「フィッシュライフ」 昭和44年2月 通巻20号 その2
金魚のカラー写真 杉彰・田中紀
ランチュウとコメットのカラー写真
グッピーコーナー
ヒロセ スワローグッピーのカラー写真
作出者 生き物趣味の会会員 広瀬譲
日本治生産業 山崎亨司
中国金魚の由来と飼い方の注意 熊谷孝良
- 終戦後の日本人には、水泡眼、珍珠鱗などの余りにも珍稀性、グロテスクさが素直に受け入れられず、ごく少数の繁殖家(三京水産・直井氏)により僅かに保持されるにすぎなかった。
とくに郡山の島田氏は、中国金魚を日本人向きに改良することで実をあげた。
1,水泡眼
2,珍珠鱗
3,花房
4,翻鰓(ファンスウ)
- 恐らく日本人向きのしない魚で、将来も飼われることは無いと思う。
元祖中国金魚譚 木村 重
- 金魚こそは、東洋人が、それこそ東洋的趣味と、箱入り娘的魅力とを満たすように作成し、今もなお改良を続けている指折りの観賞魚である。
従ってその鑑賞法は熱帯魚と異なる静的なもので、均整の獲れた体型と優雅な泳ぎ方、及び調和のとれた色彩が条件となる。
が、中国では古来、かめで飼って上からだけ鑑賞してきたので、色彩や泳ぐ姿は別として、その体形は均整のとれたものよりは奇形、珍妙な形を貴んできた。
形からの名 次の4種を基本型としている。
- 1,草金魚(ツァオチンユイ)
ヒブナ型のこと。草とはつまらぬものの意味
2,文金魚(ウェンチンユイ)
ワキン型のこと。
3,龍金魚(ロンチンユイ)
デメキン型のこと。
4,蛋金魚(タンチンユイ)
ランチュウ型のこと。頭のこぶは問題ではない。蛋とは鶏卵のこと。
これらの形が千変万化して次の品種が作成されたとする。
5,燕尾(エィンウィ)
リュウキン
6,鳳尾(フォンウィ)
出目リュウキン。黄金色が最上。
7,朝天龍(チャオティンロン)
チョウテンガン。向天龍(シャンティンロン)ともいう。
かめの中で飼う時、うす暗い所でも眼が電灯のように輝くものを最上とする。
8,水泡眼(シュイパオユェン)
水泡が丸く大きく、体も卵円短尾を優良品とする。
9,鶴頂紅(コワティンホン)
タンチョウ。別名珠砂頂(チュシャティン)。眼の縁に藍色や黒色の点がぐるりとあるのが最優秀品種。
10,絨球(ジュチュウ)
ハナブサ。
11,獅子頭(ツツトウ)
シシガシラ。背びれのあるシシリュウキンもこの仲間にいれる。
12,老虎頭(ラオフゥトラ)
オランダシシガシラ。鱗が細かく全身あでやかに赤いのが優秀品。
13,珍珠(チンシュ)
シンジュリン又はパール。(※チンシュリンとは書いていません)。頭と吻はネズミのように尖り、胴がまん丸く、まるでオリーブの実のようなのが絶品。
14,翻鰓(ファンツァイ)
鰓蓋が外側にめくれあがり、鰓がみえるもの。
色彩の名
- 満紅紅(マンホンホン)全身紅色
小桃紅(シャオタオホン)全身うす桃色
金縷衣(チンロウイ)全身黄金色
霜葉飛(シァンエイフィ)晩秋の紅葉色
堆雪(ツォイシュイ)頭だけ白色
(火編の濁)影揺紅(ツウイェンヤホオン)全身白色で、紅色が点々とある。
満庭芳(マンティンファン)属に満天星といい、紅色の細かな点が全身にある。
雙紅豆(ソァンホントウ)頭と尾が紅色
酔春風(ツォイチュンフォン)両頬が紅色で他は白色。美姫が酔い春風に吹かれた姿。
黄鶯児(ホワンエンル)全身黄色
瑤台月(ヤオタイユウ)全身白銀色。但し光沢のないものは玉堂春(ユイタンチュン)
混堂竜(ホンタンロン)真黒の出目
天仙子(ティンシェンツ)藍色。これより淡色なのは青玉葉(チンユイアン)
碧牡丹(ピイムゥタン)緑色の珍品
玉抱肚(ユイパオトウ)腹側が純白
下山虎(シャシャンフウ)黄金色に黒い斑点のあるもの。
水晶簾(シュイチャンリェン)透明鱗
五花(ウウホァ)五色
斑花(パンホァ)各色混じったまだらのこと。
眼の形と色
- 龍眼は出目
朝天眼は頂天眼
水泡眼
免子眼(トゥツユェン)両眼が深紅色。全身が白銀色のシロウサギは特に珍重される。
聯珠眼(リェンチュウユェン)眼が黒く、周囲が紅色で、さらに黒か藍色の斑点がぐるりとあるものは極めて稀であるが、、若し丹頂にこの眼があれば垂涎の的となる。
茄子眼(チャツユェン)出目と水泡眼の中間で、泡眼が電球状のもの。
葡萄眼(プタオ)出目の変形と色変わり。
尾の形
- 扇尾(シァンウェイ)
孔雀尾(コンチャオウェイ)
草裾尾(ツアオチュンウェイ)フラダンス用のスカート状のもの。
金魚の評価
1,体格 発育程度 10点
2,体型 長短と外形 10点
3,色彩 模様と鮮明度 10点
4,ひれ 形と長短 10点
5,尾ひれ 大小と開き方 10点
6,概観 見た時の直感 50点
パールやハンブサでは
1,体型 20点
2,色彩 10点
3,ひれ 10点
4,尾ひれ 20点
5,鱗かはなぶさ 30点
6,眼 10点
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