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2008年10月

2008年10月31日 (金)

「観賞魚の友」 昭和42年6月 通巻3号 観魚タイムス社

「観賞魚の友」 昭和42年6月 通巻3号 観魚タイムス社 B5版 P.118 定価200円 副題「for Fish Hobbyests」

 昭和42年4月に創刊された観賞魚雑誌です。当時は雑誌の創刊ラッシュで、この他に今でもある「フィッシュマガジン」(緑書房)、先に紹介した「ペットマガジン」(蒼洋社、後にはペットマガジン社)、「フィッシュライフ」(フィッシュライフ社)等が相次いで出版されました。

 本誌の作りも他の雑誌同様メーカやショップの広告が多数有ります。

目次
 特集 グッピーの初歩から繁殖まで
  カラー・グラフ
  グラフ(美しいグッピー)
  グッピーの品種と改良 和泉克雄
  グッピーの殖やし方 太田邦雄
  愛・私のグッピー 衣笠寛
  グッピー愛好家訪問 北区・浜井さん夫妻

 飼育教室
  海水魚 海水魚の繁殖について 杉浦宏
      磯魚の飼い方 三上進
      連載 小型水槽による海水魚の飼い方 花房進
  鯉   王者往来 錦鯉の飼育と観賞 水沢六郎
      池の作り方 飛田松五郎
      私の飼育法 後藤勉
  金魚  東錦飼育愛好家の手引き 中村信男
      らんちゅうの黒仔飼育と選別法 三上義隆

 訪問記 やあ!こんにちわ 団地の中の熱帯魚
     学校訪問 ご自慢の炉過装置

 写真構成
  パールグラミーの産卵から孵化までの60日間
  特集資料 エアーポンプを考える
   グラフ 誌上展示
   魚の呼吸作用とポンプの原理 田原清

 連載科学講座 みんな電気器具に強くなろう 兼信至
 初めて熱帯魚を飼育される方のために 東武志
 輸出入の現況

 詩人と鯉と金魚と<草野心平氏訪問> 水辺透
 水の中の青春 さとうさとし・え

 ニューフェイス紹介
 読者喫茶室
 業界ニュース
 業界展望
 観賞魚センター
 編集後記

 グラフ
  一万坪の大養殖場
  グッピーコンテスト
  皇太子様ご夫妻に金魚随行
  錦鯉品評会

 あの店この店
  高辻商会
  小山園
  新宿エンゼル

-----メモ-----
西暦1967年=昭和42年
関連書

2008年10月30日 (木)

「水草 栽培と楽しみ方」 立花吉茂 その9

※第5章 室内での育て方 の続き

 第2節 ガラス水槽での水草づくり
  ガラス・バットの種類と付属品
   ガラス・バットの種類
    熱帯魚用の水槽
    金魚鉢
    そのほかの水槽

   ガラス・バットの付属品
    エアー・ポンプ
    ヒーターとサーモスタット

  ガラス・バットで栽培する水草
   生長の一時期だけ利用できるもの
   バット栽培のむずかしさ

  バットでつくる種類
   1,キンギョモの類
   2,キクモの類
   3,フラスコモの類
   4,ミズニラの類
   5,デンジソウの類

   6,ミズワラビの類
   7,セキショウモの類
   8,ヒルムシロの類
   9,スブタの類
   10,イバラのの類

   11,バイカモの類
   12,フサモの類
   13,クロモ・カナダモの類
   14,シャジクモの類
   15,ミズハコベの類

   16,ミズユキノシタの類
   17,サジタリア(※サジタリア)の類
   18,エキノドラス(※エキノドルス)の類
   19,レースソウの類
   20,ヤナギッパの類

   21,クリプトコリネの類
   22,タヌキモの類
   23,ハリイの類
   24,オランダガラシの類
   25,バナナ・プランツの類

   26,ニンフェア(※ニムファ)の類
   27,ミズアオイの類
   28,サワギキョウの類
   29,コウホネの類
   30,セリの類

   このほか室内でつくられる種類

  植えつけ方と手入れ
   金魚鉢での栽培
    育てられる水草の種類
    植えこみ方
    管理

   熱帯魚用バットでの栽培
    植えこむ株数
    植えつけ用土
    肥料
    植えつけのデザイン
    水の管理

  越冬温度
   ヒーターなしで越冬できる種類とできないもの
    最も低温に耐えるもの
    保温を必要とするもの

   水草の越冬条件と越冬温度
   熱帯性水草の越冬条件方法
   水草種類とその越冬方法
    さし芽のできるものとこれに準じるもの
     1,さし芽のできるもの
     2,さし芽に準じるもの

   越冬方法
    球根のある種類の越冬方法

   越冬場
    越冬場のつくり方

  • 保温には発熱電線を使う。水中電線の名で園芸店で売っている。
    ブロックやレンガを庭の一隅に並べ、底にこの電線を張り、砂か土で電線を埋める。この上にビニールかガラスで覆いをすれば出来る。

    夜間の保温
    水の交換

  バットの置き場と照明
   バットの置き場
    観賞するのによい場所であること
    明るさが適当であること
    置く台がしっかりしていること

   人工照明
    明るさ
    光の波長
    点灯時間
    蛍光灯
    電源とバットの位置

   水温の調節
   冬季の日光浴

野生種の採取について
 採取上の注意

  • 私達のように植物を集めたり、育てたりするのを本業とするものでも、採取には長い年月と、何回かの無駄足とを積み重ねている。

    貴重な自然を破壊しないためには、採取も最少限度にとどめ、踏み荒らしたり、傷めたりしないよう注意したいものである。

 採取の時期
  花の咲く頃が最も発見しやすい。

 採取の方法
  その日のうちに浅い泥に植え込み、採取した水深にする。
  2,3日持ち歩くときは、水ゴケに根を包む。

 採取場所 ※採取場所と種類の一覧を掲載
  大きい湖・沼や池
  野池・溜池
  水田や付近の小川
  谷間の湿地
  山間の湖・沼

参考にした書物・文献
 日本の文献26冊と外国の文献4冊

水草一覧表
 和名、学名、科名、自生地、利用形態、本文ページ
 日本産
  浮遊性の水草  10種
  沈水性の水草  61種
  抽水性の水草  26種
  浮葉性の水草  31種
  湿地性の水草 160種

 外国産
  浮葉性の水草  5種
  沈水性の水草 63種
  抽水性の水草 10種
  浮葉性の水草 11種
  湿地性の水草 39種

 水生樹木類(※ヤナギ等) 7種

コラム
 ウキクサと公害
  生きた「ものさし」として使われる。

 レースソウの育て方
  マダガスカル・レース・プランツの栽培

 カキツバタ・アヤメ・ハナショウブの見分け方
 植物用語解説
 葉の形
  イラストで解説

 貧栄養の池
 肥料の分解
 白セメントと水中セメント
 インスタントセメント
 ミズカンナの陸上での鉢栽培

以上でこの本の紹介は終わりですが、ほんとに良い本です。

2008年10月29日 (水)

「水草 栽培と楽しみ方」 立花吉茂 その8

第4章 水槽などでの育て方
 容器のいろいろ 戸外用
  防火用水層

  • 他に木箱、ミカン箱、タンスの引き出し等、外側にペンキを塗る。

  井戸わくと土管
  浴槽
  樽
  火鉢
  タライ、ツボ
  その他の容器

 水槽でつくれる種類
  水槽で育てられないもの
   オオオニバス、ヨシ、流れのなかに育つもの

  水槽にふむきな水草のつくり方
   大型の水草
    樹木の盆栽と同じ。
   沈水性のもの

  水槽栽培に適したもの ※代表種類の一覧掲載
   小型の種類
   浮葉性のもの
   抽水性のもの
   湿地性のもの

 植えこみと手入れ
  鉢と容器
  培養土

  • 「花もの」は肥料を混ぜた発酵させた土。
    それ以外は畑土に川砂を若干加えるといい。
    傷んだ苗は細かい川砂だけに植えこみ、その後培養土に植え直す。
    水盤は川砂だけにする。

  植えこみ時期
   4~5月ごろ

  植えこみ方

  • 深植えにならないよう注意。
    鉢底から荒い川砂を1/5位、その上に培養土を八分目。

  管理上の注意
   夏季の管理

  • 水中の植物の呼吸量も増加し、水中酸素が不足状態となる。

   水腐りの防ぎ方
    よい天気が続いた時に、2,3日に1回ぐらい水を補給する。

   固定した水槽の管理
   ボーフラ対策

  • メダカを入れると効果的。
    魚を入れないときは、殺虫剤(ピレトリコン、ニコチン)を数滴落とす。

   培養土のとりかえ
    1年に1回新しくする。

 飾り鉢や水盤を利用する方法
  栽培の仕方
   室内では徒長するので、弱ってきたら戸外に出す。

  飾り方
   水盤の中に鉢を置くといい。

  利用できる水草の種類
   湿地性、抽水性のグループになる。

第5章 室内での育て方
 第1節 屋内と室内の中間づくり
  いろいろな容器
   バケツ、洗面器、スリバチ、ジョッキ、鍋、釜、土瓶、広口ビン
   植木鉢の利用の仕方
    素焼き鉢
    硬焼き鉢
     平らな石などで底穴をふさぎ、接着剤やセメントで固める。

  折衷式づくり
   戸外の水槽に沈めておいて、必要なとき室内に持ち込む。

  

岩つけ
   岩つけ仕方

  • 1,岩石を水盤にすえる。
    2,水の中に2,3週間入れて水分を含ませる。
    3,苗をくぼみに差込みカケラで覆って、水を張った水盤にいれる。
    4,時々太陽光にあて、乾いたら水をかける。
    5,1ヶ月もすると、根が岩石にとりつく。

   岩石の選び方
    凹凸のある溶岩や軽石が適当。

   つくり方のポイント
    最初はセキショウなどで練習する。

  水栽培
   利用できる種類

  • 球根など、ある程度株に養分を蓄えている種類を使う。
    クワイ、オモダカ、アギナシ、ミズカンナ、ペルタンドラ、サトイモ等

   栽培の仕方
    水を1/5位入れておくと発芽して根が伸びてくる。
    新芽が出てきたら水を一杯に張り、頻繁に水換えする。

   管理
    1,時々日に当てる。
    2,真夏は毎日水を換える。

  砂づくり
   利用できる容器
   利用できる種類
   植え方
    砂であるため、空気の流通もよいので多少深めに植える。

   肥料

  • 固形肥料は水換えを頻繁に行うので適しない。
    ハイポネックスなどの水溶性肥料をごく薄入れる。多く入れると濃い液体のため、細胞が水を吐き出して枯れてしまう。

   管理
    1,時々日に当てる。
    2,頻繁に水を換える。

   楽しみ方
    1,夏~秋に鑑賞できる
    2,戸外のものと、取り替えて楽しめる。
    3,水田水草をインスタントに楽しめる。

2008年10月28日 (火)

「水草 栽培と楽しみ方」 立花吉茂 その7

※ここからが、この本のメインだと思います。丁寧に解説されています。

 第4節 地植え
  毎年春に植えこむやり方
   栽培する水草の種類

  • このやり方は、熱帯性の水草の栽培には絶対必要な方法。

   培養土
    培養土の種類

  • 最もよい土は、天然の山池や野池の底の有機物が分解した土。

    入れる土の量

  • 25~35cmが標準で、昔から7寸あれば育てられると言われている。
    水を引き入れると時、5cm位減るので30cm位がいい。

   肥料
    肥料と土による作り方が解説されている。
   植えこみの時期
    5月下旬ごろが一番いい。
    遅いグループと4月中心のグループの表有り。

   植えつけ方
    植えつけのコツ

  • 深い地中は温度が低いので浅植にする。見えてる根は枯れる。

    いたんだ苗の植え方

  • 川砂だけの鉢植えにして浅いところに沈め、次に池の泥を使ってもう一度鉢に植え浅いところに沈める。その後池に植える。

   追肥

  • 必要ない。貧弱なのは植え込みが早すぎたり、深く植えたり、水深が深すぎた結果である。

   水の管理
    1,モや雑草の除去
    2,水腐りの防止

  • かけ流しがいいが、出来ない場合は1/5か1/4ぐらいを夏に1,2回行う。

    3,水草と魚
     土に肥料を入れているので、あまり魚は入れない。

  

数年ごとに植えかえるやり方
   肥料
    肥料の量
     必要とする種とそれ以外の種の表有り。
    遅効性肥料
    追肥のつくり方
     追肥ダンゴ(ボール)の作り方を説明。
    追肥の施し方
     1年おき程度

    植えこみの注意

  • 1,土に肥料を入れて2,3ヶ月後に植える。
    2,株間は広く
    3,大型は北側に
    4,浅く植える
    5,特定の種類がはびこり、弱い種を圧倒する。特にハス等は仕切るか箱に植える。

 第5節 鉢植え
  鉢と培養土
   植木鉢
   培養土
    培養土に適したもの
    培養土のつくり方

  • 1ヶ月以上たって発酵が終わったら、同量の土と混ぜて使う。

  植えつけの時期

  • 1~12月の適した表を掲載。
    植えかえ時期のむずかしいのは、ハエジゴクで最も寒いときがいい。
    モウセンゴケ、イシモチソウ、サラセニアは2~3月が適期。

  育苗
   育苗場のつくり方
    戸外の場合は南側
   保温装置
    夜間だけ電熱温床線で保温する。
    酸素不足になるので、ときどき30度ぐらいの温湯を注ぐ。

   育苗の仕方

  • スイレン類
    リムノカリス、エンツアイ、ミズオジギソウ、ウォーター・ポピーなど

   育苗場の他の利用法

  植えこみの方法
   球根や球茎をもつもの
    種類
    植えこみ方
     新しい根は、芽と球のわかれる部分から出る。

   ハスの類
    植えつけに使う株
    植えこみ方
    植えこみの水深
     葉がある場合は、茎が45度になる水深。

   短い地下茎のあるもの
     温帯性スイレン(熱帯性は球根)など
    植えつけに使う株
    植えこみ方

   浮葉のできるもの
    種類
    植えこみ方

   浮葉のないもの
    種類
    植えこみ方

   特に小型の種類
    小さい種類の扱い方

  • ダイズ大の川砂の上に水ゴケで苗を包んで鉢に押し込め、竹へらで固めるる。

    特に小さい種類の扱い方

  • 水ゴケにピンセットなどで穴を開け、苗を入れまわりから押して密着させる。

    管理の仕方

   特殊な水草
    サギソウ
     植えこみが遅くならないように、芽の短いうちに。

    モウセンゴケの類
     冬でも葉がついているもの(南方系)
      凍結しない場所へ
     越冬芽(イトバモウセンゴケ)
      浅く水ゴケに押し込める
     太い栄養根で越冬するもの(フタマタモウセンゴケ)
      水ゴケでサンドイッチ状に植え込む

  病害虫
   病気
   害虫
    以下の防虫・駆除法を解説。
    ハマキムシ
    カイガラムシ
    ヨトウムシ
    アブラムシ(アリマキ)

「水草 栽培と楽しみ方」 立花吉茂 その6

第3章 庭園、池・プールでの育て方
 第1節 庭園での育て方
  庭園と水草
   日本庭園
    日本庭園と水草
    日本庭園の移りかわり
   洋式庭園と水草
   庭の素材としての水草

  植える水草と場所・時期
   植える水草の種類
   植えこみ場所
   植えつけ時期
   池への植え方
    池の水量が調節できる場合
    池の水量が調節できない場合
    浅い池の場合

  • 元来野性的でじょうぶなので、池全面を占用するので容器などに植えて工夫する。

  水草の種類と植え方・管理
   大形の湿地性水草
    植えつけ方
    株分けの仕方

   ハナショウブ、カキツバタ、アヤメなど
    株分けの仕方
    株分けの時期
    株分け後の植えつけ方

   パピルス、ミズカンナ、ポンテデリア、ペルタンドラ
    パピルス
    ミズカンナ、ポンテデリア、ペルタンドラ

   浮葉性の水草
    植え方
    管理
    培養土
    植えかえ時期
    株分けの仕方
     スイレン、ハス、コウホネ、ジュンサイ
    水の管理

 第2節 池・プールでの育て方
  池やプールに適する水草
  水深別による三つのグループ

  • A,水深30cmから1mぐらいの、やや深い池かプールに適するもの
    ※以下それぞれ説明が有ります。

    スイレン類
    オオオニバスとオニバス
    ハス
    パピルスとミズカンナ
    ガマ類
    マコモ、ヨシ類

  • B,水深10~30cmぐらいの、浅い池やプールに適するもの

    ※適する種が書かれている。

  • C,水深10cm以下のごく浅いプールか、池の端の浅い位置に適するもの

    ※適する種が書かれている。

 第3節 池とプールのつくり方 ※イラスト解説
  ブロックづくり
   ブロックの数量と必要経費
   面積と深さの決め方
   作業工程
    1,位置の決定
    2,深さの決定
    3,排土
    4,水盛り(水平定め)
    5,ブロック積み
    6,底かため
    7,排水管伏せ
    8,底コンクリートうち
    9,給・排水口(栓)のとりつけ
    10,上塗り仕上げ
    11,埋めもどし
    12,アク抜き
     杉の木のカンナくずでも可能

  コンクリートづくり
   必要経費
    コンクリートの体積の計算方法
    必要量の簡単な計算方法
    型わく材料
   作業工程
    1,排土
    2,排水管伏せこみ
    3,捨てコンクリート(地盤かため)
    4,型わく組み
    5,型わくの固定
    6,水盛り(水平定め)
    7,コンクリート・モルタルの流しこみ
    8,型わくとりはずし
    9,給・排水口(栓)のとりつけ
     空き缶を入れておくことでも可。
    10,底づくり
    11,上塗り仕あげ
    12、埋めもどし
    12,アク抜き

  石組みづくり
   素人むきのつくり方
    ブロックを2段積み、その上に頭大の石を積む。
   作業工程
    1,予定地をきめる
    2,好きな形に掘る
    3,ブロックと石を積む位置を決める
    4,積みあげる
     上に積まず、45度ぐらいに開いて積む
    5,底をつくる

  簡易プール
   市販の簡易プールの利用
    固定の仕方
    型わくの材料
    ビニール・シート
    植え込む水草

   簡易プールをつくる場合
    材料
    給・排水の仕方
    修理の仕方

2008年10月27日 (月)

「水草 栽培と楽しみ方」 立花吉茂 その5

※解説のある種名を列挙して置きます。

 第5節 湿地性の水草
  ヨシとオギ

  • ヨシ(別名アシ)、セイタカヨシ(別名セイコノヨシ)、ツルヨシ(別名ジシバリ)、オギ

  ホッスガヤとドジョウツナギ

  • ホッスガヤ(別名トシマガヤ)、ムツオレグサ(別名ミノゴメ)、ヒメウキガヤ、ホソバノドジョウツナギ、ハイドジョウツナギ、ドジョウツナギ、ヒロハノドジョウツナギ

  カヤツリグサ

  • 日本産 ミズガヤツリ、アゼガヤツリ、リュウキュウイ(別名シチトウイ)、コアゼガヤツリ(別名ミズハナビ)、ヒメガヤツリ(別名ミズハナビ)、ヌマガヤツリ、ウシクグ

    外国産 カミガヤツリ(パピルス)、シュロガヤツリ(別名カラカサガヤツリ、アンブレラ・プランツ)、フイリシュロガヤツリ

  フトイとウキヤガラ

  • クロアブラガヤ、アブラガヤ(別名アイバソウ、シデアブラガヤ)、ウキヤガラ、ヒメホタルイ、ホタルイ、カンガレイ、サンカクイ、フトイ

    園芸品種 シマフトイ、タテジマフトイ、コサンカクイ

  クログワイとオオクログワイ

  • クログワイ、オオクログワイ、イヌクログワイ

  ヌマハリイとシカクイ

  • ヌマハリイ(別名オオヌマハリイ)、コツブヌマハリイ、クロヌマハリイ、シカクイ

  アンペライ(別名ネビキグサ)
  スゲ

  • アゼスゲ、ヌマアゼスゲ、ゴウソ、タチスゲ、ウマスゲ、カサスゲ、オニスゲ(別名ミクリスゲ)、オニナルコスゲ、オオカサスゲ

  イ(イグサ)
   イ(別名トウシンソウ)、ラセンイ

  ザゼンソウ
   ザゼンソウ、ヒメザゼンソウ

  イボクサ
   イボクサ、シマイボクサ

  イワショウブとキンコウカ
  ショウブとセキショウ
  ハナショウブ
   ノハナショウブ
   ハナショウブ
    江戸系、肥後系、伊勢系

  カキツバタ
  アヤメ
  サギソウとトンボソウ

  • サギソウ、ダイサギソウ(園芸品種)、ミズトンボ、サワトンボ、ヒメミズトンボ

  ハンゲショウ

  • ハンゲショウ(別名カタシログサ)、アメリカハンゲショウ(サウルス?)

  サデクサとミゾソバ

  • サデクサ、ミゾソバ、エゾノミズタデ、ヤナギヌカボ、ヤナギタデ

  ヌマハコベ
  タガラシとオトコゼリ
   タガラシ、イトキンポウゲ、オトコゼリ

  ワサビとオランダガラシ

  • ワサビ、ユリワサビ、オランダガラシ、スカシタゴボウ、コイヌガラシ

  モウセンゴケ

  • 日本産 モウセンゴケ、ナガバノモウセンゴケ、コモウセンゴケ、イシモチソウ、ナガバノイシモチソウ

    外国産 クルマバモウセンゴケ、フタマタモウセンゴケ、アフリカナガバモウセンゴケ、イトバモウセンゴケ、アオイトバモウセンゴケ、ゴウシュウコモウセンゴケ、ピグミーモウセンゴケ

  ハエジゴク(ハエトリソウ)
  ヘイシソウ(サラセニア)

  • アミメヘイシソウ、キバナヘイシソウ、コウツボソウ、ヒメヘイシソウ、ムラサキヘイシソウ、アカバナヘイシソウ

  ミミカキグサ

  • ミミカキグサ、ムラサキミミカキグサ(シロバナミミカキグサ)、ヒメミミカキグサ、ホザキノミミカキグサ

  コウシンソウとムシトリスミレ

  • ムシトリスミレ、コウシンソウ、アシナガムシトリスミレ、ヒメムシトリスミレ、キバナムシトリスミレ

  ペルタンドラ
  オランダカイウ(カラー)
  サワギキョウとミゾカクシ

  • ミゾカクシ(別名アゼムシロ)、タチミゾカクシ、ベニバナサワギキョウ、オロベリヤソウ

  ミズタガシラとタネツケバナ

  • タネツケバナ、オオバタネツケバナ、ミズタガシラ、コンロンソウ、ハナタネツケバナ

  ミズキンバイ

  • ミズキンバイ、キダチキンバイ、アメリカミズキンバイ

  ミズユキノシタ
   ミズユキノシタ、チョウジタデ

  ミズオトギリ
   ミズオトギリ、サワオトギリ、アゼオトギリ

  ミゾハコベ
  ミソハギ
   エゾミソハギ、ミソハギ、ヒメミソハギ

  キカシグサとミズスギナ

  • キカシグサ、ヒメキカシグサ、ミズキカシグサ、ミズスギナ、ミズマツバ、ホザキキカシグサ

  セリとドクゼリ
   セリ、ドクゼリ、サワゼリ(別名ヌマゼリ)

  サワトラノオ

  • サワトラノオ(別名ミズトラノオ)、ミヤマタゴボウ(別名ギンレイカ)、ヌマトラノオ

  クリンソウ
  サギゴケ

  • ムラサキサギゴケ、シロバナサギゴケ(サギシバ、サギゴケ)、セイタカサギゴケ、トキワハゼ

  サワトウガラシとアゼトウガラシ

  • サワトウガラシ(変種アカヌマソウ)、マルバノサワトウガラシ、オオアブノメ

  アゼナ
   アゼナ、アゼトウガラシ、スズメノトウガラシ

  ミズホウズキ
   ミズホウズキ、オオバミズホウズキ

  シバナとホロムイソウ

  • シバナ、ミソバノシバナ(別名ミサキソウ)、ホロムイソウ

  イヌゴマ
   イヌゴマ、ケナシイヌゴマ

  ミゾコウジュ(別名ユキミソウ)
  シロネ

  • エゾシロネ、コシロネ(別名イヌシロネ)、シロネ、ヒメシロネ

  ミズトラノオ

  • ミズトラノオ(別名ムラサキミズトラノオ)、ミズネコノオ

  トクサとヒメトクサ
   トクサ、ヒメトクサ、ミズドクサ(別名ミズスギナ)

2008年10月24日 (金)

「水草 栽培と楽しみ方」 立花吉茂 その4

※解説されている種名だけ列記しておきます。

 第3節 抽水性の水草
  クワイとオモダカ

  • クワイ、アオグワイ(関東地方)、スイタグワイ(関西地方)、ハクグワイ(中国産)

    オモダカ、ヤエオモダカ(園芸品種)、アギナシ、ウリカワ、カラフトグワイ、ヒトツバオモダカ(オモダカの変種)、タイリンオモダカ(南米産、塊茎は出来ない、越冬する)、サジタリア・プラチフィラ

  ヘラオモダカとサジオモダカ

  • オモダカという名だがアリスマという別属。ウォーター・プランティンとも呼ばれる。ホソバヘラオモダカは変種。

  ミズバショウ

  • ミズバショウ、アメリカミズバショウ、ヒメカイウ(別名ミズイモ)

  ミズカンナ
  ミズアオイとミクリ

  • ミズアオイ、コナギ、ポンテデリア・コルダータ、ミクリ、オオミクリ(別名カドハリミクリ)、タマミクリ、ヤマトミクリ、ウキミクリ、ヒメミクリ、ナガエミクリ

  ミズワラビ

  • ミズワラビ(ウォーター・スプライト)、ウォーター・ファン

  ガマとマコモ

  • ガマ、コガマ、ヒメガマ、フイリガマ(園芸品種)、マツモ

  ミツガシワ
  ヌマオオバコ(リムノカリス)
  エンツアイ(ヨウサイ、学名イポメア・アクアチカ、ツル性)
  ミズオジギソウ

 第4節 浮葉性の水草
  ヒルムシロ

  • オオヒルムシロ(別名メヒルムシロ、オヒルムシロ)、フトヒルムシロ、ヒルムシロ、エゾノヒルムシロ、ホソバヒルムシロ、ホソバミズヒキモ、ミズヒキモ、コバノヒルムシロ

  ウォーター・ポピー

  • 三木茂博士によってミズヒナゲシの名が与えられた)

  アサザとガガブタ

  • アサザ、ヒメシロアサザ、ガガブタ、バナナ・プランツ(三木茂博士はハナガガブタと名付けた)

  トチカガミ
  ヒシとヒシモドキ

  • ヒシ(メビシとオニビシは変種)、ヒメビシ、コウモリビシ(台湾産)、ヒシモドキ

  コウホネ

  • コウホネ(ベニコウホネは変種)、ヒメコウホネ、オグラコウホネ、ネムロコウホネ、ナガバコウホネ、オゼコウホネ、アメリカコウホネ、タイワンコウホネ

  ジュンサイ
   他の水草に負けてしまう。貝の食害を受ける。

  オニバス
   一年生である。種子は乾燥させると発芽しない。

  ハス

  • 東洋に1種と北米に1種しかなく、他は栽培品種。
     原種 ハス、キバナハス
     鑑賞用品種 ソウトウレン(双頭蓮)、ミョウレン(妙蓮、多頭連)、マコトハス(佐藤誠が作出)、チャワンバス

    現存すると思われる種 藤壺、大賀蓮、浄台、玉繍、蜀紅、紅碧台、芦山白、天女、碧台、清月、酔妃、一天四海

    食用品種
     支那種(別名オタフク、伊予、ナンキン)
     備中種(別名ダルマ、加賀、台湾)
     杵島(別名 明星)
     朝鮮種(別名 中間種)
     上総種(別名 餅蓮、白蓮、長蓮)
     愛知種(別名 うす、うすあか)
     早生種(別名 小節、戸倉、早生白)
     地蓮
     原始ハス

  ヒツジグサとスイレン
   ヒツジグサ、エゾノヒツジグサ
   スイレン
    熱帯性昼咲きのグループ

  • 青・紫色系
    ダイレクタ・G・T・ムーア、キング・オブ・ブルース、ミッドナイト、ペンシルベニア、ブルー・バード、ヘンリー・ショウ、ミセス・ウッドロー・ウィルソン、ウィリアム・ストーン、キング・ジョージ、シャーレス・アン、オーガスト・コッホ、ミセス・M・E・ランディック
  • ピンク系
    ペルシァン・ライラック、シカゴ、ピンク・パール、リオ・リタ
  • 黄色・赤色系
    セントルイス、セントルイス・ゴールド、タリスマン、インデペンデンス、ゴールデン・ウエスト
  • 白色系
    ミセス・G・H・プリング、デージー、テッド・ウバー

    熱帯性夜咲きのグループ
     紫や黄色の花はない。

  • オマナラ、シルバー・スター(スタートバンティを日本で改良した)、スタートバンティ、ツラディ・スローカム、ジョージ・ハスター、デボンジャー、ミセス・G・H・ヒッチコック、ビセット、コロンビアナ

    温帯性のグループ
     葉に鋸歯はない。紫色の花はない。

  • アンドレアナ、アルバ(原種と言われている)、フラバ、マリアセラ・クロマテラ、マリアセラ・カワセ(日本で発見された品種)、サンライズ、ピンク・グローリー、ピンク・オパール、グロワード・テンプル、ミセス・リッチモンド、ニュー・トーン、アトラクション

    姫性スイレンのグループ
     紫色系はない。

  • ピグメア・ヘルボラ、ピグメア・テトラゴナ(日本のヒツジグサと同じだが輸入種)、レイディケリー・ロゼア(ピンク・ピグミーと呼ばれる)、レイディケリー・ライラセア、レイディケリー・フルゲンス、オーロラ

  オニバス
   オニバス、パラグアイオニバス

  デンジソウ

  • デンジソウ(別名ペッパー・ウォート)、ウォーター・クローバー(オーストラリアン・フォーリーブド・クローバー)

2008年10月23日 (木)

「水草 栽培と楽しみ方」 立花吉茂 その3

第2章 水草の種類
 水草の分布と生態
  水草の進化
  水草の生活型
   浮遊性のグループ
   沈水性のグループ
   抽水性のグループ
   浮葉性のグループ
   湿地性のグループ
   特別のグループ

  • ※ここから各種の解説になります。解説には「栽培ノート」と称しポイントが記されている。解説されている種名だけ列記しておきます。イラスト有り

 第1節 浮遊性の水草
  ウキクサ

  • ミジンコウキクサ、ヒンジモ、アオウキクサ、コウキクサ、ヒメウキクサ(別名シマウキクサ)、ウキクサ、アカウキクサ

  サンショウモ

  • サンショウモ、オオサンショウモ

  ボタンウキクサとホテイアオイ
  マリモ、ヒメマリモ
  アマゾントチカガミ(雄しべは6個、トチカガミは12個)

 第2節 沈水性の水草
  キンギョモ・フサジュンサイ

  • ハゴロロモ、カボンバ・アクアチカ、フサジュンサイ

  キクモ

  • キクモ、タイワンキクモ、エナガキクモ

  セキショウモ

  • 日本産 セキショウモ、ネジレモ、コウガイモ、ヒラモ
    外国産 セイヨウセキショウモ(コークスクリュー・テープグラス)、アフリカセキショウモ、オオセキショウモ(ジャイアント・バリスネリア)、アメリカセキショウモ

  ヒルムシロ

  • カワツルモ属は雄しべ2個、ヒルムシロ属は4個、イトクズモ属は1個
    エビモ、ヒロハノエビモ、ナガバエビモ、ガシャモク、ササバモ、エゾヤナギモ、ヤナギモ、イトモ、センニンモ、リュウノヒゲ、カワツルモ(変種にネジリカワツルモがある)、イトクズモ(別名ミズカキイトモ)、フロッグ・レスタ

  ミズオオバコとスブタ

  • ミズオオバコ(別名ミズアサガオ)、オオミズオオバコ、スブタ、ヤナギスブタ、ミカワスブタ、マルミスブタ(別名オオスブタ)、ナガバスブタ(別名スブタ)、コスブタ(別名ナガヒメミスブタ)

  イバラモ

  • イバラモ、ヒメイバラモ、ムサシモ、オオトリゲモ、トリゲモ、イバラトリゲモ、イトトリゲモ、サガミトリゲモ(別名ヒロハトリゲモ)、ホッスモ

  バイカモ

  • バイカモ(ウメバチとも呼ばれる)、イチョウバイカモ、ミシマバイカモ

  フサモ

  • フサモ、ホザキノフサモ、オグラフサモ、タチモ、オオフサモ
    熱帯性ではミリオフィルム・エラチノイデス(熱帯アフリカ産)、ミリオフィルム・ヘテロフィルム(北アメリカ産)

  ムジナモとタヌキモ

  • ムジナモ
    浮遊するもの フサタヌキモ、ノタヌキモ、タヌキモ、イヌタヌキモ
    固定するもの コタヌキモ、ヤチタヌキモ、イトタヌキモ、ヒメタヌキモ

  マツモ

  • マツモ、ゴハリマツモ、ヨツバリキンギョモ

  カナダモ

  • カナダモ(一般にはアナカリス、三木茂博士によれば日本のものはオオカナダモ)、コカナダモ

  クロモとスギナモ

  ミズニラ

  • 日本産 ミズニラ、エゾミズニラ、ヒメミズニラ
    外国産 クイルウォート、イタリアン・クイルウォート

  シャジクモ

  • シャジクモ、カタシャジクモ、クサシャジクモ

  フラスコモ(ニテラ)

  • 日本産 ニッポンフラスコモ
    外国産 ニテラ・フレキシリス(クリスタル・ウォート)、ニテラ・グラキリス、ニテラ・カピラリス、ニテラ・オパカ

  インドネシアン・ウォーター・ファン
  ミズハコベ

  • アワゴケは湿地性、熱帯魚用としてカリトリチェ

  バコパ・カロリニアナ
  アメリカミズユキノシタ

  • アメリカミズユキノシタ(ルドウィジア・ナタンス)、ウォーター・ポーレンス(ルドウィジア・パルストリス)

  ハイグロフィラ

  • オギノツメ、ヤナギッパ(インド原産)、ジャイアント・ハイグロフィラ

  ノーマフィラ(ノーマフィラ・ストリクタ)
  ウォーター・ウィステリア(和名ミズフジ)
  ザギタリア(※サジタリア)

  • サジタリア・ナタンス、ジャイアント・サジタリア(サジタリア・ラチホリア)、サジタリア・スブラータ、サジタリア・テレス

  エキノドラス(※エキノドルス)

  • エキノドルス・ラジカンス(E.コルディフォリウス))、アマゾン・ソード・プランツ(E.パニキュラタス)、ラッフル・ソード・プランツ(E.マーティ)、スペア・ソード・プランツ(E.ムリカータス)、チェーン・ソード・プランツ(E.テネルス)、セロファン・プランツ(E.ベルテロィ)、メロン・ソード・プランツ(E.ロンギスタイリス)

  レースソウ(※マダガスカル・レース・プランツ)

  • 最初に花を咲かせたのは昭和35年11月5日で、12月4日に種子が発芽した。その苗が成長し昭和40年に2代目が開花し、昭和45年に4代目が開花した。

    栽培要点は
     人口光線だけでは不十分。
     泥に植えて、水中に浅く止める。
     酸素を補給する
     水温は15~25度に保つ

    レースソウ(別名レース・プランツ)、キボウホウヒルムシロ(花穂は1本、レースソウは二又)、ミズサンザシ(ウォーター・ホーソーン)、アポノゲトン・ウルバセウス、アポノゲトン・ウンジュラータス、アポノゲトン・エロンガータス

  クリプトコリネ

  • Cr.アフィニス(レッド・クリプト)、Cr.ベケッティ(和泉克雄氏によると<水草のすべ>コルダータと呼んでいた種類のこと)、Cr.グリフィティ、Cr.ウィリシー、Cr.キリアータ、Cr.コルダータ

  ヘヤーグラス

  • マツバイ(熱帯魚用に輸入されたのはテレストリス、サブメルサ、フルタンス)、アンブレラ・プランツ(エレオカリス・ビビパラ)、オブツサ、ペルブラ

  ウォーター・ロベリア

  • ウォーター・ロベリア(ロベリア・ドートマンナ)、ロベリア・カージナリス

  ミズヤナギゴケ

  • ミズヤナギゴケ(ウィローモスのこと)、カワゴケ、オオカワゴケ

  チドメグサ

  • チドメグサ、ノチドメグサ、オオバチドメグサ、ハイドロコチレ・ブルガリス、ペニー・ウォート(ヒドロコチレ・ペルチキラタ)

  ウォーター・オーキッド

  • ネジバナ、スピランセス・セルヌア

2008年10月22日 (水)

「水草 栽培と楽しみ方」 立花吉茂 その2

カバー スイレンのカラー写真

はしがき

  • ・・・・・しかし、熱帯魚などの飼育がさかんになり、それにともなって、いろいろな外国産の水草が輸入され、利用されるようになると、単に魚の背景としてだけでなく、水草そのものを育ててみたい考える人がふえてきました。

    ・・・・・この本は、そのような意味から、いままであまりとりあげられなかった日本の水草、特に、田や畑や湿地にはえている自然の水草の種類を、できるだけとりあげてみました。

    ・・・・・家庭に自然をというねらいから、水草を育てるための容器を重視し、容器の大きさや置き場所によるちがいを考慮して、栽培法を記しました。・・・・・

口絵 カラー写真(関連ページ付き)
 パラグアイオニバス
 浮遊性の水草

  • サンショウモ、オオサンショウモ、ホテイアオイ、アマゾントチカガミ、ボタンウキクサ

 沈水性の水草

  • バイカモ、エキノドラス・ラジカンス、レースソウ、ジャイアント・サジタリア、アマゾン・ソード・プラント

 抽水性の水草

  • ヤエオモダカ、タイリンオモダカ、ミズカンナ、ヌマオオバコ

 浮葉性の水草

  • ウォーター・ポピー、コウホネ、スイレン、ハス、ヒツジグサ

 湿地性の水草

  • サギソウ、ミソハギ、モモイロカイウ、ハエジゴク、トクサ

 自然景観

  • ミズバショウの野生状態、マコモ、アサザの野生状態、マコモ、ヒシ、コウホネの野生状態、山池のスイレン

 スイレン類

  • ペンシルバニア、リオ・リタ、セントルイス、コロンビアナ、ジョージ・ハスター、ピグメア・ヘルボラ、ツラディ・スローカム、アンドレアナ

 ハナショウブ
  江戸系 滋賀の浦波、佐野渡、紫雲の滝
  肥後系 竹取姫、水天一色、青海波、偉裳の舞
  伊勢系 滝の瀬、紫光滝、新猩々、富士の曙

 庭や池の水草 写真7枚
 屋外での栽培 容器のいろいろ
  流し台、バケツ、カナダライ、ミズ鉢、浴槽

 屋内での栽培 容器のいろいろ
  洗面器、水盤、水栽培用の容器、コップ、理科実験用バット

 室内に飾られた水草 写真3枚

※ここから本文

第1章 水草を楽しむために
 第1節 水草づくりは水づくり
  水草と私たちの暮らし
  水草栽培のむずかしさ
   さまざまな問題点
    野生の草である水草
    基本になる水づくり
    自然と人工との相違
   水草の性質と変化
    水は生きもの
    水の変化は急速にすすむ
    容量と水温の関係
    水の変化の他の要因
   水草栽培のコツ

 第2節 池はなくても水草は育つ
  広い池の功罪
  狭い面積での栽培
   チャワンバスの栽培
   ヒメスイレンの栽培
   水盤づくり

  いろいろな容器での栽培

  • 私らが、日本ではじめてレースソウ(※マダガスカル・レース・プランツのこと)の花を咲かせ、種子からの大量繁殖に成功したのも**壺だった。

  水草のグループ

  • 日本に産する水生植物は三木茂博士によると近畿地方に約100種の水草が分布し、全体で500種もある。

   生態によるグループわけ
    浮遊性のグループ
    沈水性のグループ
    抽水性のグループ
    浮葉性(挺水性)のグループ(※ふよう)
    湿地性のグループ

   目的にかなった利用を

2008年10月21日 (火)

「水草 栽培と楽しみ方」 立花吉茂 文研出版 昭和46年

「水草 栽培と楽しみ方」 立花吉茂 文研出版 昭和46年8月10日 AB変形版 P.257他さくいんP.30 定価900円

 熱帯魚関連の水草本としては昭和43年出版された「水草のすべて」(和泉克雄)緑書房が有名ですが、熱帯魚用水草本ではないけれど、その以降の参考本としては本書になると思います。

 本書は文研リビングガイドシリーズとして出版された1冊で、熱帯魚飼育書として先に紹介した「熱帯魚の飼育と繁殖」(沖田好弘)やらんちゅう界で有名な「金魚の飼育と繁殖」(大野三男)などがシリーズとして出版されています。

 このシリーズは装丁の良さと写真の良さが際だっていて、古書として入手しても型崩や、紙質の変色がみられません。古書界では年に数冊見かけます。

 著者の立花吉茂氏は水草や水生植物界では有名な方で、研究者であり実践者でもあります。

 本書の内容は熱帯魚用水草が主ではなく、どちらかと言えば日本産水草や水生植物についての解説が多く載せられていて、先に紹介した「水草園芸」(近藤龍雄)加島書店 昭和38年に近いものがあります。

 ただし、単なるカタログ本ではなく、「実践派」なので栽培法についても経験に裏打ちされた解説がなされているので、日本産水草愛好家だけでなく一読に値すると思います。

 氏はこの他にも水草関連の本として「水辺の草花」淡交社なども著しています。

 なお、さらに掘り下げたい向きには、日本産水草専門書として最近復刻版がでた「日本水生植物図鑑」(大滝末男、石戸忠)や「日本水草図鑑」(角野康郎)があります。

【構成】※本書には章、節の記述はありません

はしがき
目次
 第1章 水草を楽しむために
  第1節 水草づくりは水づくり
  第2節 池はなくても水草は育つ

 第2章 水草の種類
  水草の分布と生態
  第1節 浮遊性の水草
  第2節 沈水性の水草
  第3節 抽水性の水草
  第4節 浮葉性の水草
  第5節 湿地性の水草

 第3章 庭園、池・プールでの育て方
  第1節 庭園での育て方
  第2節 池・プールでの育て方
  第3節 池とプールのつくり方
  第4節 地植え
  第5節 鉢植え

 第4章 水槽などでの育て方
 第5章 室内での育て方
  第1節 屋内と室内の中間づくり
  第2節 ガラス水槽での水草づくり

 野生種の採取について
 参考にした書物・文献
 水草一覧表
 さくいん
 奥付

-----メモ-----
西暦1971年=昭和46年
関連書

他のリビングガイドシリーズ

2008年10月20日 (月)

「フィッシュライフ」 昭和44年2月 通巻20号 その4

グッピー色相学入門 西村真一 古美術研究家
 1,赤

  • 現在のグッピーは過不足が激しく人それぞれで、美の基準すらまちまち、今は群雄割拠の戦国時代の感がある。

    しかし岡目八目で申すならば、和泉先生の示されたグッピーの美の基準に諸手を挙げたいと思っている。
    このグッピーの理想形は、世界的な美の分割法とされている黄金分割法で分割できるから点から云っても意義を差し挟む余地などない。

    赤色と云っても黒い赤から黄色に近い赤まであり、ショウ的に見れば真赤が良く、座右に置くには少し渋い色が嫌味が無くて長続きする。

    現在はショウ的な要素を求める余り派手な色彩のグッピーが多いが、もっと渋味のある純日本的なグッピー達が、そろそろ出て来てもいいのではないかと考える。
    燻銀のようなグッピーの誕生に期待したい。

 2,黄色

  • 色彩の錯覚の一つに「色の膨張率」がある。同じ大きさの白、黒二つのプレートを一定の距離はなして見るとき、白のプレートがはるかに大きく見える。
    これが「色の膨張率」と云うもので、白が最大、黒が最小である。

    この事実がある以上、入賞せんと欲すれば薄色系のテールのグッピーを出品することになる。
    テール重視主義の風潮下のコンクールでは、青、黒等の暗いテールよりも薄色系テールの方がより大きく見えて入賞率が高くなる。

    美を求めるバラの世界では枝葉まで加えて評価しているのに、同じ美を求めるグッピー界では腰(枝、シュテム)や背びれ(葉)を抜いて尾びれ(花)の美で評価している。

    背びれを長くすることは非常に難しいとされているが、バラでも枝や葉を立派に育てることは花を大きく咲かすことよりはるかに大変なことなのである。

    黄色いバラの美しさはどなたにも判るもの。しかし稲の花の美しさの判る人はほとんどいない。稲の花の美しさが判る人こそ真の審美眼を持った人なのではないだろうか。

 3,緑色

  • デルタテール・オブ・フォンテーヌ、スカーレット・オブ・ハワイ等一連の美しいグッピーが日本の一詩人によって作出・固定され、それが今日のグッピーのベースになっていることを知ったのは、そんなに古いことではない。

    グッピーの尾鰭の緑色についてだが、これには二つのグループがある。
    一つは日光の直射でみると緑色に見えるが、蛍光灯や室内では、ただ青色のウスボケしたような色にしか見えないグッピーである。

    これは、このグループの色彩の元の色は黒と青色であり、混ぜて作り出されたものだからであり、青黒の混色では薄黒い緑色しか発色し得ないからなのだ。
    グッピーで云えば、青い尾鰭と黒い尾鰭との交配から出来たグッピーである。

    もう一つのグループとは、黄色と青色の混色による明るい緑のグループである。
    しかし残念ながら、現在ではまた不可能である。まず、美しさ黄色の尾鰭を持ったグッピーが必要だからだ。アルビノの黄色では駄目である。

    私達グッピー族は贈られた大いなる遺産をより価値のあるものに仕上げる義務があることを忘れてはならない。
    和泉克雄の「詩集」には、グッピーのことは出てこない。しかし、よく吟味してみると、グッピー飼育に関することが詩の形を通して表現されていることに気付く。
    「短い旅」の中の「遺産」と云う詩は、多分、詩人のグッピー論の凝結したものだと信じる。

グッピー審査実例研究 連載14 和泉克雄

  • キングコブラの大きなカラー写真が載っており、和泉氏が寸評、採点している。

    寸評の中で辛口部を書いておきます。
    軽薄派は「キングコブラのオスは、百円のメスと交配させても、その子にキングコブラが出るからおもしろくない」などと言うが、これはほとんどのキングコブラ系のオスが優性だからそうなるので、グッピーの品種改良は<優勢>を利用することから始まる。おもしろくないのは各自の主観で勝ってであるが、まだまだ未来性のある<おもしろいタイプ>である。

    加えて尾びれだけが大きく柳腰した、でれでれしたタイプより、野性的な魅力をもつグッピーとも言える。概して初心者及び営業的にしか見ることの出来ない人は、いわゆるファンシータイプの尾びれにのみ眼を奪われ、<通人>の域に達したものは、<失われた野生美>をこれらのタイプに追跡する。

グッピー系統繁殖写真集 連載7 森田敏夫

  • 岡明一氏が作出し3年を経たブルーファンテールに寸評をしている。

以上でこの雑誌の紹介は終わりです。

「フィッシュライフ」 昭和44年2月 通巻20号 その3

中国金魚雑感 山下恒夫
 新中国金魚の渡来

  • 昭和32年、山口鉄郎氏は日中貿易促進のため北京で雷任民という大臣級の人と出会い、お土産の日本人形のお返しに中国金魚20種を贈られた。珍珠鱗、紫金(茶金)、望天魚(頂天眼)、水泡眼、銀魚等はこうして日本にやってきた。

     もう一つは、昭和36年、LT貿易の日本側当事者である高碕達之助氏が周恩来首相から土産にもらったもので、この金魚は浩宮様に差し上げたが、駄目にしてはいけないということで、三京水産社長の江原重利氏に渡された。

    江原氏は良いものを選んで都水産試験場に送り、自身もその後淘汰を行い、香港から新たに種魚を取り寄せたりして強健な品種を作り出した。

生きた化石・シベリアチョウザメ

  • チョウザメは昭和の初め頃までは石狩川や天塩川に産卵のため遡上するのが見られた。

    昭和38年日ソ漁業交渉の際、大日本水産会の高碕達之助会長とイシコフ漁業相との間でアユとチョウザメの交換の話がまとまり、43匹のチョウザメが贈られてきた。残念ながらこのチョウザメは全滅した。

    昭和39年に、シベリアのレナ河で採卵受精したふ化後3ヶ月、全長10cm、体重10gのシベリアチョウザメの稚魚471匹が贈られてきた。

    淡水区水産試験場や2,3の水族館に飼育が依頼されたが、千葉県市川市の斉藤進一氏宅に周囲58m、深さ1.8m、幅1.8mのドーナツ状の回遊水槽があったので昭和40年に30匹預かることになった。

やって来た魚達 連載2 ニジマス 木村 重

  • トラウト類は元来、サケマス科の一族で学問上はサルモ属という。サルモとはラテン語でサリレすなわち「跳ぶ」が語源。なお食塩をサルといい、ローマ時代には食塩を給料として渡したのでサラリー(月給)の字句ができた。

2008年10月16日 (木)

「フィッシュライフ」 昭和44年2月 通巻20号 その2

金魚のカラー写真 杉彰・田中紀
 ランチュウとコメットのカラー写真

グッピーコーナー
 ヒロセ スワローグッピーのカラー写真
  作出者 生き物趣味の会会員 広瀬譲
      日本治生産業 山崎亨司

中国金魚の由来と飼い方の注意 熊谷孝良

  • 終戦後の日本人には、水泡眼、珍珠鱗などの余りにも珍稀性、グロテスクさが素直に受け入れられず、ごく少数の繁殖家(三京水産・直井氏)により僅かに保持されるにすぎなかった。
    とくに郡山の島田氏は、中国金魚を日本人向きに改良することで実をあげた。

 1,水泡眼
 2,珍珠鱗
 3,花房
 4,翻鰓(ファンスウ)

  • 恐らく日本人向きのしない魚で、将来も飼われることは無いと思う。

元祖中国金魚譚 木村 重

  • 金魚こそは、東洋人が、それこそ東洋的趣味と、箱入り娘的魅力とを満たすように作成し、今もなお改良を続けている指折りの観賞魚である。

    従ってその鑑賞法は熱帯魚と異なる静的なもので、均整の獲れた体型と優雅な泳ぎ方、及び調和のとれた色彩が条件となる。

    が、中国では古来、かめで飼って上からだけ鑑賞してきたので、色彩や泳ぐ姿は別として、その体形は均整のとれたものよりは奇形、珍妙な形を貴んできた。

 形からの名 次の4種を基本型としている。

  • 1,草金魚(ツァオチンユイ)
     ヒブナ型のこと。草とはつまらぬものの意味

    2,文金魚(ウェンチンユイ)
     ワキン型のこと。

    3,龍金魚(ロンチンユイ)
     デメキン型のこと。

    4,蛋金魚(タンチンユイ)
     ランチュウ型のこと。頭のこぶは問題ではない。蛋とは鶏卵のこと。

    これらの形が千変万化して次の品種が作成されたとする。
    5,燕尾(エィンウィ)
     リュウキン

    6,鳳尾(フォンウィ)
     出目リュウキン。黄金色が最上。

    7,朝天龍(チャオティンロン)
     チョウテンガン。向天龍(シャンティンロン)ともいう。
     かめの中で飼う時、うす暗い所でも眼が電灯のように輝くものを最上とする。

    8,水泡眼(シュイパオユェン)
     水泡が丸く大きく、体も卵円短尾を優良品とする。

    9,鶴頂紅(コワティンホン)
     タンチョウ。別名珠砂頂(チュシャティン)。眼の縁に藍色や黒色の点がぐるりとあるのが最優秀品種。

    10,絨球(ジュチュウ)
     ハナブサ。

    11,獅子頭(ツツトウ)
     シシガシラ。背びれのあるシシリュウキンもこの仲間にいれる。

    12,老虎頭(ラオフゥトラ)
     オランダシシガシラ。鱗が細かく全身あでやかに赤いのが優秀品。

    13,珍珠(チンシュ)
     シンジュリン又はパール。(※チンシュリンとは書いていません)。頭と吻はネズミのように尖り、胴がまん丸く、まるでオリーブの実のようなのが絶品。

    14,翻鰓(ファンツァイ)
     鰓蓋が外側にめくれあがり、鰓がみえるもの。

 色彩の名

  • 満紅紅(マンホンホン)全身紅色
    小桃紅(シャオタオホン)全身うす桃色
    金縷衣(チンロウイ)全身黄金色
    霜葉飛(シァンエイフィ)晩秋の紅葉色

    堆雪(ツォイシュイ)頭だけ白色
    (火編の濁)影揺紅(ツウイェンヤホオン)全身白色で、紅色が点々とある。
    満庭芳(マンティンファン)属に満天星といい、紅色の細かな点が全身にある。
    雙紅豆(ソァンホントウ)頭と尾が紅色
    酔春風(ツォイチュンフォン)両頬が紅色で他は白色。美姫が酔い春風に吹かれた姿。

    黄鶯児(ホワンエンル)全身黄色
    瑤台月(ヤオタイユウ)全身白銀色。但し光沢のないものは玉堂春(ユイタンチュン)
    混堂竜(ホンタンロン)真黒の出目
    天仙子(ティンシェンツ)藍色。これより淡色なのは青玉葉(チンユイアン)
    碧牡丹(ピイムゥタン)緑色の珍品

    玉抱肚(ユイパオトウ)腹側が純白
    下山虎(シャシャンフウ)黄金色に黒い斑点のあるもの。
    水晶簾(シュイチャンリェン)透明鱗
    五花(ウウホァ)五色
    斑花(パンホァ)各色混じったまだらのこと。

 眼の形と色

  • 龍眼は出目
    朝天眼は頂天眼
    水泡眼
    免子眼(トゥツユェン)両眼が深紅色。全身が白銀色のシロウサギは特に珍重される。

    聯珠眼(リェンチュウユェン)眼が黒く、周囲が紅色で、さらに黒か藍色の斑点がぐるりとあるものは極めて稀であるが、、若し丹頂にこの眼があれば垂涎の的となる。

    茄子眼(チャツユェン)出目と水泡眼の中間で、泡眼が電球状のもの。
    葡萄眼(プタオ)出目の変形と色変わり。

 尾の形

  • 扇尾(シァンウェイ)
    孔雀尾(コンチャオウェイ)
    草裾尾(ツアオチュンウェイ)フラダンス用のスカート状のもの。

 金魚の評価
  1,体格 発育程度    10点
  2,体型 長短と外形   10点
  3,色彩 模様と鮮明度  10点
  4,ひれ 形と長短     10点
  5,尾ひれ 大小と開き方 10点
  6,概観 見た時の直感  50点

  パールやハンブサでは
  1,体型      20点
  2,色彩      10点
  3,ひれ      10点
  4,尾ひれ     20点
  5,鱗かはなぶさ 30点
  6,眼        10点

2008年10月15日 (水)

「フィッシュライフ」 昭和44年2月 通巻20号 

「フィッシュライフ」 昭和44年2月 通巻20号 フィッシュライフ社 250*310 P.67 定価200円 副題「魚のある暮らし、魚を科学するグラフ月刊誌」

 本誌は「フィッシュマガジン」が昭和40年7月に創刊された後、昭和41年12月の「ペットマガジン」、昭和42年4月の「観賞魚の友」に続く専門誌として昭和42年7月に創刊された月刊専門誌である。

 他誌との違いは副題で謳っているように「グラフ月刊誌」で、サイズは朝日グラフのように大判で、白黒写真が多いながらも紙質は可成り良い。

 紙面構成は、他の月刊誌と同じくメーカー広告や卸を織り交ぜているが、ショップ広告はほとんどないのが少し違うところか。

 広告で面白いのは「フィッシュマガジン」や「グッピーへの招待」等、緑書房の本の広告が掲載されている。

 古書界では他の雑誌より薄ために廃棄されやすいのか、ほとんど見られない。

【構成】
特集 中国金魚の由来・飼い方・見方・繁殖
    グッピー色相学入門

表紙
 岩合徳光撮影による中国金魚
  五彩珍珠鱗(紅白珍珠鱗)

目次
 金魚のカラー写真 杉彰・田中紀
 マンガ・フィッ氏 谷口節ぉ
 ニュースフラッシュ

 魚のある暮らし
 中国金魚の由来と飼い方の注意 熊谷孝良
 元祖中国金魚譚 木村 重
 私と中国金魚の出会い 島田昭冶
 中国金魚雑感 山下恒夫
 金魚マニアの立場から 中川義夫

 鯉の話題・二つ 小林 修
 コメットに思う 田中 紀
 熱帯魚百科 フレームテトラ・ネオンテトラ 東 博司
 バイキングコーナー新製品コーナー

 でっかい魚たち 有馬志宏
 魚類の繁殖生態分類表 榊原 茂
 ショップの顔 初音鳥園・南海園
 錦鯉コーナー 台和水産
 金魚コーナー 金魚コーナーの新生産地・埼玉県
 生きた化石・シベリアチョウザメ

 やって来た魚達 連載2 ニジマス 木村 重
 まんが・水族館めぐり 下関水族館 谷口節ぉ
 鱗片の記 連載5 和泉克雄
 水中写真の写し方 連載4 須賀次郎
 海産鑑賞類 連載7 岡田弥一郎

 野生のマウスブリーダー 実吉達郎
 私のグッピー作出法 杉田夏子
 グッピー色相学入門 西村真一

 魚たちと映画 連載5 南部僑一郎
 連載随筆 魚とのつきあい 相沢益二
 相談室 金魚の白点病の治療法
 もうひとつのペット 近藤朝夫

 グッピー審査実例研究 連載14 和泉克雄
 グッピー系統繁殖写真集 連載7 森田敏夫

※執筆者の記載なきは編集部

-----メモ-----
西暦1969年=昭和44年
関連本

2008年10月14日 (火)

「重要淡水魚とその養殖」 大島正満 その4

第5章 泥鰌とその養殖
 第1節 概説

  • 戦前東京市民の消費した泥鰌の主産地は千葉、埼玉、茨城の3県で、特に千葉県の海上郡及び香取郡のものは一等品となっていた。

 第2節 稲田利用の泥鰌養殖

  • 最近トノサマガエルの脳下垂体ホルモン注射によって、生殖素の発育を促進せしむることや、人工孵化の方途も拓かれるようになったが、茲では稲田養殖法を叙説する。

  1,養殖田とその設備

  • 脱出が巧妙であるから、板囲いを水面上18~21糎出し、忍び返しをつけ、地中は30糎入れる。注排水には金網を設ける。

  2,仔魚の放養と給餌

  • 種苗としては前年に生まれた3~8糎のものを坪当たり150~600瓦である。
    給餌量は最初は放養総重量の50分の1、盛夏の候には20分の1、秋季には50分の1にし、11月に止める。回数は最初は1日に1回、盛夏は3回、秋季は1回とする。

  3,取揚げ

  • 竹製の筌(ヅウケ、モジリ、モンドリ、ドウウゲ)を用いるが、1,2回で捕り盡すには金網製のタモで泥と共に掬い上げる。

  4,雌雄の別

  • 雌の方が雄より美味である。
    1,雌雄の体長比は個体的なまたは地方的に著しい差違を示す。同一地方では雄魚は雌魚に比して体長が小さい

    2,成熟雄魚の背鰭後方に於ける背鰭両側に体軸と平衡する左右各一条の膨脹線を認めるが、雌魚にはない。

    3,雄魚の胸鰭は長く鎌状を呈し、先端尖鋭であるが、雌の胸鰭は短小で先端は尖鋭ではない。

第6章 カムルチーの養殖
 第1節 概説
  Ophicephalus tadianus

  • ※今はChana属で台湾ではライヒーと呼ぶ。タイワンドジョウの学名はChanna maculataなので、この本の学名と異なっているが、tadianusも存在するようだ。
  • 本魚は現時大阪市郊外の神崎川流域に繁殖しているが、これは大正5年に大阪府下池田町に居住していた某氏が台湾から輸入して池中に飼育していたのが、大雨で増水した際逸逃したのが事実らしい。

    また、淀川筋にも本魚が繁殖し、琵琶湖に進入し盛んに増殖しているのは、明治39年に堺市で開催された第5回内国勧業博覧会の水族館に奈良県郡山の金魚商である小松錦鱗舎が「南洋の珍魚」という振れ込みで出陳したものの子孫が逸逃したものであると云う。

  Ophicephalus argus

  • カムルチーは支那ではヘイユーと呼んでいるが、カムルチーは朝鮮名である。満州ではライと呼んでいる。

    戦前千葉県下の某農学校長が満鮮視察の際、観賞用に携え帰った数尾が大雨の際池中から逃れ出て利根川筋に入り、現今では霞ヶ浦に進出して大繁殖を遂げた。
  • 朝鮮総督府水産試験場では、大正11年以来カムルチーの養殖試験を隧行して採卵孵化育成等に成功した。

    カムルチーの養殖試験法は同時に台湾のライヒーにも転用し得ることが必然であると思意する。

 第2節 カムルチーの養殖
  1,飼育池と水質

  • 水深1米以下、池辺は水面より30糎、水質は汚染されてない限り天然水で好適。

  2,親魚及び産卵池

  • 雌魚は腹部が軟らかく感ずるが、雄魚に於いては腹壁が肥厚しているから感触が異なる。
    水面積1平方当たり0.5尾を収容する。

  3,人工魚巣及び採卵(※イラスト有り)

  • 直径3糎の竹若しくは3糎角の材木を使用して約60糎の正方形の枠を組み、枠の下面少しく内側に寄った所に沿うて長さ45糎の棕櫚毛を枠に直角をなすように垂れさせて固定する。

    棕櫚毛は枠の内側に15糎、外側の方に30糎出るようにして、内側の毛は枠の水面に浮かべ、外側に向かった毛は枠の下に垂下するようにする。
    これを浮かべ枠内に水草を入れて産卵させ、採卵は柄杓で掬い取る。

  4,魚苗の育成

  • 孵化後7日乃至10日で卵黄を吸収し、攝餌を開始する。
    この時期共食いをするので、豊富に与え飽食させる必要がある。約1ヶ月で5~7糎になり魚苗として適当なものとなる。

  5,魚苗放養後の注意

  • 捕食をするので池替えをして大小選別する。

  6,取揚げ

  • 池水を落として、伏せ籠を用いて捕獲するのが良い。

-----メモ-----
瓦=グラム
筌=セン、うえ
盡=つ・くす、つ・きる、ことごと・く、ジン、シン
西暦1916年=大正5年
西暦1906年=明治39年
攝=セツ、ショウ、と・る

これでこの本の紹介は終わりです。

2008年10月13日 (月)

「重要淡水魚とその養殖」 大島正満 その3

第2章 農山村の副業に適する養鱒
 第1節 概説

  • 大正15年農林省に鮭鱒増殖奨励事業が実施され、虹鱒、河鱒の移植が行われた。
    その他サケ、マスの違いを解説

 第2節 鱒類の池中養殖

  • 滋賀県水産試験場が昭和10年以降に種卵と魚苗とを一般養鱒希望者に配給

    1,魚苗購入と魚種
     レインボートラウトとブルックトラウトの産地等を解説

    2,養殖池の位置とその構造
     成長に従って4つ築造しておくのがいい。
     各々の長さ、幅、水深、放養数、魚の大きさ、注水量が記載されている。

    3,餌料と投餌量
     醒井養鱒場における餌料の配合量が、鱒の大きさ毎に%で掲載。
     投餌量は乾燥量で1日魚体量の30分1、水分を含む量では15分の1。
     鱒は共食いの性質があるから、放養後2ヶ月目に選別をする。

    4,取揚げ販売
     体長5寸乃至6寸、体重10乃至25,6匁の需要が多いが、洋食用では体長8寸乃至1尺4、5寸が喜ばれる。

第3章 鯉とその養殖
 第1節 概説

  • 支那の文献を引用、我が国における養鯉は景行天皇の頃が始まりと云われている。

 第2節 鯉の池中養殖

  • 産卵池、孵化池、魚兒池、一年魚池、二年魚池、三年魚池が必要。
    放養尾数は孵化後卅日までは坪当たり3千尾、1年後は3尾、翌年末は1尾にする。
    満2カ年で体長50糎、体重1瓩になり出荷できる。

 第3節 稲田養殖

  • 弘化年中信州佐久郡桜井村に行われたのが濫觴である。
    稲田の時期と放養の時期を詳細に解説。

第4章 鰻とその養殖
 第1節 概説

  • 下り鰻は索餌しないので、餌で誘致する漁具にはかからない。
    大西洋方面のレプトセファルスの話

 第2節 鰻の池中養殖

  • 鰻の養殖は明治の中葉に始まり、大正年間になって漸く擡頭した事業である。
    鰻が攝餌するのは水温12度以上の時。

 第3節 天然鰻と養殖鰻

  • 江戸前に称する天然鰻の優等品であると、脂肪の含有量が11%内外であるのに、下等品であると蛋白質の含量は大差がないのに脂肪量が著しく減じてくる上に水分が増加する。

    養殖鰻は主食として鰮を与えた場合、脂肪分は20%以上にも上る。かかる欠点を除くため、籠に入れ清流中に懸垂し、自己消化をさせて出荷する。

-----メモ-----
12代 景行天皇 西暦71年7月11日~130年11月7日
兒=ジ、ニ、こ
卅=ソウ
瓩=キログラム
弘化 こうか 1844~1848
濫=ラン、みだ・れる、みだ・りに
觴=ショウ、さかずき
濫觴=物事の始まり・起こり
擡=タイ、もた・げる
攝=セツ、ショウ、と・る
鰮=いわし

2008年10月12日 (日)

「重要淡水魚とその養殖」 大島正満 その2

自序

  •  ・・・・・即ち我等日本国民は目下全面的栄養失調の危機に瀕しているわけであるが、・・・・・少量で然も充分な栄養価を具備する蛋白資源に依存して栄養を全うすると云う手段に出ててこれを克服することを策せねばならぬ。

    ・・・・・ここに於て我等が指向すべき途は他より何等制限を受けない国内淡水面の開拓による淡水魚の養殖以外には無いことになる。

    ・・・・・食糧難に悩む敗戦国日本は、此際自ら立って、この国難を克服する挙に出なければならない。「門をたたけよ、されば開かれん」である。連合国に叩頭して不足額の輸入を懇願するのみが能ではない。

    ・・・・・然し行くやその基礎を科学の上に置かねばならぬことは云うまでもない。この小著幸に暗を照らす光であり、全国民の栄養失調を救うために資するところあらば幸甚である。

          昭和廿一年春立つ日迎へて  著者識す

緒言

  • 序文に於て述べた通り、我国各地の未利用淡水面を開発して國民の健康上必要欠くべからざる魚族の蕃殖を図ることは、・・・・・急務であるにも拘わらず、・・・・・淡水魚の養殖と云う一大事業を忘却しつつある情勢にある事は、まことに遺憾の極みであると云わねばならぬ。

 以下いろいろな統計資料
 養殖例
  1,滋賀県養鱒組合
  2,滋賀県河川養魚
  3,滋賀県内湖及溜池の養殖
  4,岐阜県武儀郡和良村の養殖
  5,福島県南会津郡荒海村会津山村道場の養殖
  6,山梨県八ヶ岳修練農場

  • ・・・・・この小冊子を以てしては充分にその意を盡し難いが、山村に適する冷水性魚族と一般農村に適する暖水性の魚族との中から最も重要なものを選び、左にその養殖法を叙述して企業の示針とする。

第1章 小鮎とその養殖
 第1節 概説
  鮎の学名、近隣国での分布、語源と意味、習性

 第2節 鮎と小鮎

  • 石川千代松博士が大正3,4年に琵琶湖の小鮎を多摩川に放流し小鮎と河鮎は同じあることが判明した。

 第3節 小鮎の河川放流

  • 小鮎の河川移植が本格的に遂行されるようになったのは、大正13年に京都府下清瀧川と滋賀県下の河川で、大正14年には東京、京都、兵庫、石川で行われた。

 第4節 小鮎の池中養殖

  • 琵琶湖の小鮎は植物性餌料に乏しき水域に生育し、ビタミンCが不足するため充分に生育することが出来ない。
    琵琶湖沿岸の溜池で青菜を混合した配合餌料を与えることによって小鮎がめきめきと肥大することの実験が成功した。

    以下「小鮎の池中飼育法」  滋賀県小鮎配給協会 淡水第一巻第一号の記事を解説。
    1,種苗用小鮎の購入
     滋賀県水産試験場での取引方法や輸送法について
     到着時の蓄養法
     海鮎を魚苗とする方法

    農林省水産試験場技師の中野宗治氏が神奈川県三浦半島の小多湾(※小田和湾)内の川間川河口で成功した。

   2,小鮎の飼育に適する用水

  • 河川水の引用や掘抜井戸の水、濁水は禁物

   3,飼育池の造り方

  • 湧水が出るところや、池底が粘土や腐植土は宜しくない。
    一池の面積は30坪乃至100坪で水深は1尺5寸乃至2尺。
    放養数は坪当たり5、60尾が良い。

   4,餌料

  • 餌料の配合は動物質6割乃至7割、植物質3割乃至4割
    一日の給餌量は体重の十分の一。

   5,飼育中の注意事項

  • 水温、特に盛夏に25度以上にならぬようにする。

  6,取揚げ販売

  • 数日間餌止めし、需給関係を見極める。

-----メモ-----
蕃=バン、ハン、しげ・る
盡=ジン、シン、つ・かす、ことごと・く

2008年10月 7日 (火)

「重要淡水魚とその養殖」 大島正満 寳文館 昭和21年

「重要淡水魚とその養殖」 大島正満 寳文館 昭和21年9月1日 B6版 P.64 定價4圓5拾銭

 本書は単なる淡水魚の飼育書や図鑑ではなく、戦後の食糧難を乗り切る方策として、内水面利用による水産資源増産のための手引き書です。

 ということで、写真や図版はほとんどありません。物資がない時代なので紙質はわらばん紙に近いようです。また、終戦直後の本なので旧漢字が使われていて読むのに少し苦労しますが、文体は楽しめます。
 小冊子風なので古書界ではほとんど見かけません。

 著者の大島正満氏はサケ科魚類の研究者として有名で、大学で使うような専門書も著していますが、それ以外でも機関誌「淡水魚」で有名な淡水魚保護協会から昭和56年に研究成果をまとめた「大島正満サケ科魚類論集」(昭和40年に亡くなっている)や、昭和32年に楡書房から「桜鱒と琵琶鱒の研究」などを著しています。
これらはいずれまた紹介することにします。

 釣り本で「雷魚」関係のものは新刊、古書とも人気があるようですし、熱帯魚飼育者で「蛇頭」つまりスネークヘッドに興味を持っている人も多いようなので、「カムルチーの養殖」は面白いかも知れません。
 因みに「カムルチーの生活史及び養殖法」昭和8年という本もありますが、大変高価です。

【構成】

自序
目次 ※第何節とは書いてありません
 緒言
 第1章 小鮎とその養殖
  第1節 概説
  第2節 鮎と小鮎
  第3節 小鮎の河川放流
  第4節 小鮎の池中養殖

 第2章 農山村の副業に適する養鱒
  第1節 概説
  第2節 鱒類の池中養殖

 第3章 鯉とその養殖
  第1節 概説
  第2節 鯉の池中養殖
  第3節 稲田養殖

 第4章 鰻とその養殖
  第1節 概説
  第2節 鰻の池中養殖
  第3節 天然鰻と養殖鰻

 第5章 泥鰌とその養殖
  第1節 概説
  第2節 稲田利用の泥鰌養殖

 第6章 カムルチーの養殖
  第1節 概説
  第2節 カムルチーの養殖

奥付

-----メモ-----
寳=ホウ、たから
西暦1946年=昭和21年
関連本 養魚系

2008年10月 5日 (日)

「グッピーへの招待」 和泉克雄 その7

第6章 コンクール・その他
 第1節 コンクール

  • コンクールはショーであり祭りであるから、楽しく、多くの人が参加し、なごやかに催すものである。
    本格的なグッピーコンクールを催すには団体が必要だ。

 第2節 コンクールの在り方

  • 日本グッピー協会の実現は多くの飼育家、愛好家が以前から望んでものである。
    コンクールが開けない理由は、互いに排他的であるからである。

 第3節 コンクールの採点基準

  • ドイツのハノーバーで開かれる「インターナショナルチャンピオン」を決めるコンクールが最も有名で、権威がある。

  海外の採点基準
   ボディ    20点(スタイル10、大きさ10)
   尾びれ    20点(スタイル10、大きさ10)
   背びれ    20点(スタイル10、大きさ10)
   状態と姿勢 20点(状態10、姿勢10)
   色彩     20点(尾びれ、背びれ、ボディ、色調隔)

  日本の採点基準
   尾びれ    32点
   色彩・紋様   24点
   からだ    18点
   背びれ    10点
   スタイル   10点
   その他のひれ  6点
 日本の採点基準は幼稚である。

 第4節 夢想と現実

  • グッピーはさまざまな夢に誘い、多くの事実を私達に示す。
    日本グッピー協会がつくられ、コンクールによりチャンピオンが決められることによって、国際コンクールへの道が開ける。
    ひとりでうっとりしているより、多くの人々に讃えられるのが自然の在り方でもある。

 第5節 楽しい世界へ

  • グッピーによって何を得ようとしているのか。私には、美の秘密を探り出すことでしかない。
    グッピーへの招待とは、自分で設けた一つの世界に、自分を招待することである。
    大切なことは楽しむことであり、苦しむことではない。より多く楽しむためには、より多く学ぶ必要がある。この本は、そのための入り口を示したに過ぎない。

 第6節 おわりに

  • 20年間に私が作出したグッピーの純系は、一種にすぎない。多くの飼育家とは対立形質の傾向にあると想われる者に、グッピーの、日本で最初の本を書かせたのは、緑書房の中沢昭夫しである。
    幾人かの人には、気に障ることが書いてあるかも知れないが、それらはすべて、グッピーをめぐる問題であって他意はない。

これでこの本の紹介は終わりです。

2008年10月 4日 (土)

「グッピーへの招待」 和泉克雄 その6

第5章 グッピーの世界
 第1節 開拓者達

  • マイロン・ゴードン博士 Dr.Myron Gordon
    氏の著書「Guppies as pets」は今でも(※昭和42年当時)最初に読む本とされている。
  • アッブス博士 Dr.Abba
    アメリカでのグッピーの改良は氏によりはじめられた。
    ソードテールグッピー、ジャイアントグッピー、アルビノグッピーは氏が作出した。
  • ウィリアム・インネス William.T.Innes
    氏の著書「エキゾチック・アクアリウム・フィッシュ」は1950年頃までは唯一の案内書であった。
  • ポール・ハーネル Paul Hahnel
    アメリカでは「グッピーの父」と呼ばれている。
  • ウィリアム・スタンカ William.Sternke
    戸外派、光線派と言われ、日当たりのいいプールで育てていた。
  • ローランド・ウェンク Roland Wenk
    氏は成魚に24時間光を当て続ける方法と餌を1時間おきに与える方法でグッピーを育て改良した。
  • フランク・アルガー Frank Alger
    氏の飼育法は背の低い75リットルの水槽(75*30*30)、ウォータスプライト絶対、水温27度、餌のこだわり、を守ることにあった。
    アッブス博士に次いでアルビノグッピーを作出した。
  • ウォルト・ケリー Walt Kelly
    氏のソードテールグッピーの剣の長さは、は全米広しと言えども見あたらぬと言われている。

第2節 グッピーと朝顔

  • 朝顔は日本の風土と生活環境によく合い、非常な勢いで多くの品種が作り出された。花、葉、茎と多様な交配を見てると、我がグッピーとどこか共通するものがあるような気がする。

 第3節 空港で生まれた三匹の子

  • 作家の平林たい子がアメリカから持ち帰ったグッピーが税関で産んだ子を譲り受け、数代後に管理不足で全滅させてしまった。この後本格的にグッピーに取り組んだ。

 第4節 <グリーンネオン・キャッツアイ>

  • グリーン・ネオン・キャッツアイは西宮に住む衣笠寛さんがグリーンテールから得た7尾のオスから見つけだしたグッピーである。

    ボディは空色の基調色の中に、ネオンテトラのような赤があり、さらに青とむらさきのかがやきがあり、尾の付け根は金色と黒の層でそれが猫目石そっくりのかがやきになっている。

    尾びれはグリーンの中に赤やむらさきの点があり、ベールテールで、背びれはブルの中に金色の点がある。

    氏は尾びれをデルタ型にし、背びれを伸ばすため、デルタテール・オブ・フォンテーヌの処女メスをもらいに来た。

 第5節 レビステス・メランゾーナス

  • 1911年に発見された「Lebistes Melanzonus」はグッピーとは別種だという意見と同族だとする意見があった。

    メスは殆ど見分けがつかないが、オスの脇腹に2本の細い線があり、その線はすみれ色に見えることがある。背中は黒っぽい緑色で、腹は薄い緑色をしている。胸鰭の上に黒い点があり、背びれは緑で短く、尾びれは透明で短い。

 第6節 他の属との雑種

  • アメリカではグッピーとブルーソード、グッピーとモーリー、グッピーとメランゾーナとの交雑ではグッピー同士以上のものは出なかった。
    今のところ「禁じられた世界」であるといえる。

 第7節 グッピーの同性愛

  • オスだけのグループでは他のオス達に追われるオスが必ずでる。このオスを父とした子には中性的形質が次第に多くなる。
    一方メスだけのグループは喧嘩をする。気の強いメスは優秀である。

 第8節 やもめの出産

  • 受精したメスはオス無しにその後5~6回、5ヶ月ぐらい出産する。

 第9節 テストフィッシュとしてのグッピー
 第10節 副業としてのグッピー飼育

 第11節 未来のグッピー
  個人的な希望として
  タイプは

  • ヴェールテール、ファンテール、デルタテール、ソードテール、ダブルソードテール、ライヤーテール、ピンテール、ベタテール、大型ラウンドテール、レーステール

  色彩は

  • 鮮明な赤、むらさき、みどり、群青色、鮮明な黄色、えび茶、黄金

  体型は

  • 大きさの限度8cm位、尾びれの長さ4cm、幅4cm、背びれの長さ4cm

  眼の色は

  • 紅、黄金、みどり、青

  希望される品種

  • 黄金デルタ、パールヴェール、ブルーレース、グリーンタキシードソード、パンジーファンテール

 第12節 一輪の花

  • オンリーワンである一輪の花は、ある人にとってはグッピーである。しかしそれをしっかり握りしめるには、多くの時を費やさなければならない。

2008年10月 2日 (木)

「グッピーへの招待」 和泉克雄 その5

第4章 グッピーの遺伝と法則
 第1節 ハーネル,ホイトニーの言葉

  • 「ALL ABOUT GUPPIES」の遺伝の箇所を長文引用。

 第2節 グッピーとエンドウ豆

  • 私達はグッピーによって遺伝の勉強をするのではなく、遺伝の法則その他を応用して、この魚をより美しく、より丈夫にしたいと想う者である。

 第3節 優勢と劣勢

  • 両親の遺伝形質が遺伝しやすいという意味で<優性>であり、両親の遺伝形質の中の遺伝してもらいたい部分が遺伝しがたいという意味で<劣性>なのである。

 第4節 グッピーとホシカメムシ

  • ホシカメムシのオスとメスから染色体の相違が発見された。
    以下性染色体と常染色体、ホモ(XX型)とヘテロXO型)、さらにZW型、ZO型の話へと進展。

 第5節 単性雑種

  • 二つの対立する形質のものを交配すると、一方の形質があらわれるこれを単性雑種という。

 第6節 グッピーとヴェリフェラ

  • 原種ベリフェラのF1の性比は1:1、F1同士の交配のF2はオス25%、メス75%、F3同士ではオス5%、メス85%、中間性10%となり、近親交配により急速に劣性となる。
    グッピーとは同じ卵胎生魚でもその違いははなはだしい。

 第7節 突然変異

  • 突然変異はその形質が子孫に遺伝するが、変異の中で、環境や栄養などの影響から現れたものは遺伝子しないので個体変異とやばれる。

    突然変異の特徴は、変化が不連続であること、中間型がないこと、遺伝子や染色体に変化に変化が生じたもの、等である。

    グッピーは突然変異の魚であるといえる。もし個体変異だけのものであったら、すばらしいグッピーは、今もって見ることが出来ない。

    改良とか固定化は、この魚の持つ天与の変幻性にあって、人間のなしえたことはほんの小部分にすぎない。

 第8節 グッピーとオシロイバナ

  • 赤花と白花を交配すると、優性の法則ではF1では赤花になると考えられるが、オシロイバナの場合中間的な形質であるモモ色となる。

    このような形質では、優性、劣性の関係が不完全なもので<不完全優性>と言われている。また、このような中間的形質を持った雑種を<中間雑種>と言っている。

 第9節 もどし交配

  • 産まれた子と、親とを交配することを<もどし交配>という。子がホモかヘテロを調べるのに用いることもできる。

    両棲雑種、重複遺伝子、条件遺伝子、抑制遺伝子、ポリジーン説について説明。

 第10節 グッピーの尾びれとニワトリのとさか

  • 補足遺伝子又は相互遺伝子について、ニワトリのとさか(マメ冠、単冠、バラ冠、クルミ冠の4種)の遺伝で解説。、

 第11節 グッピーの特質

  • 近親交配による純系グッピーが10代か15代で、美しくなくなり、繁殖力が減退していくことに気を配る。
    致死遺伝子についての話

 第12節 禁じられた色

  • アメリカではオスの赤い色は禁じられている。赤の色素が濃くなればなるほど、劣性形質となり、衰えが進むことが分かった。

「グッピーへの招待」 和泉克雄 その4

第3章 すばらしいグッピーの作り方
 第1節 すばらしいグッピーとは

  • こんな面白い魚もいないと思っているある種の人に、この魚を飼い続けることによって、美の一つの在りかと、在り方、その秘密と、その永続性を知ろうとしながら、飼われているグッピーを言う。

 第2節 すばらしいグッピーを作るには

  • この魚のすべてを、納得いくまで知る、以外に方法はない。純粋な情熱と長い経験と知識だけが、素晴らしいグッピーを作る。

 第3節 改良種と純粋種

  • 純粋種のグッピーとは、改良種の完成されたものであり、それ以上の大きな変化はない、とされた品種となったものを言う。そして優秀な子を交配させていけば半永久的に、その種の独創性は保たれるグッピーを言う。

    純粋種は新しい改良種を作り出すための、最短距離にある魚である。

 第4節 純粋種の見分け方

  • 純粋種のグッピーは、オスにはそのオス特有の、同系統の色彩と紋様と形があり、メスにも同じことが言える特色がある。

    グッピーはすぐ子を産むので、それが純粋種であるか否かは、2ヶ月後にははっきりする。

    デルタテール・オブ・フォンテーヌの場合では尾びれの色は、濃いオレンジ色又は空色、或いは薄いむらさき色であるが、基部から先端に、黒又は赤、或いは青の小さな斑点が5列又は6列に並んでいる。背びれはあまりながくのびない。背びれの色は、薄い空色か青、ボディの色彩はあまりはでではない。

    メスは生後1ヶ月で尾びれのつけ根に、黒っぽい斑点が現れ、2ヶ月で、その斑点は、菊化石のような紋様になり、3ヶ月で、その紋様に黄と青が加わり、4ヶ月で菊化石のような紋様は薄い空色と白っぽい波状の紋様に変わり、それは小さな青い斑点を無数に並べる。

 第5節 選別と除去

  • 生後2~3週間ぐらいになると、尻びれのゴノボジウムによって性の判別が出来る。容器の下か、脇から光を当てると、それがよく見える。その後は親と違うものを除く。

    2ヶ月ぐらいまでに、4cmぐらいになり、この頃になると、オスの尾びれの色彩に様々な違いが出てくるから、色彩別、或いは紋様別に分け選別する。

    生後2~3週間ぐらいメスの尾びれには、無地の場合が多いので、体格のよい、尾びれの大きいものを選ぶ。

 第6節 処女のメス

  • 選別と除去の目的の一つに<未婚のメス>を確保する、ということがある。

 第7節 純粋種の設定

  • 純粋種のグッピーは有名な<メンデルの法則>を応用することによって確実に作ることが出来る。

 第8節 純粋種と品種改良

  • グッピーの純系を作り、同時に品種改良をするということは、新種を作出することでもある。
    この方法には、選択法、交雑法、人為的突然変異法がある。

 第9節 色彩について

  • ひれの長いグッピーに見られる短所はひれの色彩のはなやかさに較べ、ボディの色彩や斑文の美しさが、野生種のや交雑種より劣る場合が多いことである。

    グッピーの色彩は、希望する色を多く持つ純系のオスを多用することによって、現すのが正攻法である。

 第10節 劣性斑点

  • 劣性斑点とは私の造語である。

    赤系統のメスの尾びれに、黒の斑点が多かったり、墨を塗ったように黒くなっていたり、ピンク色の斑点がつけ根にあるのは、伴性遺伝の現れであり、劣性形質といえる。

 第11節 出産についての注意

  • 妊娠したグッピーの突然死の原因を11項目挙げ、半分以上は人為的なものだと解説している。

 第12節 すばらしいグッピー論

  • ギュンター・ステルバ博士の言葉を引用。
    ※前節まで展開はこの言葉を分解しているような気がします。

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