「グッピーへの招待」 和泉克雄 その4
第3章 すばらしいグッピーの作り方
第1節 すばらしいグッピーとは
- こんな面白い魚もいないと思っているある種の人に、この魚を飼い続けることによって、美の一つの在りかと、在り方、その秘密と、その永続性を知ろうとしながら、飼われているグッピーを言う。
第2節 すばらしいグッピーを作るには
- この魚のすべてを、納得いくまで知る、以外に方法はない。純粋な情熱と長い経験と知識だけが、素晴らしいグッピーを作る。
第3節 改良種と純粋種
- 純粋種のグッピーとは、改良種の完成されたものであり、それ以上の大きな変化はない、とされた品種となったものを言う。そして優秀な子を交配させていけば半永久的に、その種の独創性は保たれるグッピーを言う。
純粋種は新しい改良種を作り出すための、最短距離にある魚である。
第4節 純粋種の見分け方
- 純粋種のグッピーは、オスにはそのオス特有の、同系統の色彩と紋様と形があり、メスにも同じことが言える特色がある。
グッピーはすぐ子を産むので、それが純粋種であるか否かは、2ヶ月後にははっきりする。
デルタテール・オブ・フォンテーヌの場合では尾びれの色は、濃いオレンジ色又は空色、或いは薄いむらさき色であるが、基部から先端に、黒又は赤、或いは青の小さな斑点が5列又は6列に並んでいる。背びれはあまりながくのびない。背びれの色は、薄い空色か青、ボディの色彩はあまりはでではない。
メスは生後1ヶ月で尾びれのつけ根に、黒っぽい斑点が現れ、2ヶ月で、その斑点は、菊化石のような紋様になり、3ヶ月で、その紋様に黄と青が加わり、4ヶ月で菊化石のような紋様は薄い空色と白っぽい波状の紋様に変わり、それは小さな青い斑点を無数に並べる。
第5節 選別と除去
- 生後2~3週間ぐらいになると、尻びれのゴノボジウムによって性の判別が出来る。容器の下か、脇から光を当てると、それがよく見える。その後は親と違うものを除く。
2ヶ月ぐらいまでに、4cmぐらいになり、この頃になると、オスの尾びれの色彩に様々な違いが出てくるから、色彩別、或いは紋様別に分け選別する。
生後2~3週間ぐらいメスの尾びれには、無地の場合が多いので、体格のよい、尾びれの大きいものを選ぶ。
第6節 処女のメス
- 選別と除去の目的の一つに<未婚のメス>を確保する、ということがある。
第7節 純粋種の設定
- 純粋種のグッピーは有名な<メンデルの法則>を応用することによって確実に作ることが出来る。
第8節 純粋種と品種改良
- グッピーの純系を作り、同時に品種改良をするということは、新種を作出することでもある。
この方法には、選択法、交雑法、人為的突然変異法がある。
第9節 色彩について
- ひれの長いグッピーに見られる短所はひれの色彩のはなやかさに較べ、ボディの色彩や斑文の美しさが、野生種のや交雑種より劣る場合が多いことである。
グッピーの色彩は、希望する色を多く持つ純系のオスを多用することによって、現すのが正攻法である。
第10節 劣性斑点
- 劣性斑点とは私の造語である。
赤系統のメスの尾びれに、黒の斑点が多かったり、墨を塗ったように黒くなっていたり、ピンク色の斑点がつけ根にあるのは、伴性遺伝の現れであり、劣性形質といえる。
第11節 出産についての注意
- 妊娠したグッピーの突然死の原因を11項目挙げ、半分以上は人為的なものだと解説している。
第12節 すばらしいグッピー論
- ギュンター・ステルバ博士の言葉を引用。
※前節まで展開はこの言葉を分解しているような気がします。
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