「重要淡水魚とその養殖」 大島正満 寳文館 昭和21年
「重要淡水魚とその養殖」 大島正満 寳文館 昭和21年9月1日 B6版 P.64 定價4圓5拾銭
本書は単なる淡水魚の飼育書や図鑑ではなく、戦後の食糧難を乗り切る方策として、内水面利用による水産資源増産のための手引き書です。
ということで、写真や図版はほとんどありません。物資がない時代なので紙質はわらばん紙に近いようです。また、終戦直後の本なので旧漢字が使われていて読むのに少し苦労しますが、文体は楽しめます。
小冊子風なので古書界ではほとんど見かけません。
著者の大島正満氏はサケ科魚類の研究者として有名で、大学で使うような専門書も著していますが、それ以外でも機関誌「淡水魚」で有名な淡水魚保護協会から昭和56年に研究成果をまとめた「大島正満サケ科魚類論集」(昭和40年に亡くなっている)や、昭和32年に楡書房から「桜鱒と琵琶鱒の研究」などを著しています。
これらはいずれまた紹介することにします。
釣り本で「雷魚」関係のものは新刊、古書とも人気があるようですし、熱帯魚飼育者で「蛇頭」つまりスネークヘッドに興味を持っている人も多いようなので、「カムルチーの養殖」は面白いかも知れません。
因みに「カムルチーの生活史及び養殖法」昭和8年という本もありますが、大変高価です。
【構成】
扉
自序
目次 ※第何節とは書いてありません
緒言
第1章 小鮎とその養殖
第1節 概説
第2節 鮎と小鮎
第3節 小鮎の河川放流
第4節 小鮎の池中養殖
第2章 農山村の副業に適する養鱒
第1節 概説
第2節 鱒類の池中養殖
第3章 鯉とその養殖
第1節 概説
第2節 鯉の池中養殖
第3節 稲田養殖
第4章 鰻とその養殖
第1節 概説
第2節 鰻の池中養殖
第3節 天然鰻と養殖鰻
第5章 泥鰌とその養殖
第1節 概説
第2節 稲田利用の泥鰌養殖
第6章 カムルチーの養殖
第1節 概説
第2節 カムルチーの養殖
奥付
-----メモ-----
寳=ホウ、たから
西暦1946年=昭和21年
関連本 養魚系
« 「グッピーへの招待」 和泉克雄 その7 | トップページ | 「重要淡水魚とその養殖」 大島正満 その2 »
コメント