上がった姿からウマオイとも呼ばれる。

あとがき
 ・・・・・やがて終戦を迎え・・・・一面焼け野原の東京、人心もすさんでいた、そんな都会を流れる川という川には、どこにも沢山の魚が見られた。生活に追われ気付かぬ人もあったが、人間の不幸とは反対に魚達にとっては百年来で最も住み心地のよい数年間ではなかったろうか。・・・・・

以上でこの本の紹介は終了。

2008年11月18日 (火)

「淡水魚からのSOS 106」 森田員正 その8

76,ニジマス
 --いまや家畜の外来魚--
 ニシン目サケ亜目サケ科ニジマス属

  • 日本に最初に入ってきたのは1877年のこと。

77,ハス
 --日本のコイ科で唯一の悪食家--
 コイ目コイ亜目コイ科ハス属

  • 江戸川でゴシキヤマベと呼ぶそうだ。日本のコイ科の魚としては唯一の魚食家である。

78,ハリヨ
 --急速な保護対策が必要--
 トゲウオ目トゲウオ科イトヨ属

  • イトヨによく似ているが、相違点は鱗板の数である。

79,ヒガイ
 --霞ヶ浦に移植したが--
 コイ目コイ亜目コイ科ヒガイ属

  • 琵琶湖では頭部の型によってツラナガ(面長)、トウマル(頭丸)とわけ、中間型をヒガイという場合もある。霞ヶ浦に見られるのはトウマル型のみである。

80,ヒメマス
 --正体不明 タキタロウなど--
 ニシン目サケ科同属

  • 日本の原産地は支笏湖とチミケップ湖だが、移植で有名なのは和井内貞之が一生をかけて行った十和田湖である。

81,ビリンゴ
 --佃煮にされる小ハゼ--
 スズキ目ハゼ亜目ハゼ科ウキゴリ属

  • 日本全土に見られるが琵琶湖にはいない。

82,ビワマス
 --降海アマゴとの関係--
 ニシン目サケ亜目サケ科同属

  • 琵琶湖に流入する河川で産卵する。琵琶湖を海にみたて降湖型で、河川に残る陸封型はアマゴである。

83,フクドジョウ
 --腸呼吸が出来ない--
 コイ目コイ亜目コイ科ドジョウ亜科フクドジョウ属

  • エゾホトケと共に北海道だけに生息する。
    北海道でドジョウ類を研究している、日本女子大の小林弘教授は、普通のドジョウとフクドジョウの交配を行い、孵化に成功したが、すべて奇形で死んでしまった。

84,ブラウン・トラウト
 --日本には少ない--
 ニシン目サケ亜目サケ科ニジマス属

  •  ニジマスと同じ肉食魚だが、より大型の魚を襲う貪食魚である。

85,ブルー・ギル
 --気になる生態--
 スズキ目スズキ亜目サンフィッシュ科

  • 皇太子殿下がシカゴ水族館から17尾を贈られ日本に来た。

86,ホトケドジョウ
 --名は態を表す--
 コイ目コイ亜目コイ科ドジョウ亜科ホトケドジョウ属

  • ドジョウより頭が大きいので<仏>というのだそうで琵琶湖における呼称である。
    彦根ではメクラドジョウ、長野県上田ではオカメドジョウ、千葉県房総ではダルマと呼んでいる。
    きれいな湧き水を好んで生息するのでシミズドジョウ、訛ってスミドジョウも房総地方で、新潟県新発田ではスナメドジョウと呼ぶ。

87,ボラ
 --関東のボラ釣り--
 スズキ目ボラ亜目ボラ科同属

  • 昔の江戸前釣りでは初夏の八十八夜に始まる青ギスの脚立釣り、と並んで秋から冬にかけてのボラ釣りは有名であった。
    鮨屋のケースにボラが並ばなくなったのも大分前のことになる。

88,マスノスケ
 --カムイ・チェプ--
 ニシン目サケ亜目サケ科同属

  • 日本でスケと呼ばれるのは最大種か一種内なら大型を示す語。
    英名キング・サーモン

89,マハゼ
 --東京湾での受難史--
 スズキ目ハゼ亜目ハゼ科マハゼ属

  • 1940年前後、当時隅田川はすでに汚れ、魚はいたが釣れる状態ではなかった。

90,マルタ
 --房総半島小糸川--
 コイ目コイ亜目コイ科ウグイ属

  • マルタの別名をジュサンウグイといい、これは東北の十三湖に多いからだという。
    強烈な生臭い匂いがし、食べても美味しい魚ではない。

91,ミミズハゼ
 --隠れ棲むハゼ--
 スズキ目ハゼ亜目ハゼ科ミミズハゼ属

  • 汽水域の石の下にいる。目が退化した例が島根県大根島その他から報告されている。
    その一つの報告を淡水魚保護協会の機関誌「淡水魚 6号」に相澤裕幸、国領康弘が行っている。

92,ミヤコタナゴ
 --美しく、そして弱し--
 コイ目コイ亜目コイ科タナゴ亜科ミヤコタナゴ属

  • 1974年にイタセンパラと共に天然記念物に指定された。
    栃木県大田原市ではオシャラクブナと呼ばれていた。1975年には千葉県房総で確認され、ミョウブタと呼ばれていた。
    神奈川県では権田池が唯一の生息地ったが、人工養殖に切り替えた。
    所沢ではナナイロと呼ばれた。

93,ムギツク
 --発音する珍魚--
 コイ目コイ亜目コイ科ムギツク属

  • 兵庫の一部ではクチボソと称する。関東の釣り人に用いられているムギツクの正体はクチボソである。
    淡水魚では珍しく発音することで、大分ではフエフキと呼ばれるが、口の形からなのかわからない。

94,メダカ
 --メダカの学校 今いづこ--
 メダカ目メダカ亜目メダカ科同属

  • 用水小川に汚水が流出し、田圃には農薬が撒かれ、次第に数を減らした。更に最大の悲劇は都市近郊を中心に散布された殺虫剤だ。

95,メナダ
 --目の赤いボラ--
 スズキ目ボラ亜目ボラ科メナダ属

  • ボラと見分け難く、ボラは暖海性、メナダは冷水性である。
    ボラは出世魚だがメナダもコスリ→トウブシ→メナダと東京湾沿岸では呼んだ。

2008年11月17日 (月)

「淡水魚からのSOS 106」 森田員正 その7

61,ソウギョ
 --日本ではモテない魚--
 コイ目コイ亜目コイ科ソウギョ属

  • 中国ではソウヒー、ツァウヒー、ホワンヒイという。
    水草を喰って成長も早く大型になるとして移植した割には利用されなかった。

62,タイリクバラタナゴ
 --美しき侵入者--
 コイ目コイ亜目コイ科タナゴ亜科バラタナゴ属

  • ソウギョの種苗に混入して日本に侵入したらしい。1940年代には利根川水系に見られるようになり、生息域を西日本へと広げていった。
    ニッポンバラタナゴはこの在来種に圧迫されいるし、一部では交雑種も出現し、生息域に混乱もおきている。

63,タウナギ
 --昔の外来魚か--
 タウナギ目タウナギ亜目タウナギ科同属

  • 別名カワヘビ。
    日本へはその昔、薬用として渡来したもので台湾から奈良に来たのが最初らしい。
    若魚までは全部メスで、50センチを越える成魚は総てオスなのだそうだ。
    オスは空気を吸って気泡を吐き出し、その気泡で巣を作る。

64,タナゴとタビラ
 --タナゴ類の代表--
 コイ目コイ亜目コイ科タナゴ亜科同属

  • 標準和名タナゴは関東、東北の太平洋岸だけに生息する。マタナゴとも呼んでいるが、ヤリタナゴを含めての呼び名である。
    タナゴとヤリタナゴの区別は、臀鰭の縁が白いのがタナゴ、赤味のあるのがヤリタナゴで、メスでは緑帯のあるのがタナゴで、ヤリタナゴにはない。

    関西ではタビラという。近年3種(亜種)にわけられて、アカヒレタビラ、シロヒレタビラ、セボシタビラがいる。

65,チチブ
 --色は黒いがきれい好き--
 スズキ目ハゼ亜目ハゼ科チチブ属

  • 大きくても10センチ足らず、腹部が太くマハゼより早く春の汐入河川で釣れ始める。
    霞ヶ浦では他の小ハゼ類と共に佃煮が名物でゴロと呼んでいる。

66,チョウザメ
 --日本では幻の魚--
 チョウザメ目チョウザメ科同属

  • 我が国でも天塩川、石狩川などに遡ったが、現在はその姿をほとんど見ない。

67,チョウセンブナ
 --今はいづこに--(※ず)
 スズキ目キノボリウオ亜目キノボリウオ科タイワンキンギョ属

  • 昭和初期、葛飾区の用水路には沢山いた。
    大陸原産で日本へは1941年に朝鮮半島より移されたものだ。
    もうひとつ台湾からタイワンキンギョがある。沖縄ではオスをウートー(雄闘)、メスをミートー(雌闘)と呼ぶ。

68,ツチフキ
 --川のサンドポンプ--
 コイ目コイ亜目コイ科ツチフキ属

  • 砂底を好み、この中にいる餌を砂利と共に口に含んでは吐くので、土吹きの名で呼ばれるが、旧書ではスナモロコの名が用いられている。
    近年、琵琶湖のゼゼラが関東に進出しており混同される。

69,テツギョ
 --金ブナと金魚の混血か--
 コイ目コイ亜目コイ科フナ属

  • 1927年宮城県の魚取沼から初めて報告され、1933年に天然記念物に指定された。その後各地から報告されている。
    金魚の交雑について疑問とする人もある。

70,ドジョウ
 --復活しないドジョウ釣り--
 コイ目コイ亜目コイ科ドジョウ亜科同属

  • 昔はフナ釣りが主流であったが、初夏の釣り物として手長エビとドジョウがあり、冬のタナゴ釣りより釣る人は多かった。
    埼玉の水路にある水車や洗い場ではキジ(シマミミズ)で良く釣れた。
    ドジョウの釣果は升目で表し、よい日は5合(1リットル)釣れた。

71,トミヨ
 --絶滅した種もある--
 トゲウオ目トゲウオ科トミヨ属

  • トミヨ属は純淡水にすむ魚である。日本では4種が知られ他にイバラトミヨ、エゾトミヨ、ムサシトミヨがいる。
    もう一種ミナミトミヨが京都周辺に生息していたが、湧き水は芹などの栽培に適するため、農薬により姿が見られなくなった。

72,ナマズ
 --水質汚染にたえて活きる--
 コイ目ナマズ亜目ナマズ科同属

  • 一時は激減したが、汚染に抵抗力をつけ再び繁殖し始めたのかもしれない。
    昔からナマズに関する伝説や民話は多くある。徳島県の「川田のナマズ神」を紹介する。(※省略)

73,ニゴイ
 --コイとは大分ちがう--
 コイ目コイ亜目コイ科同属

  • 似鯉と書かれるが、比べてみると甚だコイとは異なることが判る。
    関東ではサイと一般にはいうが、子供の頃はセイタッポと呼んだ。岡山県吉井川ではイダ、大阪ではキツネゴイと呼んでいる。

    ニゴイよりさらに吻の長いズナガニゴイが滋賀県野州川より西に分布するが、1981年静岡県高科川に生息が認められた。
    ズナガニゴイは中層にいるのでウキカマツカ、ウキガモと呼ばれる。

74,ニゴロブナ
 --琵琶湖産の金ブナ--
 コイ目コイ亜目コイ科フナ属

  • ニゴロブナのオスはイオと呼び、メスはニゴロという場合もあるが、大型の抱卵魚をテリフナと呼ぶのが一般のようで、好天の日にしか産卵しないことによる照鮒の意らしい。小型で成熟するものをガンゾという。
    琵琶湖には銀ブナもいてヒラワと呼ばれる。金ブナはいない。

75,ニシキゴイ
 --カクが揚がって錦鯉--
 コイ目コイ亜目コイ科同属

  • 戦前には聞かれなかった言葉で、昔はヒゴイ(緋鯉)、イロゴイ、ハナゴイなどと呼んだ。

「淡水魚からのSOS 106」 森田員正 その6

46,クサフグ
 --面白い産卵行動--
 フグ目フグ亜目フグ科同属

  • 5月から8月の新月か満月の前後5日間の間に大群で産卵する。千葉小湊ではアゲシオフグと呼んでいる。

47,クロホシマンジュウダイ
 --本種にも生息--
 スズキ目チョウチョウウオ亜目クロホシマンジュウダイ科同属

  • 1970年以前、四万十川では繁殖もしていることが判っている。
    観賞魚の愛好家の間では一般にスキャット・ファガス(※ファーガス)と呼ばれている。

48,ゲンゴロウブナ
 --ヘラブナの放流について--
 コイ目コイ亜目コイ科フナ属

  • 琵琶湖特産でヘラブナは本種を人工増養殖したもの。

49,コイ
 --十字軍とドイツゴイ--
 コイ目コイ亜目コイ科コイ属

  • 野生型で細身のノゴイとズングリとした飼育型のヤマトゴイがいる。この他に外来種のドイツゴイも見られ、鱗が大きいカガミゴイと鱗のほとんどないカワ(革)ゴイの2型がある。
    コイをヨーロッパに伝えたのは十字軍で、当時教徒は金曜日に肉が食べられず魚を食べ、これを持ち帰った。

50,サクラマスとヤマメ
 --川に残るのはオス--
 ニシン目サケ亜目サケ科同属

  • 昔は陸封されたヤマメはほとんどオスであった。栃木県では今でもヤマメといわずヤモメと呼んでいる。

51,サケ
 --豊平川に帰ったサケ--
 ニシン目サケ亜目サケ科同属

  • 1981年秋、豊平川に戻ったサケの様子をテレビが伝えた。実は2年前にも戻った記録はあった。

52,サヨリ
 --卵胎生もある--
 ダツ目トビウオ亜目サヨリ科同属

  • 茨城県涸沼(ヒヌマ)あたりでは産卵期のサヨリは吻が赤く鮮やかなのでベニサシと呼んでいた。
    観賞魚として売られているデルモゲニーは卵胎生であるが、石垣島の宮良川に普通に見られるコモチサヨリも卵胎生である。

53,シシャモ
 --神のくれた魚--
 ニシン目サケ亜目キュウリウオ科シシャモ属

  • アイヌ語のススハム(柳葉)の転で柳葉魚と書く。

54,シマドジョウ
 --清流が好き--
 コイ目コイ亜目コイ科ドジョウ亜科シマドジョウ属

  • 清い流れの砂礫を好むオイカワなどと同じ水域にいる。
    外国人に人気があり観賞魚として輸出されている。

    近似種のスジシマドジョウ、タイリクシマドジョウ、1970年になって新種のイシドジョウが記録された。
    山口県でイシドジョウは発表されて当時、6カ所の生息地があったが、現在は1カ所のみとなった。

55,シラウオ
 --現在も徳川家に献上--
 ニシン目サケ亜目シラウオ科同属

  • 墨田川にも昔はシラウオが沢山獲れた。徳川家と共に三河から来た、との伝説もあり、佃島の漁師はシラウオによって保護され特権を持っていた。
    今は霞ヶ浦のシラウオを献上している。

56,シロウオ
 --シラウオと間違い易い--
 スズキ目ハゼ亜目ハゼ科シロウオ属

  • 熊本ではシロウオのことをシラウオ、和歌山では反対で、この辺りにも混乱する原因がある。
    シロウオ料理は福岡の室見川では名物である。
    シラウオは白魚で、シロウオの方は素魚と書くらしい。

57,ジンダイドジョウ
 --三重県の天然記念物--
 コイ目コイ亜目コイ科ドジョウ亜科同属

  • 淡水魚保護協会の機関誌「淡水魚」4号に武田恵三氏が報告している。
    湿田だけに見られ、細長く目が鋭い。大きなものは30cmにもなるが、近年は絶滅に近い状態。1971年に県の天然記念物に指定された。
    名の由来は明治の初め頃、疫病が流行した折り煎じて呑むと治った。こらは神が身代わりになったとして神代ドジョウと呼ばれるようになった。

58、スゴモロコとデメモロコ
 --似ているが別種--
 コイ目コイ亜目コイ科モロコ亜科スゴモロコ属

  • デメモロコは背鰭あたりがやや盛り上がっており、扁平な感じを受けるので琵琶湖ではヒラスゴと呼んでいる。
    産卵期は半月の差があり、産卵時間はスゴモロコは夜、デメモロコは日中の快晴でないと産卵しないと言われている。

59,スズキ
 --河口堰にはばまれて--
 スズキ目スズキ亜目スズキ科同属

  • 渡良瀬川の上流でも釣れたので、河口から100キロあるのではないか。しかし利根川河口に堰ができたため遡らなくなった。

60,ゼニタナゴ
 --関東特産種--
 コイ目コイ亜目コイ科タナゴ亜科ゼニタナゴ属

  • 1975年11月、利根川下流域南岸で開催されたフナ釣大会で、7.5cmのメスと9.5cmのオスが釣れた。
    その後1980年に利根川の対岸、翌年に霞ヶ浦の西浦湖岸でも釣れた。

    現在バラタナゴ類をオカメと呼んでいるが、元来オカメとかオタフクと呼ばれたのはゼニタナゴであった。激減したためバラタナゴ類に移行した。

2008年11月15日 (土)

「淡水魚からのSOS 106」 森田員正 その5

36,カワスズメ(ティラピア)
 --温泉地に野生化--
 スズキ目スズメダイ亜目カワスズメ科

  • 1976年正月、山梨県の石和温泉の用水で珍魚が釣れたと、スポーツ紙に報ぜられた。その正体はティラピアであると中村博士によって確かめられた。
    私も1973年春、伊豆蓮台寺温泉で釣った。

    この魚の本名はティラピア・モダンチカ(※モザンビカ)といい、日本に入ってきたのは1954年とされている。
    1962年になると、養殖に有利なティラピア・ニロチカが入り、鹿児島ではティラピア・ジリーという、味では一番と言われる種が養殖され、指宿では野生化しているという。
    これらは産地ごとに、新鯛、紀州鯛、織鯛、チカ鯛、イズミ鯛の名で店頭に姿を見せている。

37,カワバタモロコ
 --雑魚として扱われる小魚だが--
 コイ目コイ亜目コイ科カワバタモロコ属

  • 琵琶湖では湖東、湖南の水草の茂った所に多く見られる。
    カワバタモロコの名は滋賀県水産試験場場長の川端重五郎氏の名をとったもので、発表報告は田中茂穂博士である。
    福岡市周辺にはヒナモロコが混生し、ヒナモロコはゆるい流れを、カワバタモロコは淀みを好む。

38,カワマス
 --外来種のイワナ--
 ニシン目サケ亜目サケ科イワナ属

  • 北米より輸入され、栃木県日光の湯の湖、長野県梓川の明神池にいる。
    英名ブルー・トラウト、略してブルーク又はブルック。

39,カワムツ
 --狩野川シアン流出の中で--
 コイ目コイ亜目コイ科オイカワ属

  • 1978年1月14日、伊豆大島近海地震の際、狩野川の支流、持越(モッコ)川に大量のシアンを含む鉱滓が流出した。
    これを機にカワムツが殖えたようだ。

40,ギギとその仲間
 --地震の予知もする?--
 コイ科(※目)ナマズ亜目ギギ科同属

  • ギギと近似種のギバチとは分布上面白い位置を占めており、ギギは西日本と四国の吉野川水系、新潟県阿賀野川水系に、一方ギバチは関東東北と九州に分布している。
    両者の中間的な型が1977年に天然記念物に指定されたネコギギで、三重県五十鈴川から木曽川水系にだけ見られる。

41,キュウリウオ
 --独特の臭気がある--
 ニシン目鮭亜目キュウリウオ科

  • ワカサギのように陸封などの適応性はないが、シシャモと同じように春から初夏に川を遡り産卵する。
    アイヌはパイカ・チェヘ(春の魚)、フエア・ルイ(臭うが強い)とか、これの訛りと思われるヌイラと呼ぶ。

42,キンギョ
 --金魚の刺身--
 コイ目コイ亜目コイ科フナ属

  • 元々はフナの仲間なのだから食べられないことはないが、終戦直後、食糧難の時代にヒゴイが魚屋並べられたのを見たが、売れ行きは良くなかった。
    身なりばかり良いが腹の黒い人を「金魚の刺身」と昔はいった。見かけは良いが煮ても焼いても喰えない、ということだろう。

43,キンブナ
 --金鮒と銀鮒の判断は難しい--
 コイ目コイ亜目コイ科フナ属

  • 鱗数より背鰭の棘条数の方が見分けの目安になる。金ブナは13~15本、銀ブナは16~18本、ゲンゴロウブナは17~19本である。
    銀ブナは変異種の出現は極めて稀であるが、金ブナはいろいろなフナ属の祖先となっており、金魚、諏訪湖のナガブナ(現地名アカブナ)や琵琶湖のニゴロブナなどがある。

44,ギンブナ
 --極めて稀な雄魚--
 コイ目コイ亜目コイ科フナ属

  • 雄魚が極めて少なく、霞ヶ浦での調査によると1万尾の内に雄魚は1尾もみられなかったと報告された。
    少ない理由については、孵化した時点ではかなり存在するがその大部分が死滅する、性転換説、地域説などあるが、不明である。

45,ギンマス(ギンザケ)
 --淡水で養殖も--
 ニシン目サケ亜目サケ科サケ属

  • 1975年、富士山麓の湧水を利用して、1年で300~500gに成長した。価格はニジマスの3倍した。
    群馬県では1976年に静岡産の稚魚を育てた結果、2年後に大きいものは2kgに育ち、採卵、孵化にも成功したが奇形が目立った。
    1978年には栃木県東古屋湖に釣魚用に試験放流した。

2008年11月13日 (木)

「淡水魚からのSOS 106」 森田員正 その4

26,オオクチバス(ブラックバス)
 --無差別放流に反対--
 スズキ目スズキ亜目サンフィッシュ科

  • 三宅島の水源となっている大路池(タイロ)には1974年頃に突然現れた。
    芦ノ湖に移植されたのが1924年頃で40年たって、相模湖、津久井湖をはじめ釣れだした。
    1976年になると琵琶湖をはじめ、翌年には東条湖、生野銀山湖と広がる。

27,オヤニラミ
 --淡水魚(※淡水?)にすむスズキの仲間--
 スズキ目スズキ亜目スズキ科オヤニラミ属

  • 鰓蓋後方には、目と色や大きさの似た丸い紋があって、ヨツメと呼ぶのは兵庫、広島など。
    海のメバルに似ているのでカワメバルとも呼ばれる。

    親不孝者の意味もある。訛ってネラミなどともいうが、少し変わったミツクリという名もある。
    これは、卵に新鮮な水を送るから水繰り、の意ではないかといわれている。

28,カジカ
 --子供の遊び相手だった--
 スズキ目カジカ亜目カジカ科同属

  • 釣具店ではカジカの卵を干乾して売っていた。渓流魚の餌として水で戻して用いる。
    カジカは河鹿、鹿の肉は旨いものの代名詞。河で旨いのが河鹿。
    実際カジカと言っても数種有り、ウツセミカジカなども単にカジカである。北海道にはハナカジカ、カンキョウカジカなどがいる。

29,カゼトゲタナゴとスイゲンゼニタナゴ
 --生息地限定の両種--
 コイ目コイ亜目コイ科タナゴ亜科バラタナゴ属

  • カゼトゲタナゴは北九州にだけ見られる。青色帯はオスの方が長く、その先端は尖っている。
    生息地が限られるだけに、水質の汚染悪化が心配される。柳川ではニホンバラタナゴと共に、ニガブナと呼んでいる。

    岡山県吉井川水系にだけ見られるのが、同属のスイゲンゼニタナゴで、1965年に報告された。カゼトゲタナゴによく似ているが、青色帯が太く、体高が高いことなどで別種とされたが、体高は個体による差違がある。

30,カダヤシ
 --メダカに似るが卵胎生--
 メダカ目メダカ亜目カダヤシ科カダヤシ属

  • 1916年頃に台湾から運ばれたとの記録がある。
    もともとはマラリア蚊の幼虫を退治するのを目的に北米東南部から広がった。

    環境次第では年6回も産卵し、1回に150尾位の子魚を産む。
    英名モスキット(※モスキート)・フィッシュ
    タップ・ミンノー(※ミノー)は別の魚。

31,カネヒラ
 --本邦最大のタナゴ--
 コイ目コイ亜目コイ科タナゴ亜科タナゴ属

  • 15cmに達するものも見られる。自然分布は琵琶湖淀川水系より西の本州と九州の一部。
    1979年に釣友が釣り上げ話題になった。前年に中村守純博士が霞ヶ浦に注ぐ一ノ瀬川で釣られたものを飼育し確認している。

    霞ヶ浦では琵琶湖水系のセタシジミの養殖を1970年から始めた。カネヒラはタテボシと呼ばれる貝に産卵する場合が多く、この貝がセタシジミに混じっていたと考えられる。

32,カマキリ(アユカケ)
 --利根川下流の汚染が打撃--
 スズキ目カジカ亜目カジカ科カジカ属

  • 稚魚期に一時海に入り、大型で30cm近くになる。
    釣宿の主人に見せると「アユカケは夫婦仲がよく、いつも2尾でいる」との話。
    九頭竜川ではアラレガコと呼び、霰(アラレ)の降る頃に腹を上にして河を降る。

    背に寄った棘の1本は強大で鉤状、これでアユを掛けると想像されアユカケ、鎌の如く鋭いのでカマキリ。高知ではセガマ(背鎌)という。

33,カマツカ
 --減少の理由は?--
 コイ目コイ亜目コイ科コイ亜科カマツカ属

  • 開発治水などで砂が多くなった。カマツカは砂地が大好き。
    砂を掘り頭の型から大阪ではカワスキ(川鋤)といい、姿が海のキスに似ているのでカワギスと呼ばれる。
    川に砂が多くなったが、年々その姿が見えなくなったのは原因不明。

34,カラフトマス
 --鼻曲りならぬ背張り--
 ニシン目サケ亜目サケ科同属

  • 産卵のため川を遡るオスの背が張り出しているのでセッパリマスとかラクダ(駱駝)と呼ばれる。またホンマスとも呼ばれる。

    北米やカナダではピンクサーモンと呼ばれ、多くは缶詰にされるが、未成魚は都会の魚屋でアオマスの名が用いられる。
    豊魚年は西暦の奇数年次、偶数年次は1/4の凶漁となる。

35,カワアナゴとドンコ
 --ナワバリを荒すのは誰--
 スズキ目ハゼ亜目カワアナゴ科同属

  • カワアナゴは太平洋側に多く、上流まで遡るが汽水域にもいる。
    ドンコは純淡水にいて泥底を好み天竜川以西にいる。

「淡水魚からのSOS 106」 森田員正 その3

11,イタセンパラ
 --守った人たち--
 コイ目コイ亜目コイ科タナゴ亜科同属

  • 昔は「ビワタナゴ」の標準和名を用いられたこともあった。
    1974年にミヤコタナゴとともに天然記念物となった。

    兵庫県伊丹市にある今池(人工池であった))では1969年に生息が確認されたが、その翌年に埋め立てられ消滅した。公立図書館が建っている。

12,イチモンジタナゴ
 --(付)タナゴの語源--
 コイ目コイ亜目コイ科タナゴ亜科同属

  • 琵琶湖周辺においては、タナゴ類をボテ、と呼びタナゴという呼び名は関東独特と思うのは間違いで、元来は京都方面でタナゴと呼ばれており、それが関東に伝わったもので訛って「タノゴ」(長野)、「タンゴ」(千葉)と呼んだりする。

    現在、京都地方の呼び名はタビラ、だがこれは古語転属詞のタビラコ、の略で、掌魚の字に見られるように、テノヒラゴ→テビラコ→タビラコ→タビラ、と変化してきたもののようだ。

    タナゴもタビラコの転だし、掌の字はタナゴコロ、とも読むので頭の三文字を捕ってとなり、タ=手、ナ=の、ゴ=魚と説明される語源説と同じである。

13,イトウ
 --成長おそい巨大魚--
 ニシン目サケ亜目サケ科イトウ属

  • シベリアのアムールイトウ(タイメン)、鴨緑江のコウライイトウ、揚子江には現地で「虎魚」と書くイトウ、と日本のイトウを併せてアジアには四種のイトウが生息しており、もう一種がヨーロッパのダニューブイトウ(ニシイトウ)である。

    北海道教育大釧路分校の山代昭三戦線の観察によると、「満1年で10センチ以下、2年15センチ、5年32センチ、8年50センチ、10年63センチとなり、1メートルになるには15年かかると見ている・・・・・」

14,イトモロコ
 --相模川で見つかった--
 コイ目コイ亜目コイ科モロコ亜目(亜科?)スゴモロコ属

  • 中村守純博士が「淡水魚」4号に報告。
    本種に限らずモロコ類は関東にいなかったが、タモロコを中心に近年は繁殖している。
    一時はイトタナゴの標準和名を用いられたこともあった。

15,イトヨ
 --巣をつくる年魚--
 トゲウオ目トゲウオ科イトヨ属

  • 背中に鋭い棘を持っているのでトゲウオと呼ばれる。棘が普通3本のものがイトヨ属、9~10本がトミヨ属である。

    イトヨは降海性であるが、内陸部に陸封されたものもあり、福島、栃木、福井の各県では天然記念物に指定、保護されている。

    北海道の漁師は「イトヨ(現地名・ハリサバ)がやってきたから、ニシン漁は終わりだ」というようにその頃接岸し、川を遡る。

16,イワトコナマズとビワコオオナマズ
 --琵琶湖特産のナマズたち--
 コイ目ナマズ亜目ナマズ科同属

  • 琵琶湖には3種のナマズがおり、学術的に認められたのは1961年。

    何故琵琶湖にだけ3種のナマズがいるのだろうか?
    この点については2種の登録者である京都大学の友田淑郎博士は著書「琵琶湖とナマズ」の中に詳しく述べている。

17,イワナ
 --深山幽谷の主といわれ--
 ニシン目サケ亜目サケ科イワナ属

  • 体紋によってカメクラ型、ナガレモン型、ムシクイ型、ムハン型がある。
    島根、鳥取のイワナをゴギ、奈良のイワナをキリクチといい別亜種として扱う。

    更にニッコウイワナとヤマトイワナに分ける場合があり、更に北海道にはアメマスの陸封型としてエゾイワナとオショロコマ(カラフトイワナ)が生息する。オショロコマの陸封型で然別湖のものをミヤベイワナと呼ぶ場合がある。

18,イワメ
 --天然淡水の稀魚--
 ニシン目サケ亜目サケ科同属

  • かつて北海道においてはヤマメとアメマスの交雑種がイワメの俗称で呼ばれた。
    標準和名として中村・木村両氏によって1961年新種として報告された。
    大分県大野川支流で初めて捕獲され、地元での呼び名をそのまま和名とした。

19,ウキゴリ
 --金沢でゴリの一種--
 スズキ目ハゼ亜目ハゼ科ウキゴリ属

  • 石川で単にゴリと呼ばれるのはドンコ(カワアナゴ科)が一般的だが、和倉ではマハゼのことでカジカをゴリという。
    ウキゴリは石川ではシマゴリともいう。

    他地方でゴリと呼ばれる魚を見ると、黒っぽい体色をした小魚が多く、関東などで、チチブを主とした小型ハゼをゴロ、と呼ぶのと同じでその語源はクロ(黒)のようである。
    石川県での強引な漁法から「ゴリ押し」というそうだ。

20,ウグイ
 --信州千曲川のアカウオ--
 コイ目コイ亜目コイ科コイ亜科ウグイ属

  • 関東では一般にハヤと呼ばれ、方言の多い魚として知られている。
    産卵期の4~5月になると河川に人工的産卵床を備え、一網打尽にする。この漁場を「ツケバ」と呼んでいる。
    戸倉温泉ではアユの時期以外は名物アカウオとして必ず膳につける。

21,ウナギ
 --庶民のウナギ--
 ウナギ目ウナギ亜目ウナギ科同属

  • 「ウナギの荷鞍」、「ウナギは滑っても一代」の説明。
    川柳での使用例を紹介

22,ウロハゼ
 --皇太子もご研究のハゼ--
 スズキ目ハゼ亜目ハゼ科ウロハゼ属

 マハゼに似た汽水魚だが、純淡水域には入らない。
 これとよく似たフタゴハゼが沖縄にいて、現皇太子殿下(※此の当時)が別種とした。

23,エゾウグイとウケクチウグイ
 --吻に特徴ある地方種--
 コイ目コイ亜目コイ科ウグイ属

  • 北上川ではフェザと日本語らしからぬ呼び方をするが、フエザッコの略称で、上吻が長く横笛を吹くときの唇の格好に似ているからである。
    酸性度の元々強いのが只見川でこの水域には下唇が突き出ているのでウケクチウグイと命名された種がいる。

24,オイカワ
 --東西で異なる大きさ--
 コイ目コイ亜目コイ科コイ亜科オイカワ属

  • ヤマベのことで、オイカワというのは琵琶湖周辺などで特にオスを指す一地方名にすぎなかった。関西では一般にハエと呼ぶ。

    釣り競技会の方法も異なり、関東では総重量、関西では2尾の長さの合計で成績を決める。
    関西では17センチ以上を狙うが、関東では18センチ以上は稀で16センチ級を釣るのも容易ではない。

25,オオウナギ
 --魚に大切なヌメリ--
 ウナギ目ウナギ亜目ウナギ科同属

  • 体色が褐色で斑紋があるのでアカウナギ、また甲殻類を好んで喰いカニクイなどの別名もある。

    難しい話は抜きにして海水と淡水の間を自由に往来できるのもヌメリのお陰で、もしヌメリがなかったら障害物で傷だらけになるだろうし、細菌にも犯され病気にとなる。

2008年11月12日 (水)

「淡水魚からのSOS 106」 森田員正 その2

自序 --淡水魚の危機--

  •  ・・・・・いくら泣いても魚たちの泪で河川を浄化することは出来ないし直接人間に訴える手段も持たない。
    ・・・・・これは魚たちの人間に対する無言の警鐘であることを各方面の一人でも多くの方にお伝えし、理解と善処をお願いいたしたいと思います。

  霊長目ヒト亜目ヒト科ニホンビト亜科ツリシ属
  1982年6月1日 森田員正

本文
1,アカザ
 --女性の化身といわれ--
 コイ目ナマズ亜目ギギ科アカザ属

  • 背部が赤褐色なので「赤背」の意で呼ぶのであろう。
    大分県の一部では「アカヂョウチン」、愛媛県小田では「オコンジョ」と呼ぶ。
    これは「お紺という女性が、失恋の揚句に入水自殺し、その化身としてアカザとなった」という伝説から。

2,アカメ
 --やがて天然記念物に--
 スズキ目スズキ亜目アカメ科同属

  • 海老ヶ池は浅い池だが、沢山のヒカリメ(現地名)がいて、よく釣れ、特に朝夕によく釣れた。30~40センチのものなら数十尾釣れたし、60センチを越すのも、イナなどを追い、池を跳ねまわっていた。時には海に出ることもあった。池内で繁殖していたらしく稚魚も沢山見られたという。

    ・・・・・ところが、1935年頃に突然、池のアカメが大量に死んで、以後は再びこの池に見ることは出来なくなった。その原因は池に流入する川に含まれた、汚染物質だった。

3,アジメドジョウ
 --清流で珪藻を食べる--
 コイ目コイ亜目コイ科ドジョウ亜科シマドジョウ属

  • 昔から美味なドジョウとして特別扱いされており、その名も味魚か、ヤマメを山女魚と書く式からすると、味魚女か。

    味がよいことについて、その原因は食性にあるようで、珪藻類を常食としている。これはアユと同じ食性である。

    秋になると石下の伏流に集まって越冬の準備をするが、その時が繁殖期でもある。このことが本種にとって不幸な結果を招いてきたようである。なぜなら、まとめて漁獲する好機となるからで、このあたりのことは丹羽彌(ヒサシ)氏が淡水魚保護協会の機関誌「淡水魚」四号に詳しく述べている。

4,アブラハヤ
 --東西で二種--
 コイ目コイ亜目コイ科コイ亜科アブラハヤ属

  • 青森から琵琶湖近辺がアブラハヤで、静岡県富士川と日本海側は糸魚川を結ぶ線から西はタカハヤで、琵琶湖から静岡にかけては両種がいることになる。

    高野山には弘法大師にまつわる伝説から「ダイシヤキグシノウオ」という呼び名がある。
    「紀州魚譜」を書いた宇井鍵蔵氏(鍵は糸編)だったと思うが、理由は「水中にあるアブラハヤを上から見ると暗色の体に小さな背鰭は淡黄色で、あたかも串の跡のように見える」からだそうだ。

5,アブラボテ
 --ナワバリを持つタナゴ--
 コイ目コイ亜目コイ科タナゴ亜科同属

  • 観賞に向く魚だが、困ることはこの魚、産卵期を迎えるとタナゴ類きってのツッパリになることで、ナワバリ意識が非常に強い。

6,アマゴ
 --奈良川のアマゴ釣り--
 ニシン目サケ亜目サケ科同属

  • 天川村には現地名「アメノウオ」の村営孵化場がある。

7,アメマス
 --アイヌ伝説の大魚--
 ニシン目サケ亜目サケ科イワナ属

  • アイヌ語で「トクシッ」とアメマスを呼び、現在も地名として残る、徳舜瞥(トクシュンベツ)、得志内(トクシナイ)、徳志別(トクシベツ)などは、いづれもアイヌ語の「トクシッ(アメマス)ナイ(川)」をそのまま地名にしたもの。

8,アユ
 --占いの魚--
 ニシン目サケ亜目アユ科同属

  • 昭和初期の解禁日には小学校も休校という山村が実際にあり、近年までは大切な行事として残っていた。
    そして今では禁止漁法となり、行うことを罪悪視すらする、ヒッカケ漁法も当時としては通常のことであった。そうでなければ女や子供にアユは獲れなかっただろう。

9,アユモドキ
 --変わった天然記念物ドジョウ
 コイ目コイ亜目コイ科ドジョウ亜科アユモドキ属

  • 1977年にネコギギと共に天然記念物に指定された。
    肌の感じがアユに似ている「アユに似て非なるもの」としてアユモドキと呼び、岡山では「アユギョウ」といい、これは山口でアユを指す呼び名と同じ。

10,イサザ
 --琵琶湖にだけすむ小ハゼ--
 スズキ目ハゼ亜目ハゼ科ウキゴリ科(属?)

  • イサザと呼ばれる魚は各地各様で、新潟ではシロウオ、木崎湖ではヨシノボリのことをいう。
    東海に行くとカタクチイワシの幼魚、更に漁村によってはエビなど甲殻類を指す場合もあって、小さな水生生物の俗称である。
    イサザとは細々魚の意のようである。
    ウキゴリ属の魚は、ケンカ好きで時に共食いもやるそうで、その他にも飼育面で難しい点も多い。

2008年11月10日 (月)

「淡水魚からのSOS 106」 森田員正 週間株式社 昭和57年

「淡水魚からのSOS 106」 森田員正 週間株式社 昭和57年7月1日 B6版 P.264 定価1500円

 本書は若干の汽水魚を含め200種近くの淡水魚を自分の切り口で紹介している。
であるから、通常の淡水魚本に見られる生息域、全長、学名などは記述されていないし、もちろん写真もほとんどない。

 それらしいのは、目・亜目・科・属が記述されているに過ぎなく、これとて学者ではないのでカタカナ表記である。

 本文は生息域や科別ではなく、和名のアイウエオ順に紹介されているのが特徴的である。

 著者は「自序」にも少し書いてあるが、釣り師らしい。しかしネットで調べてみると、あの淡水魚保護協会の機関誌「淡水魚」にも投稿している。また、「シンラ」にもその名がみえる。

 奥付を見ると自営業とのことだが、淡水魚保護協会 賛助会員となっている。

 古書界では、時々見かける本である。

 昭和50年代は淡水魚本の豊作の年だと思う。先の「淡水魚」や各県からは図鑑形式の良い本が沢山発刊されている。
 特に県別の本は、サイズと装丁が申し合わせたように似ていて、ほとんどが函入りである。しかし、今ではなかなか古書界に出てこない本も沢山ある。

【構成】

目次
自序
本文
あとがき
引用参考文献
魚名索引
奥付

-----メモ-----
員正=カズマサ
西暦1982年=昭和57年
奥付は西暦表示になっている。

「フィッシュマガジン」 昭和40年11月号 通巻2号 その4

中国産の金魚 睦 千里 5ページ
 ※白黒写真あり
 中国金魚の発達史
 中国金魚のわけかた
 珍しい中国産金魚の飼い方

魚を眠らせる 出口吉昭(日本大学水産学科助教授)
3ページ
 魚を眠らせる方法
  1,物理的方法
   水温を下げる。電流を与える。

  2,化学的方法
   魚に使用される麻酔薬

  • アルコール、エーテル、クロロホルム、抱水クロラール、コカイン、ウレタン、MS-222、キナルヂン

    魚が麻酔される過程を観察してみると、麻酔液中に入れられた魚は、始め興奮して水中を泳ぎ回り、その後で眠る。麻酔液がうすいと、眠らせないで、かえって興奮させてしまうのである。

   麻酔薬の強さ
    ※算式載っている。
    炭素の鎖が長い方が麻酔力が強い。

   魚の麻酔法

  • 普通に使われるのはウレタン(エチールウレタン)である。薬学者は催眠薬類に入れている。
    1,手に入りやすい
    2,扱い易い。水に溶け易い。
    3,興奮期が少ない。
    4,危険度が少ない。

    しかし昭和34年にウレタンは造癌物質であるから、魚の麻酔にはMS-222を使用したほうが良いと発表された。
    MS-222は局所麻酔薬のコカインに変わるものとして合成された麻酔薬である。

    ※古い記事なので以下自己責任で。
    魚を眠らせるにはウレタン1%液かまたはMS-222の2万分の1の液を作り、この中に魚を入れると魚の種類により異なるが、2~10分で眠る。

   回復と人工呼吸

  • ウレタンとMS-222は後遺症がないということになっている。

    清水中に戻して30分位たっても回復しないときは、人工呼吸を施す必要がある。先の細いガラス管の端より清水を噴射させ、口の中を洗ってやる。これを魚が自分で口を動かすようになるまで行う。スポイトでもできる。

変わった熱帯魚 連載2 四ツ目魚 牧野信司 2ページ
 1960年に輸入された。

アユモドキ 中村守純 2ページ

  • 和名のアユモドキは「鮎擬」すなわちその形が一見アユに似て非なるものとして名付けられたらしい。
    また琵琶湖沿岸の一部(旧石寺内湖附近)ではアイハダ(鮎肌の意か?)ともいわれていた。
    また当時彦根附近ではウミドジョウと呼ばれていたが、この場合のウミは勿論ミズウミすなわち琵琶湖をさしていたものである。
    岡山県かではアモズと呼ぶが、この方言の由来は私は知らない。

新刊書案内

  • 水中生物の飼育法 広崎芳次 大日本図書 昭和40年7月刊 150円
    金魚の飼い方 柴田清 鶴書房 昭和40年7月刊 400円

以上でこの雑誌の紹介は終わりです。

2008年11月 7日 (金)

「フィッシュマガジン」 昭和40年11月号 通巻2号 その3

立鱗病の予防と治療 笠原正五郎(東京大学農学部助教授)
(マツカサ病)
 症状
 発生と過程

  • 夏には殆ど発生せず、冬を中心として秋から春にわたって多く現れる。

 病因
  桿菌類の1種で、2~35度で繁殖する。

 予防と治療

  • 傷のない健康魚には感染し得ないことが実験的に確かめられているので、予防には魚を傷つけないようにすることが大切。

    治療法は (※古い記事なので試す場合は自己責任で
    クロロマイセチンを約1リットルの水に15mgの割合に加えた溶液中収容
    サルファニルアミドを約1リットルの水に250mgの割合に加えた溶液中収容

    養魚池など大量処置の場合には、水1リットルに対し、重クロム酸カリ40mgと食塩約6gの割合になる量をあらかじめ溶かしてから加え、翌日更に食塩のみ約6gを同様に加えた後、1週間および10日経過したとき、それぞれ半量の水を換える。

錦鯉コンテスト 水沢六郎

  • 錦鯉は新潟県小千谷周辺のいわゆる山古志郷に発祥されたものである。その起源は山古志の記録によると、雪深い農村の間で色鯉の名で江戸時代から愛育されており、明治時代になってにわかに盛んになり、大正3年東京の大正博覧会に出品、名声を博した。

魚紳士録 連載2 とげうなぎ 木村 重

  • 中国ではハリウナギ(針鰻)、ノコギリウナギ(鋸歯鰻)、トゲドジョウ(棘泥鰌)という。
    インドやパキスタンではモナアラル、バーム、バンバットなど、ビルマでンガー、マウイドウニヤ。ンガーは魚のこと。
    タイではパラ・ロット、プラ・カッチング、プラ・ロク。プラとは魚の一般呼称。
    インドネシアやマライではイカン・チラン、テラン。イカンが魚。

ソードテールを中心にした魚の性の転換 岡田 要

  • 幼児性転換、早期の雄、後期の雄。
    魚の世界では一般に雌から雄に転ずるのが普通だが、クロダイの類は雄先熟である。小さいときに雌雄同体で発育が進むに連れて性が分離する。
    稚魚の時代からホルモンを使うとメダカでもグッピーでも性が転換する

2008年11月 6日 (木)

「フィッシュマガジン」 昭和40年11月号 通巻2号 その2

※海水魚の記事は省略しています。

表紙
 エクソドンの可成り良い写真です。

  • 1960年に我が国へ輸入された。真ん中に自分の縄張りを取り、他の魚をそばに寄せ付けない。と解説されている。

    ※この魚最近見ないけど、輸入されているのかな。一部ではスケールイーターとも言われているようです。

ふりそで金魚 写真と文/斉藤岩蔵 (前山形県出納帳)

  • 山形金魚(別名 荘内金)の改良型。近年私が命名した
    山形金魚はコメット型で、色彩は赤と白混じり、尾はフナ尾が特徴。

    ふりそで金魚は山形県東田川郡余目(あまるめ)町大野部落の故阿部治郎兵衛氏が、県の水産技師である故明石博次氏の指導を受け、昭和10年頃作り上げたものである。
    優秀型の基準は、体色は濃い緋色で白い部分が少ないこと、尾は全長の5割以上に伸び白一色。
    水槽より池で錦鯉と共に飼って映える。

ジュルパリ 写真と文/牧野信司

  • この魚が紹介されたのは1840年、日本に輸入されたのが1961年である。
    この他にも同属でレッドジェオファーガス(クピト)、ブラジリエンシスも輸入されている。

神戸グッピーコンクール
 ファンテール部門 特等は森田和子
 ベールテール部門 特等は和田徳蔵
 写真は白黒でファンテール特等の写真は小さい

座談会 熱帯魚の魅力を語る 7ページ

  • 平林たい子(作家)、皿井長四郎(東京慈恵医大講師)、小田原利光(小田原甲殻類博物館館長、医者)、木村 重、司会/藤井安雄(安井病院長)

 ※熱帯魚の歴史が窺えるので、少し長めに引用します。

 (司会)

  •  熱帯魚が銀座の千疋屋に出たのが、昭和のたしか5,6年だと思う。日本に入ってきたのは、秋山吉五郎が大正5年にソードテールを最初に入れた。次いで大正7年にグッピーが来た

    ぼつぼつそろい出したのが昭和3年ごろで、秋山吉五郎さんの他、広瀬巨海さんが草分けであった。

    昭和7年ごろ松平公爵がエンゼルを孵化し、ベタが稲葉子爵であった。華族では徳川さん、鷹司さん、金持ちでは三井、動物園協会理事の斉藤省三さんも当時からです。

    文献としてはドイツのが主でしたが、アメリカのは昭和7年になってインネスが「ザ・アクアリウム」と言う雑誌を発行し、それから「エキゾチック・アクアリウム・フィッシュ」が1935年に出た。

    鷹司信敬さんは「熱帯魚」を昭和7年7月出したが、5月には白木さんが「金魚と熱帯魚の飼い方」を出し、序文に、熱帯魚の書物は、日本では自分が最初だと言っている。

    それから、京都大学の宮地伝三郎先生の校閲で、野尻(※吉津良恭の間違い)という、水産関係ではなくて園芸の人だと思うが、「熱帯魚の飼育と観賞」をアルスから出した。

    戦後は昭和29年に誠文堂から「熱帯魚の飼い方の手引き」を、牧野信司さん、石川貞二さん、緑鱗荘の広海さん、皿井さん、そして私(※安井)で出した。

 (木村)

  • 当時、上海の総領事館にいた、今のフリスコ熱帯魚店のご主人や・・・・・

 (司会)

  • 芦屋には古い熱帯魚屋さんで、辻本がありますね。

 (皿井)

  • 焼け出されて芦屋に来ました。もとは大阪にあった。

 (司会)

  • 大阪駅の裏側に売店があって。

 (皿井)

  • 芦屋とは兄弟で、そのおやじが天王寺の動物園のすぐ横の有名金魚屋です。

 (皿井)

  • サワガニに赤いのと空色とありますね。

 (小田原)

  • 静岡以西になると、だいだい色になり、箱根からこっちは全部黒いというか空色です。

-----メモ-----
西暦1916年=大正5年
西暦1930年=昭和5年
西暦1935年=昭和10年
西暦1954年=昭和29年

2008年11月 5日 (水)

「フィッシュマガジン」 昭和40年11月号 通巻2号

「フィッシュマガジン」 昭和40年11月号 通巻2号 1巻2号 緑書房 B5版 P.94 定価200円

 フィッシュマガジンは昭和40年8月号より創刊され昭和40年と昭和41年は隔月により発行され、昭和42年1月号より月刊誌となった。しかし創刊2号は隔月でありながら、1ヶ月遅れて出版されている。

【目次】

アイデア提供
 亀の甲羅干し棚
 浄化器の工夫
 エアポンプの工夫

魚紳士録 連載2 とげうなぎ 木村 重

盛んな各地の観賞魚展
 神戸グッピーコンクール
 京王海水魚展示会
 江戸川金魚まつり 白木屋
 世界の珍熱帯魚展 日劇
 日本アクアリストクラブ熱帯魚コンテスト

座談会 熱帯魚の魅力を語る

  • 平林たい子、皿井長四郎、小田原利光、木村 重、司会/藤井安雄

廃物利用のフィルターの作り方 山下太郎
ソードテールを中心にした魚の性の転換 岡田 要

魚と私
 アロワナ信者 伊志井 寛(俳優)
 魚を愛して40年 吉原製油社長
 オノラートさんと錦鯉

訪問 海水魚を飼う豊成小学校

中国産の金魚 睦 千里
錦鯉コンテスト 水沢六郎

海水魚の飼育 基礎編 井上喜平冶
亀の飼い方と注意点 杉浦 宏
読者交換室

立鱗病の予防と治療 笠原正五郎
読者愛魚録 大型熱帯魚を楽しむ 島田禎普
新刊書紹介

アユモドキ 中村守純
魚を眠らせる 出口吉昭
水族館めぐり 連載2 須磨水族館

相談室 水質とピラニア

フレッシュ画廊
 ふりそで金魚 写真と文/斉藤岩蔵
 ジュルパリ 写真と文/牧野信司
 テングカワハギ 写真/松岡玳良 文/柴田 清

シリーズ
 変わった熱帯魚 連載2 四ツ目魚 牧野信司
 フィッシュテスト 私は誰でしょう 第2回

読物
 世界の奇魚 連載2 バシレプタリス・リザエ 阿部宗明

魚豆知識
 魚の胃
 水族館
 海水のPH調節
 熱帯魚の取合わせ

熱帯魚店めぐり
 東京水族館
 辻本商店
 大阪水族館

友の会々員募る
編集後記

※執筆者記載なきは編集部

-----メモ-----
西暦1965年=昭和40年
関連書

  FM 通巻3号→

2008年11月 4日 (火)

「観賞魚の友」 昭和42年6月 通巻3号 その3

連載2 みんな電気器具に強くなろう 兼信至 6ページ
 サーモスタットの巻
  サーモスタットの使用目的
  サーモスタットの種類
   イ,内部調節式ヒーター含有型
   ロ,内部調節式独立型
   ハ,外部調節式ヒーター含有型
   ニ,外部調節式独立型
   ホ,過温度防止装置つき二重調節型
   ヘ,その他のサーモスタット

  サーモスタットの取扱い方
  サーモスタットの原理
  修理法(応急)
  サーモスタットの故障する原因

魚の呼吸作用とポンプの原理 田原清
 水中の溶存酸素量
 魚の酸素消費量
 エアーポンプの原理

パールグラミーの産卵から孵化までの60日間
 1,良いペアを見つけること
 2,水質は中性
 3,産卵が終わったら雌は他へ
 4,産卵7日目でゆで玉子の黄味を与える
 5,10日過ぎから生餌を
 6,産卵から60日で2センチに

水の中の青春 さとうさとし・え 水辺透
 副題「グッピー王子漫遊記」という連載物語。

業界ニュース

  • 新品種のグッピー顔を見せる ※写真はありません。
    デルタグッピーのニューフェイスが登場してきた。名付けて"ファンシー・デルタグッピー"。
    このファンシー・デルタグッピーは作出するまで2年の飼育研究を経て固定化されたものを、新宿エンゼル、青梅園、井上養殖場が入手した。
    尾ビレは正三角形。それに加えて色彩は鮮明、繊細。特に赤色が見事。

以上でこの雑誌の紹介は終わり。

2008年11月 3日 (月)

「観賞魚の友」 昭和42年6月 通巻3号 その2

※海水魚の記事は省いています。

観賞魚の友銘魚ギャラリー
 グッピーのカラー写真 (撮影)和泉熱帯魚研究所

  • パンジー・オブ・フォンテール(※ファンテール?)、デルタテール・オブ・フォンテール、グリーン・タキシード

グッピーコンテストと熱帯魚展
 白黒写真で入賞魚の写真はない
 大森の緑鮮窓主催(※緑鱗荘)グッピーコンテスト
 1位 横浜 鮎沢武男 ベールテール
 2位 北区 浜井利夫 デルタ・グッピー
 3位  〃  浜井徳子   〃

皇太子ご夫妻親善旅行へ
 サンフランシスコ・スタイン・ハート水族館へ金魚を贈呈
 献上者 新宿区の三上義隆
 紅みかみ(仮名)まだ1代だが、白ほうと丹頂を交配
 白黒写真有り

エアーポンプ誌上展示
 各社のエアーポンプの白黒写真有り

グッピーの品種と改良 和泉克雄 11ページ
 まぼろしの品種

  • 様々な品種の名前があるけれど、現在の日本のグッピー界で、はっきりとした品種と言えるのは、デルタテール、グリーンタキシード、フラミンゴ、アルビノぐらいである。

 品種改良とその方法

  • 両性雑種F2、一代雑種の利用、雑種強勢の利用、人為突然変異法

 グッピーと蝶
  宮寺氏とソードテール・ダブルソード

 ポピー・オブ・フォンテーヌ
  中間雑種、不完全優性
  両親はオスにデルタテール、メスにフラミンゴを用いた。

グッピーの殖やし方 太田邦雄 8ページ
 1,卵胎生ということ
 2,雌雄の区別
 3,受精から仔魚が産まれるまで
 4,増殖の準備
 5,増殖の実際
 6,グッピーの遺伝
  限性遺伝
  イギリスグッピー協会の基準。尾びれのイラスト掲載
 7,グッピー雑種
  グッピーと他の卵胎生との交配
 8,その他の卵胎生の増殖

  • ソードテール、プラティ、バリエタス(※バリアタス)、ブラックモーリー、セルフィンモーリー

愛・私のグッピー 衣笠寛 3ページ

  • グッピーを飼い始めて10数年、水槽は35本ある。
    大切なことは「見る」だと思っている。
    昨年、和泉克雄氏からデルタテール5ペアを譲り受け、自分のメスと交配したら、ことごとく素晴らしいものが出来た。

グッピー愛好家訪問 北区・浜井さん夫妻 2ページ

  • 温室は3坪、50の水槽がある。
    グッピーを本格的に飼い始めて4年。以前は赤カナリア50カゴ置いて、全日本の品評会で主席を獲得した。

飼育教室 鯉 2ページ
 王者往来 錦鯉の飼育と観賞 水沢六郎
  生きた芸術品錦鯉
  錦鯉の水槽飼育と観察
  観賞池の病気と治療
  良い錦鯉とは

 池の作り方 飛田松五郎
  断面図有り

 私の飼育法 後藤勉
  水質について
  水中の酸素補給
  餌のやり方

東錦飼育愛好家の手引き(連載2) 中村信男 4ページ
 孵化について
 仔魚の選別法
 仔魚の管理
  1,広い池で飼育すること
  2,池の水温は外温と等しくすること
  3,水中の酸素の問題
 水温の問題
 稚魚の餌料の問題

らんちゅうの黒仔飼育と選別法 三上義隆
 第1回選別 ※この名称はない
 第2~3回の選別
 第4~5回の選別
 第6回の選別
 第7回の選別
 写真に黒線を入れシャクレ、サシ、マクレ、ツマミを解説

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